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京都府立医大病院がノバルティスの社製品を使用停止にした話。
もともとは血圧を下げる薬であるディオバンについてのデータが
どうも怪しいってのが事の発端。
前職では治験の仕事をしてたんで、今回の事例は“悪い例”として
研修なんかに頻繁に登場することだろうな。
「うちじゃあディオバンの扱いはどうなんの?」
と、今の職場でさっそくDr.から問い合わせがありました。
扱いについては特に変わらないことと品質に問題無いわけで、
患者の希望があれば薬を変更しても良いかも。
と申し送り通りの返答。
データに誤りがあるわけで品質に問題はないわけだ。
けどデータに誤りがあるってことは有効性(安全性)に問題はないのか?
リンク先の現代ビジネスにはこんな記事が・・・
(バルサルタン(一般名)=ディオバン(商品名)です。)
「あの論文は、発表当初から大きな問題がありました。『脳卒中や心筋梗塞のリスクが下がった』という研究結果を強調したかったからか、不自然なデータが見られたんです。バルサルタンを投与した高血圧患者1500人と、バルサルタン以外の降圧剤を投与した患者1500人を約5年間調査した結果、双方のグループが到達した血圧値(1500人の平均)がほぼ揃っていました。データが操作され、血圧値が合わされた可能性が高い。なぜか? 実はバルサルタンは、降圧剤としてはそれほど高い効果はない。ほかの降圧剤と効き目で勝負しても優位性で劣るんです。だからこそ、プラスαの薬効を目立たせるため、血圧値を合わせる必要があったのでしょう。 '09 年に開かれたヨーロッパ心臓病学会で、松原氏はこの論文内容をスピーチしたのですが、ヨーロッパの医師たちはデータの信憑性が乏しかったためか、黙殺しました。スイスの高血圧の専門家だけが『本当ならば素晴らしい薬だ』と断ったうえで、『私の母親には投与したくないが、妻の母親になら使う』と皮肉っていました」
ドル箱降圧剤の論文撤回「有名教授(京都府立医大)と製薬会社(ノバルティスファーマ)の闇」 | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]
ノバルティス社の言い分はこれ
今回問題となった医師主導臨床研究は、バルサルタン(製品名:ディオバン®錠)の承認取得、あるいは添付文書の改訂には使われておりません。したがって、ディオバン錠の添付文書の情報に何ら変更はございません。本剤の有効性・安全性の評価に問題がないことについて患者の皆様やそのご家族、および医療従事者の皆様方のご理解を賜りたくお願い申し上げます。
とりあえず有効性、安全性に問題ないとのことだけど、
失った信用を取り戻すのは大変ですね。
患者「別の薬、不安も」 府立医大病院、ノバルティス使用停止 : 京都新聞
血圧降下剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験をめぐる問題で、京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が販売元のノバルティスファーマの医薬品を原則使用停止にしたことに対し、患者からは薬の切り替えに不安の声が上がっている。同大学は「悪質性が高ければ停止を継続する」としているが、臨床試験を実施した大学側への患者の不信感も強い。
府立医大の臨床試験は2004~09年に松原弘明元教授を中心に進められ、今年になって「データ解析に誤りがある」などとして論文が撤回された。ノ社の社員がデータ解析を担当したが、大阪市立大所属と記されていた。「不適切な関与」とノ社も認め、府立医大病院は5月24日からノ社の医薬品を原則使用停止とした。
停止対象はバルサルタンを含め47種類で昨年度の取引額は約3億円。外来受け付けなど約20カ所に説明文を掲示、担当医からも患者に個別説明しており、「大きな混乱はない」(同病院)という。
バルサルタン問題は大学の調査委員会が検証している。約3千人の臨床試験でデータが多く、最終の結論はまだ先になる見込み。停止措置をどうするかは「調査委員会の結論を見て決める」(同病院)といい、解除の見通しはない。
患者からは「薬の切り替えを不安に思う人もいるが、患者は弱者なので医師には言いづらい」(63歳女性)、「一方的な決定。別の薬で同じ効能が得られるのか心配な人もいる」(40歳男性)など不安の声が出ている。
「臨床試験で製薬会社への利益誘導があったのなら、日本の医療の信頼性は地に落ちる。製薬会社と大学の癒着を断ち切るべきだ」(53歳男性)と、ノ社や臨床試験を行った大学への批判も強い。
同病院の対応についてノバルティスファーマは「病院の判断は大変残念だ」とコメントしている。
もともとは血圧を下げる薬であるディオバンについてのデータが
どうも怪しいってのが事の発端。
前職では治験の仕事をしてたんで、今回の事例は“悪い例”として
研修なんかに頻繁に登場することだろうな。
「うちじゃあディオバンの扱いはどうなんの?」
と、今の職場でさっそくDr.から問い合わせがありました。
扱いについては特に変わらないことと品質に問題無いわけで、
患者の希望があれば薬を変更しても良いかも。
と申し送り通りの返答。
データに誤りがあるわけで品質に問題はないわけだ。
けどデータに誤りがあるってことは有効性(安全性)に問題はないのか?
