歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

新しいはじまりに

2009年07月30日 | 徒然 -tzure-zure-
早速 会った

青。

 *


早速 会った

薔薇の庭。
道行きに、花あふれ咲く庭がある。
それだけで、毎日出かけるのが嬉しい。


 *



早速 会った

虹。
空に吸い込まれる 虹。
最近この都会で立て続いていた、すごい虹たちは
ことごとく見逃してきたけど

ついに見た。

数分とたたずに
空の上の方に すうっと呑み込まれて、消えて行った。


 *


早速 会った

建築。
気になる。
中がどういう構造になってるのか、すごく気になる建築。


 *


早速 会った

叢雲(むらくも)。
豪華な雲の群。

こんな
禍々しい狂気まがいのなりをした雲の
群を成し
おしよせるのを見せられると、
ドキドキ そわそわ ワクワクしないでは居られない。

この感覚を
「戦慄」
と、云うのだろうか。


 *

早速 見た

夕焼けの色。
鮮烈に燃え盛る火焔の色と、
冷酷な闇の色が同居した、
絶妙な、霊妙な、空の色。

空だからこそ有り得る、
共に美しく引き立ち合う
混沌の色。

これもまた、
「戦慄」。




早速 会った


暗闇。暗闇の中の 光。


* * * *

高円寺 から
深大寺 への 引っ越しの日の夕方、
国分寺 、カフェ・スローへ。



キャンドルの灯の明かりの中で行われる
「暗闇カフェ」
というライブイベントに行きました。

暗闇を演出するのは、
旅するピアニスト:重松壮一郎さん
東京&秋田、両方の「森のテラス」で、とてもお世話になったピアニストさん。

競演は、
アフリカ太鼓(とか、色んな民俗楽器)奏者、わきたにじゅんじさん





今回初めて、

の外」で
重松さんのピアノを聴くことになりました。


結論を言うと、至極当たり前のことなんだけど、
「森」で聴く音とは、やはり違いました。

集中して聴けば聴くほど、
「こんなに違うんだ」とびっくりするほど、
響きが、違うのです。


そういえば 生で聴くのは久しぶりだったから
重松さんの演奏も たくさんの旅を経て 進化していて、

とりわけ おなじみの「水滴のダンス」は、
びっくりした。

うまく言えないけど、
後半:以前までは無かった、変化した部分があって、そこから急に
「現在、在るものを、鳴らしている」という感じが
「無限に鳴り続けるもの」に変わった感じがした。

なんというかな
四次元へ飛躍したという感じがした。

それで、

鳥肌が立ったのでした。


ほかのお客さんも、あたたかくて
拍手がとても長くて、盛大で、
同じお客の自分さえ嬉しくなる、素敵な賞賛の拍手でした。


ただ、

自分としては、
森で聴いていた音のほうが、心地好かった。
と、想うのでした。


森にいったん吸い込まれ どこかしらまるくなって還って来る、
ふんわりと包まれて響く、
なにか(自然の風とか光とかなのかな)が沁み通った、
森の音。


場所の特別さ
空間の価値

って、
いざ「つくる」となると、
なかなか意識しにくいし、だから直感的にやるしかないし、故に難しい。
、のだけど、

目に見えないポイントは 空間づくりにとって、肝要な主題。
とりわけ、「目に見えないもの」を響かせるとなると、それがテキメンに出るのだなと
改めて思い知らされました。
空間は、目に見えないものが活きるかどうかで、善し悪しが歴然とする。


重松さんが森にこだわっているわけも、なんか、やっと
わかった気がしました。
ああ、あそこは、ほんとに 特別な場所なんだなと。


東京の森も、

秋田の森も。





わきたにさんも、すばらしかった。



わきたにさんの奏でる
シンギングボウル(fromチベット)や
クリスタルボウル(fromアメリカ)の繰り出す倍音(ボワ~~~~ン)が、
とにかく凄かった。空間が 瞬間 ユニヴァースになる感覚。
空間にちらばる粒子が 瞬間 一にまとまる感覚。

