本当の気持ちは、
授業中に述べた通り。
あれは
本当の想いでした。
わたしがそちらの世界に別れを告げ
旅立った時に、
早すぎる、
と
あっちでも
こっちでも
みんな(本当に、皆)から言われたけれど、
俺は
君たちには、
あの腕時計を見せて、
誰からもらったもので
どんな想いで身に付けているかを
話していましたよね。
君たちが、希望に満ち、
輝いていた高校生だった頃
(わたしは間もなく五十になるって時だったと思うが)
すでに
最愛の妻を無くしていて、
まあ、正直言えば
毎日が
相当に寂しかったのです。
その気持ちを
授業を始める前や授業中の何分かを割いてきみたちに
時々打ち明けていたのでした。
もちろん、あれは、全部本当の気持ちです。
本当に
寂しかったのです。
きみたちは、いつも黙って、うんうん、と深く頷いて聞いてくれましたが、
「授業中に、何故そんな話を、、」
と内心思った人も
もしかしたら、いたかもしれませんね。
でも、
わたしは、
寂しい想いを打ち明けると共に
他の「何か」も
一緒に伝えたかったのかも知れません。
何を伝えたかったのでしょう、
、。
長い年月が過ぎ、
あの頃のわたしの年を越した、
今の君たちなら
わかるのではないでしょうか。
、、今年もまた
桜の季節が訪れましたね。
今はもう、別の場所に移ってしまいましたが
あの頃、あの校舎があった場所に
たくさんの桜の木がありましたね。
教室の窓からも見えましたね。
本当に美しい風景でした。
今、きみたちは、
どんな場所から
どんな想いで
桜を見上げているのでしょう。
いづれ、
また、
お会いしましょう。
ごきげんよう。
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