あなたに似た人 Ⅱ(ロアルド・ダール/ハヤカワ・ミステリ文庫)
4月下旬に紹介した『あなたに似た人』の2冊目。
なぜミステリに分類されるのか分からないが、「奇妙な味」と呼ばれるこの人の短編集の続編。1冊目は、「ええええ!」という独特の終わり方をする作品がまとめられていたが、こちらはもう少しややこしくて、独特の後味が残る作品が集められている。
その中に、電子計算機が文章を書く、という趣旨の作品がある。言語はつまるところ論理だから、電子計算機で扱えないはずがない、という考え方は、1950年代に出版された作品としては達観していると思う。ユヴァル・ノア・ハラリが説くように、人の思考もアルゴリズムに過ぎないのならば、いずれAIは人類にとってとても大きな存在になるだろう。たとえペンローズがいうように脳の作用に量子力学が関与しているとしても、精神作用が未知の領域にとどまることはないだろう。
問題は、私が生きているうちに結末を知ることになるだろうか、ということ。「シンギュラリティ」を説くレイ・カーツワイルによれば、それは2045年までには実現する。やれやれ。
4月下旬に紹介した『あなたに似た人』の2冊目。
なぜミステリに分類されるのか分からないが、「奇妙な味」と呼ばれるこの人の短編集の続編。1冊目は、「ええええ!」という独特の終わり方をする作品がまとめられていたが、こちらはもう少しややこしくて、独特の後味が残る作品が集められている。
その中に、電子計算機が文章を書く、という趣旨の作品がある。言語はつまるところ論理だから、電子計算機で扱えないはずがない、という考え方は、1950年代に出版された作品としては達観していると思う。ユヴァル・ノア・ハラリが説くように、人の思考もアルゴリズムに過ぎないのならば、いずれAIは人類にとってとても大きな存在になるだろう。たとえペンローズがいうように脳の作用に量子力学が関与しているとしても、精神作用が未知の領域にとどまることはないだろう。
問題は、私が生きているうちに結末を知ることになるだろうか、ということ。「シンギュラリティ」を説くレイ・カーツワイルによれば、それは2045年までには実現する。やれやれ。