さいかち亭雑記

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道州制についての参考資料

2017年10月14日 | 地域活性化のために
道州制という、一見すると人聞きのいい言葉に、実際の現場からコメントを寄せている団体がある。
「道州制の何が問題か」は、道州制から出て来る問題を指摘したものである。

以下、全国町村会(会長:藤原忠彦長野県町村会長・川上村長)のページより引用する。

 「全国町村会は本日、衆議院予算委員会の審議状況等を踏まえ、「道州制基本法案」の今国会への提出が見込まれることから、 改めて全国町村会の考えを理解いただくため、衆・参国会議員に対し、全国町村会長書簡とともに、「平成24年11月全国町村長大会特別決議」及び「道州制の何が問題か」を 配付しましたので、ご報告いたします。
  
【参考資料】
    
・(資料1)全国町村会長書簡(PDF)   
・(資料2)平成24年11月全国町村長大会特別決議(PDF)   
・(資料3)道州制の何が問題か(PDF) 」

この資料3をぜひごらんなって、道州制を言っている政党に投票することが果たして良いことかどうか、皆様ご検討ください。以下に (資料3)道州制の何が問題か(PDF) の一部を紹介する。

□ 道州制によって、地域間格差は是正されるのか  

◆ 道州制は、税源が豊かで社会基盤が整っている大都市圏への富の集 中を招き、地域間格差は一層拡大する。

道州制推進論は、「道州制を導入すれば、日本の各圏域が経済的に自立し、さらに自らの創意と工夫で発展を追求することが可能な国の統治体制ができる」 と主張している。
しかし、道州間の競争では、税源の豊かな東京や、既にインフラが整っている地域が明らかに有利である。道州制によって、一極集中が是正されるどころか、ますます加速し、地域間格差は拡大する。

◆ 道州内の中心部と周縁部の格差が拡大する。

道州内でも、州都への集権、投資の集中が強まり、州都以外の旧県庁所在地や、周辺の中小都市、農山漁村を多く抱える町村は衰退する。これにより、道州内の中心部と周縁部の格差も拡大する。

◆ 道州間競争によって経済的不利益を受ける地域も生まれる。道州制では、そうした地域へのセーフティネットは考慮されていない。

地域間競争によって、大都市や道州の州都など経済的メリットを受ける地域が出る一方で、不利益を被る地域も必然的に生まれる。しかし、道州制論では、そうした地域に対するセーフティネットは考慮されていない。これまで格差を 是正するセーフティネットを担ってきた国は、道州制によって機能を大きく後 退させる。地域間競争によって経済的不利益を被り、疲弊した地域を誰が救済 するのか。切り捨てよと言うのであろうか。

そもそも、道州制という統治機構の変更を経済政策の一環として捉える議論は、経済問題を統治のかたちの問題にすり替えているのではないか。

□ 道州制によって、税財政はどうなるのか。

◆ 道州制推進論は、税財政をめぐる議論を先送りにしている。道州制の導入後、町村の財源がどこまで保障されるかは不明である。

これまでは、全国レベルで都道府県・市町村の財政調整・財源保障を実施してきたが、道州制導入後の制度設計について、道州制推進論は議論を先送りにしている。道州間の財政調整に関してはいくつかの案が提示されているが、町村の財源を「誰が」「どこまで」「どのように」保障するのかは、明らかでない。

仮に道州内の市町村の財政調整、財源保障が、道州庁の判断に委ねられるとすれば、道州によっては、選択と集中の論理により、都市部に手厚く財源を配分するところもあるだろう。財源の乏しい道州では、市町村に十分な財源保障 ができない恐れがある。こうして、道州や市町村によって社会保障・社会基盤 整備の格差が生じる可能性が大きい。

◆ 税財源が国から地方に移ると同時に、700 兆円を超える従来の国の債務の大部分も、地方に移管される可能性がある。

 赤字国債、不足する交付税財源の 穴埋めとして発行された臨財債を償還するための財源を、誰がどのように確保するのかも、大きな問題である。
また、これまでは国が暗黙の債務保証をすることによって地方債の信用力を担保してきたが、道州制導入後はどうするのか。