あと、バリの、カエルの鳴き声を出す楽器とか、面白い音とも出逢った。


「シンギングボウルをかぶって叩くと、やばい」というので、



かぶったところを打ってもらいました。

やばかった。これはうまく言葉にならない。


あと、


未知なる美食にも出逢った。(暗闇なのでほとんどわからないと思われるけど。)
モロヘイヤ丼と云う。トロトロしてる。
まず、もちもちの玄米が美味しい。





明るくなった終演後も、カフェスローにて、
時間を忘れて、スローにくつろぐ。


重松さんの一ファンとして、


まだ持ってなかった ニューアルバムたちをお買い求めしました。
ライブ現場でしかお買い求め出来ない、貴重な音たち。

春盤『冬から春へ』。
夏盤『雲』。
チリンバとのコラボ『森あそび』。

「森へ続く道」とか
「はじまりの森」とか
森をキーワードにした曲がたくさんあって、すごく聴きたいと、気になってた。
今回。念願叶って。



早速、ぐるぐる聴いています。

新しい歌。


折しも、
最近。
自分のお気に入りのアーティストたちがこぞって頑張ってくれて;
どんどん素敵な音が、まわりにあふれて居ます。
どれもこれも素敵で、どれもこれも聴き倒すのに、なにかと忙しい!

たくさんの愛しい音を聴きながら、
野川沿いの散歩道とか神代植物公園とか、ゆるゆると、散歩したいなあーと、
夢想しつつ。


 *


 今。

やっと、“始まった”感じがします。


遅々たる一歩。されど、一歩ずつ。


新生活のはじまりに



早速出逢ったものたちに
背中をおされつつ


自分を突き動かすものが 何なのかを
突き詰めつつ


周りの人々やモノに還せるものが何なのかを
追い求めつつ


早速出逢った 新しい空気を
どんどん 吸い込んで


これからも生まれ続ける 新しい歌を
ぜんぶ 大事に 引っ張り回して


ドキドキ わくわく そわそわしながら

鼻歌まじりに



頑張ろう。







引っ越し、遂に完了

2009年07月29日 | 徒然 -tzure-zure-
一ヶ月前に「引っ越しました」と申して居りましたが、

諸事情により、完全に、では、ありませんでした。

大量の荷物たちは
高円寺の仕事場の空き部屋に 置かせて頂いておりました。

ハコを ただ静かに積んでおけばよいものを

多すぎる荷物をなんとか減らそうと、片っ端から空けたり、ひっくり返したり。


おかげで



晩年は、こんな惨状。(もう時効だから公開。)


いともたやすく カオスになりました。
ここでバタバタやったり、ひと休みしたりしてたら、見つかって、
「住んでるの?」と、何度も尋ねられました。

私はただ 言葉を濁して 苦笑いをするのでした。

もう時効なので申し上げますと、

ちょっとだけ、なんとなーく?半分くらい?ちゃっかり?住んでた、的な?ことだったり、
、ね。


でも それも、
バタバタと 徹夜して



何事も無かったかのように、
原状回復。

正直、激務でした。





一方、カオスの素材が持ち込まれた深大寺。




かくして
高円寺から深大寺への「大移動」は、ようやく完了しました。


あとは、荷物の「整理」!



大量の本は



オリジナル本棚もぜひ作りたいけど
とりあえず 急場しのぎ。

無理矢理、積み上げました。
通称:「自力立面パズル式本棚」。

またの名を、「立面カオス」。


CDは、押し入れの奥に、やはり「自力立面パズル式」で。



ほとんど同規格サイズだから、整然と見えます。
収まって、満足満足。

代わりに 布団の置き場所が失われたけど、
満足。





野川という川のそばの 高台にあり



東と南、二面が窓なので、

見晴らしも良いし、日当りも良いし、
「涼しすぎ!」ってくらい、風がびゅんびゅん入ります。


* * *

そして
「引っ越し出来たら、まずやろう!」
と、決めていたのが



こちら。



もりっち(mm)から届けられた、ちょうちょモビール。

もりっちのひとやすみ展に行った時の話

可愛い手作りのハコ。ハコまで可愛い。




包装も繊細‥‥!

