「骨董掘り出し人生」は2007年に朝日新聞社から刊行された中島誠之助氏の自伝本です
中島氏は骨董関係の著作を何冊も書いておられますが、個人的には「古伊万里染付入門」や「古伊万里赤絵入門」といった
陶磁器関連の専門的な著作よりもエッセイとかの方が好きだったりします。
この本では中島氏の半生が綴られていますが、一歳で両親を共に失くし養子に出され、裕福な養家で優しい養母に育てられたものの
戦後になると裕福だった養家は没落、小学三年生だった中島氏は自らトラックに飛び乗り、父親の兄で骨董商をしていた叔父のところへ行きます。
ちなみに養母はとても美しい人で、観世流の能をたしなむ人だったようです
その後も紆余曲折のある人生を送りながら、骨董の世界で成功していくことになりますが
特に幼少期から骨董商として独立するまでのエピソードは必見で、是非読んで欲しい一編です。
ワタシは中島誠之助氏の著作ではこの作品が一番好きです。