ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

神曲〈1〉地獄篇

2009-04-29 17:08:58 | Weblog
ダンテ・アリギエーリ著、寿岳文章訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ

少し前に読んだ『ヴァンパイヤー戦争』の登場人物ムラキが、作中で読んでいた『神曲』。
やはり読んでおくべきだろう、と思って、読み始めた。

イタリアはフィレンツェの詩人。
読み始めるまで知らなかった。なんとなくドイツの人かと思ってた。

イタリア人って、ワインを飲んでて、もっと陽気で、おおらかな人たちなのかと思ってた。
まあ、どこの国にも例外はいるか。

まだ、地獄編、煉獄編、天国編とある最初の地獄編を読んだだけだけど、
そんなに世の中をうらんでどうするの?! と言いたくなった。少し。
「かくあるべき」が強すぎて、その裏返しと言うか・・・。
きっと当時のフィレンツェは、いろいろと生きにくいところだったのだろうけど。

詩人だから、いろいろと人生や世の中のことを悩まないと、
いい詩はうまれないんだろうとも思うのだけど・・・、
あ~、ねちっこい。

訳文は文語っぽい表現もあるから、読みにくいと感じる人もいるだろうけど、
私は韻文の雰囲気が出ていて、とてもよかったと思う。
本としては、もちろん、とてもいい本。

ただ、ダンテは・・・、もし同級生にいたら、他愛もないイタズラをしかけて、
思わず、からかいたくなったような人だろう、と思う。悪いけど。

もっと東洋的というかインド的というか、
すべてに「ま、ごちゃまぜで、こんなんで、お日さまが出てるしいいんじゃん」みたいな、
人生を楽しむ雰囲気、ユーモアが欲しい。

モテなかった優等生はねえ・・・。という印象だろうか。
ダンテさんのことは知らないけど、まあ、物語としては面白いし先が気になるから、続きを読もう。