開けるのも do ki. do ki.

一思案の果てに、

電灯のヒモに吊るしてみました。



本物の花びらを使った、モビール。

繊細な 三色の蝶々。



繊細な 風のひと吹きで



くるくる 廻る。





ちなみに
モビールが中心に吊るされる羽目になった電灯:
古式ゆかしき昭和な感じの電灯には



トンボ玉のストラップを
ありったけ 吊るし上げ。



(某ペットボトルのお茶のおまけについてたやつ。秋田時代、コツコツ集めていたもの。)


片付けや荷物整理なんかよりも先に、そういう、飾り付けなんかを
率先してやってしまうのでした。

でもまあ、
そんなこんなで、
なんとなく片付いたところで


ココナッツランプを灯してしまえば




すっかり 片付いた気になって、

落ち着いてしまうのでした。


* * *

自分で集めた 愛しいものたちに すっぽり囲まれる贅沢。

越して数日にして すでに

ものすごく くつろいでいます。


お近くにお越しの際は、遊びにおいでまし。 m(__)m




、、と、

早速 いきなり遊びに来てくれた 植木屋のOくん。





クレーン付きの2トン車にて 乗り込んでくれました。

めでたい初客は、つわものでございました。



雨に迷った道端に

2009年07月26日 | 徒然 -tzure-zure-
この前の雨の日


図書館へ行く道々


道をまちがえて さまよった街で




出逢ったボタンクサギ

 牡丹臭木

  Clerodendrum bungei
  クマツヅラ科クレロデンドルム属
  別名:ヒマラヤクサギ、ベニバナクサギ
  英名:Glory flower
  原産地:中国南部,印度北部




  きれいな花なのに
  「気の毒な名前大賞」、一等賞レベル。

  だけど英語名は、「栄光の花」。

  全然違うね。





  花は 夏色  夏の良い香り

  臭いのは 葉っぱ





道に迷うと なぜか

大概、

素敵な花スポットに、出逢える。


そして
道に迷ったことも うっかり忘れて

ふと立ち止まって

しばし見とれたり。





道に迷うと

不安と動揺で まわりをキョロキョロする度合いが 高くなるから、
より アンテナが敏感になるんだろう。


「目的地へ まっしぐら!」
「最短最速ルートで向かいます。」

って言う、「お仕事モード」の 義務感オンリーの気持ち
「お仕事モード」の 鎧(よろい)

それが、

「迷う」
っていう、

不慮の事故 というか
とんでもなく うかつな失敗: あるいは、

ある種
「あ、、これで、世界が終わった。」ぐらいの(ほんとはそんなこと全然無いんだけど;)

その瞬間の自分にとっては ちょっと「もうこれ以上どうにもならない、史上最悪の事態(トラブル)」によって
(ほんとはそんなこと、全然無いんだけど;)


