歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

夏と秋のはざまの歌庭〜そらまめライブ2015〜

2015年09月17日 | 造園 -creation-
去る、8月のお盆休み明けの、週末。


 (ミソハギと蝶々)

毎夏恒例行事となった、そらまめさんのおしゃべりライブ。

今年も、社長はギター伴奏でサポート。
弊社職人チームで、会場設営を担当させて頂きました。


2年前から毎年、担当させてもらっています。

最初のは



去年のは



こんな感じでした。

今年は、

「去年と同じ感じで良いよ」

とリクエストされましたが、

「去年と同じ」=「進歩が無い」「変化が無い」
というのも、つまらない(というか、そんなのやりたくない)。
バージョンアップしなければ、やり甲斐が無い。


実際問題の与条件として、
使う会場は全く同じ:銀座のギャラリーで、
使うハード(舞台)も、前回、前々回と全く同じもの。



変化をつけるには、ソフト(植栽)を変えるしかありません。
が、
時季が一緒で、予算も限られているので、用意出来る植栽も、大きな変更は不可能。


それに加え、
前回は 本番前日に設営出来たので、時間的にゆとりがあったのですが、
今回は、本番当日の朝、2時間で、
ハードも含め全部の設営を完了しなければならない。という、
よりタイトな条件だったので、


前回の反省点なども活かしつつ、よりシンプルに、簡単に、、と、頭をひねり、、、




マイナーチェンジ。



ほとんど一緒に見えるけど、

使う樹種数は減らして、
花モノも種類を絞って、
施工方法もより簡便化して、
実は、よりシンプルになっています。



前回、リスとか犬とか球体とか、多めに置いていた英国アンティークたちも、
売れちゃって在庫が減ったので、限られたものだけ。

対のブルドックは、再登板。





リハの風景。



そらまめさんは、歌がよりお上手に。




背景のグリーンは、前回よりシンプルかつ、よりしっかりめに、‘壁’らしく。
使った樹種は、常緑ヤマボウシをメインに。あと、タチバナとか、ビャクシンとかを、ちょこちょこっと。

「夏と秋のはざま」の季節感を意識して、

夏の元気さを引きずる常緑樹と、それと対比するように、
モミジと、白花のサルスベリと。



パニカムのチョコラータという、ブラウン系の草モノ、
黄色い小花がびっしり高く咲く、ルドベキア・タカオ、
秋の七草の一、オミナエシ(女郎花)で、
そよそよとした初秋の雰囲気を。

後方席からもなるべく見える(ないし、雰囲気を感じられる)よう、
高い位置に花が見えるように、まとめました。



植栽にすっぽり包まれて見えるようにしつつ、
もちろん、どの席からも出演者がちゃんと見えるように配慮します。

ライティングで、見え方がさらに全然変わります。



いざ本番。





ラジオDJのそらまめさん、語りはさすが。



歌は、しっとり聴かせつつ、
たまに歌詞が飛んだり、たまにとちったり。っていうハプニングも交えて、笑いもしっかり起こしつつ、
合唱ありの、アットホームな楽しいファンイベントになりました。






終演。




わずか数時間のための、歌庭。

「晩夏」という、
夏と秋のはざまの、
短くて、
長く感じていた夏の、すうっと引いて行く気配と、
じわじわ寄せる秋枯れの寂しさの気配に、特別胸がきゅんとなる季節に、ふさわしく。






撤収。




季節はじわじわ、変わって行きます。




(青花フジバカマと蝶々)





歌庭 for 'ROSES.2015'~お正月~

2015年04月13日 | 造園 -creation-
2015年のお正月(3~7日)、

表参道ヒルズ地下3Fギャラリーにて開催されました、

チャリティーアート展覧会「ROSES.」にて、

私、大事な部分の空間演出を担当させて頂きました*


が、

腰が重いまま、早4ヶ月・・・“ようやく”ご紹介します!





表参道ヒルズの大階段を下りた、

地下深く、一番奥。



スペースO(オー)。

2011年夏に関わらせて頂いた時と、同じ会場です。

 (そのときの模様はこちら →☆「ROSES.の庭」の巻(2011年9月11日)☆


今回は、第7回。






入ると まず、



天から色とりどりのバラが吊るされた空間。




いろんなアーティストによる作品が出品展示されている‘部屋’です。




ROSES.の名の通り、

バラをモチーフにした、上品な作品があれこれ。
作品の売り上げが、そのままチャリティーとして寄付されます。




価格設定無しの、サイレント・オークションのコーナーも。





今回、このスペースOという だだっぴろい会場は、
ででーんと立つ、真っ白い大壁によって、
3つに仕切られました。

最初の部屋が、たくさんのアーティストさんの出品ゾーン。


真ん中の部屋は、



コンセプトが掲げられていたり、




トークイベントなどに使われますが、(ちらり。)


情報が極力削ぎ落とされた、

ぽっかり空けられた フリースペースになっておりました。

そして、

その奥。第3の部屋が、、、


(ちらり。)





自分が担当させて頂いた空間で、、、






(ちらり。)


メインとなる舞台。

アート・トートバッグの展示空間でした。




タラーン!




第7回の今回、テーマは7色の「虹」。



77(+α)の 錚錚たる世界的アーティスト達にデザインされたトートバッグが、

この空間に 一同に会しました。




見事なまでに、個性がバラバラ!

ものすごい熱量の込められたバッグが

肩を寄せ合うようにみっちりひしめき合ってて、

壮観です。



すべてが貴重な一点もの。
主催者の渕上さん自らが 方々駆けずり回って集めた、汗と涙の結晶。




薔薇色の虹の、結晶。




オークション形式で、ゲットできます。

つまり、
気に入ったものに好きな金額で入札して、最高額をつけた方が、見事ゲット!という仕組み。




というわけで、

この空間、創りました。





会場の構成はというと。

8の字の道を、つくりました。





延々、回遊できるようになっています。






あっちから見たり、こっちから見たり。




出たり、入ったり。



ぐるぐる回りながら、いろいろな視点から、見られるように。




植物は、すべて鉢に入ったまま。生きたまま。

グレーで無機質でドライな空間と、コントラストになるように。





グレーで無機質でドライな空間に、むしろ、

やわらかく でも確かな 生命感を与えるために。






バッグを見るときの、ただの「背景」。




でも、ただの背景だけじゃなくて、

バッグと草花とが 一体になって、

ひとつの生きた絵になるように。



少し視点をずらすだけで また見方が変わる、

一部が全体につながり、全体が一部に集約されていく、

空間まるごと、或るひとつの生命のかたまりのような、

‘生きた絵’になるように。




離れて見たり、

近づいて見たり。

一旦帰って、

もう一回戻って見たりして。


主催者様より、

「大きな白い壁に仕切られてて一番奥が見えないんだけど、
 一歩踏み入れると、『うわっ!』って、びっくりするような、
 緑あふれる別世界が広がっている」

っていう旨のコンセプトを頂戴して、創りました。









お正月=冬真っ只中という、グリーンが最も少ない時季。

ましてや、ふつうのバラなど(自然な状況では)咲かない時季なので、



これ。

葉牡丹(ハボタン)を使いました。

バラの花みたいな形をしているので、‘見立て’の手法で。


ちなみに、

設営中(初期)は、





こんな感じ。



設置完了直後は、





こんな感じでした。



1月2日。植栽搬入に、早朝から2往復。

ほとんど1人でやりましたが、
学生のボランティアスタッフとか、会場構成を設計した建築デザイナーさんとかにも
あれこれ手伝ってもらいながら。



いや~~~、

やっぱり、1人よりたくさん。助けてくれる人の力(マンパワー)は、やっぱり偉大です。


至らぬ点・失敗点なんかが多々ありまして、
正直、100点満点には程遠く、、、悔しさも残っているのですが、、、


はっきり断言できるのは、

「この時点でのベストは、間違いなく、尽くした。」ということ。です。


とにかく、

主催者の方々を始め、
いろんな人に喜んでもらえたようなので、それだけで、良かったです。


お蔭様で、

こんなん、出来ました。

有難う御座いました m(_ _)m




 [歌庭 No.015: ROSES.2015の庭 ~for the space of 77 Art-Tote-Bags~]

  2015.01.03 - 01.07







そらまめライブの歌庭 2014

2014年08月14日 | 造園 -creation-
ただ今、2013年夏の英国旅日記を、1年遅れでこつこつ連載中ですが。

先日、新しい『歌庭』(空間演出的庭)が出来たので、アップします。



昨年8月に開催された、ラジオDJの‘そらまめ’さんこと、滝良子さんのファンクラブイベント。
その、第2弾。

去年つくった第1弾の様子は、こちら>>☆☆☆


      ↑
   (昨年の様子)

今年も、同じギャラリーにて、同じ時季:8月に。

そして 今年も引き続き、弊社社長が サポートギタリストとしての出演も含め、お手伝いすることになったので、
会場の空間演出も引き続き担うことに。



当初は「去年と同じ感じで良いんじゃないか」というノリで言われたのですが、

「同じ‘やる’なら、バージョンアップしないと意味が無い!」

ということで、

・植栽を増して、森レベルをアップ
・弊社の売りであるイギリスのアンティーク商品を使用

することにしました。



命を受けたのがけっこう直前で(しかもお盆前のバタバタシーズンで)ほとんど時間が無かったのですが、
作るからには手を抜けない。バタバタと材料を調達して、
バーッとイメージ図描いて、



本番前日、



搬入、設営。


弊社男スタッフが 真っ白な舞台を一気に設置したところに



まずは セレクトしてきたアンティークのオーナメントたちを




イメージ通りに配置して、



ここから2時間半かけて、
植栽を仕込んでいきます。
こればかりは、自分ひとりで、こつこつ。

そして、



出来ました!


