ウチには寛文期の染付皿は結構あるんですが、それよりも古い、いわゆる「初期伊万里」に属する品はほとんどありません
昔は「初期藍九谷」などと呼ばれていた品が、現在では初期伊万里として表記される場合もあり、どこから初期かというのは曖昧なものかも知れません。
そういった観点から言えば、今回の品は「ウチの古伊万里の中で一番古いと思われる品」というのが正しいかも知れません
「初期青磁陽刻葉形皿」
いかにも初期に近い感じの発色の冴えない青磁五寸皿です
文様はありませんが、葉を表現するべく葉脈のようなものが陽刻されています
こういった感じの青磁は古九谷様式にもありますので、初期というにはちょっと・・・、という感じがしますが
高台部分を見ると、寛永~正保くらいはイケるか?、という印象があります
いわゆる1/3高台でいかにも初期らしい(?)形をしています
とはいえ、伊万里の時代判定は素人には無理があるのは現実で、この品が本当に1630~40年代の品なのか
或いは技術革新の遅れた窯の寛文期の品なのかは、誰にも判らないのかも知れません。
傷物で特別な魅力のある品とは言えませんが、なんとなく好きな品ではあります。