脆い絆（少年の心編）

赤ちゃんが成長して物心がつくと、
だんだん自分の置かれた環境がわかるわけで…
中学生ともなると、大人と子どもの狭間で、
自分で自分をもてあますことがある。

大人は全員通って来た道。
あの頃の複雑な心境を覚えているはずなのに、
イザ自分の子供が反抗すると、融通の利かない大人の枠にはまる。
それは自分も経験してきてることだから
オマエだけが甘えることじゃない…という気持ちが
どこかにあるせいなのかもしれない。
大人になったからといって、
決してあの頃の気持ちを忘れているわけじゃあない。

Ｍが中学生だった頃は、親と意見の合わないときやケンカした時、
グレて自暴自棄になって、親に迷惑かけても構わない…と考えたけど、
今の中学生はそんな生ぬるくはない…
「殺す」
…という、究極の選択をしてしまうようだ……

仲の悪い両親に育てられる子どもは不幸。
子どもの前でケンカをしないという分別をもちあわせていない限りは
子どもの心の負担を考えると別れたほうがいい。
…ただ、これは大人の論理かもしれない。
子どもは自分の親が仲良くやってくれたらそれだけでいいはず。
離婚というものは大人の都合でしかない…
子どもはそれに従うだけ。

親が別れる理由を子どもに言っても
分かってもらえないことのほうが多いと思う。
でも、家族といえどもそれぞれ個別の人間だと諭さなければならない。
今は理解できなくても、いずれは分かるときが来るはず。
父と母の関係はただの男と女にもどっても、
子どもを巻き込んでしまうからには、
きちんと子どもに愛情を持って示す必要は有る。
二人は別れても、
あなたの父であり、あなたの母であることに変わりはない、ということを。

子どものために離婚しないで頑張ってる親もいるかもしれない。
でも、冷戦状態の親や、
いつもケンカばかりしている親を見るのはつらい。
しまいに「あなたのために別れないのよ」なんて子どもに押し付ける親もいる
そんな親はとっとと離婚でもしてくれ…って思う。
仲の悪い親に育てられる子どもは大変だから…さ。

しかし、両親が離婚して、子どもがどちらかにひきとられたとき、
親から見捨てられたと感じる子どもはもっと不幸だ…。

親として最悪なことをしてしまったんだと思う。

大人の都合で子どもを巻き込むことは仕方のないことだとしても、
その後も自分だけが悲劇の真っ只中にいる親は最低だ。
離婚をして自分のことを最優先させたのだから、
遅まきながらでも子供の事をしっかり考えて、彼らが自立するまでは
子どもの気持ちを最優先する人生しか選択すべきじゃないと思う。
それが子どもに対する愛情だろう…が。それくらいしてほしい。
散らばった親の責任を必死にかき集めてさ…。
それをしないで放っておくと……
子どもが究極の選択をしてしまう。

親が離婚したとき、自分を引き取らなかった方の親が再婚したら
子どもは見捨てられたと思って当然だと思う。
自分を捨てることによって、新しい家庭を築くことができ、
自分の居ない場所で幸せになったんだと思うと悔しいだろう…
まだ子どもなのに…まだ親の愛情が欲しいのに
優しい言葉をかけられることなく、お金だけで解決されるのは
あまりにも残酷な仕打ちだと思った。