宇宙の超難問 三体問題(谷川清隆ほか/ハヤカワ新書)
この本は、三体問題の研究者6人の共著による、三体問題の啓蒙書。
三体問題はニュートンから始まった。万有引力の法則のもとで、互いに影響を及ぼしあう3つの質点の動きを特定すること。
本書では、歴史的な経緯に従って、ニュートンに至る古典的な問題、ニュートンからアインシュタインまで、さらにその後の展開について、三体問題の様々な局面を解説していく。
いくつかの感想。
月食、日食は、太陽、地球、月の三体問題といえるが、そのほかにも、彗星やブラックホールの融合など、三体問題として考察すべき事象が数多くある!
三体問題にもエントロピーが現れ、それによって時間の矢が定義される!
なお、本書の記事は、劉慈欣の『三体』が出版されるより前に書かれた部分が多いと思うが、本書が日本語訳で出版されたのは、まちがいなく『三体』の成功によるものだろう。
数式が出てこなくても、決して読みやすい本ではないが、読みごたえはあった。
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