週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
045-941-3541

内陣探訪

2015-11-23 21:56:26 | 仏教小話

 

お掃除の際、お行儀が悪いと分かりつつも寝っ転がってパシャリ。
何とか天井の絵も含めて写したいと思っていたら、段々と姿勢が崩れ、最終的には仰向けになっていました(汗)

中央の阿弥陀さまが安置されている龕(がん)を「宮殿(くうでん)」と言います。

龕とは石窟や家屋の壁面に仏像・仏具を納めるために設けたくぼみのことで、インド寺院の壁面の意匠彫刻や、大きなものでいうとバーミヤン石窟も仏龕(ぶつがん)になります。
これが発展して、屋内に安置するための容器が使用されるようになり、扉のついている龕を厨子(ずし)というようになりました。

浄土真宗のお内陣では、扉のついている厨子には親鸞聖人の御影が安置されています。
(分かりづらいですが写真右奥にあります)

写真の左右に天井から吊るされた灯明が一対あります。
こちらは一般に輪灯(りんとう)と言いますが、台座が菊花をかたどって造ってある灯明台なので菊灯(きくとう)とも言います。

天井図は花と鳥が交互に描かれています。
こちらは普段目に留まらない場所だと思いますので、写真ではありますが楽しんでいただけたら嬉しいです。


1月のコラム

2015-01-23 22:07:42 | 仏教小話

メリシャカのサイトで、今月のコラムを更新しました。


「1月の読書感想文 『東京喰種』」  http://merry-shaka.com/?eid=912


これはマンガの感想です。(笑)
それにプラスして、仏教説話の紹介もしています。

今回のコラムは、この最乗寺ブログをノーヒントで見つけてくれたママ友さんに敬意を表し、彼女が紹介してくれたアニメの原作を題材に書きました。

面白がってくれたら嬉しいです。

相変わらず、こちらの文体との温度差が激しい文章になります。
お暇でしたら、どうぞご覧ください。


花まつり

2014-04-08 14:39:39 | 仏教小話

今日4月8日はお釈迦さまがお生まれになられた日と言われています。
このお祝いを「花まつり」や「灌仏会(かんぶつえ)と言います。

お釈迦さまはお生まれになられてすぐ7歩歩まれ、天と地を指し示して「天上天下唯我独尊」と言われました。
そのとき、天界の竜王が甘露の雨を降らせたという言い伝えが残されています。

この伝承について知り合いのお坊さんが面白いことを書いていたので、転載させていただきますね。


これは生まれてすぐに歩いて話せる健康で丈夫な赤ちゃんということではありません。
生まれながらに迷いの世界である六趣(天・人・修羅・地獄・餓鬼・畜生)を超えた存在ということです。
そして天上天下唯我独尊とは中学生が特攻服へ書くときに思うような「俺って偉いんだぜ」というようなことではありません。
「世界には私という命は一つだけ。だから尊いんだ」という全ての命に向けて、それぞれの命がそれぞれに尊い命であることをお示し頂いていることであります。


ユーモアを交えながら、とても分かりやすく伝えてくださっています。

さて、花まつりということで、境内で咲き誇っている枝垂れ桜の見納め写真を掲載しちゃいましょう。

     

2年前の台風で太い枝が幾つも折れ、昨年は枯れつつある枝を切りました。
隣が宅地となり、地下水が抜かれ、土地も痩せていく一方です。

正直、この桜はもう昔のように満開になることはないのかもしれないと覚悟していました。
それもまた、お釈迦さまが悟られた諸行無常の理と悲しく思いながらも受け入れていました。

しかし、今年は再び立派な姿を見せてくれました。

散りゆくこと、枯れゆくことも無常です。
でも息を吹き返したように咲くこともまた無常です。

さまざまな無常に一喜一憂し続けることが人生のように思います。
そして泰然と受け入れられないからこそ苦しみが生じます。

だからこそ「天上天下唯我独尊」の命のありかたを、きちんと見据える目を育てていくご縁にあう大切さを感じました。


8月のコラム

2013-08-27 14:04:02 | 仏教小話

すっかり間が空いてしまいました。

申し訳ありません。(汗)

築地本願寺での連研修了式など、後日アップしますね。

今日はメリシャカで更新したコラムのリンクを貼らせていただきます。

文体等、ブログや寺報とは雰囲気が全く異なりますが、同じ人物が書いています。(笑)

元々はコラムの文体が素な私。

でも、よく男性が書いていると間違わられるのですが、どうなんでしょうね?

よろしければ、ご覧ください。

 

     メリシャカ!コラム  『悪魔の証明』

         http://merry-shaka.com/?eid=856

 

 

 


見上げてみれば

2013-06-23 22:26:47 | 仏教小話

なんだか落ち着かない天気が続いていますね。

そろそろ寺報を作らなくてはと境内を歩いていると、空からポツリポツリ。
つい上を見上げてみると、木の枝に気になるものを発見。

   

なんだかブツブツしたものが、たくさん生っているのですが…分かりますでしょうか?
ではアップでどうぞ。

   

これ、柿です。
客殿の裏手にある柿の大木に、青柿が鈴なりに生っていました。

秋の果物の柿ですが、実はもう6月には実らせていたんですね。
あまりに高い位置に生っているので、今まで視界に入ることがなく、気づきませんでした。

「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」

時期外れですが、柿というと思い出すのはこの俳句。
正岡子規の俳句で、子規は無類の柿好きだったそうです。

小さい頃は「柿を食べると法隆寺の鐘が鳴る」と思っていましたが、「柿を食べていると法隆寺の鐘が鳴った」が正解だと知ったのは、結構後になってからでした。(笑)

法隆寺は推古天皇と聖徳太子を開基とする奈良のお寺で、創建は607年と伝えられています。
もともと法相宗のお寺でしたが、昭和25年に独立。
現在は聖徳太子を宗祖とする「聖徳宗」の総本山となっています。

法相宗は唯識。
聖徳宗は「三経義疏」が所依の経典。

なんだか不思議な感じがしますが、きっといろいろあったのでしょうね。
どんなご縁があったのか、ちょっと調べてみたいと思いました。