ジャンダルム北側白い岩の棚にて
期日 : 2010年7月29~31日
メンバー: CL Akky、SL H.TAKEDA、S.KASAHAR、M.SAITO、M.KAWAGOE、S.TUTIYA (計6名)
7月29日 曇後雨
コースタイム
沢度9:50~10:20=上高地帝国ホテル前10:40~50―田代橋東屋(昼食)10:55~11:15―焼岳分岐14:10―西穂山荘(泊)14:20
歩行時間3:30、距離4.3km、標高差、2360-1500=860m
山行経過
昨年(2009年)に西穂からジャンダルム縦走を計画したが天候が悪く(雨の確率60%)中止にした。今年は曇又は曇後晴の予報なので実施。
予定通り沢渡に着いてタクシーで上高地帝国ホテル前まで行く。西穂高岳までは充分時間がある。ポツポツと雨が降ってきたので、田代橋の東屋で昼食の後カッパを着けて登る。シラビソなどの樹林帯を登って行く。雨が降っているが暑い。三時間程で稜線の分岐に到着した。昨年は花も咲いていたが今年はほとんど咲いていないようだ。西穂山荘は、ウィークディであるため宿泊客もあまりおらずゆったりとしていた。宿泊する部屋も10人部屋でゆったりできた。レストランでビールを飲んだりしてくつろいだ。
田代橋東屋で昼食と登山準備
14時20分に西穂山荘に到着
田代橋から西穂山荘ルート
7月30日 曇
コースタイム
西穂山荘5:35―西穂独標6:45~55―西穂高岳8:20~30―赤石岳9:30~40―間ノ岳10:15~25―間天(あいてん)ノコル10:55―天狗岳(昼食)11:15~45―天狗のコル12:10―畳岩ノ頭下13:05~15―コブ岩13:54―ジャンダルム登り口14:00―ロバノ耳下15:15~25―馬ノ背15:30~40―奥穂高岳15:50~16:00―穂高岳山荘(泊)16:40
歩行時間10:35、距離7.2km 標高差3,190-2,360=830m
山行経過
夜は雨が降っていたが朝起きたら上がっていた。でもガスがかかりあまり見えない。ガレのゆるい道を登って行く。丸山手前の2500m付近では少し雲が切れて一部青空や焼岳も見えたがまたガスが濃くなり見えなくなった。
独標からの急な下りを降り13のピークをアップダウンして西穂高岳に着いた。ここからは、前穂の釣り尾根、焼岳、霞沢岳、間ノ岳、天狗岳、ジャンダルムなどの厳しい稜線が見えるはずなのに残念。
西穂独標 2701m 展望は良くない
独標から厳しい下り
ピラミッドピーク 2770m ガスがかかる
西穂への登り
西穂山頂 2909m
西穂高岳からすぐに厳しく切り落ちた崖に着いた。上から見ると怖いが、良く見るとスタンスとも豊富であり、鎖を使用して慎重に下り、下をトラバースしてコルに着いた。小さいピークを登ると赤い岩の赤石岳に着いた。印が見えず磁石で進行方向を確認して進んだ。少し行くと赤テープがあった。
西穂高岳からの厳しい下り 鎖がある
下って岳沢側を巻く
赤茶けたガレの長いルンゼ状の岩場を登ると大岩の積み重なった間ノ岳に着いた。ここからは、ジャンダルムも見えるはずなのにガスで展望は無い。急な長い崖を二本の鎖と長い鎖を利用してコルまで降りて岩尾根を巻いくと、間天(あいてん)のコルに着いた。
天狗岳の逆層スラブ岩壁をフリクションと岩の割目をつかんで登る。意外にあっけなく天狗岳に着いた。ここで昼食にした。下りはまたも急な崖で慎重に降りた。下部は足場が見えず緊張した。
ようやく天狗のコルに着いた。Kさんは若い時にここまで来て疲れたのでエスケープルートで岳沢に下ったそうだ。振り返ると天狗岳と厳しい岩尾根がかすかに見えた。
ザレの赤茶けたルンゼを登り間ノ岳へ
間ノ岳山頂
山頂の岩を登る 展望はない
