少し偏った読書日記

エッセーや軽い読み物、SFやファンタジーなどの海外もの、科学系教養書など、少し趣味の偏った読書日記です。

依頼人は死んだ

2022-04-16 07:00:00 | 読書ブログ

依頼人は死んだ(若竹七海/文春文庫)

今年の正月に掲載した『プレゼント』に続く、葉村晶が登場する作品集の2冊目。文庫本の第一刷は2003年。

前作では、職業を転々とするフリーターとして、8作品のうち5つに登場する。3つめからは、零細な探偵社で働いているが、まだプロの探偵、という感じではなかった。

今作では、一度やめていた探偵社から正社員にならないかと声をかけられ、フリーの応援要員という形でならば、と引き受ける。

職を転々としたおかげで知識はあるが自慢できるほどではなく、無能ではないが有能というほどでもない。不細工とは思わないが、平凡な容貌。長所は貧乏を楽しめること、口が堅いこと、体力があること。自らをこのように分析する主人公は、20代の終盤にさしかかり、探偵を自分向きの仕事と自覚して真剣に取り組むようになる。

この本は、四季が2回めぐる間に起こる9つの事件を通じて、決して手加減をしない女探偵・葉村晶の誕生を描いている。

もうひとつの際立った特徴は、作品の多くが、自殺の動機の解明をテーマとしていること。全体の印象は、

軽くはない。 が、切れ味はよい。

短編推理というキーワードで巡り合った葉山晶のシリーズに、今後、もう少しつきあってみたい。



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2 コメント

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Unknown (syaazunabru)
2022-04-22 21:33:36
読書日記さん
こんばんは😃🌃
フォロー有り難うございます✨
これからも宜しくお願い致しますm(__)m💦
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Unknown (sadao-mii)
2022-04-22 21:45:16
こちらこそフォローありがとうございます。楽しく拝見しています。
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