Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

裏側の風景 4

2022-08-31 23:13:06 | 古伊万里
 裏側シリーズもそろそろネタ切れですが、とりあえず今回は「平戸」(三川内)として購入した品の裏側を紹介します。
ウチにはたいした品はありませんが、それなりの特長が見られるようには思います。

① 明治期の平戸で最も多く見られるタイプの裏側
伊万里系とは明らかに違う唐草で、この唐草を見たら平戸、みたいな感じでしょうか

白い土、墨弾きと薄濃みもまた特長のひとつです

➁ これも良く見られる鍋島写しの七宝繋ぎが描かれた作例

この品は七宝文が二つですが、同じタイプの小皿でも七宝文が三つ描かれた作例もみられます

表は①と同様に墨弾きと見事な薄濃みで、土の白さを生かしたデザインでもあります

③ これも➁と同様に鍋島写しの裏文様

業者さんは幕末として売っていますが、恐らくは明治に入ってからの品だと思われます
表は裏とは違ってデザイン、薄濃みともに見事な出来栄えです


④ 墨弾きの技法で波と千鳥文が描かれた作例

表は桜川文ですが、土の白さが繊細で美しい文様を引き立ています
それほど時代がないように感じますが、とても魅力のある品だと思っています


⑤ 紅葉文を散らした、あっさりしたデザインの裏面です

表は鳥兜という変わった文様が描かれています

今から20年近く前にヤフオクで購入した品ですが、滋賀県の大手業者さんは「藍柿」として出品しておりました。

裏側の風景 3

2022-08-28 00:25:05 | 古伊万里
あまり面白くないシリーズですが、古伊万里に興味を持っていただければ幸いです。

裏側シリーズの三回目は個人的に大好きな寛文期の染付皿を集めてみました
①芙蓉手の裏面のようなデザインですが、楕円の中に描かれた文様に時代なりの特長が見られます。(何の文様かは知りません)
表を見ると、延宝に近い時代の品にも見えますね

➁ ①の文様をさらにシンプルにした作例で、この手の小皿はわりと見かけます

表を見ると、染付の発色は藍九谷ですが、多少なりとも濃みの技術が進歩しており、やはり寛文末の品だと考えています。

③  寛文期によく見られるタイプで、葉と細い茎(茎)が描かれます

表は藍九谷らしいアバンギャルドで力強くインパクトのある品です

④ これも寛文期では珍しくないタイプですが、いくつかバリエーションがあるようです

表は墨弾きの技法を使った大胆なデザインです

⑤ 最後に紹介するのは古九谷様式らしい変形皿ですが、裏文様としてはかなり珍しいタイプでしょうか
唐草文の原型のような文様を渦巻き状に描いています。

表もまるで騙し絵のような面白い図柄です


ワタシの大好きな薄く鋭い高台を持つ寛文期の品は、裏文様が描かれていない品が多いようで、このあたりの違いは窯による差異なんでしょうか、それとも別の原因があるんでありましょうか。


裏側の風景 2

2022-08-26 23:34:48 | 古伊万里
しょうもない企画ですが、とりあえずあと1~2回続けばと思います。

今回は色絵皿の裏面を集めて見ましたが、なにせウチの収集品の多くは染付皿ですので、あまり盛り上がらないのは確かです。

① いわゆる南京手古九谷ですが、近年はそんな分類はしないかも知れません
葉のようなものを描いた染付けの文様に、古九谷独特の赤を組み合わせていますが、緑がちょっとだけあるのがいい点でしょうか

表は山水文で特に面白いものではありません
➁ 南京手古九谷よりは若干時代の下がる寛文期あたりの金銀彩で、画一的でない独特のデザインの品

古九谷の手の良いものは絵が上手いという特徴がありますが、この品も赤と金銀彩で見事な絵付けです

京都の業者さんからやってきた、個人的にとてもお気に入りの品でもあります

③ 染付で描かれた枝に赤で花を描いた中期によく見られるタイプです

桐に鳳凰という定番のデザインですが、適度に華やかな印象の品です


④ これも染付に赤の組み合わせですが。こちらは享保あたりの品でしょうか

恐らくは類品の多くないと思われる、吹墨と色絵を組みあわせた品

お皿の裏面には表以上に品物の持つ情報が詰まっているようですね。

裏側の風景

2022-08-23 20:43:52 | 古伊万里
 先日までウチにある古伊万里の縁文様のバリエーションを紹介しましたが、お皿というヤツは表があれば裏面もある訳で
ウチの伊万里にも裏面が特徴的な品が少しだけあります。
そこで今回は特徴的な裏文様の品をいくつか紹介したいと思います。