◆ 建設国債について、個々の事業単位で道州に移管すれば、開発の遅かった地方に、債務が集中する可能性がある。

 さらに建設国債について言えば、開発の遅かった地方に債務が集中することとなる。なぜなら、早くから社会基盤整備が進んだ地方は、事業に伴って発行された国債の償還が進んでおり、承継する債務も少ないが、社会基盤整備が途 上にある地方は、事業に伴って発行された国債の償還が進んでおらず、承継する債務も多くなるからである。

 これまで国が行ってきた財政調整・財源保障を、誰がどのように承継するのか。国の債務を誰が承継するのか。いずれも道州制 推進論では明らかにされていない。
特に、町村の財源がどこまで保障されるかは、まったく明らかにされておらず、将来的に、道州や市町村によって、社会保障・ 社会基盤整備の格差が生じ、住民生活の混乱を招く可能性が大きい。

□ 道州制は、町村を合併・消滅に追い込み、自治を衰退させる。

◆ 都道府県の事務を承継できない小規模町村は、「基礎自治体」として認められず、「自主的な再編」と称して「合併」を強いられる。

道州制が導入されれば、「基礎自治体」は、従来市町村が行ってきた事務に加えて、都道府県の事務も承継することになる。逆に言えば、都道府県の事務を承継できない市町村は、「基礎自治体」たりえないこととなる。

自民党の道州制基本法案には、「基礎自治体は、住民に身近な地方公共団体として、従来の都道府県及び市町村の権限をおおむね併せ持ち、住民に直接関わる事務について自ら考え、自ら実践できる地域完結性を有する主体として構 築する」と定義している。

 「従来の都道府県及び市町村の権限をおおむね併せ 持つ」ような「基礎自治体」とは、実際には、人口 30 万以上の中核市や人口 20 万以上の特例市をイメージしたものである。「地域完結性」を強調すれば、 「基礎自治体」間で事務の共同処理や広域連携は不要であるという考えにつながり、一定の人口規模と行財政能力を判断基準にして「基礎自治体」が整備さ れることになる。

 合併とは明記されていないが、「基礎自治体」の設置基準が市町村合併を前提としていることは明白である。道州制のスタートまでに市町村合併が先行されるかどうかは定かではないが、事務権限の受け皿を整備するという名目で必 ず合併が進められることになる。表向き強制的な合併とは言いにくいため、「自 主的な再編」を促すのであろうが、「平成の大合併」の経緯と結果を見ても、これまで以上に市町村の自主的合併を推進することは不可能であり、事実上「強制合併」に近い方策がとられるだろう。

そもそも、自民党の道州制基本法案には、「市町村」ではなく「基礎自治体」という名称が用いられている。そこには、町村の存在意義を否定する危険な考え方が潜んでいる。

◆ 道州制に伴う事実上の「強制合併」により、これまで町村で培われてきた自治は衰退する。

以上のように、道州制が想定している「基礎自治体」は、「基礎」という意味合いが曖昧になるほど大規模となり、本当に住民に身近な場所で自治を実現する「基礎的な地方公共団体」になりうるのか、極めて疑わしい。

自民党の道州制基本法案は、合併によって消滅する「従来の市町村の区域において、地域コミュニティが維持、発展できるよう制度的配慮を行う」としている。しかし、町村と異なり、「地域コミュニティ」には国や道州からの財源保 障はなく、「地域コミュニティ」内の住民の判断を終的にどう扱うかは、合併によって新設された「基礎自治体」に委ねられることとなる。失われた町村の 自治を「地域コミュニティ」で代替できるわけがない。 (以下略)

 川柳を一つ。 草々のものがたりなり石の数

 また一つ。  買い支え味噌くそ一緒あべこべこ (モ~ ℧) 



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