ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

Twitter

2009-12-08 18:25:15 | Weblog
最近どうも発想がネガティブなのだが、ここ数日はTwitterに助けられてると感じる。

mixiは、始めたキッカケが同窓会だったので、
そこでの人間関係に疲れたとたん、ログインする気持ちが失せてしまった。
かつての同級生にはもちろん、その他の友人にも申し訳ないけれど、
面識がある人なだけに、コメントしてくれたら返事をしなければならない、
というプレッシャーが重かった。

ブログは、書くのは大好きだけど、考えたり感じたことを、
なるべくちゃんと書きたいと思っているので、体力がいる。

その点、Twitterは気軽で、感覚的に言葉を発することができるし、
人間関係が希薄なので、キーワードで検索して、
面白そうだけど実際は会ったこともない人の発言を
勝手にフォローすることができる。

いま一番必要としていたのは、もしかしたら、
こういう場というか空間だったのかもしれないなあ、と思った。

仕事で、人数が少ないわりにはチームワークなんてない環境にいるし、
こちらが話をしたら、その分相手の話も聞かなければならない。
そうすると、少人数では、どんどん雰囲気が濃くなるいっぽうになり、
それがストレスの原因でもあったわけだから、言いっぱなしができるTwitterはラクだ。
そして、たまに友人が反応してくれると嬉しい。

世の中には、いろんなことに興味をもっている人がいるもので、
他人のつぶやきを眺めているのでも十分楽しい。
興味があるけれども追っている時間まではないものを、
誰かが追いかけてくれて、コンパクトに報告してくれるわけだから、すごく助かるし。
当分、活用してみようと思う。

でも、ブログに「まとめて投稿」するのはストップした。
なんだか、このブログとはコンセプトが違うような気がするから。
この、私にしか意味のない勝手な境界線が、またなんとなくいい。

スピノザの世界

2009-12-08 00:01:19 | Weblog
神あるいは自然 上野修著、講談社刊。

先日読んだポール・オースターの『ミスター・ヴァーティゴ』で、
師匠が愛読していたスピノザ。
一度読んでみようと思って『エチカ』とこの本を買った。

ぱらぱらと『エチカ』をめくてみたら、少し難しいような予感。
こちらから読んでみることにした。
とても読みやすくまとめられていたので、入門書としては最適だった。

17世紀のオランダ、ここがどんな風土だったのかは想像がつかないけど、
きっとスピノザは、とても自由な思考回路を持っていた人なのだろう、と思う。
というか、神をこんなふうに解体・再構築してよかったの?と思った。

スピノザは、人間が自由意志で感情を統御することに同意しない。
人間のできることは非常に制限されている。
だから、負け組になったのは自業自得さ、というような考え方はしない。
人間は自分たちが自由だと思っているから、他の人間をすごく愛したり、
逆に憎んだり、妬んだりするけれども、自由意志なんて幻想だと言う。

そして、神の概念は「自然」に近い。
もし「神」という言葉が、仏教のダルマという言葉に置き換えられていたら、
きっと私はスピノザの言葉を、普通に仏教のお話として受け止めただろう。

スピノザという人についてよく知らないけど、
マニ教とか、カタリ派などの影響を受けてはいないのかな。
ウィキペディアで、そのように書かれていないから、
きっとそんな証拠は見つかっていないのだろうけど、
その切り口でスピノザの思想を見つめてみたら面白そうだと思った。
誰か、研究してるのかな。

まだ『エチカ』にトライしていないから、違っているかもしれないけど、
西洋哲学の偉人のなかでは、
スピノザは、比較的日本人の心にフィットする哲学者の一人だと思う。