東の窓に オレンジが見えて、
目が覚めた。
土曜日の朝。
空はそれから、
たちまちのうちに変わった。
*
大気には、
金木犀が満ち満ちている。
溢れんばかりに、オレンジ色が満ち満ちている。
そんな土曜日の朝。
*
そんな土曜日も、
進行する現場。
こつこつと積まれていく、石。
じわじわと赤く増えていく、修正事項。文字。記号。
着々と変わってゆく、景色。
曲線は、
おそらく、私の譲れない美意識。
*
そうして、
夜。
駆け込みで、文字通り息を切らして(だって、ビルの5階まで階段で登んなきゃいけないんだもの!)
ぷはーっ!つって飛び込んだのは、
友人たちの展覧会。
タイトルは、
「Le son de coup d'ailes」
意味は、
“羽の音”。
だそうです。
フランス語。
サブキャプチャーにあったコンセプトは:
記憶の片隅に漂う、微かな残像と欠片が
重なり合う一瞬、一時の多重構造の世界。
入るなり、美しい。
オフホワイトとベージュの、柔らかな世界。
白いドレープの陰影。
好き。
やりたいこういうの。いつか自分の家が、こういうのが似合うような家になることが、もしも、あったら。
*
この展示はというと、
昨年冬、自分も参加したグループ展:『バレリーナの屋根裏部屋展』、
そのメンバー(多数)のうちの お3方が再集結したというもの。
写真家の、ふくいさん。(HP:http://yukofukui.com/)
髪型はミイだったよ。
ふくいさんの写真の、植物を撮ったときの光の透ける感じや儚げな色味が、大好き。
花。
ものすごくぼやかして、光そのもの・色の光かたまりそのものにまで抽象化した、花。
逆に、はっきりと緻密に写したのは、枯れかけた、死にかけの花。
生と死の境界の、曖昧。
自分じゃ撮れない写真。
写真って、誰でも簡単に撮れるようだけど、
誰にも容易には撮れないものも、ある。
*
アンティーク・レースなどをコラージュしたジュエリー小物作家、Re-tour(ルトア)さん。
(HP:http://re-tour.net/)
超繊細。
細かい細かい糸、布、
旧い聖書のひと欠片。
これまた、自分じゃ絶対に出来ないな、という作品。
ちいさなちいさな、緻密に絡められ、凝縮された、繊細な想い。
展示の仕方も、細やか。
こういう落ち葉も、ちゃんと取りに行って来たんだもんなあって分かるから、
ぐっと来る。
ルトアさんのショップカードには、もりっちが。
ルトアさんが、会うなり一目惚れして「私の作品のモデルになって!」と、初めて頼んだという、
もりっちこと、森野先生。が、モデルになったショップカード。頂きました。
飾ってあったポプリの香りが深く沁みて、なおさらとても素敵なカードに。
思えば、
このもりっちからつながって出会ったのが、このお三方でした。
そんなもりっち先生も、間もなく、展示が(こっそり)始まるそうです!
詳細は、おそらくもりっちのHP>>http://morinomisako.com/に。
*
そして、コラージュ作家の、林美奈子さん。(HP:http://hayashiminako.blog33.fc2.com/)
今回出展されていたのは、今までで一番好きだったかも。
針金のオブジェ。
これだけでも、センスが違うのがわかる。
それから、
「夢十三夜」
と名付けられた、十三編の小さな、詩的な作品集。
金色と白、その淡い間の飴色。ストイックに、言葉も削ぎ落された世界。
非説明的な、抽象的な表現。
結構意外に理屈派だったりする自分には、なかなか出来ないワザ。
アーティスティックなもの、何にでも共通しているのですが、
「自分じゃ絶対出来ないわ、これ・・」
っていうものに、
圧倒的な、絶対的なリスペクトを抱かずに居られません。
一枚のCDアルバムみたい。
こういうの大好き。
13編の中で 一番(なぜか)気に入ったのが、
この、「草の薫り」という作品でした。
ところで、
「十三夜」。
前にも書いたけど、
同名の曲が、マイガッデス:Coccoさんの作品にもある。なので、
もう、タイトルだけで好き度5倍増し確定。ドキュン!と撃たれたのでした。
*
残り30分くらいのところに駆け込んで、
結局30分くらいさらに長居してしまって、
申し訳なし。
でも、もっと長く浸っていたかったなあ・・
と思える、
濃密な、
繊細な、優しい心地の部屋でした。
普段は古家具を売っているギャラリーだそうで
なるほど、そこかしこに、そうそう見かけない、アンティーク家具たちがありました。
*
最後に、お三方を撮る。
ぶれるぶれる。
記憶の片隅に漂う、微かな残像と欠片が
重なり合う一瞬、
一時の多重構造の世界。
・・的な。
楽しげ。
素敵な気分をお裾分け、頂きました。
それにしても、
撮った写真が ことごとくピンぼけ!
妖精が飛んでたのかしらん・・。
*
というわけで、
残念ながら、もう終わっちゃったのですが。。。
より詳しい展示の様子は、ルトアさんのブログ(こちら>>http://yayakoz.exblog.jp/18090983/などで、ご覧になれますね。ぜひ。
そんなこんなで、
珍しく茅場町というところに行って来ましたサタデーナイト。
*
で、
ああそうか、バレリーナ展から、はや一年くらい経つのか~、と。
あれ以来、
この一年、
フリーの“野口造園”的活動は 事実上休止状態にして、本業の庭づくりに邁進して来ました。
あのときの作品は、今も:
鎮座しております。
私の小さな部屋の、窓辺に。
ちらっと、マイナーチェンジしつつ。
10月も、半ば過ぎ。
ほんとに、
早いものです。
* * *
次回は、
翌:日曜日のこと。
横浜に行った話を。
*
目が覚めた。
土曜日の朝。
空はそれから、
たちまちのうちに変わった。
*
大気には、
金木犀が満ち満ちている。
溢れんばかりに、オレンジ色が満ち満ちている。
そんな土曜日の朝。
*
そんな土曜日も、
進行する現場。
こつこつと積まれていく、石。
じわじわと赤く増えていく、修正事項。文字。記号。
着々と変わってゆく、景色。
曲線は、
おそらく、私の譲れない美意識。
*
そうして、
夜。
駆け込みで、文字通り息を切らして(だって、ビルの5階まで階段で登んなきゃいけないんだもの!)
