読みました

本を読むのが好きです。
忘れないように感想等を書いています。
その他、ねこのひとり言…。

何を捨てる?

2006-10-04 00:19:01 | 読書
 今週、親戚が遊びにくるので、普段から散らかし放題の家の中(3K)を片付けていますが、ゴミが出るわ出るわ。

 一番多いのは紙ゴミ(冊子、ダンボール、メール類の封筒チラシ等)とスーパーの袋(出来るだけ持参してスタンプも貯めているのに…)
 一番片付けるのが大変なのは「本」。場所をとるので図書館で借りるようにしているのですが、どうしても買いたい本も有るし、その割りに家は狭いし。
うーん、捨てられない…

  伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」
 もうすぐ30歳になる脚本家志望の佐藤敦は、アルバイトで飲料水の運搬トラックに乗っている。明日トラックを降りて事務職になる水城さん(女性、×1、子供有り)が運転する隣で、「あんた、いつ離婚するの」と聞かれる。

 大学生の時から付き合っていた妻、知恵子は希望通りの編集社員になったが、かなり忙しい生活の果てに人間関係に躓いて辞めた。徐々に病的に神経質になり、ある日二人で大喧嘩の果てに別々の部屋で生活するようになる…。

 読み終わって、敦と水城さんの仕事仲間という距離感が、「沖で待つ」の太ちゃんと主人公の間の雰囲気を思い出させました。そこが芥川賞に共通する点なのでしょうか…
 ありふれた日常と離婚の話であり、ストーリーの起伏も少ない淡々とした印象の作品でした。確かに文学的な表現はちらほらありましたが、こういう作品が「今時」なのでしょうか

 読んだ人の多くが「これが芥川賞?」という感想が多いようです。
 結局、作者が路上に捨てたかったのは何だったのでしょう?
 私は結局「純文学」は苦手みたいで、ハラハラドキドキするか、感情に訴える作品の方が面白いと思うようです。(自分では書けないのに )