Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

JAZZレコード 4

2021-03-31 21:15:58 | JAZZ
ものすごく久しぶりのJAZZレコードです
今回は今から44年前、ワタシが初めて買ったJAZZレコードを紹介します。
「死刑台のエレベーター/マイルス・デイヴィス」

随分とほったらかしていたせいで、ジャケットにシミができていますが、これがワタシとJAZZとの歴史とも言えるでしょうか。
フランス映画におけるヌーヴェル・バーグ(新しい波)の出発点といわれるルイ・マル監督の1958年の傑作映画のサウンド・トラック盤です。
映画の予告編はコチラでどうぞ。
ワタシがこの映画に出会ったのは高校生の時で、TVの洋画劇場で見て映画の見事さ以上に音楽に惹きつけられた覚えがあります。
(映画については、コチラが詳しいです)
この映画の音楽は、ちょうどパリに来ていたマイルスが、映画のラッシュフィルムを見ながら即興で演奏したようで、そういった点でも画期的であるとは言えます。
社会人になり、冬のボーナスを頭金にしてステレオを買い、このレコードを何度も聴いたのは随分と昔のことになりました
特に素晴らしいのは、モーリス・ロネを探してジャンヌ・モローが夜の街を彷徨うシーンで、音楽と一体化した見事なシーンだと思っています。
JAZZを使った映画は他にも結構あり、「危険な関係」や「大運河」などは同じ時代の作品ですが、やはり映画としても音楽としても、本作が絶品なのは確かです。

回想の古伊万里 120(染付牡丹唐草結形皿)

2021-03-30 21:33:14 | 古伊万里
古伊万里の場合、同じ文様の丸いお皿であれば、五寸と七寸ではかなり値段の差が大きかったりしますが
変形皿の場合はそうでもなく、逆に小さいほうが高い場合もあります。
今回の品はそんな大きいけれども安かった変形皿を紹介します。
「染付牡丹唐草文結形皿」
江戸中期に登場する特徴的な形をした変形皿で、横は27cmもある大きなサイズのお皿です。
見込全体に牡丹唐草が濃い染付で描かれており、見た目はインパクトがあります。
柴コレのⅣ-132に同じような品が収録されていますが、サイズと表の文様はさほど変わらないものの、裏文様はかなり違っています。
ウチの品は落款がありませんが、柴コレの収蔵品は「奇玉宝鼎之珍 」の落款が入っていることを思えば
柴コレの品は注文品で、ウチの品は一般品といった感じでしょうか。
柴コレでは1730~50年代ということになっていますが、高台部分の文様などは確かにそう思わせるものがあります


さて、この結形皿なんですが、どうやらサイズの大きな品よりも、豆皿や小皿のほうが人気があるようで、意外に安かったりします。
今から20年ほど前であれば、この品も数万円したように思いますが、ワタシが数年前に購入したときは5千円以下のお値段でした。
無傷の中期古伊万里がこんな値段でいいのかという思いはあるものの、安く入手してラッキー!、と思ったのも事実です。

回想の古伊万里 119(山水に波文七寸皿)

2021-03-28 19:48:35 | 古伊万里
 ウチの古伊万里も残りが少なくなりました。
ワタシの場合、かなりいいかげんな性格のため、自分がいくつ古伊万里を持っているのか数えたことがありませんし
購入時の年月日や金額もまったく記録していません。(コレクターには向いていないようで・・・)

それはさておき、伊万里に限らず、骨董には「残念物」というものが存在するようで、定義は定かではありませんが
「完品だったら名品とか優品、でも大傷物とか、後世の下手な直しがある」みたいなものでしょうか。
そんな訳で、今回紹介するのは特に優品というわけではないものの、難点のある残念物です。
「山水に波文七寸皿」


