ちょっと前のニュースで、
男が両手に包丁を持って、知人の男を切りつけた。
というのがあった。
そのとき、両手に刃物を持たれたら防ぎようがない。
巻き込まれない方法はあるんだろうか?
どうやって逃げたらいいんだろう??
と、考え込んだ。
昨日、その防ぎようのない事件が起きてしまった。
しかも、目撃者の話では『静かに』だったので、
切られてしまうまでわからない。
両手に長い包丁を持った男が、
友達を倒していくのを目の当たりにしても、
何が起こったかすぐには理解できなかったと思う。
血が流れているのを見たときは恐怖だったろう。
亡くなった女の子は、孫と同年代だった。
事件の詳細を聞くほどに感情移入してしまう。
そして残念に思い、徐々に怒りにかわっていく。
なぜ子どもを狙うの?
本当に許せない。
そしてまた、
どのチャンネルもその事件一色。
懸命にヘリコプターを飛ばして、上からの映像だの、
目撃者のコメントだの、
速報というカタチで、各局横並びの競争をしていて、
犯人が中学生の頃の写真を出してきた。
……意味ある?
50歳過ぎの男なのに、学生服を着た写真……って。
毎回思うんだけど、
それしか入手できないんだという苦肉の策が見え見え。
逆に恥ずかしくないんだろうか。
犯人の家庭環境だの、なんだのって、
全く興味はない。
知りたいのはそこじゃない。
その後、テレビは見なかった。
たぶん、今日も延々と同じことをやるのだろう。
こういう事件で視聴率をとろうとするのはどうなの?
もういい加減にしたほうがいい。
模倣犯を増やすだけの番組作りのような気がする。
各局同じように時系列で事件の詳細を並べ立てて、
犯人はどういう人物だったとか、
被害者はどういう人柄だったとか、
毎回、毎回、水戸黄門の印籠を出すシーンのようなことしないで、
メディアとしての役割をきちんと考えるべきと思う。
ま、どうでもいいや。
見なきゃいいだけなんだ……。
自分の身は自分で守らなければならない。
そんな時代に本格的に突入してしまった。
安全な日本は遠い昔となりつつある。
自然の災害だけでも手一杯なのに、
事件や事故までもすっかり身近になってしまった。
歩道にいても車が飛び込んできたり、
外を歩けば見知らぬ人に刺されたり、
家の中にいても車が飛び込むくらいだから、
何をどう守ればいいものか……。
せめて子どもを守ることを最優先に、
大人が、社会が、動けばいいのだけれども、
日本は子どもに対して厳しい国だからなんとも……。
また、子どもが巻き込まれる事件や事故が起きないよう、
また、各局横並びのバカの一つ覚えの大騒ぎ報道が増えないよう、
Mは祈る思いでいる。