ガクン、と ぐらついてしまって

ふと 立ち止まる。
というか、路頭にて迷っちゃったわけだから ふと立ち止まらざるを得なくて、

動揺しながら


振り返ったり
遠目を見たり

呆然としたり
落ち込んだり

考え込んだり
考え込んだふりをしたり

あるいは、開き直ったり

気持ちがぐるぐる スイッチ(変換)していく。


そうこうしているうちに
薄皮一枚の“鎧”が あえなくピリッと 破けて
そんなところで

視界も
「広域モード」かなにかに スイッチして、


その結果、


 “見つける”んだろうな。




例えば こういう 綺麗な花とかを。

フツウだったらスルーしている(そうせざるを得ない)であろう
道ばたの なにげない 花、とかを。




例えば
「まっしぐら・お仕事モード」ならば きっと見向きもしない

細い横みちとか



ちょっとはずれて奥まったところとかに











心の中では
ほんとは
何よりも見たいな と 思っていて



心の中では
ほんとは
いつでも
会いたいと 探し求めているものを。


例えば こういう



きれいで
なにげない、

花とかを。






御褒美デザート

2009年07月24日 | 徒然 -tzure-zure-
木曜日にやった仕事(のひとつ)。



久しぶりに「ベクター」っていう、建築設計用のソフトを使ったよ。


某街の平面図の、区画の、番地ひとマスひとマスごとに、ナンバリング&色づけするっていう、
たいへん地道な作業。


慣れないパソコン作業に たどたどしかったのが、
途中から どっぷり熱中。



人の横顔に見えますね。


このグラデーショナルなカラーリングは、
完全にngch趣味です。
別にそんな色分けしなくて良かったのに。わざわざ。
愉しんじゃった。あえて。


終わってしまうのが勿体なく思ったり。



「ふつうに、綺麗だね。」

と褒められました。

有り難うございます。
褒めてくれる上司は、とっても有り難いです。

誰かの上司をやってるみなさんへ。
どんなちっちゃなことでもいいから、部下を褒めてやって下さい。

それだけで、仕事場の雰囲気もモチベーションも、全然変わります。




褒められついでに

なおかつ 自分で自分を褒めてやることに。




1:調製豆乳(紀文のキミドリ印)。

常備食。
毎日飲みたい調製豆乳。

2:白烏龍

コンビニで見つけた新商品:「白烏龍」。
「白牡丹」と書いてある。
けど、要するに「白茶」と「ふつうの烏龍茶(=青茶)」のブレンドなんだけど。

中国茶は、発酵具合で6種類に分けられ、それを色で表します。
「紅茶」「緑茶」はスタンダードで有名だけど、
あと「青茶」(=よくあるふつうの烏龍茶)と、「黄茶」。
そして「黒茶」と「白茶」。
「黒烏龍茶」とかもあった(今もある)けど、それもつまりは「黒茶」を使ったわけですね。

黒茶が完発酵茶なら、白茶は半発酵茶。

実際のお茶の色も、味も、
名前の喚起するイメージ通りに、それぞれ違います。


こういう、
シンプルで的確なセンスに溢れた文化、、いいなあ、と思います。


お茶って、まったく、素敵な文化。


お茶好きッ子としては、
お茶の新商品には、どうしても食指が動きます。


って、
オチャオチャしつこく語ってみました。



3:パイの実

コンビニで見つけた パイの実の新商品
「黒砂糖ブリュレ」。


すごい、良いツボ付いて来るね、さすがパイの実。

毎回、なかなかやるなあ。パイの実。

と感心していたら



いつの間にか 食べ終わってた。

中身撮るのすっかり忘却。

お慰み程度に、無残なるカスだけ激写してみたよ。



デザートという、
一日を幸せにしめくくる ささやかだけども 確かな贅沢。





姫沙参夜叉五倍子岨菜蛍袋

2009年07月23日 | 徒然 -tzure-zure-
この前お茶のお稽古に行った時 
 (→その時のブログ:「お茶再会」の巻

床の間に生けてあった茶花の中で、
ひとつ、
分からなかった(忘れちゃった)ものがありましたが



この ムラサキの花。


ブログに載せたのは とっても見にくい写真だったのに、
「それは○○では?」と ご意見を何個も頂き、

ようやっと、
調べがつきました。


正解は、



 姫沙参(ヒメシャジン)

でした。

  Adenophora nikoensis
  キキョウ科ツリガネニンジン属
  沙参(シャジン)とは、ツリガネニンジン(釣鐘人参)の漢名。
  姫(ヒメ)がつくのは、ちっちゃいから。

(写真の出典:oNLINE植物アルバムより)


どうやら、これでしょう。

、、たぶん。




実は

先生に花の名をお尋ねした時、

「それは○○よ!」と仰言った
(たぶん「ヒメシャジン」と仰言った)
のを、
パッ と訊いた印象で、


 「ヤシャブシン」


と、
記憶してしまっていたのです。


語感が似てるでしょ。


そして まんまと「ヤシャブシン」で調べたら、
そんなもの
そもそも 無かったのでした。


ただ、

「ヤシャブシ」

それならば、存在します。もちろん植物です。
(多分、この名前を脳裏にうっすら覚えていて、つなげちゃったんでしょう。)