前回と比べると、圧倒的に‘包まれる’感じになったと思います。



英国旅日記でもちらほら出て来ていますが、「マッシュルーム・ストーン」というオーナメントも、重いけど、持って来ました。


ツインのブルドック。



そらまめさんが立つセンターには、
リスの家族と、犬(なんとかテリア)。



小鳥付きのバードバス(水浴び場)。

赤い花は、ハイビスカス(沖縄では‘アカバナ’と呼びます。)

このハイビスカス、設営日は花がぜんぶ無くなっちゃって心配しましたが、
本番当日は、ちゃんとパッチリ 咲いてくれました。


そして、



石の玉。重量級オーナメント。

植栽だけでは絶対に生み出せない 引き締まった重厚感を、これらのアンティークが醸してくれました。
想像以上に。



植栽は、
草花だけでなく。モミジなどの 前回使わなかった背丈のある木を。




植栽の種類は、
この盛夏と秋の始まりの、あわいの時季を意識し、
そよそよ涼しげな感じを意図しました。





モミジが、良い感じの樹形で、舞台にかぶさってくれました。



全体像は、



こんな感じ。
真正面。



右斜めから。

何処から見てもサマになっていれば、成功です。如何でしょうか?


ちいさな森に包まれて。ちいさな動物たちに見守られながら、
そらまめさんが歌うことになります。

(ちなみに、裏コンセプトは「白雪姫」でした。)



リハ中。





う~~ん!良い感じです。
森が。

こればっかりは、自画自賛させて頂きたい。





台風接近中の、荒れる天候の中。

本番直前。

悪天候にも関わらず、お客さんはちゃんと集まってくれて、ほっと。




本番中。



2時間のステージでした。

 ※弊社社長のブログのほうに、レポートもより詳しく、より良い写真も出てますので、併せて御覧下さい。>>☆☆☆


終演後、惜しまれつつも あっけなく、この『歌庭』も解体撤去されました。

ライブが終わり、

台風が去り、

秋が一気に近づいた感じがします。




またいつかどこかで、新しい『歌庭』がお目にかかれる機会があることを、願いつつ。




 ・・・2014.8.10 utaniwa for soramame-live 2014・・・




ムシムシティのセントラルパーク

2014年06月24日 | 造園 -creation-
実作の庭づくりでみっちり忙しすぎて、あっという間に6月も末。。。

後れ馳せながら。6月5~8日の4日間、吉祥寺ニューロカフェにて開催された、虫をテーマにしたグループ展:
『ムシムシティ』

レポートです。



前日、21時。
設営前。



設営中。


設営完了。24時。



窓越し。




どーん。



どーん。

想定よりも、モリモリした森に。



当貸しスペースギャラリーの備品のアンティーク椅子を、森の真ん中に据えさせてもらって、
完成です。






翌日より、あいにくの雨。

平日。
しかも、土砂降りの、ゲリラチックな豪雨だったり。



にもかかわらず、
お客様は次から次へといらしてくれたとのこと!
そして、庭もどうやら好評とのこと*

有り難し!




土曜の夕方過ぎ+日曜の昼過ぎに、自分も来廊してみました。



在廊してくれた仲間が水やりをしてくれたおかげで、植物も碧々と、元気な模様。



夜20時まで開催していたおかげで、色んな方に来て頂けました。

日曜は19時までだったけど、雨が上がってくれたので、



御蔭様で、最後まで絶えず、大盛況。

嬉しい再会、楽しい出会いも。



ムシメセンさんの撮る、虫のどアップ写真。


にインスパイアされた、各アーティストさんの作品群。






そして、
美味しいお菓子。



リアルな虫イラストアイシングのクッキー。




そして、

引き寄せられて?やって来た、虫。



写真も飾られていた「ご本虫」、セマダラコガネ。
最後の最後まで、ずーーーーっと静かに、ご在廊してくれておりました。

(今回の展示のおかげで、この虫のこと、覚えました。)

そして、

小クワガタまで。


終幕後、彼らは すぐそばの井の頭公園へ放たれました。




では、
「ムシムシティのセントラルパーク」
と名付けられた我が庭に、
もうちょっと寄って見てみましょうかね。






自然の風情を出すのに欠かせないのは、草。
特に大好きな「風知草(フウチソウ)」が、そよそよ感を演出。


今の季節感にぴったりな、紫陽花(あじさい)がちりばめられています。
小さな 舞子紫陽花(マイコアジサイ)とか、


ぐねぐね伸びてだら~んと重たく房を垂れ下げる、柏葉紫陽花(カシワバアジサイ)とか。



アンティークの椅子には、自分の作品集(ポートフォリオ)を載せていました。


人気が高かったスモークツリー。このふわふわした独特な花、自分も大好き。








首謀者のカモメさん(イラストレーター)が、鳥を潜ませてくれていました*

この存在感が際立った紅い葉っぱは、


アメリカハナズオウ ‘フォレストパンシー’という木。

原則として、アーティストさんの作品の邪魔にならないよう、主張しすぎない白とか薄い色、ほんわかしたものを選んでいます。
最後の最後に、これも加えようと直感で決めたのが、この紅。

直感、正解でした。とびきり映えます。映えるけど、シックに収まる、良い色です。




アーティストさんは、さすがに目ざとい。



目に見えないほどの蜘蛛の巣についた水滴の美しいのを、けっこう低い位置にあったのに、発見していました。
(ちなみにこれはヘッツィーという名のハイビャクシン。けっこう大きな木を、ひっそり仕込んでありました。)



生きた森を囲む、小さなギャラリーでの、個性的な作品展。

こんな感じの展示でした。



外からちら見え。




森の中に居るかのように、撮ってみたり。


その他、


もろもろ。

植物は、全部で16種使っていました。
詳細は、、、企業秘密!

以上。

「ムシムシティのセントラルパーク」
でした。




終演後、



一気に掃除して、



あっという間に 真っ白いもぬけの殻。


植栽たちも、みな無事に、帰っていきました。





ご足労頂いた皆様、気にかけてくれた皆様、
どうもありがとうございました!m(_ _)m

5月の蚤の市、6月のムシムシティと、復活するや怒濤の攻めモードだった野口造園、
濃厚すぎて忙しすぎて クラクラでしたが、
嬉しい楽しい想いをさせて頂きました。


また、いつかどこかで。



デュワッッ!!





「ムシムシティのセントラルパーク」2014.6.5~6.8







「東京蚤の市」の歌庭

2014年05月21日 | 造園 -creation-
5/17(土)・18(日)。
調布の京王閣(競輪場)にて、「第5回 東京蚤の市」が開催されました。

ライブステージとなる「八角テント」。



かつては遊園地だったそうな。
強烈な黄色と赤の天幕と、
褪せたオレンジ・水色・黄色のベンチが、昭和的レトロ感を醸し出している空間。
微妙なタイムスリップ感あり。

ご縁があって、私、ここの空間装飾を担当させて頂きました。



主催者の手紙社さんからの要望キーワードは、

・ダイナミック(強い存在感、大きく)
・パリの蚤の市
・アンティーク(古き良きもの)
・可愛さよりも、美しさ
・レトロ感(モダン感は×)
・サーカス

など。

デザインについては、若干の紆余曲折~現場合わせの微修正はありつつも、
結局、最初にパッと思い浮かんだイメージを踏襲したものに。

使った材料は、(いろいろ検討したけどもやっぱり)造園家なので、植栽がメインに。
しかも、
剪定や抜根によって出た'廃材’のみを使いました。



普通なら、ただちに「ゴミ」として処理される運命のものたちを。



早速ですが、
設営直後。出来上がりの様子。



こんな感じになりました。




解題。


トップは

トウカエデ。

ざっくり伐採されて、葉っぱがついたまま捨て置かれていたものを再利用。


アンダーは



うねる緑。

これは、



オウゴンシノブヒバ(=ニッコウヒバ:サワラの園芸品種)。

先の冬の大雪で へしゃげてしまった生垣を、抜根撤去したもの。



幹と枝葉を一度すべて解体し、
奇怪な美しい形態をした幹を絡め合わせてベースの構造に。



そこに、切除した枝葉を再び「取り付け」。
随所に突き立てたりなんやかんやして、再構築しました。

自然の造形の、絶妙な荒々しさは、美しい。そして、ダイナミック。



トップとアンダーを繋ぐのは、
太めの麻ひもです。農業資材の。

このひもに、ラッピングペーパーを切り出して作った三角旗を ランダムに取り付けて、ちりばめました。



色んな柄の旗を大量に用意しましたが、
最終的に、フランスっぽい・アンティークっぽい・アースカラーの・シャビーなものだけで、シックで上品な雰囲気に統一。

これで、ロープカーテン状の‘透けるテント’を作りました。

プラス、
キラキラテープを混ぜています。これまた、農業資材の。鳥よけのやつです。
風が吹くと、ひらひら、キラキラするのです。
(ここら辺が、「サーカス」感の演出。当初はもっとゴテゴテぐちゃぐちゃのカオスにするつもりでしたが、「美しさ」を重視して、余計なものは削ぎ落し。)


