Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

新着古伊万里(松竹梅鶴文七寸皿)

2025-01-20 20:40:22 | 古伊万里
前から欲しいと思っていた伊万里が安く売りに出ていたので、思わず買ってしまいました
「染付松竹梅鶴文七寸皿」
見込みに二羽の鶴を描き、周囲には古手の松竹梅文が描かれています
時代的には間違いなく寛文期、画像では判りませんが、多少見込み部分が盛り上がっています

この品を最初に見たのは今から20年以上前で、その後も何度か売りに出ているのを見かけましたが
やはり七寸サイズの品は五寸皿のように安くはならず、なかなか手が出ませんでした。
ところが、先日ヤフオクを見ていたらこの品が「江戸後期伊万里」として一万円代半ばの値段で出品されていました
無傷の同手の品が五万円以下で売りに出ているのは見たことが無かったので
(しかも即決価格が指定してあり、送料込み)
念のため画像を良く確認の上、落札に踏みきった次第です。

落札の翌日には品物が到着したので、素人目ながらチェックしましたが
特に疑問を感じる部分もなく、まともな藍九谷という結論に達しました。(所詮は素人ですが)

落款はこの時代によく見られるものです
以前ベテランの業者さんに、伊万里の場合は「鶴ではなく鷺を買うように」と教えられましたが
鶴文とは言え、なかなか飾り映えがするのは確かでしょうか。


My Favorite 古伊万里(中期の染付編)

2025-01-17 00:02:17 | 古伊万里
過去に拙ブログに掲載した古伊万里をワタシ自信の「好み」で数枚取り上げるネタですが
今回は元禄~寛政といった中期(といか18世紀の)染付のお皿を数枚集めてみました。
まずは一般的には盛期伊万里に分類されるであろう小皿です

白く上質な土、淡く上品な染付、青玉に蛸唐草を組み合わせた文様
傷物であるが故にウチのコレクションに納まっている品ではあります
続いては中央を白抜きした深皿です

車輪福の落款が入った上手の深皿で、土の白さ、染付の発色、細かい筆致
業者さんは元禄藍柿と称して売っておりました
続いては中期の連続文様の代表格である蛸唐草の六寸皿です

ワタシが古伊万里を購入するようになった頃は蛸唐草の全盛時代で、それは高い値段で売られていたものでした
そんな時代のトラウマから蛸唐草には手を出さなかったのですが、唯一この品だけは魅力に負けて購入した品です
三方に松川菱形の蛸唐草を絵付けした品で、類品を見かけないように思います。
続いては蛸唐草と並ぶ中期の連続文様の雄、花唐草の七寸皿です

花唐草の描き方から判断すると享保~宝暦といった時代の品だと想像されますが
この文様の組み合わせと文様の割り方が優美な魅力を醸し出しています。
次の品は花唐草と和風の文様を組み合わせた品です

享保あたりの品だと想像していますが、花唐草に散らし方が面白い品です
最後は少し時代が下がって18世紀末の寛政期の品です

わりと有名な品で、陽刻を施した見えに麒麟を描いています
ワタシにとっては古伊万里に興味を持ってからずっと憧れだった品で
入手するまでに20年近くかかった品でもあります(その間、随分と値段がさがりましたが)
こうして見ていくと、やはり盛期伊万里の完成度の高さは別格ですが、時代が下がっても、その時代ならでは魅力を持った品が存在することを認識できます




My Favorite 古伊万里(藍九谷編)

2025-01-12 22:35:23 | 古伊万里
今年最初のブログでウチの既出の古伊万里の中から、お気に入りの色絵の品を少しだけ紹介しましたが
染付編もやらないといけないと思ったものの、染付に関しては数が多いので、とりあえず寛文期あたりの藍九谷に絞ってみました。
古伊万里の分類は感覚的な面も大きいので、もしかすると藍九谷とは言えないものもあるかも知れませんが、あくまでも個人の感覚です。
まずは、ワタシが初めて入手した藍九谷で、柴コレにも収録されている五寸皿です

入手したのは20数年前で、惜しむらくは全面甘手ですが、薄い成形、鋭い高台、そして染付の発色に惹かれたのは確かです
続いてはこれも柴コレに収録されている「菊青海波文小皿」です

藍九谷としては末期の延宝に近い時代の作風が見られ、細かく書き込まれた青海波と桔梗形に白抜きしたあたりに魅力があります
続いては捻り文の元祖のようなデザインの小皿です

この品の最大の魅力は染付の発色にあると言えますが、中央の花(?)の部分は陽刻になっており、大胆なデザインも魅力です
続いての2つの小皿は藍九谷としては妙に余白の多いデザインの品です

