この本の存在は、ほとんど知られていないと思います。ファンクラブ「エヌ氏の会」メンバーだけ、それも「星コン」と呼ばれていた星新一さんを囲む1982年の第6回大会の参加者18人にだけ配られたものです。
市販本の『凶夢など30』をハードカバーの函入り本に改装し、特別付録が付いています。
元本はソフトカバー装なのを、マーブル紙(印刷)を使ったハードカバーにしてあり、箱も付いています。見返しも同じマーブル紙が使われています。
タイトルを箔押しするための号数活字に「凶」の字が無く、本の背はタイトルではなく、「星新一氏 健筆25周年記念」になっています。
箱の背には写植でタイトルを入れてあります。
特別付録というのは、これ。
本に挟み込まれています。
銅版画家の深沢幸雄さんに依頼して作成していただいた、星新一さんの蔵書票です。
お遊びで売上カードも付いていますが、これで注文しても届きません。
もちろん星さんの署名入りです。
かなりマニアックですが、これは珍しいと思いますよ。
今日はちょっと毛色の変わった記事を……東日本大震災後、被災した図書館復興プロジェクトを始めたところがあり、その趣旨に賛同して本を片付けがてら、せっせと送っています。家の中には本が溢れているのです。
好きな作家の本は網羅的に集めているので、読むためにだけではなく、コレクションとして蒐集した本もたくさんあります。
何年も封をしたままになっていた段ボール箱を、ひさしぶりに開けてみました。
作家別に一応分けてあるのですが、その中の「星新一」の箱。星新一の箱はコレクションの中でも図抜けて数が多いんです。
星新一さんはショートショートの神様とも称えられる方ですが、亡くなられてから早いものでもう13年余りが過ぎました。亡くなった後は、網羅的に集めることをやめましたが、それまでに刊行されたものはほとんど集めています。外国語に翻訳されたもの、アンソロジーに作品が含まれるもの、教科書や副読本に載っているもの、他の著者の作品に解説を書いているものや、他の著者の作品の帯に推薦文を書いているもの……呆れられるほどの”蒐集方針”で集めてきました。既に品切れや絶版になっているものも集めるので、なるべくきれいな本をということで、結果的に同じ本が何冊もあるという状態になっています。
たまたま開けた箱から出てきた本で、ちょっと珍しいものを紹介します。市販されていないものです。
文庫本サイズで、総革装です。角川文庫作品で、ある部数が売れると、それを記念して作ってもらえる……100万部を超えたらというのだったと思います。
奥付ページは何の変哲もありません。51刷なので、一回の重版が2万部として、100万部ということになるのでしょうね。
標題紙に署名していただいています。
ちょっと珍しいでしょ?
好きな作家は何人もいるので、それを1冊ずつ取り上げていったら、ずっと続けられそうです(^o^)
まあ、気が向いたときに……。
もうひとつのブログから、本にまつわる話だけを抜き出して、こちらに引っ越しします。