後ろ姿は


こんな感じ。

これがなんだか、
重厚さもあり、繊細さもあり、優雅さもあって、

「マントを羽織った女王の後ろ姿」みたいに見えて、
我ながらいたく気に入りました。



さて、本番当日。





なんと、

想像してたのの 10倍以上の、すんごい人混み、、、。




想定外の恐ろしい大盛況ぶりに、面食らってしまいました。



アメリカンカントリーなバンド「ブルーグラス☆ポリス」さんが演奏中の模様。
人がびっしりで、まったく近づけず。




賑やか。

風が吹くたび、ひもカーテンが揺れて、旗とキラキラテープがキラキラ。よしよし。

でもあんまり強く吹かれてぶっこわれないかと、ひやひや、ドキドキ。



背後もがっつり、びっしり。

後ろからも見えるように、との想定で「透けさせた」ものの、こんなにガッツリ360度囲まれるものとは、正直思ってませんでした…。

間をあけて、



「OLDE WORLDE(オールディ・ワールディ)」さんのアコースティックなステージ。





さて、
ここらで「おや?」と思われる方も居るかと思いますが…。

そう。
本番時と、設営直後。ある部分が、ちょっと変わっているのです。



ええ、
あえて言いません。

当日見てくれた友人は「え?わざとそういう風にしたんだと思ったよ」って言ってくれたりしたけども、
本来は、あっちゃいかんミス。反省します。



幸運にも、すっかり晴れて、フェスティバル日和だったこの二日間。



怒濤の混雑も、このオールディさんのライブをもって ステージイベントがすべて完了したのを受けて、
ようやく波が引いていきました。




日曜日の黄昏時。



皮肉にも、

テントの中にも 初めて陽が射して、風もやわらかに吹き抜けて、
キラキラ、
三角旗も ヒモカーテンもシノブヒバも、キラキラと。



とても美しく輝いていました。



何人かのお客さんが、まったりしながら眺めてくれてた。

何にも催しが無い状態であっても、ただ、ぼーっと眺めて居られるといいな。と考えていたので、
ちょっと嬉しかったです。





祭りのあと。




5時、閉幕。

夏の午後、まだ明るいけど。祭りはお仕舞い。



この「テント」も、幕を下ろしていきます。



最後の光。



棄てられる前に、もう一度‘生かす’ことができた樹々たちも。
再び役目を終えて、解体。




束の間の庭。

儚い宴のための庭。

ずっと続いていく庭の豊かさとはまた違う、独特の切なさ。









綺麗にさっぱり。

すっからかん。




以上、
久しぶりの「歌庭」でした。


手紙社の皆様、見届けてくれた皆様、応援してくれた皆様、ご縁をくれた方々、、、
このたびも、どうもありがとうございました。

また、お会いしましょう。


 ~utaniwa for '5th Tokyo Flea Market'  17-18th.may.2014 ~


次回は、
案外、もう、すぐに。



自慢の庭

2014年04月21日 | 造園 -creation-
作ってから、4度目の春。



自ら手塩にかけて育てているので、思い入れも深い。

自画自賛になるけど、一歩踏み入れると、空気ががらっと変わるんです。
何か違う雰囲気(オーラ?)が、そこにあるんです。いやほんとにほんとに。

今のところ、自分としては最高傑作と言える、自慢の庭です。



元々あったのは、桜の古木、ひとつ。



あとは手つかずの、雑草ボーボーの、なんとなく暗~い空き地でした。

「ここ、なんとか出来ないかしら?」ってオーナーさんに打診されて、
100%自分の好きなようにデザインさせてもらった庭。

回遊路があって、色んな種類の樹々があって、
なによりも‘自然’な、森のような雰囲気のある庭を、作ってみたのでした。

今の会社に入って、庭のデザイナーとして本格的にスタートしてから半年経ったくらいの、まだ初々しい時のこと。



今年。
一番に咲いたのは、



去年追加で植えた、玄海(ゲンカイ)ツツジでした。
一番最初に咲くツツジです。



3月半ば。
まだ咲いていない桜の枯れ木立の下に。

遠くからでも、パッと目に飛び込んで来た、鮮やかなピンク。
そのまばゆさに、うち震えました。


そして、



その奥に灯るのは、
トサミズキの蛍光イエロー。



苑路沿いには、ハナニラの白い星。

まばゆい、明るい、
春の訪れを象徴する色たち。


周囲に芽吹き始めていたのは



たくさんの



これ。



チューリップ。

植えっぱなしで 毎年咲き続けてくれています。



桜とほとんど同時に(か、ちょっとだけ遅れて)咲く。



そして、
桜がさっさと散った後も。






桜が散るタイミングで、
一気に波が押し寄せるように、春の本番が、始まります。



ギボウシの芽吹き。



スノーフレーク。

満を持しての、花、花、花。



4月10日。

このときはまだ、虫垂炎による腹痛を堪えながら。ふらふら。
「今がこの庭のベストシーズンなんだから、見逃してはならない!」と、無理して行ってみたのです。

最初は重く引きずる様なだるさを抱えていたのが、
写真を撮っていたら、なんとなく、腹痛を忘れていました。なんとなく、ですけど。

で、
さて帰るかと踵を返したら、またぐりぐりぐり、、と、。




それから、ぐったり休養期間を挟んで、


4月17日、再訪。

チューリップはすでに満開を越え、



シャガが一斉に咲き出して、
桜の周りが、ますます明るくなってきました。

勝手にどんどん増えすぎるほど増えて群生する、シャガ。
日蔭を明るく幽玄に灯す、神妙な花。
見れば見るほど、不思議な造形。そして、優しい綺麗な香り。




この庭は、
自分が植えていない珍しい植物も ひょっこり出て来ます。



浦島草(うらしまそう)。
この奇怪な暗い色の花を見つけた時には、ほんとにビックリ。

去年は一つだけだったのが、今年は2つに増えていたので、またビックリ。嬉しいビックリ。



十二単(じゅうにひとえ)と思しき、可憐な花も。今年、初登場。

「あれっ!?」っていう、
不意に宝物を見つけたような こういう驚きは、ほんとに嬉しい。


自分の、「こうだったらいいな」と思い描いた庭の理想像と、
自然の、自然なる、気まぐれに見える不思議な力とが、戦うのではなく、融け合って、混ざり合って、
庭になる。

時に、ちゃんと手を入れて、整えながら。




さて、

あっという間に、緑の季節。

これから、まだ柔らかい淡い新緑が、めきめきと厚く、強く、茂って来ます。
ぐんぐん伸びる生命力に満ち溢れる季節。


つられて自分まで、なんだか力が溢れて来るような。
元気をもらえる季節。

虫垂炎も、ときどき不安の種をうずかせながらも、一応快方の傾向。


4月21日。
ますます綺麗な、豊かな森に。



人は、自分の好きな事に没頭したり、好きな場所に落ち着いたりする時、
苦しい事とか辛い事とか心配事とか 痛いお腹のこととか、忘れることが出来るみたい。

自分にもそういう場所があって、嬉しい。

というか、

そういう場所を自分が作る事が出来たということが、嬉しい。


そんなわけで、
自画自賛させて頂きたい、自慢の庭です。


ここみたいな庭を、
もっと色んな人が訪れることが出来る庭を、
もっと多くの人が 幸せな気持ちになれるような庭を、
もっと作っていけたら。

と、

初々しい初心を思い返したり、しつつ。






久々【歌庭】そらまめライブ

2013年09月01日 | 造園 -creation-
もう9月。やっと、9月。
イギリス一人旅から、はや一ヶ月経とうとしています。。。

じらしっぱなしの旅日記。書きたいのはやまやま。、、ですが、
その前に。

先日、久しぶりに『歌庭』を作ったので、取り急ぎアップ*



『歌庭』。

要するに、
‘ほんものの生きた植栽’を使った、ライブの庭的空間演出。

私の個人稼業:「野口造園」の本業ですが、
実作の仕事がもんんのすんごく忙しくなってしまったので、こちらは開店休業状態でした。

久しぶり。
2011年以来、2年ぶりです。





材料調達は、こんな感じ。軽トラ一杯分。


会場は、銀座のギャラリー。



シンプルな空間。
真っ白い壁と、明るい木のフローリングと。




作業中はバタバタ、写真撮ってるひまが無いので、
いきなり出来上がりです、はい、
     ↓



どーん。

今回は、自分が個人で請け負った仕事ではなく、
所属している会社(厳密に言うと、社長)が請け負ったもの。

ステージなどの舞台装置は、弊社スタッフが制作、設営。

自分が担当したのは、植栽。



当初の(社長からの)お題は、
「植栽は少なめ。モダンなイメージ」
という注文だったのですが、
植栽調達の際、あれは良い、コレも良い、となって、
結局、使う植栽は増えました。

