読みました

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その他、ねこのひとり言…。

訳者にも拍手!

2007-02-24 12:14:48 | 読書
「風の影」下巻 カルロス・ルイス・サフォン
ダニエルはベア(トリス)と「靄の天使」の館で会いお互いの気持ちを確かめるが、ついにトマスや親に知られて会えなくなってしまう。

 一方、書店が忙しくなってから雇われた元ホームレスのフェルミンを巻き込んで フリアンの行動の調べが進み、上巻で書かれたフリアンの周囲の人々を巡る謎が次々に明かされる。

出版社から「風の影」の最後の1冊を持ち出したヌリア・モンフォルトこそが、フリアンの謎を知る人物だった。

 真実を知れば知るほどダニエルの周りの人も危機にさらされ、ヌリアが、そしてフェルミンも・・・。
 そこにつきまとう黒い影の正体は?行方不明のベアは?ダニエルはどうなってしまう?

 スペインの古い都市バルセロナの町のたたずまいと共に、内戦で崩壊する都市や人々の暮らしとそこに残る傷跡。
胸がわくわくする冒険だけではなく、作者が描きたかったそれらの景色や姿も美しい文章から充分伝わってきます。

時々作家のフリアンとダニエルの行動や人生がオーバーラップし、過去と未来が行き交い混乱しそうになりました。
それでも彼の行動にハラハラし、起きる事件にドキドキすることが、読む者を物語の終りへと引っ張っていきます。作者のねらい通りに