① 江戸中期に見られる凝った裏文様の品で、人物と唐草が描かれています
表はこんな文様なんでが、これは平家物語の小督の一節、源仲国が山里に小督の局を捜す場面 であると、博識な遅生さんに教えていただきました。
(ありがたいことです)

恐らくは20枚程度の特注品の可能性はありそうですね。

➁ 高台の中まで濃厚な色絵で文様が描かれた中期末の品

青手古九谷もびっくりといった感じの色絵で、しかも古九谷のような厚塗りです
裏がこれですから表も同じ感じですね

柴コレの図録で見ると、この手の一群は天明期に登場するようですが、皿、蓋茶碗といった器形が見られます
当時としてはかなりコストの掛かった品のようには思えますが、古伊万里の世界での人気はイマイチのような気も・・・。

③ ①と同様に中期に登場する裏面が総模様のタイプ
裏面はびっしりと唐草文様で埋め尽くされており、裏面に手間がかかっています

表はとうかというと、こちらも細かい文様が区割りで描かれており、見込み中央は裏面と共通した印象の唐草です

ワタシなら一区画描いただけで放り出してしまいそうです

④ 元文~宝暦期に見られる瑠璃釉を掛け分けした特徴的なタイプですが、裏面の白の部分に唐草を描いている珍しい品

表は松に鶴というおめでたい図柄ですが、裏面に唐草が描かれている点を考慮すると、この手としては早い時代の品の可能性もあります

⑤ 最後は古伊万里ではなく明治期の平戸ですが、裏面が高台の中まで法螺貝が絵付けされている楽しい品です

表は裏とは何の関係もないと思われる枇杷文ですが、何か関係があるのかはワタシのレベルでは判りません。

普段は見えない裏側に凝った品は、それだけで魅力が増すように思うのはワタシだけでしょうか?。


蚶満寺へ行く

2022-08-19 20:50:23 | 散歩
酒田はこのところ天気が不順で、どえらい雨が時々降るという天気が多かったんですが、今日は久々の好天でした。
そんな訳で、今日は県境を越えて秋田県にかほ市の蚶満寺へ行って来ました
「蚶満寺」は853年に慈覚大師によって創建された古刹で、このお寺の裏には国指定文化財の「象潟」(九十九島)が広がっています
案内板です
山門はこんな感じです

山門左側の彫り物

同じく右側の彫り物

ちょっと変わった鐘撞堂、横に大きな芭蕉が植えてあるのは、ここが松尾芭蕉
ゆかりの地であることにちなんでいるのかは判りません

このお寺には七不思議と呼ばれるものがあるようで、その一部を紹介します
「猿丸太夫姿見の井戸」
猿丸太夫は三十六歌仙の一人らしいですが、良く知りません
「西行法師の歌桜」

「親鸞聖人御腰石」
「夜泣の椿」
「木のぼり地蔵」残念ながら葉が茂っていて見えません

これは七不思議ではありませんが、境内にある大きなタブの木

さて「象潟」は地名でもあるんですが、どんな場所かは下の案内板をご覧ください

天然記念物の石碑、少々傾いて

九十九島なんですが、水田の中に松島のごとき場所がそここにあるという独特の景観でありまして
蚶満寺から「島めぐり」の道がつながっています

昨日結構な雨が降ったせいか、道が良くなかったのでちょっとだけ見て引き返しましたが
こちらが「駒留島」です

駒留島の上から見た景観

上堂の森

弁天島

鮓蓋島

この辺りから見た鳥海山

10倍ズームで撮ってみました、雪渓がはっきりと判りますね

200年ちょっと前の大地震でこんな地形が出来た訳ですから、大自然の力はすごいものです。