間ノ岳頂上直下の鎖場を下る
間ノ岳の長く厳しい下り
間天のコルへの下り
間天のコルから天狗岳への登り 逆相スラブ
逆相のスラブを登る
天狗岳山頂
天狗のコルへの下り
天狗のコルへ下る
天狗のコルの下り、下部 鎖場を振り返る
コルから畳岩尾根ノ頭への登り 右へ行くと岳沢ヒュッテへのルート
畳岩尾根ノ頭への登り
畳岩尾根ノ頭への上部ルンゼの登り 鎖がある
急な岩を登り畳岩尾根ノ頭、コブ尾根ノ頭と100m程登り、ジャンダルムの下に着いた。コブ岩尾根の頭からジャンダルムがきれいに見えるはずなのに。向かいの岩壁にかすかに上方向,ジャン、右方向 奥穂と書いてあるのが読めた。また左の黄色マークの方向に行くとジャンダルムの頂上に行くことができるようだ。真っすぐ行けばジャンダルムへ直登できるが、ガスがかかって見えないため今回は割愛した。右側が切れ落ちた岩壁を慎重にヘつりジャンダルムの奥穂側に出た。見上げると上部にスリングがかかっているが、下部は×印が付いておりここからの直登は危険と思われた。
コブ尾根の頭からジャンダルムが見えた
ジャンダルムと奥穂への分岐 かすかに文字が読める 奥穂側へへつる
ヘつって奥穂側の白い岩の棚に出た
ここから厳しい岩を下る。前にはガイドが付いたグループが下っていた。切れ落ちた崖を、足場を探しながら慎重に下った。降りてみるとそんなでもなかった。
コルからロバの耳の、大岩のあるルンゼをまた登り、トラバースした後、ロバの耳を下部を下った。晴れていれば鋭い岩峰がそびえていて足元も切れ落ち、緊張するがすばらしい所である。
コルまで下り馬ノ背と書かれた岩を登り、ナイフエッジの岩稜を慎重に登って行く。本当に両側が切れ落ちておりガスがかかってなければ、かなり緊張するところであろう。
白い岩下から鞍部へ下る
コルからロバの耳への大岩のあるルンゼを登る
ルンゼの登り リッジまで登り、トラハースして下る
トラバースしてルンゼ状を下る
ロバの耳からの下り 40m程下ると長めのトラバース
トラバースしてから逆相の岩場を下る
鞍部まで下りて馬ノ背へ登る
馬ノ背の登り
馬ノ背上部のナイフリッジ 前にピークが見えた
ピークを登るとようやくなだらかになり奥穂高岳山頂に着いた。長い緊張を強いられて精神的に疲れた。少し下り梯子と岩を降りると穂高岳山荘に着いた。長い一日であった。
ようやく奥穂山頂に着いた 奥穂山荘には16時40分に着いた
西穂高岳~恩穂高岳ルート
7月31日 曇後晴
コースタイム
穂高岳山荘5:40―奥穂高岳6:25―紀美子平8:10~20―岩の下9:00~10―長い梯子10:12―岳沢小屋11:45~12:20―林道13:05―上高地バスセンター13:30=沢度13:55~14:05=竜島温泉14:40~15:50=松本IC16:30=相模湖IC19:20
歩行時間7:30、距離 km、標高差3190-1499=1601m
山行経過
本日もガスが濃く、良く見えないが雨は上がっているので予定通り岳沢に下ることにした。
奥穂高岳頂上は相変わらずガスっておりジャンダルム、ロバの耳は見えない、あきらめて紀美子平に下る。南稜の頭を過ぎると二ヶ所鎖場があり、その下もやや厳しい下りである。一時間半で紀美子平に到着した。ここから前穂高岳山頂へは30分の登りであるが、ガスがかかり見えないことから割愛した。前穂はこれまで3回来ているがいずれも晴れたことは無い。
再び奥穂山頂へ
紀美子平の長い鎖を下るとゆるいガレであるが、少し濡れていて泥が付き滑りやすい。その下の急な崖の道をなおも下り、木の梯子や鎖場を下り、段差のある岩道を下って行く。乾いていればなんてことは無い道なのだけれども。手も泥んこになってきた。
