Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

謹賀新年

2025-01-01 22:46:00 | 古伊万里
皆様、明けましておめでとうございます
酒田はほぼ雪のない元旦を迎えたんですが、夕方から雪になりました
今年も適当に休みながら当ブログを続けて行ければと思っておりますので、宜しくお願い致します。

さて、最近は年に数回しか新たな品をUPできていない古伊万里ですが、当ブログで時々アクセス数が増えるのは
やはり古伊万里を紹介した記事のようです。
そんなことから、自分の周りにはあまりいないものの、古伊万里に興味持ってネットで調べる人がそれなりにいることを実感します
ワタシは2004年から15年ほど、「My Favorite Things」をいうHPをやっていたんですが、このタイトルは「サウンド・オブ・ミュージック」の中の
わたしのお気に入り」という曲からとったものでした。(ジャズのジョン・コルトレーンの名演で有名)
という訳で、ワタシの手持ちの古伊万里の中からお気に入りの品の少しだけ紹介(すべて既出の品ですが)したいと思います。
今回は色絵の品です
まずは古九谷金銀彩の花鳥文小皿です

この品の魅力は絵のうまさ、これに尽きると思います
赤で描かれた鳥のうまさは特筆ものだと個人的には思っています
続いては元禄期の色絵柿右衛門六寸皿です

貧乏コレクターらしく傷物ですが、濁手柿右衛門の魅力溢れる品だと思っています
続いては享保期の吹墨色絵熨斗文皿です

作例としてはあまり多いとは言えない吹墨と色絵の組み合わせで、熨斗という和風な文様に魅力を感じる品です
(惜しむらくは一部、色絵の剥落が見られます)
続いては元禄期の色絵蓋茶碗で「元禄長崎立枝垂れ桜茶碗」です
関西のベテラン業者によると「元禄長崎立」とは、元禄期の品で柿右衛門に匹敵する上手の品とのことです
この品がワタシが古伊万里にハマるきっかけとなった思い出の品です
最後は、江戸中期末あたりの濃厚な色絵皿で「色絵魚文七寸皿」です

時代的には上の4つの品よりかなり下がりますし、同じような品が同時代に多く作られていますが
やはり↓を見ると判るように、裏面はおろか高台の中まで濃厚な色絵で厚塗りしてある点に最大の魅力があるように感じます

次の品はワタシの主要な蒐集品である皿類とは違うので番外ではありますが
中期の色絵そば猪口です

ワタシが一番最初に購入したそば猪口ですが、そば猪口にハマらなかったのは良かったのかどうかは判りません。
古伊万里の世界では色絵といえば古九谷と柿右衛門の評価が圧倒的に高いですが
貧乏コレクターはそれ以外の色絵に魅力を見出す必要があるのかも知れませんね。





新着古伊万里(宝花唐草文分銅形皿)

2024-12-25 20:29:10 | 古伊万里
久々に古伊万里を購入しました
「宝花唐草文分銅形皿」
柴コレⅥ-337と同手の品で、横16cm程の寛文期によく見られる分銅形のお皿です
この品の現物を初めて見たのは20年近く前の骨董ジャンボリーで、京都の業者さんが五客揃いで売っておられました
当時は手の出るような値段ではなかったので、「いつか欲しいものだ」と思い続け20年が経ちました。

花唐草はこの時代らしく墨弾きで描かれています

伊万里では良く見られる宝尽くし文ですね

落款はなく、側面には染付の帯の中に梵字のようなものが描かれています
昔から比較的上手の品として値段が高かったように記憶していますが
今回の購入価格は送料を入れても渋沢栄一さん2枚にオツリがくるというものでした。
昔はこの手の品が五万円以下で買えることはなかったことを思うと、とりあえず素直に喜びたいと思います。




