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選挙結果:AKPは過半数届かず、HDPは10%を超えた

2015年06月08日 | 国内
6月8日 与党・公正発展党が過半数に届かず、人民民主党(HDP)が、党としての国会入りに必要な10%を突破しました。トルコ政界の地図に劇的な変化が起こりました。

 Hurriyet

大統領制の実施によってより強力な権力を持とうとしたエルドアン大統領の望みは、クルド問題に焦点を絞ったHDPの躍進によって阻まれました。約12%の票を得たHDPは、国会の550議席の中の約80議席を得ることになります。過去、HDPは10%を取れなかったため、トルコの選挙制度によって、AKPは、トルコを大統領制に変えるに必要な国会議席の3分の2を持っていました。

しかし、AKPは、今回、過半数獲得に失敗しました。HDPがトルコの政界地図を変えられたのは、南東アナトリア地方の草の根的支持が大きかったでしょう。トルコの選挙制度のおかげで、過去、親クルド政党が政党として国会に入れなかったことは、与党AKPには好都合でした。しかし、7日の投票結果で、HDPは自らの力を証明しました。

AKPは、首都アンカラでは議席数を維持できましたが、大都市イスタンブルとイズミルでは得票数を落としました。最大野党・共和人民党(CHP)は、25%の得票を守りました。CHPの選挙マニフェストはひろく関心を呼びましたが、票にはつながりませんでした。この選挙結果は、エルドアン大統領の大統領制への野望を阻止するために、本来のCHPへの票が、HDPへの支援に流れたのではないかと見る評論家もいます。

愛国者運動党(MHP)は、AKPと連帯しているのではないかと言われましたが、選挙結果に影響は与えられませんでした。2011年の国会選挙では、MHPは13%の票を得て53議席を獲得しましたが、今回は17%を得て81議席となりそうです。


「わが党が10%を超え、大統領制論争は終わった」HDPデミルタシュ共同党首

人民民主党(HDP)のセラハッティン・デミルタシュ共同党首は、わが党が10%以上を獲得したため、大統領制に関する論争は終わったと言い、エルドアン大統領が主唱している新しい大統領制の実施は許さないと断言しました。

 Hurriyet
HDPのデミルタシュ共同党首(左)とユクセクダー共同党首


「いまこのとき、トルコの大統領制に関する論争、独裁制に関する論争は終わりました。わが国はぎりぎりの危険を逃れました」とデミルタシュ共同党首は、6月7日夜、同党のフィゲン・ユクセクダー共同党首とともに、イスタンブルのHDPのビルでの記者会見で語りました。

デミルタシュ氏はまた、「選挙キャンペーン中に約束した通り、公正発展党(AKP)との連合政府はつくりません」と言いました。「わが党は国会内で強い野党になります」と彼は誓いました。「この選挙結果は、民族、宗教、経済と関係なく、“抑圧された人々の勝利”です。われわれは厳しい、不平等、不公正な条件下で選挙戦を戦いました」

同党のフィゲン・ユクセクダー共同党首は、「過去12年間の時代おくれの政策は、トルコの政治だけでなくトルコ社会をも破壊しました」と言いました。


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6月7日 総選挙

2015年06月08日 | 国内
6月7日(つづき)5370万人以上のトルコ人有権者が、6月7日、国会議員選挙のために投票所へ出かけます。

 Hurriyet
軍のヘリコプターが選挙センターから、シリア国境に近いリジェ、ハニ、ディジュレの3地区へ投票用紙と選挙要員を運んだ。


現政権・公正発展党(AKP)は、今度の選挙を、エルドアン大統領が導入したいと考えている強力な大統領制への重要なハードルと位置づけています。しかし、もしクルド問題に焦点を絞っている人民民主党(HDP)が10%を超す票を得れば、AKPの議員はかなり減り、憲法改正に必要な330議席を得るのはほとんど不可能になります。

HDPは選挙キャンペーン中、何度も攻撃を受けてきました。キャンペーン・バスの運転手ハムドゥラ・オーエさんは6月3日、殺害され、5日には、ディヤルバクル県のHDPの集会で2度の爆発があり、支持者3人が死亡しました。政府は選挙当日の治安維持のため、40万4000人の治安要員を配備しました。


ディヤルバクルの爆発で負傷した人も投票所へ

2:55PM 5日のディヤルバクルのHDPの集会の爆発で負傷した市民数人も投票に来ました。「爆発で両脚が折れました。両脚もげたとしても、私は投票します。平和と自由のために」と59歳のサバハッティン・ベクチさんは言いました。

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2:20PM エルドアン大統領はイスタンブルで投票しました。「私は投票率は高いと見ています。投票は強力な民主主義のために不可欠なことです」

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2:19PM 共和人民党のケマル・クルチュダルオール党首もアンカラで投票しました。「選挙キャンペーン期間、不平等なことがあった。それでも、われわれは働きます。責任を持って働きつづけます」

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1:20PM 南東部シャンルウルファ県エイユビエ地区の投票所では乱闘が起こり、党の代表たちがライフル、ナイフ、棍棒、石で戦ったとDHAは報じています。
12:08PM 南東部で最も人口の多いディヤルバクル県では、早朝から投票所に長い列ができ、投票率は90%を超えるだろうと、CNNトルコは報じています。

11:56AM 愛国者運動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ議長がアンカラで投票しました。「わが党にとって良い選挙結果が出ることを望んでいる」と彼は言いました。

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11:10AM AKP党首のアフメト・ダヴトオール首相は、故郷の中央アナトリアのコンヤで投票しました。首相は、6月5日のディヤルバクルのHDPの集会での爆発関連で、容疑者1名を拘束したと、記者団に発表しました。

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10:35AM HDPのセラハッティン・デミルタシュ共同党首がイスタンブルのスルタンベイリで投票しました。「選挙結果はどうあれ、希望を失ってはならない。われわれはこの選挙が、孤独な人間をつくらないことを保証する新しい憲法の地盤を整えるものとなるよう望んでいます」

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HDPのフィゲン・ユクセクダー共同党首は東部ヴァン県で投票しました。「神が許し給うなら、選挙結果が全トルコ国民にとって良いものであり、未来の扉が開かれますように」


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