長い梯子を下るとようやく岳沢小屋が見えてきて道がゆるくなって小屋に着いた。岳沢小屋は今年開設したばかりで木の香りがしてきれいな小屋である。管理棟は冬も残すが宿泊棟は、冬季は雪崩を避けることができないため撤去されるとのこと。
紀美子平にて
前穂への登り口
紀美子平直下の鎖場
紀美子平下のビークを下る
下って来た急坂を振り返る
崖を下って振り返る
長い梯子で急坂は終
岳沢小屋が見えてきた
新設された岳沢小屋
岳沢からの途中にある冷風穴
緊張が解けておいしいアルファ米の昼食を食べる。二時間ほどで河童橋に着いた。都会なみの混雑であった。
沢渡から車に乗り換え、タクシーの運転手に教えてもらった、島々付近にある竜島温泉に入って帰った。この温泉は安く混雑していなくて穴場である。高速道路は少し渋滞していたがほぼ予定通り平塚に着いた。
河童橋に着いた
奥穂岳から前穂岳、上高地ルート
リーダー感想
北アルプスでは一、二を競う難コースであり一年間トレーニングして臨んだ。3,000mのスリリングなコースであるが残念ながらガスがかかり下はほとんど見えなかった。このため緊張もそれほどではなかった。心配した切れ落ちた岩稜の下りでは、女性は我々より元気に大胆にクライムダウンした。
昨年計画して雨で中止にしたコースであり、今年は絶対晴れるようにとの期日を決めたが、曇りになってしまって展望の写真を撮ることができなかったのは返すも残念であった。
一つ一つの要素は難しくないのだが、縦走の時間が長く、絶えず緊張を強いられたことで精神的に疲れた山行であった。ウィークディを選んだため、山小屋は二軒ともゆったりしており快適であった。また、穂高山荘の夕食は美味しくにんきがあるのも理解できる。
ジャンダルムの写真を撮りに再度行きたいと思うこのごろです。
参加者感想
幻のジャンダルム KASAHARA
20代に西穂からジャンダルムを目指し、体調不良のためだったか、天狗のコルから岳沢に下山し、以来なぜか来る機会がなかった。今回45年振りに皆さんに同行させてもらい、ジャンダルムに挑戦出来ることになり、久々に若くない血が踊りました。
初日は小雨の中、西穂山荘迄。2日目 5時半濃霧の中を出発する。ピラミッドピークを過ぎると、時々霧の切れ間から青空がのぞき、西穂山頂が見えたが、この後は、終日濃霧は晴れなかった。
西穂の下りから急に道は厳しくなった。赤石岳、間ノ岳、天狗岳は、長いチェーンと絶壁の登り降りを何回も繰り返し、緊張の連続で、今迄に無く厳しい。微かに記憶に残る天狗のコルに、丁度12時にたどりついた。(岳沢小屋まで2~3時間。)ここから先は私には未知のルート。
14時にジャンダルムの西穂側に到着する。霧の中にぼんやりと黒く、幻のようにジャンダルム山頂が見える。壁の中腹に、微かに白ペンキで書かれた、上向にジャン、右向にオクホの文字が読みとれる。持ってきた説明書に、右回りに進んでから山頂に登るとあったので、ここからの直登は難しい方のルートと判断し、右回りに進み、10分程で奥穂側に出た。そこで山頂に登ろうとしたが、登るには危険で、壁に×印があり、残念ながら登頂を断念しました。
(先ほどまで後に付いて来た単独行の年配男性は、その晩、穂高山荘で会ったとき、西穂側からペンキの通り登り、15分ほどで山頂に立ったと話していました。)
その後は、ロバの耳、馬の背を越えて奥穂に着き、ようやく高度による緊張感から開放された。穂高山荘に16時40分着。延べ11時間の行程は、緊張の連続で大変厳しく、疲れました。3日目は奥穂、前穂のルートで下山しました。今回、ジャンダルム登頂は幻に終わりましたが、今度は天気の良い日に挑戦したい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます