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映画と原作

2006-10-30 21:54:40 | 読書
 小説が原作のおもしろそうな映画の宣伝を見ると、私は(原作を読みたいな)と思います。何故なら映画では味わえない細かな描写や表現が原作にはたくさんあると思うからです。

 決して映画ファンに喧嘩を売るつもりはないのです。
でも事実、原作を知っていて映画を観た時には少なからず不満が残ります。
きっと原作を読んだ時の解釈の仕方や想像する部分が、人によって少しづつ(もしかしたら、かなり?)違うからなのだろうと思います。
 しかしその想像が出来ることが、小説を読む楽しさなのだと思います。
 
 それに映画は限られた時間(2~2時間半?)の中で、1冊のあるいは上下2巻にわたる話を映像であらわす時、細かな感情や表現はある程度切り捨てなければ纏まらないからなのでしょう。

 だから私は原作を読んでしまうと、もう映画は観なくてもいいかな、と思ってしまうのです。でもこんな私が原作にも負けないと思うくらい感動した映画が昔ありました。松本清張の「砂の器」の映画版を観たときです。
 
 主人公が幼い時、ライ病の祖父と共に村を追われ、漂泊の旅に出たことを回想するシーンで、日本の美しい四季の中でさすらう二人の姿が一層悲しげに映像化されていて、胸を打たれた思い出があります。

 私の想像を超えた表現をしてくれる映画がたくさん出てきてくれるといいなあ、そして自分も誰かが映画にしてくれるような小説を書いてみたいな、と思うこの頃です。