シンプルさを失わないよう、
あしらうポイントは要所要所に、ぎゅっと絞りつつ、
ナチュラルなもっさり具合にすっぽり包まれる感じも出すように。



風がそよそよとそよぐような、自然な風景を演出するのに相応しいので、
ひいきにしている「風知草」。
今回も使用。


さわさわと涼しげで、なおかつ、もさっと。



「季節の花も欲しい」ということで、
千日紅を、ちょこちょこ。まん丸い花が可愛らしく、モダン風にも使える。

社長がテーマカラーにしている赤が欲しかったので、

炎の様なケイトウなどを。



今回の主催者は、ラジオのDJをやっている女性。なのですが、
シンガーソングライターもやってしまっている弊社社長が、ギター+コーラスとして、
出演もしたのです。
(ふたをあけたら、社長がソロで自分の曲を歌うコーナーまでありました。)



設営の話。
壁に吊るす予定だったハンギングバスケットは、
全体のバランスを鑑み、椅子(英国アンティーク)に置く。
もう一個のハンギングは、白いパーゴラベンチに。


など。

今回、自分が設営(の一部)を担うことになると決まったのが設営前日とかで、
準備の時間もほとんどなかったので、現場で突貫で臨機応変的な。

シンプルに、ということで、植栽の種類を少なめにするとか、選び方には色々コツがあるんですが、
まあ、こんな感じでした。









こういう、テンポラリーな歌庭にしろ、実作の庭にしろ、
自分が いつも・どこでも心がけているのは、
なによりも「自然であること」。
とにかく、それ。

(プラスαで目指しているコンセプトもあるのですが、それは、企業秘密*)

今回も心がけたのは、やはり、「自然であること。」
だったので、
今までの作風から何か変わった、とかは、無いと思います。

けど、
なにしろ、イギリスから帰ってきて初のクリエイションだったので、
「わざわざ行ってきたのに、大した事無いじゃん」って思われないよう、
ちょっと気を張った。というか、気合い入れました。

おう気合い入ってるな、って見えないように、さりげなく仕上げる、という点にも。




開演直前。





上演中。



主催者は、「そらまめさん」こと、滝良子さん。
ラジオDJという職業柄、顔出しは確か基本的にNGだったはずなので、
遠目+ピンぼけな感じの写真にとどめます。。
(弊社社長のブログの方では、けっこうちゃんと出ちゃってますが;→リンクは一番最後に↓)

完全招待制のファンの集い、ということもあって、
相思相愛な感じの、ハートウォーミングなステージでした。





終演。




たった一日、どころじゃなくて、
わずか数時間のための、特別な庭。





またいずれ、どこかで。

「歌庭」。
庭の実作と共に、またこつこつ続けて行けたらな~、と、思って居ります。

何卒。



PS:弊社社長のブログのほうで、イベントについてもっと詳しく書かれていますので、
良かったら併せて御覧下さい。→ http://yaplog.jp/gsy/archive/1035




今週の庭(と天使)

2012年10月07日 | 造園 -creation-
10月第1週目。

「マンションの外構植栽の、補植修景」
という仕事が、たまたま2つ、同じ週に重なった。

ひとつは、都内某所。



・ほぼ全て常緑系で揃え、

・花よりも葉に重きを置いて、

・なるべくびっしり埋めるように。

・しかし、刈り込み生け垣には絶対したくなくて、なるべく自然の樹形が生きるような、
 風にそよそよ、透ける感じの雰囲気に。


上3つが、施主からの強い希望。(他にも細やかに色々あるけど。)

下1つは、自分がやるからにはこうしたいという、感覚的なコンセプトというか、意志。


四季折々の花々や多様な種類をたくさん詰め込んだりする癖のある自分にしては
珍しく、
だいぶストイックめに、おさめた庭。





施主方(マンションの住人)の中に、同じ道のプロの先輩がいらっしゃって、
アドバイスを頂いたり、サポートして頂いたり、作業まで。とっても助けて頂いた。




常緑/緑 と言えど、
色々な色味、バリエーションがある。

マンションがグレーのモノトーンで、硬質かつ寒々しさ、暗さがあるので、
斑入り葉のものを多用し、明るくなるようにした。
花が咲く樹ものについては、全て白花が咲くものに統一した。

つまり、コンセプトカラーは緑と白。この2つだけ。
自分にしては、ほんとにストイック。


ちょうど花の咲き出した斑入りヤブランが、小さくても少なくても、もの凄く目を引く。


実は、夏にやった施工一発目の結果が、散々なクレームが出た。
それを受けての、今回の修景。

今回補植して、やっと「出来た。」感が出た。

やっと 収まって、ほっと一息。



もう1つは、千葉某所。


マツバギクが、見事なじゅうたんになっていた。

こちらは、先日の台風でいくつか倒れたので、支柱を施すついでに、
枯れたものも1つあったので、チェックついでに、
いっそ、全体的な補植修景をすることに。





こちらも、
やっと「出来た。」という感が出た。

苦手だった支柱立ても、かなり進歩した。台風さんありがとう。

ここもなんとか収まって、
ほっと一息。


リフォーム前からある、ルリマツリの鮮烈なブルーに、
目が覚める。





断続的に進行中の、外構の現場。


シーサーの見守る家。

シーサーの目の先には、



金木犀が咲き始めている。

今年の一番桂花は、ここだった。

ああ、この香り。うっとり。





先週出来た石張りの駐車場に、



カーポートの構造躯体が立ち上がった。ハードウッド(硬質木)の木造。
屋根がまだ葺かれてないので、まだ枠組み、パーゴラ状態。

このパーゴラとかも設計するわけだが、
建築学科を出た手前、やっぱり構造とか、ちゃんと考える。それなりに。
構造は大変苦手だが、ちゃんと考える。

色々、考える。


きわめて限られた空間をなるべく広くするため、柱を細くしたかった。
壁側に接する柱4本は、2本ずつをトラスでつないだ。
専門的な詳しい事は省略させてください。

お施主さんがシンメトリー(左右対称)好きということで、そこは大事に。



反対側の、庭が見える方は、
5本の列柱にした。

イメージは、ヨーロッパの修道院の中庭を廻る回廊の列柱回廊の、あの雰囲気。

列柱越しに庭を眺める、あの不思議な、絵画的な、良い感じが好き。



とにもかくにも、大工さんの御蔭。

美しく収まった。シンプルであれば、モダンでもクラシックでも通用する。

屋根には透明のポリカーボネートを張る。

ここには、光が透けて注いでくれる必要がある。


色々、考える。





他に進行中の現場は2件。

そのうち1つ、埼玉某所は、順調。



まだまだかたちは出来てないけど、順調に運んでいる。
ちょうど今週の真ん中に、お施主さんの奥様が、ご出産。おめでたい!

自分の父の誕生日と一緒。







そんなこんなで、
今週は車移動が多くて、ぶっちゃけ、疲れ果てた。


そんな土曜日。



癒しのエンジェルが。



疲れとか眠気とか、一気に吹き飛ぶ。



どんどん進化する。可愛さが。



手当たり次第、見つけたものをオモチャにする才能。

休む事を知らず遊び続ける才能。



赤ちゃんを育てることこそ、至高のクリエイティブワークだと思う。




口にふくんだ氷が冷た過ぎて悶絶する子。



全身を屈伸させて悶絶する。

なんという可愛さ!柔らかさ!



無邪気。

たまらない。
ずーーーっと見てたい。面白い。仕事にならないけど、もう仕事なんてどうでもいいやと思える。





翌日、日曜。

着々と連載中でございます、かれこれ一ヶ月前の宮古島旅。
その旅のメンバーを集めて、打ち上げバーベキューパーティーをしました。
弊社にて。残念ながら同行できなかったスタッフらの家族も、勢揃いで。



ベイビーズ大集合!

1歳が2人。5歳が2人。
4人居る女子社員の、それぞれの子たちが、一同に会す。


ウインナーを食べる、、、ふりして、食べなーい!あははは!