ぷはーっ!つって飛び込んだのは、
友人たちの展覧会。
タイトルは、
「Le son de coup d'ailes」
意味は、
“羽の音”。
だそうです。
フランス語。
サブキャプチャーにあったコンセプトは:
記憶の片隅に漂う、微かな残像と欠片が
重なり合う一瞬、一時の多重構造の世界。
入るなり、美しい。
オフホワイトとベージュの、柔らかな世界。
白いドレープの陰影。
好き。
やりたいこういうの。いつか自分の家が、こういうのが似合うような家になることが、もしも、あったら。
*
この展示はというと、
昨年冬、自分も参加したグループ展:『バレリーナの屋根裏部屋展』、
そのメンバー(多数)のうちの お3方が再集結したというもの。
写真家の、ふくいさん。(HP:http://yukofukui.com/)
髪型はミイだったよ。
ふくいさんの写真の、植物を撮ったときの光の透ける感じや儚げな色味が、大好き。
花。
ものすごくぼやかして、光そのもの・色の光かたまりそのものにまで抽象化した、花。
逆に、はっきりと緻密に写したのは、枯れかけた、死にかけの花。
生と死の境界の、曖昧。
自分じゃ撮れない写真。
写真って、誰でも簡単に撮れるようだけど、
誰にも容易には撮れないものも、ある。
*
アンティーク・レースなどをコラージュしたジュエリー小物作家、Re-tour(ルトア)さん。
(HP:http://re-tour.net/)
超繊細。
細かい細かい糸、布、
旧い聖書のひと欠片。
これまた、自分じゃ絶対に出来ないな、という作品。
ちいさなちいさな、緻密に絡められ、凝縮された、繊細な想い。
展示の仕方も、細やか。
こういう落ち葉も、ちゃんと取りに行って来たんだもんなあって分かるから、
ぐっと来る。
ルトアさんのショップカードには、もりっちが。
ルトアさんが、会うなり一目惚れして「私の作品のモデルになって!」と、初めて頼んだという、
もりっちこと、森野先生。が、モデルになったショップカード。頂きました。
飾ってあったポプリの香りが深く沁みて、なおさらとても素敵なカードに。
思えば、
このもりっちからつながって出会ったのが、このお三方でした。
そんなもりっち先生も、間もなく、展示が(こっそり)始まるそうです!
詳細は、おそらくもりっちのHP>>http://morinomisako.com/に。
*
そして、コラージュ作家の、林美奈子さん。(HP:http://hayashiminako.blog33.fc2.com/)
今回出展されていたのは、今までで一番好きだったかも。
針金のオブジェ。
これだけでも、センスが違うのがわかる。
それから、
「夢十三夜」
と名付けられた、十三編の小さな、詩的な作品集。
金色と白、その淡い間の飴色。ストイックに、言葉も削ぎ落された世界。
非説明的な、抽象的な表現。
結構意外に理屈派だったりする自分には、なかなか出来ないワザ。
アーティスティックなもの、何にでも共通しているのですが、
「自分じゃ絶対出来ないわ、これ・・」
っていうものに、
圧倒的な、絶対的なリスペクトを抱かずに居られません。
一枚のCDアルバムみたい。
こういうの大好き。
13編の中で 一番(なぜか)気に入ったのが、
この、「草の薫り」という作品でした。
ところで、
「十三夜」。
前にも書いたけど、
同名の曲が、マイガッデス:Coccoさんの作品にもある。なので、
もう、タイトルだけで好き度5倍増し確定。ドキュン!と撃たれたのでした。
*
残り30分くらいのところに駆け込んで、
結局30分くらいさらに長居してしまって、
申し訳なし。
でも、もっと長く浸っていたかったなあ・・
と思える、
濃密な、
繊細な、優しい心地の部屋でした。
普段は古家具を売っているギャラリーだそうで
なるほど、そこかしこに、そうそう見かけない、アンティーク家具たちがありました。
*
最後に、お三方を撮る。
ぶれるぶれる。
記憶の片隅に漂う、微かな残像と欠片が
重なり合う一瞬、
一時の多重構造の世界。
・・的な。
楽しげ。
素敵な気分をお裾分け、頂きました。
それにしても、
撮った写真が ことごとくピンぼけ!
妖精が飛んでたのかしらん・・。
*
というわけで、
残念ながら、もう終わっちゃったのですが。。。
より詳しい展示の様子は、ルトアさんのブログ(こちら>>http://yayakoz.exblog.jp/18090983/などで、ご覧になれますね。ぜひ。
そんなこんなで、
珍しく茅場町というところに行って来ましたサタデーナイト。
*
で、
ああそうか、バレリーナ展から、はや一年くらい経つのか~、と。
あれ以来、
この一年、
フリーの“野口造園”的活動は 事実上休止状態にして、本業の庭づくりに邁進して来ました。
あのときの作品は、今も:
鎮座しております。
私の小さな部屋の、窓辺に。
ちらっと、マイナーチェンジしつつ。
10月も、半ば過ぎ。
ほんとに、
早いものです。
* * *
次回は、
翌:日曜日のこと。
横浜に行った話を。
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