Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 125(雲間に扇文六寸皿)

2021-04-30 23:01:32 | 古伊万里
古伊万里のコレクターの中には特定の文様の品をコレクションする方もいるようですが、ワタシの場合はできるだけ種類を集めたいクチで
同じ種類の文様の品はできるだけ避けて来たように思いますが、それでも同じような文様の品を購入してしまうのは、やはり好みの問題ではありましょうか。
今回の品はウチに2枚だけある扇文の品のうちの一枚です。
「雲間に扇文六寸皿」
回想の古伊万里111で、「花唐草に扇文六寸皿」を紹介しましたが、あちらは盛期に近い伊万里だったのに対し、この品は中期末に近い宝暦~天明あたりの品です。
開かれた扇が二つ描かれているという点では同じですが、絵付けは簡略化されており、盛期の品のような繊細な美しさなありません。
一応染付の濃淡で表現していますが、盛期の品とは随分と違っています
ちなみに↓が「花唐草に扇文六寸皿」の扇の部分です。
時代にして70~80年程度の違いなんですが、この違いが盛期と中期末の品の違いと言えますし、今回の品は随分と厚手に成形されています。


この品は今から20年ほど前、私が伊万里を集め始めた最初の頃に購入した品で、この品を扱っていた関西のベテラン業者さんは
「雲間としているけど、波間だと思えば源平合戦の那須与一(扇の的)をモチーフにしたものでは」と言っておりました。
この業者さんは商売上手だったのは確かですね。


回想の古伊万里 124(染付波に鮎文七寸皿)

2021-04-23 23:03:51 | 古伊万里
伊万里では特に人気が高い文様がいくつかあり、勿論、品物の善し悪しは関係するものの、「この文様の品は高い」という文様があります
「鷺文」や「鶉文」、「兎文」そして魚文では「鮎文」が圧倒的に人気が高く、他の文様よりもずっと高額で売られている場合が多いようです。
今回の品はウチに唯一ある「鮎文」のお皿です。
「染付波に鮎文七寸皿」

一般的な鮎文のお皿は、鮎だけだったり、鮎を目立つように描いた品がほとんどだと思われますが
この品の場合、波文が強すぎて鮎が目立ちません。二匹描かれている鮎も、片方はまるで、鯉の滝登りのような構図となっており
鮎文の描き方としては異端児であるように思われます。
この品の場合、波の表現もわりと個性的で、そういった点で考えると、主文様は「波」なのかも知れません。
この品、一見すると元禄~享保期の品のように感じられますが、裏面を見るともう少し時代があることがわかります。
無落款ですが、裏面の繊細な唐草は寛文~延宝に見られるもので、このあたりも魅力的な部分かも知れません。
惜しいことに小さなホツがありますが、もし完品だったらウチにはやって来なかった品であることお確かでしょうか。


季節はずれの忠臣蔵(赤穂浪士の図五寸皿)

2021-04-20 23:00:35 | 日記
え~、春真っ盛りですが、なんとも季節に合わないお皿を入手しました。
「赤穂浪士の図五寸皿」

1920年代(大正~昭和初期)に作られたと思われる、「忠臣蔵」の中でも有名な両国橋でのシーンを図案化した銅板転写のお皿です。
この場面は、両国橋を渡ろうとした赤穂浪士一行を、町奉行である服部彦七が
「役目の上から物申す、本日は十五日吉例の登城日であるから異型な者を通すことは出来ぬ、または表通りの通行も許さぬ、道を変えて引き上げよ」
といって押しとどめる有名なシーンです。
中央に描かれているのは言わずと知れた大石内蔵助
ちゃんと両国橋と書いてあります。
ちなみに、下の画像は昭和33年に大映が制作して大ヒットした「忠臣蔵」の同じ場面で、大石内蔵助は長谷川一夫が演じています。
この作品では浅野内匠頭を市川雷蔵が、吉良上野介を滝沢修が演じました。
大映版は女優陣も豪華で、京マチ子、若尾文子、山本富士子、木暮実千代、淡島千景、中村玉緒と揃っています。この映画はコチラで全編が見れるようです。
ついでながら、この映画のヒットに刺激されて翌年の昭和34年には東映がオールスターで忠臣蔵を制作しており、この時は大石内蔵助を片岡千恵蔵、浅野内匠頭を中村錦之介、吉良を進藤栄太郎が演じ、他にも大友柳太郎、月形龍之介、東千代之介、山形勲、大川橋蔵、小沢栄太郎と豪華キャストの大作です。
東映版の予告編はコチラで見れます。
忠臣蔵を題材にした映画は多数ありますが、個人的には上記の2本が代表的な作品だと思っています。
大好きな映画の話になってしまいましたが、お皿の裏面はこんな感じです

「大日本中嶋造」の落款が入っていますが、どこの窯かは判りません。
ついでながら、創成期の日本映画で最も多く大石内蔵助を演じたのは「目玉の松ちゃん」こと尾上松之助のようで、彼の雄姿はコチラで見れます。


回想の古伊万里 123(山水に秋草文長皿)

2021-04-16 22:56:46 | 古伊万里
ウチの伊万里のほとんどはお皿で、その多くは一般的な丸いお皿なんですが
個人的には変形皿が大好きなこともあって、長皿は数えるほどしかありません。
そんな数少ない長皿のひとつが、今回紹介する品です。
「山水に秋草文長皿」
9.5cmX19cmサイズの長皿で、見込部分にはごく一般的な山水文が描かれていますので
特に面白味のある品という訳ではないんですが、見込みの周囲に14個の丸文が描かれているのはちょっと珍しいでしょうか。
この丸文の中に描かれているのは、一応秋草としていますが、業者さんによれば「ススキ」だそうです。
染付の発色も良く、文様の筆致も細かいですすし、縁には口錆も塗ってありますので
そこそこの品なんだと思いますが、見込みの文様が面白味に欠けることもあって、安く売られておりました。
落款は「大明成化年製」、高台部分の文様や裏面の唐草文は典型的な中期の品であることを示していますが
業者さんの言うように「元禄古伊万里」なのかどうかは微妙な感じもします。
この手のお皿は魚料理などの盛付に便利ですが
一客だけではどうしようもありませんね。

桜並木と鳥海山

2021-04-11 21:28:02 | 日記
今日はとても天気が良かったので、酒田のお隣の遊佐町の杉沢地区まで出かけてきました。とりあえず、車窓から見える桜並木と鳥海山をどうぞ。

まずは旧羽州浜街道沿いの酒田市西荒瀬地区の桜並木です
同じく西荒瀬地区から見た鳥海山
遊佐町庄泉地区から見える鳥海山

続いては遊佐中学校前の桜並木です

さらに登って、遊佐町杉沢地区から見える鳥海山です。
同じく杉沢地区の民家の枝垂桜はまだ満開ではありませんでした
青空と桜、この時期だけの魅力でしょうか。