っていう遊びを、編み出していた。

日々進化する。



可愛い・・・。


かれこれ、まともに休めない日が続いているけど、
庭も着々出来ているし、充実感はある。ただやっぱり、疲れる。神経使うもの。


そんなときにふらっと訪れるエンジェルたちに癒されて、なんとかかんとか。





あ、

以上、ここ1週間くらいの近況報告でした。






バレリーナの屋根裏部屋

2011年11月07日 | 造園 -creation-
10月末、神保町の路地裏の、小さなギャラリーで催されました:
『バレリーナの屋根裏部屋』展。




おかげさまで、
あの小さな小さな空間に、溢れて漏れちゃうほど、
沢山の方にいらして頂きました。

ありがとうございました。m(_ _)m



総勢11人のグループ展。

他10人のいろんな作家さん(みんな女子)に紛れ込み、





白い部屋のすみっこに こっそり出展しました作品は、、、

こちらです!




焼きおにぎり!


友人アヤコンタが差し入れしてくれました。手作りの、できたての。
みんなで美味しく頂きました。どうもありがとうね*



、、っていうのはさておき、

こちらです!!








寄りましょうか。















引きましょうか。





こんなんでした。


枯れ木、ドライにした草、

実、

螺鈿の光る貝殻、ビー玉、

バラの花、コンペイ糖型のキャンドル、

などなど。












タイトルは、ずばり

「バレリーナの屋根裏部屋」

です。





「きれいなものをとってきては、巣につけて美しい巣を作るニワシドリを思い出したよ。」
とは、もりっちの言。

ニワシドリって、知らなかったんですが、
調べたら、

 「庭師鳥」

、って

・・・・!!


なにそれ!まさしく自分にぴったり!笑


というか、
この作品はまさに、自分が あちこちの旅先やなんかしらで見つけては拾い集めて来たストック、
個人的な「宝物」の寄せ集めなんです。

そういう意味で、今までで一番、ミニマルで、ごく私的な
“造園作品”でした。






枯れ木も、貝殻も、
それぞれひとつずつに、れっきとした出自があり、
語り尽くせない思い出があり、
ささやかならぬ思い入れがあります。


きっと誰しも、そういうものがあるんじゃないでしょうか。


自分以外の人には ぜんぜん意味がわからないけど、
自分だけには、特別な宝のようなもの。

まさしく、「思い出=プライスレス」っていう。


******

おかげさまで、いろんな方に見届けてもらえました。
懐かしい友人にも再会できたり。

そして、
生まれたての(2ヶ月)赤ちゃんにも出会えたりして*



ちょー可愛いーーー*
友人の子だけど、ちょー可愛い。

赤ちゃん、まじ可愛い。アニマルだよー。

とか言いながら、写真撮りまくったりして(ほとんどぜんぶブレブレのピンぼけ)





きゃーん笑ったーん



うわー*



うわーーー**

展示なんかもーどーーーでもよくなっちゃうね。




ちっちゃかった長女ポニョミ(仮名)も、もはや3歳。でっかくなってる・・。





さて、





作品ですが。

おかげさまで、良いねって褒めてくれる人もいて。
ありがたやありがたや。

へたな写真では伝えきれないのが立体造形ってものですが、
どうでしょうか?


これをどう見るか。
っていうのは、もちろん作者本人の想起した「正解」はあるんだけど、

「正解」ってのは無いっていうか、
見る人それぞれの目の数だけ正解があってしかるべきで、それで良いと思うので、
くどくど説明したくはないのですが。




以下、一応くどくどと、「自分が」イメージしたことを述べます。

備忘録代わりです。
特に読まなくても良いですよ。
こっから先。



******


自分がこの作品に投影したイメージについて。



まず、
「バレリーナの屋根裏部屋」という主題:キーワードから 結びついたのは、

『ブラックスワン』のイメージでした。
今年 映画館で見た唯一の映画。
すんごい重たい、苦しい映画でした。


ただ独り選ばれし、美しく輝くプリマであるために、

身体に強いるもの凄い負荷と鍛錬の 血と汗と涙があり、
色んな情念が渦巻き、
もの凄い抑圧や嫉妬があり、
ぶっ壊れそうな緊迫した精神状態があり、
どう抗っても打ち克てない壁(老い、実力、運、生来の力、など)があり、
追いつめて、追いつめて、追いつめきったところで、メッタ刺しに引き裂かれるような
自我との闘いがあり。

そういう、ドロドロした血みどろの戦の涙のようなものなどを

一切、全く見せず、

ピンクのサテンのきれいな光沢のあるドレスを着て、
宙をゆらぐ鳥の羽根のように、ふんわり軽やかに、美しく舞わんとする。
解き放たれたように、楽しげに舞わんとする。


それが、バレリーナのイメージ。

自分の、バレリーナのイメージ。



不肖ながら、自分もバレエをやっていて、
バレエってものが いかに、身体に凄絶なる厳しい無茶ぶりを強いているか(しかもそれを感じさせないようにするか)を思い知ったこと。
それと、
上述の『ブラックスワン』の、どす黒い重~~い影響。この二つがでかいです。


それを以て作った この作品は、

一見、とってもフェミニンでファンシーでファンタジックで可愛らしい。
でもその中身は、よくよく見ると、
山のもの海のもの、
荒々しい刺々しいもの、乱れたもの、折れたもの、
私的な思い、念、光り物、枯れたもの、
ゴミのようなもの、
もう色々ごちゃごちゃ、カオスになっていて。

それが、バレリーナの隠された真実の顔。すなわち、
自分の秘密の“屋根裏部屋”に居るときの、顔。


「屋根裏部屋」には、
押し殺した自分の 色々なごちゃごちゃが詰め込まれて、大事に匿われている。
あの人からもらったあれ、あの人へ抱いた感情のあれ、あの時に捨て去ると決めた、あれ。
屋根裏部屋とは、自分の秘密のかけらを大事に大事にしまいこみ、自分だけが見られるところに飾った
「墓」でもある。


でも、

ただひとえに「ダンサーとして美しくありたい」という意志だけが一本、強い軸としてあるので、
表面上は しっかり、とてもきれいに、すっとまとまっている。

「屋根裏部屋」には、たくさんの秘密の宝物や感情を押し隠しながら、
バレリーナは、外には決して何れをも曝け出さないように、
からだをまっすぐにのばし、緊張させ、美しく、清楚に凛と佇む。

それが、バレリーナとしての姿勢。

屋根裏部屋をもつ、バレリーナ。




******


、、っていう、イメージでした。



自分のバレエの先生:マサコティック先生も見に来てくれました*
ブログで紹介してくれたよ。>>マサコティックの日々ブログより

先生ったら、凄いポイントをしっかり看抜いていました。さすが。




カモメさんには

「祭壇みたい。」

と言われました。


それも、まさに大正解で。







********


そんなこんなで、

自分にとって初めての私的展示となった、『バレリーナの屋根裏部屋』展。


友人ナミが絶妙な時間帯の神々しい雰囲気で撮ってくれた写真を、締めに。

(ちょっとでかめ。)





以上。




案内が遅くなったりと、色々とご迷惑おかけしちゃったりもして、どうもすみません;
どうもありがとうございました~*



共演者の皆様も、どうもありがとう*




とりあえず今持てるものは出し尽くした感があるけど;

また次回、どこかで。








お粗末様です。m(_ _)m






ROSES.の庭:3つの島

2011年09月11日 | 造園 -creation-
先日の、チャリティアート展覧会「ROSES.」のための庭。

会場の模様をお届けします。





会場は、
表参道ヒルズ地下3Fの スペース・O (オー)。




バラをテーマに集められたアート作品。




ヒノキのコンパネが立ち並び、散策するような小径が巡ります。


テーマカラーは緑。

それに、白、ゴールド。アースカラー。





 ・テーマカラー = グリーン
 ・バラをモチーフにした作品や、カラフルなロディ(馬みたいなやつ)がたくさん並ぶ
 ・震災被災地の子供たちへ向けたチャリティ
 ・展示を周回しながら見られる小径のような会場構成

 ・なるべくゴミを出さない。
 ・花、植物は生かしたまま使い、切らない。殺さない。

ということを念頭に置いて。

3つの島を作りました。




1つめ。

[入り口の島]。





キーワードは:
集う人の流れを作る(入る人、出る人)・・・渦

バラを使わないでバラを作る

野趣・・・うねり・・・蔓 自然

緑の島 丸い島

小さな花がこっそり









骨格は、
剪定で伐られて「ゴミ」になって打ち棄てられていた大枝を、再利用しました。

縁取りは、ピンクのシルキーな布。









 *



 *





2つ目。
[中心の島]。

中央=「ROSES.テント」のまわりの島





立ちのぼる渦
野生の力
生と死、織り交ぜる
花は無し















 *





 *






3つめ。

[被災地写真の足もとの、花の島]。




キーワードは:花。
とにかく花、色とりどりに
とにかくたくさん、とにかく沢山の花にあふれてほしい

どうか、彼の地にも、
色とりどりの花が満ち溢れますように。

という願いを込めて。
   















鎮魂の白。
光りの白。白の波。

美しい海。




 *





 *



飾られた花の一部は



最後の最後、
少しでも募金収益につなげるために、販売。

お客さんの家に迎えられていきました。

その他の残った花や草も、
畑に帰っていったり、また新しい庭に植えられたり。





というわけで
なんとか無事、終わりました。

足を運んでくれて、見届けてくれた皆様、
残念ながら来られなかったけど、応援してくれた皆様、
どうもありがとうございました。


こんな感じでした;






折しも、今日=9月11日は、
震災から丸半年。

そして、アメリカの同時多発テロから、10年。











Daydream Gardenの花たち

2011年07月22日 | 造園 -creation-
「Daydream Garden for tico moon」

で使った花たちを紹介します。



ワン!