リンク先の現代ビジネスにはこんな記事が・・・
(バルサルタン(一般名)=ディオバン(商品名)です。)
「あの論文は、発表当初から大きな問題がありました。『脳卒中や心筋梗塞のリスクが下がった』という研究結果を強調したかったからか、不自然なデータが見られたんです。バルサルタンを投与した高血圧患者1500人と、バルサルタン以外の降圧剤を投与した患者1500人を約5年間調査した結果、双方のグループが到達した血圧値(1500人の平均)がほぼ揃っていました。データが操作され、血圧値が合わされた可能性が高い。なぜか? 実はバルサルタンは、降圧剤としてはそれほど高い効果はない。ほかの降圧剤と効き目で勝負しても優位性で劣るんです。だからこそ、プラスαの薬効を目立たせるため、血圧値を合わせる必要があったのでしょう。 '09 年に開かれたヨーロッパ心臓病学会で、松原氏はこの論文内容をスピーチしたのですが、ヨーロッパの医師たちはデータの信憑性が乏しかったためか、黙殺しました。スイスの高血圧の専門家だけが『本当ならば素晴らしい薬だ』と断ったうえで、『私の母親には投与したくないが、妻の母親になら使う』と皮肉っていました」
ドル箱降圧剤の論文撤回「有名教授(京都府立医大)と製薬会社(ノバルティスファーマ)の闇」 | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]
ノバルティス社の言い分はこれ
今回問題となった医師主導臨床研究は、バルサルタン(製品名:ディオバン®錠)の承認取得、あるいは添付文書の改訂には使われておりません。したがって、ディオバン錠の添付文書の情報に何ら変更はございません。本剤の有効性・安全性の評価に問題がないことについて患者の皆様やそのご家族、および医療従事者の皆様方のご理解を賜りたくお願い申し上げます。
とりあえず有効性、安全性に問題ないとのことだけど、
失った信用を取り戻すのは大変ですね。
患者「別の薬、不安も」 府立医大病院、ノバルティス使用停止 : 京都新聞
血圧降下剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験をめぐる問題で、京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が販売元のノバルティスファーマの医薬品を原則使用停止にしたことに対し、患者からは薬の切り替えに不安の声が上がっている。同大学は「悪質性が高ければ停止を継続する」としているが、臨床試験を実施した大学側への患者の不信感も強い。
府立医大の臨床試験は2004~09年に松原弘明元教授を中心に進められ、今年になって「データ解析に誤りがある」などとして論文が撤回された。ノ社の社員がデータ解析を担当したが、大阪市立大所属と記されていた。「不適切な関与」とノ社も認め、府立医大病院は5月24日からノ社の医薬品を原則使用停止とした。
停止対象はバルサルタンを含め47種類で昨年度の取引額は約3億円。外来受け付けなど約20カ所に説明文を掲示、担当医からも患者に個別説明しており、「大きな混乱はない」(同病院)という。
バルサルタン問題は大学の調査委員会が検証している。約3千人の臨床試験でデータが多く、最終の結論はまだ先になる見込み。停止措置をどうするかは「調査委員会の結論を見て決める」(同病院)といい、解除の見通しはない。
患者からは「薬の切り替えを不安に思う人もいるが、患者は弱者なので医師には言いづらい」(63歳女性)、「一方的な決定。別の薬で同じ効能が得られるのか心配な人もいる」(40歳男性)など不安の声が出ている。
「臨床試験で製薬会社への利益誘導があったのなら、日本の医療の信頼性は地に落ちる。製薬会社と大学の癒着を断ち切るべきだ」(53歳男性)と、ノ社や臨床試験を行った大学への批判も強い。
同病院の対応についてノバルティスファーマは「病院の判断は大変残念だ」とコメントしている。
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