平碗のような小さな高台と深めの器形の品で、落款が丸福なので古手の品だと思われますが、大胆な意匠の小皿です
続いても余白の多いデザインの小皿です

比較的大胆なデザインの品が多く見られる藍九谷ですが、この品もあまり見かけないタイプの意匠です
土は白く上質で藍柿に近いですが、染付の発色や絵付けは藍九谷世代のもので、過渡期的な特徴を持っているのかも知れません。
最後の一枚は、藍九谷の時代に見られる折り紙手と言われるデザインの小皿です

五寸サイズの小皿ですが、和風な魅力を持った品でもあります
すべて既出の品なので「今更何を」といった感じではありますが、「好み」という観点で選んだのは初めてなので
あと一回くらいはいいかな?、と考えています。




謹賀新年

2025-01-01 22:46:00 | 古伊万里
皆様、明けましておめでとうございます
酒田はほぼ雪のない元旦を迎えたんですが、夕方から雪になりました
今年も適当に休みながら当ブログを続けて行ければと思っておりますので、宜しくお願い致します。

さて、最近は年に数回しか新たな品をUPできていない古伊万里ですが、当ブログで時々アクセス数が増えるのは
やはり古伊万里を紹介した記事のようです。
そんなことから、自分の周りにはあまりいないものの、古伊万里に興味持ってネットで調べる人がそれなりにいることを実感します
ワタシは2004年から15年ほど、「My Favorite Things」をいうHPをやっていたんですが、このタイトルは「サウンド・オブ・ミュージック」の中の
わたしのお気に入り」という曲からとったものでした。(ジャズのジョン・コルトレーンの名演で有名)
という訳で、ワタシの手持ちの古伊万里の中からお気に入りの品の少しだけ紹介(すべて既出の品ですが)したいと思います。
今回は色絵の品です
まずは古九谷金銀彩の花鳥文小皿です

この品の魅力は絵のうまさ、これに尽きると思います
赤で描かれた鳥のうまさは特筆ものだと個人的には思っています
続いては元禄期の色絵柿右衛門六寸皿です

貧乏コレクターらしく傷物ですが、濁手柿右衛門の魅力溢れる品だと思っています
続いては享保期の吹墨色絵熨斗文皿です

作例としてはあまり多いとは言えない吹墨と色絵の組み合わせで、熨斗という和風な文様に魅力を感じる品です
(惜しむらくは一部、色絵の剥落が見られます)
続いては元禄期の色絵蓋茶碗で「元禄長崎立枝垂れ桜茶碗」です
関西のベテラン業者によると「元禄長崎立」とは、元禄期の品で柿右衛門に匹敵する上手の品とのことです
この品がワタシが古伊万里にハマるきっかけとなった思い出の品です
最後は、江戸中期末あたりの濃厚な色絵皿で「色絵魚文七寸皿」です

時代的には上の4つの品よりかなり下がりますし、同じような品が同時代に多く作られていますが
やはり↓を見ると判るように、裏面はおろか高台の中まで濃厚な色絵で厚塗りしてある点に最大の魅力があるように感じます

次の品はワタシの主要な蒐集品である皿類とは違うので番外ではありますが
中期の色絵そば猪口です

ワタシが一番最初に購入したそば猪口ですが、そば猪口にハマらなかったのは良かったのかどうかは判りません。
古伊万里の世界では色絵といえば古九谷と柿右衛門の評価が圧倒的に高いですが
貧乏コレクターはそれ以外の色絵に魅力を見出す必要があるのかも知れませんね。





新着古伊万里(宝花唐草文分銅形皿)

2024-12-25 20:29:10 | 古伊万里
久々に古伊万里を購入しました
「宝花唐草文分銅形皿」
柴コレⅥ-337と同手の品で、横16cm程の寛文期によく見られる分銅形のお皿です
この品の現物を初めて見たのは20年近く前の骨董ジャンボリーで、京都の業者さんが五客揃いで売っておられました
当時は手の出るような値段ではなかったので、「いつか欲しいものだ」と思い続け20年が経ちました。

花唐草はこの時代らしく墨弾きで描かれています

伊万里では良く見られる宝尽くし文ですね

落款はなく、側面には染付の帯の中に梵字のようなものが描かれています
昔から比較的上手の品として値段が高かったように記憶していますが
今回の購入価格は送料を入れても渋沢栄一さん2枚にオツリがくるというものでした。
昔はこの手の品が五万円以下で買えることはなかったことを思うと、とりあえず素直に喜びたいと思います。