豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

青い果実

2007年08月03日 | Weblog
先日亡くなられた阿久悠さんの追悼番組を見ました。
阿久悠さんは、もちろん作詞家として屈指の方ですが、私達の世代にとっては、「スター誕生」の厳しい審査員としての印象が強い方でもあります。
当時絶大な力を誇っていた渡辺プロダクションに対抗して日本テレビが始めた番組だったということですが、次第に人気番組となり、歌手やタレントさんの登竜門としての地位を固め、花の中三トリオや岩崎宏美さん、伊藤咲子さん、そしてピンクレディーというスターを世に送り出していきました。追悼番組でも彼女達の歌が次々に紹介されていました。あるお一方を除いて・・。
応募者に対する審査員の先生方のかなり辛口な評価も番組の特色でしたが、阿久悠さんはその中でも審査員長として特に力を持っていた方のように感じていました。
まず最初に森昌子さんがデビュー。ついで桜田淳子さん、少し遅れて山口百恵さんがデビューされました。後に花の中三トリオと称される三人です。彼女達は番組の命運も背負っていたともいえる存在でした。
先にデビューした二人は、阿久悠さんが提供された歌詞でデビューされました。でも、山口百恵さんは別の方の作品でのデビューとなりました。デビュー当時は、期待の星というわけではなかったのでしょうか。そのあたりは専門家のゴジ健さんにご教示願いたいところですが、今日はそれどころではない?おめでたいことが起こっているので無理なお願いはできませんね。
大きな力を持つ阿久悠さんではなく、むしろ彼のライバルとなる方に託された百恵さんは、以後積極的に阿久悠さんと関わることなく、ご自分のスタッフを自身で選択し独自の路線を歩んで行かれたように思います。代表的な作品として浮かんでくるのは、デビュー当時のものとともに宇崎竜堂・阿木燿子ご夫妻の作品だったりします。
後年、百恵さんは「時代と寝た女・・」と評されるのですが、その言葉こそ、阿久悠さんから発せられたものだということでした。「時代」というものを常に意識してこられたという阿久悠さんからのこの言葉は、彼女に対する賞賛であることは疑いのないことだと思います。でも、その真の意図というものがもしあるのなら伺ってみたかったと思いました。

曇り空に映える青い果実 。
今年は、例年より実の付き方が多いような気がします。
まだまだ固いけれど、そろそろ一回り大きくなって色づき始める頃です。