実は、
けっこう、色々な種類ありました。


もともとのご要望は、

前回の結婚式の時のような感じ」で、

「新譜のジャケットの絵の雰囲気をイメージして」。



具体的には、
「舞台の手前に、小さめの、ちょこちょこと、花があれば」。
そして、「低予算で」。


コンセプトとして設定したのは、

「白昼夢のような、夢と現の境目をふらふらするような、惚けたような混沌感」
「多様にカラフル、ちりばめられて混ざり合っている感じ」
 +
「夏の初めの風の、そよそよ、とした涼しげな感じ」。

でした。







風知草。

この葉の線の繊細な流れが素敵で、好きです。

その風を知る草という、名前も。





その陰になっている青紫は


アゲラタム。(カッコウアザミ)。




アゲラタムと、ヒューケラ(ツボサンゴ)の紅いカラーリーフ。

赤褐色系のカラーリーフを入れると、シックに締まります。


今回使った花のベーステイストには


ミソハギとか


セージとか


オイランソウ(宿根フロックス)とかのように

“ピンク”を据えました。

ピンクは、同系色として赤や紅、青、紫と結び付けやすいので、
使い勝手がよいのです。



これに加えて、



ピンクイエローオレンジが混ざり咲く、キンギョソウ。

ひとつの株の中に いろんなハッキリした色が混ざり合ってる。その点で
よい意味で「へんな花だな」と思うのですが、

白昼夢の、ちょっと現とずれたような、変な酩酊感を出すのに、ぴったりかな、と。



白、紅、薄桃、オレンジの、千日紅も。

こちらは、突飛なキンギョソウとは違って、
点描的なグラデーションでやわらかく可愛らしく包み、まとめるための、
おとなしい幼い少女チックな、カラフルさ。

フウチソウと並んで「印象のまとめ役」という重要なポジションなので、
一番目に付く、手前に、一番多く配します。





と同時に、背後にも、ちょこちょこ混ぜ込むんですけどね。




こんな千日紅もありました。


ちなみに、背景には、
手前のキンギョソウとかの鮮やかなビタミンカラーと対照的に、
青とか白をうっすら織り込みます。
陽に対する陰。

それで、奥行きを出すというか、ほの明るくぼやけたような神秘性みたいなのを、狙います。


青と白のイソトマ。星が浮遊してるみたいな花です。



蒼い蝶々みたいな花(名前失念)も。
まさにテーマにぴったり!と思ったのですが、
小さくて地味な上に、本番前に花がたいがい落ちてしまいました;



、、というわけで、
いま、なにげに、テクニックというかネタばらしみたいなことしてますけど、
なんだそれ。て感じですかね。わかりますかね。


あの色をここにこれくらい置き、これをあそこにどれくらい置く。


けっこう感覚的で経験則的なところなので、説明しにくいですが、
多分、ほんとに頑張ればちゃんと論理的に説明できるんだと思います。





花を見せるためには、地味なものも使います。

地味な色、地味な草こそ、大事です。


キリッとした風知草と共に
野生のボーボー感を出すべく、


名前忘れたけど、スゲ系の草とか。


花の終わったスモークツリーの銅葉(ロイヤルパープル)も、
こっそり入れ込みました。



ユーカリも。


ゴールドチャイルドというツタも。


目立たないけど、前景を立たせるために背景に仕込んであった。というものが、
今回に限らず、けっこうあります。

発見する面白さ、というか、隠しネタ的な。

自然の森って、そうなんですよね。いろんなものがちょこちょこ隠れるように混ざりこんでたりして。

「あれっ?」っていう、
森のカオスの中でキラリと光る「異物(stranger)」を発見したときの驚きと喜びって、
ほんと嬉しい、excitingな体験なのです。



サギ草とかね。



クチナシもね。実は居ました。一番奥に。
手前を包み込むローリエたちがあまりに強くて、霞んでしまったけど。




ブルーベリーとかもね。居ました。





ただボーボーカオスに包み込むだけじゃ ぼやけるので、

シンボリックなものも入れます。シンボリックな位置に。



カシワバアジサイ。
ちょっとグロテスクさもある、大胆な、野趣あふれる造形。

全くシンボリックで、とても好きです。

これはハープのすぐ傍に。




ちなみに、ギターの傍は、"草むらに包まれてる感"を強調しました。



つんつんしたスゲ的な草と、夏の河原に群れ咲くミソハギと、




あと、タカノハ(鷹ノ羽)ススキと。


足元には



小さなアベリアのピンク花(エドワードゴーチャ)と。

それから、



これ。

ヨーロッパギョリュウ。

中国生まれの御柳(ぎょりゅう)の、西洋版。

すごく繊細で、野趣もあり、
爽やかでしなやかで、けっこう地味で、
淡いピンク。

完璧。

実は今回の裏主役でした。




苗畑で、しっかり下まで根が付いちゃってたのを、一目ぼれして、

なんとか引っこ抜いてもらって。


今まで実物を知らず、初めて今回出くわしたこの木、ぜひいつか!どこかで使いたいなー、植えたいなーと、思っています。





あとは、前にも書いたとおり、縁取りに
ローリエと、ブルーアイスの枯葉。
あと、松ぼっくりと、ヒマラヤスギのバラ形の花。



実はこのローリエ、
初期歌庭:「sosu -砂漠の庭」で使ったゲッケイジュの「葉っぱの無い枝」の、
“残り物”でした。



 ※「メイキング・オブ・sosu 砂漠の庭」の巻


何年かかっても料理に使いきれないほどのローリエ。

我が家でずーっと甘い芳香を保ちつつ、眠っていたもの。

このたび、晴れてお目見え出来ました。










そして、おまけ。


本番、花がぜんぶ落ちちゃって、使えなかったけど、
可愛らしい花。



草花火。
タリナム、というのですが。

多肉系です。線のようにほそーーい茎の上に、ちょこんと、目の醒めるような鮮やかな紫の花をつけます。



今、
事務所の入り口の扉の横で、
そよそよと揺れつつ、ちいさな花を咲かせています。






というわけで、

このたび tico moonさんのための「Daydream Garden」で使ったお花紹介。でした。

これを参考にまたあの庭の様子を見てみると、




「なるほど~、」

なんて思えるのかどうか、は、

つゆ知らず。





ワン!



(圧倒的に余談ですが、私は圧倒的に猫派です。が、この子は可愛かった~*ブラン。ぜんぜん吠えない良い子。)




Daydream Garden for tico moon

2011年07月20日 | 造園 -creation-
tico moonさんが
「Daydream Garden」というアルバムを作りました。




そのリリース記念のライブは、

同時に、

tico moon 結成10周年を記念するものでもあり。


そのお目出度いライブで、‘庭’を担当させてもらいました。





会場は、代々木上原の丘の上のホール、「MUSICASA(ムジカーザ)」。




鈴木エドワード設計の、かっこいいホール。




元・建築学科出の魂がひさしぶりにうずいて、
ほほーう、と唸ってしまった、よく出来たホールです。




当日は、このピアノが仕舞われて、

ここに舞台が。つまりは、‘庭’が出来ます。





以上、ビフォー。



****************************



そして、ライブ本番、当日!








設営中は
すっかり写真を撮り忘れまして。

tico moonさんの所属レーベルにして今回のライブの主催者:333discsさんが
撮っててくれた写真を発見!多分唯一の、設営中の写真かな。


(photo by 333discsさん。拝借;)

作り方は、前作の結婚式の庭と同じようにしたので、こつこつ手際よく(出来たつもり)。

それでも、3時間ほどだったかな。


こんなん出来ましたー。







「Daydream」=「白昼夢」。


ナチュラルワイルドな雰囲気に、
包み込まれるように。




プラス、
その名の通り、「白昼夢」をイメージして、

tico moonさんの音に感じる、優しさ、静けさ、穏やかさ、可愛らしさを重ねて。





ありえそうで、なんとなくありえないような、

どこか浮き足立ったような、

ちょっとホワホワした、不思議な感じ。

というのを、意識しました。



アコースティックギターと、





ハープと。




見目も麗し。

楽器って、美しいなあと、ほとほと思います。



香りも。




麻布の縁取りに、ローリエの葉っぱと、ブルーアイス(アリゾナイトスギ)の枯れ葉を
ふんだんに撒き散らして、

甘いような蒼いような、
ちょっとしっとりした、涼やかなハーブのような、香り。

冷房の そよそよ、とした風に漂って、

木のルーバーの線の美しいホールに、優しく満ちます。


ホールに足を踏み入れると、ハーブの良い香りがする!
って、
あんまりずっと中に居たので、言われるまで気づかなかった始末でしたが;


疲れや眠さを置いといて、うっとり。


と そこへ




ブラン!