でも 当の「ヤシャブシ」は、
「ハンノキ」の一種。花はいわゆる「毛虫花」。


  (写真の出典:wikiより)

 ヤシャブシ(夜叉五倍子)

  Alnus firma
  シラカバ科ハンノキ属  落葉高木
  英名:Japanese green alder

「五倍子」(フシ)って、
フツウなら絶対読めない謎漢字ですが、

「ヌルデの若芽や若葉などに ヌルデシロアブラムシが寄生してできる 虫こぶのこと」
で、
タンニンを多く含んでいます。
  黒色のインク(顔料)・染料、皮なめしの材料に用いられ、昔はお歯黒に用いられたそうです。
  染め物では

  「空五倍子色」(うつふしいろ)

  という色を作り出していたそうな。(なんて綺麗な名前!)
  その色は、こちら→空五倍子色(うつふしいろ)

ちなみにヌルデ(白膠木:Rhus javanica)は ウルシ科。
なので、まれにかぶれる人も居るらしい。要注意。




で、(戻って戻って;)

「ヤシャブシ」は 何でそんな名前なのか  というと、


「五倍子」は:
果穂に 同じく”タンニン”を多く含み、「五倍子」の代用として使われたことに
  その名をちなむ のだそうです。(by wiki

なるほどね。


さらに
「夜叉(ヤシャ)」:
これも、ある種 日常的な用語ではない、謎ワード。宗教用語です。

wikiでは:
「熟した果穂が夜叉にも似ていることから」と、サラリと書いてあります。

kotobankの「デジタル大辞泉」によると:
 《(梵)yakṣa(ヤクシャ)の音写》
  顔かたちが恐ろしく、性質が猛悪なインドの鬼神。
  仏教に取り入れられて仏法を守護する鬼神となり、毘沙門天の眷族(けんぞく)とされる。

だそうです。

、、夜叉に似てるって、言われても。。。




って、

wikiやら語源やらを辿っていると 話がずんずん逸れて行きます!が、


「夜叉五倍子」と 例のムラサキの茶花と

どうふんぞり返って見ても、

全然 別モノなのでした。


 *

では 何か?
ということで

候補に挙がったのが


  (写真の出典:wikiより)

  ソバナ(岨菜)

   Adenophora remotiflora
   キキョウ科ツリガネニンジン属
   

これは、「姫沙参」そっくりです。なにしろ属名が ”Adenophora" 、一緒ですもの。
というか、
むしろ、こっちのほうが、生けてあったやつに似てる、、、。

でも「ソバナ」ではなく「ヒメシャジン」と仰言ったのは、たぶん確実。(なにせ「ヤシャブシン」と語感が似ているもの。)


、、んーーー?


どっち?





ちなみに 「ツリガネニンジン」属(ゾク)の頭(カシラ)、
「ツリガネニンジン」御大は



これ。

  ツリガネニンジン(釣鐘人参)

   Adenophora triphylla var. japonica
   キキョウ科ツリガネニンジン属  多年草
   英名:Ladybells


 *


こうして見て来ると、やたらと「ヒメシャジン」周辺にだけは、詳しくなったような、
混沌として、わけのわからぬ 夜叉五倍子的地獄に落ちたような。

少なくとも
「ツリガネニンジン属」には、だいぶ愛着が湧いて来ました。
ついでに「ヤシャブシ」にも。




ツリガネニンジンは、、




ホタルブクロにも似ている。


  ホタルブクロ(蛍袋)

   Campanula punctata Lam.
   キキョウ科ホタルブクロ属
   英名:Bellflower  

 これは属名が「カンパニュラ」だから、「ツリガネニンジン」グループではないわけです。

でも


 (東京・仙川の森のテラスのそばで見つけたホタルブクロ。2007.6.10)

