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S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲9-4

2006-08-24 14:05:03 | 真冬の狂想曲
9-4
 俺達が「マイ・フェアレディ」を出ると俺とノブに付いていた女達も一緒に出てきた。
「松、俺眠いけ女やらいらんぞ、早くホテルに帰って眠りたいんやけ。」
「いいっちゃ、やっちゃん。たまには女遊びせな!この女達もこのまま帰ったら怒られるんやけ。いいけホテルに連れて帰り!」
 そういい残して松は「サブリナ」の女とタクシーに乗り込んだ。俺達はそれを見送ってからタクシーを拾った。
 5分程で「飛鳥ホテル」に着いた。俺はタクシーの運転手に2千円渡し、釣りを受け取らずにタクシーを降りた。女達はホテルの横にあるコンビニに立ち寄り、ジュースとコンドームを買ってきた。女達をホテルの1階にあるエントランスホールで待たせ、俺とノブは地下1階にあるフロントまでルームキーを取りに行った。
 7階でエレベーターを降り、ノブとそこで別れた。女は俺について部屋に入ってきた。
「ワタシ、シャワー…。」
 俺は何も答えず、手振りでバスルームに行っていいと告げ、ベッドに身体を投げ出した。女がシャワーを浴び終わるより早く、俺の意識は遠くなった。
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真冬の狂想曲9-3

2006-08-23 16:42:40 | 真冬の狂想曲
9-3
 女は自分が知りうる限りの日本語を駆使して俺とコミュニケーションを取ろうとしているが、酔った俺の脳みそは、それを拒絶していた。結局、ママとキムを中継して会話は進められていった。しかし、ノブは必死で理解しようとし、ノブに付いた女も必死に口を動かしている。ときどき女二人は韓国語で話していた。俺は悪口を言われているような気がしてならない。実際はキムもそばにいるので、悪口なんて言えるはずもないのだが…。
ノブが何とか会話らしきものが出来だした頃、松が、「サブリナ」で松の横に座っていた女と腕を組んで現れた。松の女房も俺とは同級生で友達なんで、俺は少し複雑な気分だ。松はその女と一緒に俺とノブの間に身体を割り込ませて座った。松はキムに5曲続けてカラオケを歌わせた後、飲み代をキムに渡し、キムからママへと支払わせた。

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真冬の狂想曲9-2

2006-08-21 09:28:21 | 真冬の狂想曲
9-2
 キムに手を引かれて5分程歩くと「マイ・フェアレディ」と看板に書いてあるラウンジに着いた。コイツ等はヘップバーンが好きなんだな、なんて思いながら店に入った。店に入ると、少し太ったママが俺達を迎え入れ、一番奥のBOX席に案内した。夜中の3時だというのに、俺達の他にもう2組の客が店にはいた。客の一人は若いホステスの腰に手を回して、カラオケで耳障りなノイズを垂れ流している。

 俺達はBOX席のソファに身体を沈めた。ママはもう一度俺達に挨拶をしてから、酒の用意にカウンターに向かった。
「首藤さん、どの娘がいいですか?誰でもいいですよ。指差して下さい。」
店内には、ママ以外に6人程の女がいた。
「誰が良いとか無いから、気にしなくていいよ。」
正直俺はもうホテルに帰って眠りたかったが、松が後で合流すると言っていたので帰る訳にもいかなかった。なにせ金もあまり持ってなかった。
ママが酒を用意するより早く、キムが女を二人俺とノブの横に座らせた。二人とも若くてかなりの美人だ。女達は俺達に挨拶したが、あまりにも日本語がたどたどしくて聞き取れない。それとも俺はかなり酔っているのか。それからまもなくしてママが酒を運んできた。ママの日本語はかなり流暢だ。日本人となんら変わらない。

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真冬の狂想曲9-1

2006-08-19 16:06:55 | 真冬の狂想曲
9-1
 俺達がカジノの入っているビルを出ると、キムが待っていた。かわいそうに、唇が紫色になっている。
「キムさん、中に入ってくれば良かったのに。外は寒かったやろ?」
12月の東京の夜には、小雪が舞っていた。
「大丈夫ですよ、首藤さん。気を使ってくれてありがとございます。私達、あの店入れませんね。」
 コイツらもいろいろ大変なんだなとは思ったが、俺には関係ない。声をかけたのも、ただたんに声をかけただけだった。俺も意外と八方美人だ。
 松は寒そうに震えるキムに自分が寒いので早く次ぎの店まで連れて行くように急かせた。俺も非道い人間だが、松の非道さには頭が下がる。自分以外は虫けら扱いだ。しかし良く教育されたキムは表情を緩ませ、意気揚々と俺達を次の店まで案内しはじめた。
「すぐそこですので、行きましょう。こちらです。さあ。」
 俺達は小雪の舞う歌舞伎町を歩きはじめた。3歩も歩かないうちに、松はキムの耳元で何かを囁き、俺とノブにキムと一緒に先に店に行っててくれと言い残し、俺達とは逆方向に消えていった。
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真冬の狂想曲8-9

2006-08-18 15:01:07 | 真冬の狂想曲
8-9
 松のチップは増えたり減ったりを繰り返している。俺のジントニックはもう3杯目を飲み干そうとしている。俺の年収の倍ぐらいの金が、ほんの2時間ちょいで無くなろうとしているのを見ているには、シラフじゃしんどすぎる。
結局、松はチップが30枚に戻ったところで換金した。800万円の負けだ。しかし最後は格好つけて、文句も言わずにカジノを後にした。
カジノを出たところで、ノブの肩に手をまわした。
「ノブ、明日朝一で会社に電話して、俺の西銀のほうの口座に1本振り込むように言っちょけ!解ったか、朝一ぞ!」
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