ムジカーザのマスコット犬です。Blanc(白)ってことですね。



記念撮影大会。

なんとなくシュールです。




MUSICASAさんのブラン・ブログにも、カメラ目線バージョンが載っていました。可愛い*





午後いちから、早速リハーサル。





外は灼熱。

中はひんやり。

昼の光りがにじんでいます。



初めて生で聴いたのが、この前の5月。結婚式で、庭を作ったとき。

自分の拵えた‘庭’で演奏してくれた音楽家の一組が、tico moonさんでした。


それで、
今回のライブに際し、「頼んでみたい。」と、声を掛けていただいて。



縁って、不思議なほど、手繰れば手繰るほどつながって、

導かれていく。




昼下がり、3時半。


開場。





満員です。

自分も「関係者席」なんぞに座らせてもらっちゃって、
ドキドキして見守ります。


しばし、待つ。





昼下がり、午後4時半。


おもむろに、お二人登場。

調弦。





開演。


「めぐる森」「森のワルツ」


“森”は、自分にとって殺し文句です。
“森”なんてタイトルに入れられたらもー、気になる気になる好きになる。





生で聴くハープは、圧巻です。




いや、訂正。

ハープだけじゃなく、生で聴く「音楽」は、

圧巻です。




音が奏でられ、スポットライトが照らされる中。

庭も雰囲気が変わります。

なんだか、“生きる”気がします。








プチ鉄琴にもちかえたり。

ちなみにこのギターの影山さん、MCが面白可愛いです。
ハープの吉野さんは、ほとんどしゃべりません。
歌います。

この新しいアルバムから、初めて歌も挑戦したとのこと。
とても素敵でした。





途中休憩をはさみ。



美味しくて可愛らしいフードやドリンクを頂き。









そして、



嗚呼。お仕舞い。

パチパチパチ。



ゆったりとした、儚い時間でした。




音のやんだあとの、静かな余韻。





滲むスポットライトを浴びて。

昼下がりの名残りの、陽だまりを見るようでした。



そしてこのお庭も、

白昼夢のごとく。




宵と余韻と共に、
消えて行きました。






* * *  *




 * *





Daydream Garden for tico moon



  *





音楽の奏でる結婚式の庭

2011年05月09日 | 造園 -creation-
5月8日、日曜日。
見事な五月晴れ。

知人の結婚式の、造園的空間演出をしました。


生演奏が奏でられる中での、手作り結婚式。


どうぞ、ご覧下さい。


* * * *


会場は、



こんな感じ。
某大学付属の式典用会館でした。




それでは、野口造園の新しい“歌庭”を。


まずは 
新郎新婦のお席卓上の、花です。







モッコウバラです。

白と 黄色の。






正面の見栄。

向かって左(=新郎)の方が、白。
右から、黄色。

つるを伸ばしてたくさんのちいさな花をつける、モッコウバラ。

ポット苗を机の下に潜ませ、
両端それぞれから伸ばし、絡まり合わせました。


左の方を、すこしこんもりめ。アシンメトリーに。




バルーンは、新郎の妹さんのお作です。



画家:和田英子さんの描いた鳥の、ランタン・コーンと。

コラボレイション。


ランタン・コーンは 各来賓席にも。



フェルトの花は、新婦の手作り。









新郎新婦席から。







次は、

数組の演奏家が 生演奏をするステージ。


ビフォーです。




スタンバイ、花。




途中経過は 当然撮ってないので、


アフターです。








こんな感じです。





ギターと歌のデュオ。





馬頭琴。


アンド、



ハープ。




ハープって、、、、美しいですね。とんでもなく。


あまりにも 様になり過ぎているもんだから、見蕩れてしまう。




tico moon という、ハープとギターのデュオの方でした。

あれ、友達が確かファンだって言ってたな、って憶い出す。




それぞれの演奏は、リハーサルで、ちょこっとずつだけ拝聴できました。

素敵でした。
やっぱり生の演奏は、大きくて厚くて、深く沁み込みます。




スピーカーの上にちょこんと乗っかっているように見えるのは、




ビバーナム・プリカータム(Viburnum plicatum)の、ピンク花。
ヤブデマリ(japanese Snow ball)の園芸種です。




そのほか、、、色々!

ぜんぶ紹介したいけど!

いかんせん、種類も数も豊富です。





色々、たくさん。


イメージは、

森の深い中に何故かぽつんとある、不思議な花畑。





包み込むように。





窓のむこうの、外の光、空気とも繋がるように。






ちなみに今回、ひとつの花も、切ってません。
全部、ポット苗のまんま。

「園芸テープ」という、麻ひもを編み込んだみたいな資材を敷き、
ポット部分はその下に埋め込む形にしました。
(その下には、薄いビニール敷いて、床が汚れないように。)

ふつうのお花屋さんだったら、
花材を切って、オアシスっていう、スポンジみたいなのに差して、
見事にアレンジメントするでしょうけど、

自分は、プロのお花屋さんみたいなことは(今のところまだ)出来ません。

オアシス使うとなると、水受けの皿みたいなのが必要になるし。

ポットそのままなら、あとで どこかのお庭に植えることも出来るし。

土に根を張った、元気な状態のまま。殺さず、生きたままで使えるから。

















お式は、長いようで あっという間ですね。



このお庭も、ただちに撤去。









往来。

一台の軽バンに、いっぱいいっぱい詰め込んで。


それはそれは、


幸せなドライビングでした。



カスミ草、ラベンダー、スズラン、ローズマリー、



色んな香りが満ちて。


その日。




壮大な夕焼けでした。




長い一日でした。

帰り路で、やっと、ほころんできました。


ゆっくり、じっくり、

「ああ、よかった。。」

って、
想いながらの、帰り道でした。






ということで。


素敵な結婚式。素敵な新郎新婦。


おめでとうございます。





そして、

ありがとうございます。



“不思議な森の中の、音楽の奏でる結婚式の庭。”


出来ました。





* * *


PUAMANAの庭:2 ~宴と庭編~

2010年06月12日 | 造園 -creation-
    「PUAMANA」


   プア・マナ ラハイナの我が家
   芳香な花々に彩られた 我愛しの家
 
   我が家は椰子の木の 間に立つ
   荘厳な椰子の木は ゆっくりと揺れる
 
   いとしの家 海のそばの家
   明るい月光が 海のささなみを照らしている
 
   ラハイナの我が家を 繰り返しよんでおくれ
   幸せをこめてよんでおくれ

  (※参照HP>>***



お待たせしました*


5月の終わりの 満月の夜の

「PUAMANA ~わたしのいえ~」のレポートです。




場所は、六本木の地下の



[Living the Lounge]。




隠れ家的な、ちいさなバー。




訪れる人は

“茶人 宗由”さんによって点てられた
「氷抹茶」(タンポポの花びらを散らし添えて)





Michiyoさんの手作りしっとりチョコレートケーキ、



そして

フランスで仕入れた
花の砂糖漬けの お菓子を、サービスされます。

スミレの花と、バラの花と。

花の香りがそのままに
ぎゅっと甘くかためられた、ぜいたくなお菓子。





星のかたちの砂糖菓子。




下敷きには、Tamayoさんの金の錦繍のような絵。



カウンターでお菓子とお茶を頂いて
ふと くるりと見ると



あらっ。

天井から たらーんと垂らされた 長ーい白い
幕の上に、
美しい女性が座っています。


樹(Miki)手作りの
光沢のある白いスカートに

墨絵アーティスト:Tamayo の「墨絵ライブペインティング」が行われているのです。


墨の黒と、
金と。


描き終わると


やおら
波の音が 響いて来て

おもむろに
舞いが始まります。




Michiyoさんによる、フラ。

「PUAMANA」。




プアマナ とは、ハワイのフラの名曲。

  プア・マナ ラハイナの我が家
  芳香な花々に彩られた 我愛しの家~♪

という歌です。

“わたしのいえ” という意味なのかしら。
と思ったら、

 pua=花、つぼみ
 mana=魂、エネルギー

という意味のようですね。なんか、素敵!

冒頭の歌詞の通り、
いとしの我が家/Home を想った歌なのですね。

両手で「家」をかたちづくるポーズも入ります。



椰子のように。

波のように。

海に吹く風のように。

絶えず揺れ動く、フラの舞い。

たおやかに 漂うよう。




Michiyoさんのソロにつながって、

4人全員が揃って、舞います。




微笑みをたたえながら。

静かに
あたたかに ゆらゆらり揺れ続ける、
やわらかな舞い。



kiss.





