星新一さんの50編を超える未収録作品が発掘されたという新聞記事をご覧になった方もいらっしゃると思います。
星さんはショートショート1001篇達成後に筆を擱いたわけですが、これまで単行本に収録されなかった作品があることは以前から言われてきたことで、『気まぐれスターダスト』(出版芸術社2000年3月)に収録された作品以外にもまだありました。未収録作品が、あたかも突然発掘されたかのような記事でしたが、地道な調査の積み重ねがあっての発掘なのです。
この調査をちょっとお手伝いしてきた中で、私が入手した企業PR誌に載った作品が未収録作品だったという、うれしい発見もありました。
ご本人が収録するに値しないと判断したものもあるでしょうが、そのうちに加筆、改題しようと思っていて、そのままになっている作品もあると思われます。ご本人が故人となった今、その判断がつかない中で未収録作品を刊行する是非はありますが、ぜひ読みたいと思うのがファンの心理ではないでしょうか。
新潮文庫から9月新刊として『つぎはぎプラネット』(仮)というタイトルで未収録作品集が刊行されます。
それにさきがけて、同人誌「劇場」第4号に発表されただけの作品「ミラーボール」が、現在発売中の「小説新潮」8月号に掲載されています。
こちらは、お菓子のバウムクーヘンに埋もれているキャンディーを探していたようなものですから。
それにしても、この間の作業は、下手なミステリーを読むよりワクワクするものでしたね。
多大なる協力をいただきまして、ありがとうございました。
お陰さまで、とってもいい本になったと思います。
発売が楽しみです。