霊輝院の乳銀杏

2024-11-26 23:35:56 | 古伊万里
庄内地方に「乳銀杏」と呼ばれる銀杏が何本あるのかは知りませんが
県の天然記念物に指定されているのは、先日紹介した「砂川の乳銀杏」、「湯田川の乳銀杏」そして今回取り上げる「三ヶ沢の乳銀杏」
この三本だけであるように思います。
で、庄内町にの霊輝院というお寺にある「三ヶ沢の乳銀杏」なんですが、日曜日の段階では↓のような状況でした

お寺は冬囲いされ準備万端なんですが、イチョウはというとまだ完全に黄色とは行きません

上の画像で判るように、陽当たりの良い部分は紅葉が進んでいますが、後ろ半分は緑のままです

少し離れた場所から撮った画像ですが、高さこそ杉には及びませんが、かなりの巨木であることが判ります

参道の階段の途中にあるカエデは見事に紅葉していましたので、撮影してみた次第です。
ついでながら、霊輝院の近くの農家に昔懐かしい農機具がぶら下がっていました

いつ頃まで使われていたんでありましょうか。


新着伊万里(古平戸巴文青海波小皿)

2024-10-09 23:16:03 | 古伊万里
とても安い伊万里を入手しました(と言っても明治期の平戸ですが)
お値段はなんと山形県産はえぬき(6年度産)1㎏程度でした。
「古平戸巴文青海波小皿」
白い土とクオリティの高い薄濃み、そして墨弾きによる青海波という、平戸らしい小皿です

裏面はよくある鍋島写しで、簡素な七宝文が三方に描かれています

この品の存在は20年以上前から知っていましたし、ヤフオクにも何度か出品されていたのですが、何故か入手する機会がありませんでした。
ちなみにウチには明らかに同時代の平戸と思われる小皿があります
それが「古平戸兎文小皿」です
二つを並べるとこんあ感じになります

文様違いの兄弟と言えなくもありませんが、兎文の方が人気があるのは確かでしょうか

裏文様の七宝文は兎文小皿は2つしかありませんし、同じような成形ですが
兎文小皿の方が高台がやや小ぶりで、やや深い器形をしています。
14cmほどの小皿ですので、結構な数作られているはずですが、まとまった数で販売されているのは見たことがありません。
特に面白い品ではありませんが、激安で入手できたのと、兄弟と思われる品が揃ったのはめでたいことではあります。


伊万里名品撰

2024-09-25 23:38:19 | 古伊万里
先週から社内のシステム入替で忙しく、老体にムチ打って頑張っておりました
(この世界、若手を育てるのが大変なもので・・・)
それはともかく、最近は伊万里に関する書籍は購入していないんですが、「伊万里名品撰」はワタシが新刊本としては
最後に購入した伊万里関連の書籍です。
2007年9月の発行とありますので、今から17年も前になります
(東京ドーム・プリズム骨董祭でオフ会をやった年でしょうか・・・)
今から20年ほど前、何年か購入していた「小さな蕾」の別冊で、巻末に小木先生が
「伊万里やき~誕生から終末までの作風をみる~」という論考を寄せています
この書籍には初見品(当時)を含む100点を超える、文字通り「名品」が掲載されていますが
この中で個人的に憧れを感じた品を二品紹介したいと思います
まず最初は、50頁に掲載されている「薄瑠璃色絵鶴梅花樹文皿」です

何と言ってもこの薄瑠璃の完璧さに目を奪われますが、鶴の体の部分は白抜きで白磁を残しているようで
極めて完成度が高く手間のかかった名品ということのようです。
小皿には同系統の品があるものの、この皿は七寸皿ということで、極めて類品の少ない佳品と賞賛されています。
続いては、43頁に掲載されている「青磁染付菊花文変形小皿」です

松ヶ谷と呼ばれる一群の品と思われ、青磁としての完成度の高さを見ると
やはり鍋島との関係性を感じさせる品です。
松ヶ谷の小皿については、以前に京都の馴染みの業者さんが扱っていたんですが
何せ価格は問い合わせということだったので、さすがに値段を訊く勇気はありませんでした。(きっとすごく高い)
やはり名品は図録や美術館で見るもののようです。