環境が変わったことのない人には分からないかもしれないけど、
「常識」というものは、環境が変わると180度違うことがある。
で、その「常識」ってやつに悩まされることが多い。
それなりの年齢で社会経験が豊富でも、転職をした場合は、
その場所では「新参者」になる。
そんな場面でよく耳にする言葉。
「あなた、こんなことも知らないの?」とか「そんなことも知らないの?」
こんなこと…って……。
似たことは経験しているから、以前経験したようにやってみると
それは違うとおっしゃる。
で、「こんなことも……」というセリフを聞く羽目になる。
しかも鬼の首でもとったような言い方で。
大抵そう言う人はその職場しか知らないお方。
Mはいろんな職場を経験しているので、個々の空気を掴むのは苦手ではない。
で、言いそうな人もわかるので先に釘を打っておくことも忘れない。
「職場によっては常識が違うので、私のやり方が違っていたら教えてください」と。
要するに、郷に入れば郷に従えっちゅ~ことで、どんなに効率が良くても
過去の経験に拘っていたら、その職場では使いもんにならんってこと…。
ナンセンスなことがまかり通ってる場合が多々ある。
おとなしく従っていると、ターゲットは徐々に新しい人に移っていくので
見計らって効率のいいやり方で仕事をすればいい…。
「こんなことも知らないの?」って、ものすごく見下したものの言い方だと思う。
それじゃ、あなたは世の中のこと全て知ってるわけ? と応戦したくなる。
いや…確かにその道のプロが知っていて当たり前な場合は
「こんなことも知らないわけ?」と言ってもいいかもしれない。
でも大抵は素人さんに毛が生えてる程度なわけだし…。
新しい人はたとえ知っていても緊張しているわけで…。
そういう他人の動揺を慮れない人に限って、
ズケズケと相手の自尊心を傷つける言い方をする。
自分のいる場所の常識が全てだと言い張る人にはなりたくない。
…と、新しい職場につくと必ず思う。
行政の場合はどうだろう…
例えば役所で「○○の手続きをお願いします。」と窓口に行ったとき
書類に不備があったりすると、
「これじゃ申請できません」と、つき返された経験はないだろうか。
その場合、窓口担当者は
「こんなことくらい知ってるだろう」と、思ってない?
もしくは「きっちり調べてから来いよ」と。
自分が知っていることはつい、相手も知っていると思い込む。
例えばタクシーに乗って家に帰る場合。
交差点に差し掛かっていきなり「右!」とか言っても車は急に止まれない…
自分は知ってるから、右に行くものだとばかり思ってるわけで…
こういう思い込みが行政にあると怖いと思う。
しかも「改革」だか「改悪」だか、よぉわからんことで内容がコマゴマ変わり、
書類がガラッと変わったりして、せっかく持っていった書類が
「これは○月から使えないので書き換えて持って来て」と、
当たり前のように言われたりする。
調べないほうも悪いかもしれないが、周知徹底しない行政は悪くないのだろうか?
周知するという大事なことに対して手を抜いてると思うのはMだけ??
前にMのブログで書いた承諾殺人の件も「知っていれば」防げた事件だったはず。
10年間介護してきて、徘徊する母のために職場をやめて
そのうち生活費に困り、最愛の母を殺して自分も自殺しようとした…あの事件…
ものすごくやりきれない反面、この殺伐とした世の中で
あのような深い親子の愛情に、Mもものすごく感動した。
そして…
昨日、裁判長が行政に対して、ひとこと言ってくれたのでMは思わず拍手した。
役所の窓口にいる人って、一度民間のセールス会社で修行したほうがいい。
ひと月修行するだけで世界が変わるはず。
なんというぬるま湯に浸っていたんだ…と開眼すること間違いなし。
もしかしたら、その前にノイローゼになるかも…あまりのハードさに…。
民間では皆それくらいタフに仕事をこなしてるんですよ~。
行政サービスっていう名称があるのかどうかは知りませんが、
一般的に言われる窓口対応って、相手のニーズお構いなしですもんね。
もし、窓口対応の方がこれを読んでくださっていたら考えてほしいなと思うのが、
用事があるからそこに行くってこと。
当たり前のことなんですけど、それを本当に分ってるのかな? と思う。
で、その用事というのは、殆どの人が切羽詰ってる状態です。
例えばですね~…
一家の主人が亡くなったとしましょうか…
高齢の夫婦で子供や親戚がいない場合どうなりますか?
手続き全て、おばあちゃんがひとりでやるんですよ。
で、やらなきゃならないのは死亡したことを届けるだけじゃないでしょ。
しかもそれらの手続きの煩雑さったらないですよね。
それをまだ混乱している状態でこなすわけですよ。
…まぁ…相手がおばあちゃんだったら、大抵の人は見るに見かねて
「お手伝いしましょうか?」と言うかもしれない。
小さな子供のいる主婦とか、時間に追われて役所にいかなければならない人とか
沢山いるわけですよ。
……で、…お役所の開いている時間は、何時から何時まででしたっけ??
この時間帯って…ずっとそのままなんでしょうかね??
まぁ、これは窓口係りが決める話じゃないからなんとも…ですが
実際に対応していれば不満の声が聞こえてくるわけじゃないですか、
それをどうして上に伝えないんでしょうね…。
サービスしてるという意識ではないんですよね? きっと…。
そんなふうに、行政サービスってちっともサービスにはなってない。
奉仕したり、便宜を図ったりすることがサービスですから、
行政の窓口サービスはサービスとは言えませんよね…。
出来ないことは「出来ません」の一点張り。
いいですか?
代替案を出してこそ、はじめてあなたも仕事をしたことになるんです。
それ…肝に銘じてほしいと思う。
「出来ません」と突っ返すのがあなたの仕事ではありませんし、
それをサービスとは言わない。
本当は、福祉のことについてもっと広くPRしてほしいと思う。
個別配布くらいしたっていいんじゃないのかなぁ。
あまり広く周知すると、安易に使われると思っているのかもしれないけど、
その考えのほうが安易だと思う。
ズルイヤツほど徹底的に調べて、あなたのもと(窓口)に行きますから。
デスクワークに頼らず、マメに足で調査してくださいよ。
人手が足りない??
それをMに言われても……
民間企業も足りない人手でがんばってますし。
しかも残業手当もボーナスもなしで……。
行政サービスこそ民間企業とシェアできないものなのかな??
Mは役所の人間じゃないから、役所のことはわかりません。
ただ、書類を持って行ったとき、一度で済まないことが多々ある。
書類の不備を指摘して「こんなことも知らないの?」と言って片付けないで。