良く晴れた昼下がり
買い物バッグを抱えてMは歩いていた
道路の両脇にはまだ雪が積もっている
午後のまったりした時間帯
幹線道路から脇道に入ると雑音がピタっと止まり
静かな空間がそこに広がっていた
遠くから音が聞こえてくる
どこだろう? 何の音だろう?
除雪機の音かな?
辺りを見回してもそれらしきものは無い
でも、バタバタ……と微かに聞こえる
どこだろう?
顔を上げて空を見上げると
Mの真上に広がる みごとなまでに青い空の中に
白い小さな飛行機
プロペラ機だ
まるで紙飛行機みたい
気がつくと、Mは口をあんぐり開けて見ていた……
イイトシして恥ずかしいとは思わなかった
誰にも見られなかったから
こんなにのんびりとして
平和に思える時間が とてもありがたい