ひとつ舞いが終わる毎に
ひとりずつ



ひとつずつ
白いスカートに
墨と金で

サッ と

墨絵が描かれていきます。




カーテンにも


墨が曵かれていきます。


そして再び

舞いが繰り返されます。



「一緒に踊ろ~(花)」と
お客さんで来ていた フラ仲間も突然招集で



圧巻の増員六人バージョン。


あたたかい光のゆれる波間に とろりと包まれるような

やわらかい空気に絆されました。




ドレスコードは「花(Flower)」。



フラのときに身につける、花のレイにちなんで。

ティーリーフという、ハワイの神聖な葉っぱを使った花のレイも
Mikiファミリーのお作。

お茶にも
お菓子にも、
衣装にも、花。



もともと花のような美しい女性たちの。

花にあふれた ちいさな夜の、
花々しい宴。


 Living. . . Live. . . Life. . .


裏キーワードは、[生] (live/life/ナマ)、かな。


そこで、野口造園は。


背景として
生(なま)の“緑”を添えました。





DJブースの背景に。




いろんな種類の 青々とした草を。




もっこもこの スモークツリーや。

トチノキの大きな葉、
シラカシの若い芽の枝、
屋久島ススキのカーリーなクセをつけたもの、アカツメクサの花冠、
カラスムギの青いのと枯れたのを束ねたもの、
正体はわからないけどつるものの葉っぱ(すみません;)、

などなど、、、




野山や
川辺で採って来た、生きた草たち

枯れてもなお 美しく立つ草たちを



生きたままのミドリを



いっぱい盛り込んで、
いっぱいに編み込んで。


生のみどりのタペストリーを作りました。




いうなれば、

「花のライブのための、生きた緑の庭」

といったところでしょうかね。





この花環をササッとつくってくれたMikiのママ他、
澤畑一家や友人のヘルプと
Tamayoさんの素晴らしいアドバイスと
メンバーの応援も たっぷり頂戴して、

なんとか、出来上がりました。


五月のちいさな花の夜。

“ひと夜の庭” です。



自分の友だちも、来てくれました。
どうもありがとう*






舞い続ける宴は

雨と夜を飛び越えて
続きました。


外が青みを帯びて来て



中のオレンジと甘く融けるまで。





まもなく誕生日を迎える
Mikiへのサプライズも織り込んで




きゃあきゃあ*と

花が笑うような夜は

くるくると廻り続けていきました。





バーテンカウンターで頑張って働いてしまったノグチは
申し訳ない事に、エナジー切れで;ぐったり寝てしまったりしてましたが;







<PUAMANA ~わたしのいえ~>

 フラとお茶とお菓子と墨絵と
 花の宴。


歌庭一年目を迎えた自分にとっても ひとつの“節目”の夜になりました。
ありがとう、ほんとにありがとうございました*




ちなみに。

野川で張り切って摘みまくって
余ってしまったアカツメクサ。

ドライフラワーにして、まんまるの花束にして、
牛くん花瓶に背負わせてみたら



アフロヅラみたいなことになっています。








四月の村の結婚式 ~後編~

2010年05月24日 | 造園 -creation-
四月に 山梨・道志の森キャンプ場で催された

“むらまつり風”キャンピング結婚式。







素敵すぎる新郎新婦さん。



料理のプロが持ち寄る色とりどりのフード。







中華粥も。







新鮮なトロピカルなフルーツも。




新郎の友人が作っているという、「酔鯨」という、土佐の酒。

前夜祭のうちに一樽空いてしまって、サトウキビ(沖縄のご友人から直送)ボックスになっていました。



ケーキは無くて



豚の丸焼き。
これまた新郎の友人がつい寸前まで養っていた、大分の超高級・黒豚くん。


ということで、ケーキ入刀ならぬ、
豚入刀でした。

ファーストバイトももちろん、ケーキならぬ、豚丸かじり。






前夜から乗り入れて、めいめいテントやコテージで、キャンプするお客さんたち。


この


でかいやぐらは



前夜のうちに燃え上げられて あっというまに燃え落ちたようでした。




焚き火も自由。


「山仕事なら」とわたくしも、ノコギリとナタを携えて



裏の山から 倒木を切り出してきて、
薪を生産するお役目を。



久しぶりに振るったナタ。ガンガン木を伐り、丸太を担ぐ、
久しぶりの山仕事。
超楽しんでしまいました*




森はほんとに、テンション上がります。




そんな薪をぼんぼん燃やして

焚き火で


なにやらめでたい銀のオーナメントみたいになった
ジャガイモを焼いたり。





ライブあり、



こども大喜びのハンモックあり、



流木アートのディスプレイあり(これには感動した)



ライブペインティングあり。




かわいいこどもに混じって
自分も



描いてみた。

たくさんの人のお祝いの気持ちで カラフルに満ちあふれる、
たったひとつの、そのときだけの絵。


この絵は


張られて




豚の丸焼きカット場の背景に。







さて。そんな結婚式。

自分が担当したのは



この調理場がある小屋周辺。

壁の無い小屋。


背景は



石垣。





用意した花たち。



白をメインに、添え色に主にピンクを。



手前に見えてるのが ペチュニア<ソナタ>の 八重咲きの白。

奥が マーガレット。芯が黄色じゃなくて濃い紅で、超自分好み。


、、などなど。


これらの花(ポット苗)たちを

石垣のすきまの あちこちに配置し
ポットのまま仮植えしました。
(式の終了後、お土産として持って帰ってもらうため。)




ちなみに
手伝ってくれているのは いっつもお世話になっているO君です。
いつも感謝感謝。



こんな感じに。



使った花は 例えば



ダイアンサス(ナデシコ)。

しかも <ブライダルピンク> という品種名で、
小さくて、白地にほんのりピンクが混じっていて、
たまらなく繊細。

テーマカラーにしても
名前からしても「ぴったり!」と、市場でひと目惚れ。


あと


ルピナス。白とかピンクとか、淡い紫とか。

新郎新婦がお好きだと言っていたので。




これも下見のときに「かわいい!」と盛り上がった、
バニーテール(うさぎのしっぽ)こと、ラグラス。

ねこじゃらしのウサギバージョン。超可愛いです。


あと、
スパイス的挿し色に黄色・オレンジも混ざった ランタナとか。

ピンクと白と緑が綺麗に混ざり合う ハツユキカズラ(初雪葛)とか。


“初雪”は



看板にも使って貰っていました*



石垣は以上。



これがまさか、場にしっくり馴染み過ぎて、溶け込み過ぎて、



あたかも「元からそうでした」かのように、
完全な“背景”になり、

かえって
目立たなくなってしまうことに・・・;;


「あたかも最初からそうだったかのように、その場に馴染む。」
それはおそらく、「造園」としては、正解。
しかし、
目立たなきゃいけないイベントのディスプレイとなると、、、


これは、猛省点でした。


でも、
見てくれる人は見てくれていて。

石垣に対面した水場で 手を洗ったりするときに

「ふっと顔を上げた時に、花が見えて、可愛くて、癒されました*」

なんて言っていただけたので、救われました(笑


誰かの心に、ちょっとでも、良い感じに、ひっかかれば。





調理場小屋の柱:
わらわらと人が集い動き回る会場に 対面する
肝心部分には



ティアレア:<スプリングシンフォニー>を。

吊るして、くくりつけました。

ご覧の通り、繊細この上ない花。先っぽがちょこんとピンクなのです!
ユキノシタの仲間です。


この吊るし作業には、涙ぐましい苦労がありましたが;;




こんな風になりました。
柱10本分。


本番では



こんな風に。さりげなく花を添えました。







そしてもう一つ。


小屋をもうちょっとウェディングっぽい雰囲気にしようということで



天井に、天幕を張ってみました。



右の棟と




左の棟と。

実はつくり方(張り方)が わざわざ違うようにしてあります。

だから、空間の雰囲気もちょっと違う。


これまた、ひと苦労。


出来あがった時にはもう、夜になってしまいました。。。


でもこれで、味気ない棒型蛍光灯の照明がふわんと緩和されたかな。


使った素材は、
「寒冷紗」と「防虫ネット(アルミ銀線入)」。どちらも農業資材です。



本番では



こんなふうに。


夜は



こんなふうでした。





以上。設営編でした。
やはりテンパッてしまうのか、作業中はろくに写真を撮れませんな。








おまけに。

新郎新婦へ、ささやかな贈り物として。



バラの花のようなヒマラヤシーダーの花の、飾りを。





気づけば 一ヶ月も経ってしまいましたが、

いま改めて。

ありがとうございました*ユキさんとフジムさん。

非力ながら、こんな楽しいおまつりに参加させてもらえて。
色んなプロのわざを目の当たりにして、勉強になりました。
もっと精進しよう!と
意識を新たにする 有り難い機会になりました。






どこまでもラブ&ピースな たくさんの面白い人たちに たくさん愛されている
新郎新婦のお二人、
また、そのご友人たちに出逢えて、とっても嬉しかったです*


やっぱり、人との出会い・ご縁が、世界を拡げてくれる。




どうぞ、末永ーーーく、お幸せに*








あと
Special Thanks to:



O君。毎度毎度、有り難う;;



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