【マンガ１００選】その１０ 三国志

言わずとしれた大長編歴史マンガ。

『三国志』
作者：横山光輝

ストーリー：
宦官の横行により政治が腐敗していた後漢末。太平道という宗教を起こした張角により黄巾の乱という大反乱が発生。朝廷は有力な将軍を討伐に向ける。琢県に住む一介の青年・劉備玄徳も関羽、張飛という二人の豪傑とともに義勇兵を結成し、黄巾族の討伐に乗り出す。曹操などの英傑たちの活躍により黄巾の乱は鎮圧された。が、劉備は恩賞もなく失意のうちに義勇軍を解散させた。

朝廷では霊帝の死後、董卓が献帝を意のままに操り専横していた。が、董卓が部下の呂布に殺されると曹操や袁紹、袁術、劉表、孫堅などの有力軍閥が群雄割拠し出す。そんななか劉備は皇帝の血筋を引く貴人として献帝から信頼を得る。しかし献帝を手中に入れた曹操が、片っ端から邪魔な勢力を倒していき、ついには中原で最大の勢力を誇っていた袁紹すらも破ってしまい、華北一帯を支配下におく。

劉備は一族の劉表の元に身を寄せ、その時に天下一の軍師・諸葛孔明を幕下に迎える。やがて曹操が天下統一に向けて南下しだすと、劉備は江南の孫権と手を結び、赤壁で曹操軍を破る。さらに荊州を手に入れた劉備は蜀に侵入。同族の劉璋を下して蜀を手に入れ、曹操の魏、孫権の呉に対抗できる地盤を作り、ここに諸葛孔明の天下三分の計が実現する。さらに漢中を手に入れて漢中王を名乗る。
曹操が没すると嫡子の曹丕は献帝から禅譲を受けて魏王朝を打ち立てた。これに対抗し、劉備も蜀漢王朝を建国する。

だが、荊州を守備していた関羽が、魏と呉の挟撃により敗れて殺されると、復讐のため呉へ進撃する。だがその直前に張飛が殺され、さらに夷陵の戦いで呉に完敗してしまう。失意の劉備は孔明に後事を託し没した。
後を継いだ劉禅は凡庸であり、人材も不足している蜀は魏の打倒を国是とした。そしてまずは南方で反乱を起こした孟獲を征伐。後顧の憂いを断ち、いよいよ北伐を開始する。孔明の知略に歯が立たない魏は、一度は失脚させられていた司馬懿に全権を委ねて防衛にあたらせた。快進撃を続けた蜀軍だが、街亭の戦いで、孔明が目をかけていた馬謖が孔明の命令を無視したために破れ、北伐は挫折した。その後も数度にわたり北伐を行うが、ついに五丈原での対陣中に病没してしまった。

孔明没後、蜀では孔明の兵法を継いだ姜維が遺志を継いで北伐を繰り返すが蜀の国力は疲弊していく一方であった。また、蜀帝劉禅は政治に見向きもせず、宦官を重用して遊んでばかりいるため、政治も腐敗していった。
ついに魏が派遣した艾と鍾会により蜀都・成都は無血開城し、蜀は滅びた。

感想：
三国志の定番中の定番とも言えるマンガ。いま読み返すと色々笑える点があったりするのだが、やはりこのマンガの影響度というのは高いと思う。ゲームの普及により、歴史マニアは正史を求めるようになり、それにしたがって吉川三国志＝三国志演義中心の横山三国志はあらが見えてくるが、孔明が活躍する40巻以降はやはり面白い。孔明の無敵の知略が読んでいて痛快で、それだけに志半ばで去った孔明の無念さが痛切に感じる。

全60巻のコミックスの他にコンビニ版もけっこう普及しているので、できれば集めたいが、、、。