Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 110(色絵鳳凰文小皿)

2021-02-07 22:51:12 | 古伊万里
ウチの収集品は傷物が多いのは今まで紹介してきた通りですが、他にも値段の高い七寸サイズ以上の品も多くありません。
収集を続けるには経済力に見合った品を買うしかないという事情が大きいのは確かで、そういった意味では今回の品は傷物で小皿ですから
ウチの収集品としてはうってつけの品ということになるでしょうか。
「色絵鳳凰文隅切り小皿」

11cm四方の小皿で、隅切りされた特徴的な成形がされています
見込み中央には赤・黄・緑・青を使って鳳凰文が描かれ、四隅にはなにやら良く判らない文様が描かれています。

輪郭線を黒で描き、中を色絵で塗るというスタイルから判断して柿右衛門様式であることは間違いありませんが
赤の発色については盛期柿右衛門の赤ではなく、しかも色絵が結構厚塗りだったりします。

表にはニュウが一本あり、裏を見ると高台内には甘手の貫入が見られますので
決してコンディションは良くありません。
思えば、状態はともかく「色絵柿右衛門」という名前に惚れて購入したのは確かです。

回想の古伊万里 109(色絵椿石畳文長小皿)

2021-02-02 23:10:35 | 古伊万里
 古伊万里の世界では同じ文様の五寸皿と七寸皿では値段がひと桁違うなんてことは珍しくありません
では小皿や豆皿なら安いかと言えばそんなこともなく、豆皿でも珍しい品なら結構なお値段がします。
今回の品は江戸中期の色絵小皿ですが、昔はそこそこのお値段がしておりました(今なら4桁!?)
「色絵椿石畳文長小皿」
9.5X13.5cmほどの小皿で、柴コレの3-297と同手の品です。
元禄期の品のようで、左下を斜めに区切って石畳文を描き、残りの部分に椿の花が二輪描かれています。
いわゆる染錦手の品で、染付と赤、緑で文様が描かれています
この丸っこい椿の花の描き方は、中期の色絵の品で他にも見かけますので当時の流行りだったんでありましょうか。
落款は普通の「太明成化年製」です
裏文様も高台に描かれた文様も、元禄を中心とする中期に見られるもので
そういった意味では典型的な中期の小皿と言えるでしょうか。
この品、小皿のわりに手取りが重く、厚手のしっかりとした成形がされていますが、こういった点は入手して初めて判る点でもあります。
小皿ですので、当然10客とか20客という単位で作られていると思いますが
10年以上前にこの品を入手して以来、同じ手の品を見たことがありません。
せめて五客揃いとかだったら、さぞや華やかかも知れませんね。