縁の部分に如意頭文が陽刻された、寛文期の典型的な七寸皿です
見込みには山水(?)と蛇籠、そして波文が描かれており、一見するとまともな品に見えなくもありません。
この品を見てまず気づくのは、6時の方向の黄色く変色が見られる部分です
この部分は何がしかの技法で直しがされているのは明らかで、陽刻もこの部分だけはっきりしていません。
この直しは樹脂か何かで行われたのかも知れませんが、困ったことに、この部分を指で弾いても、ちゃんと澄んだ音がします。
さらに見込み中央には鉄が飛んだと思われる黒点が見られます。焼継ぎで出来た黒点かと思ったんですが
良く見ると黒いシミのように広がった部分は釉薬の下に広がっていますので
これは焼成時のものと想像されます。
裏面には大きく堂々とした角福の落款があり、表と同様に補修されたと思われる部分に変色が見られます。
この品、小木一良先生の「新集成伊万里」の121頁に同手が掲載されています
この品について小木先生は、「白い波頭が美しい」と紹介しています。
良い品ではあるようですが、残念物ゆえにウチへやって来たとも言えます。

回想の古伊万里 118(染付金彩亀甲文五寸皿)

2021-03-25 19:30:46 | 古伊万里
 先日修理に出ていた新パソコンですが、無事に帰ってきました。
修理報告書を見ると、「ACアダプターの不良」だそうです。早い話が本体の不具合は一切なく、ACアダプターの交換だけで終わったようです。
そんな訳で、今回から再び新PCで書いております。

さて、古九谷金銀彩の品は今までにいくつか紹介してきましたが、今回の品は銀彩がなく、染付と金彩を併用した品になります。
「染付金彩亀甲文五寸皿」

古九谷様式らしい濃い染付で六個の亀甲文(というか六角形かも)を描いた五寸皿です
ひとつおきに違った文様を描くのは伊万里では良く見られるデザイン手法ですが
この品も六個の亀甲文のうち半分には同じ文様を描き、その隣り合った3個の亀甲文には金彩で別々の文様が描かれています。

文様① 水草のような文様ですね
文様➁ 竹文のようです
文様③ 松文か何かでしょうか
金彩はかなり擦れていますが、文様の跡が残っています
この時代の伊万里が好きな者にとっては、この薄く鋭い高台がまた大きな魅力だったりします
落款は古九谷様式としては珍しい「嘉」、上手の藍柿にも「嘉」という落款がありますが、あちらは四角で囲まれています。
五寸サイズなので安く入手できた記憶がありますが、当時はこの手の七寸皿は6桁のお値段で売られておりました。

回想の古伊万里 117(染錦手蓋茶碗)

2021-03-18 21:53:30 | 古伊万里
古伊万里の中でも人気の高いジャンルとそうでないジャンルがありますが、蓋茶碗などは比較的に人気のないジャンルかも知れません。
私がまだ古伊万里初心者だった頃、この世界の大先輩に「蓋茶碗なら良い品でも意外に安く買える」と教えられた覚えがあります
そんな訳で、今回はウチに3個しかない蓋茶碗の中で、一番手の掛かったと思われる品を紹介したいと思います。
「染錦手蓋茶碗」

直径12.5cm、高さ7.5cmほどの大振りの蓋茶碗ですが、これくらいのサイズになると「蓋物」と呼ぶべきなんでありましょうか。
外側は八個の区画に割られ、それぞれ対角線上に同じ文様が描かれています。
文様①
赤玉に金彩、外側は唐草。この文様だけは4カ所に描かれています。

文様②
青玉の中に金彩、外側の地紋も赤
文様③
青玉に金彩ですが、外側の地紋は緑と紫
内側も手抜きはありません
身と蓋に同じ文様が描かれています
縁文様もカラフルに描かれています
ひっくり返すとこんな感じで、高台横の赤い渦巻文様がいかにも江戸中期の品といった感じですし、高台内の文様もなかなかですね。
見るからに江戸中期(元禄あたりか)を思わせる豪華な蓋物で、蓋茶碗としては高い部類ですが、同時代の上手の色絵皿よりは随分安かったように思います。
それにしても、こんな豪華な茶碗、誰が使ったんでしょうか・・・