ちょこちょこ、似てる。


 *

そうして、


あれよあれよと言う間に、

どんどん繋がっていって、

果てしなくなってしまう。

ザ・植物連鎖。



さて、

結局あの花は、「姫沙参」だったのか、はたまた、「岨菜」なのか。


、、、エンドレス。



「秋田森のテラス」旅・3:森と湯と蛍

2009年07月22日 | 旅録 -travelogue-
秋田森のテラスの旅、第三章。

いざ

森の中へ。

 *

「勝手知ったる」かのごとく



なんら迷うこと無く 道なき道を 突き進む

でかチワワ。

本能のチカラか

誰よりも先に 分け入って行く



自分より先に立ってぐんぐん この森を進んで行けるやつぁ
そうそう居ないぞ、凄いな、チワワ。


人間とは別のモノを感知しているという、犬の本能。
自然の中で目覚める、アニマルの本能たるものの 凄さ。



鬱蒼と茂って
「ジュラシック・パーク」と化した 森の中。

かいくぐってゆくと



「森のテラス」が現れます。




ヨガ教室や 舞踏のステージ 三味線と箏のコンサート

いろんな舞台になった テラス。




杉の ひたむきに真っ直ぐ伸びる木立に
すっぽり包まれる 静けさ。


他所ではなかなか体験出来ない
静けさ。



本能がうずくのか

先を急ぐ ジュラシック・チワワ。



森の中の池に

ボチャリング。やっぱり水が好き。


杉の森。

下にはシダ。そして



ミズバショウ。

  水芭蕉

   Lysichiton camtschatcense
   サトイモ科ミズバショウ属  日本原種
   英名:Asian skunk cabbage(アジアのスカンクのキャベツ)

  葉っぱをちぎるとスカンクのおならのようなイヤなにおいがする というので
  そんな名前が付けられた、日本原種の多年草。湿原といえば、これ。
  キャベツどころでない、どでかい葉っぱ。



ミズバショウの森を抜け

山道を登って行くと
  


「ナラの広場」に到着。

86歳の老紳士が一人で作り上げた「雨宿り小屋」や「ベンチ」があります。


   (雨宿り小屋 photo by baboo )

ここでは
杉の黒々しさが 途切れて、

一転、明るめ。
ミズナラを中心に モミジやホオノキなどの雑木(落葉広葉樹)たちが
空間を包んでいます。

落葉もたくさん。ひこばえも たくさん。


この「ナラの広場」までが、
30分の ”かんたん散策コース”。

ここから更に ぐる~っと山の嶺をめぐる、長ーい「雑木林のさんぽみち」が
続きます。

が、

ここで下山。






そして
もうひとつのテラス、


「谷のテラス」。  ( photo by baboo )


もともと棚田だった、水うるおう谷の すそに、
あります。

日の沈む谷。棚田の谷。

この谷こそ、
ホタルの湧く谷。


この夜 待ち受ける 最大のイベントにして
この強行突破ツアーの、主目的の要:

「ホタルを見る」。


その舞台が、ここなのです。



たくさん現れるかな。



と いう期待をよそに

夕立が。本気の土砂降りが。

;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;

不安が じわじわ。。。



されど 旅は段取りよく進めましょう。

レッツ・温泉へ ゴー!



いつも行きたい「杣(そま)温泉」。
山奥深くの秘湯。

源泉掛け流しの、あふれるがままの、
とっても良い、熱いお湯。なのに400円。

とっても山奥深くにある秘湯。でも、
森テラから車で 15分で行けます。


露天風呂。(混浴)

内湯と離れて 外にあるので、

内湯に浸かった後に、いちいちまた服着たりするの、面倒!
と、
タオルをザックリ巻いて 飛び出す&駆け込む人も、ちらり居られます。



杣温泉の帰り道は

雨がやんで


      ( photo by baboo )


白く霧立つ 山並みに

黄昏の まぶしく光る



夕暮れ時。



    (photo by canaway )

火照ったからだに

雨上がりに立ち上る霧の白 そのもののような
さっぱり清水で洗い流されたような きれいな
新しい風を、



黄昏の光と一緒に、たっぷり浴びて。


おあつらえ向きに、雨も止んだ。

いよいよ
ホタルへの期待が高まります。



そんな まっさらな爽快感を
いっぺんに覆す:

バーベキューの煙の、いぶり。


     (photo by baboo)

八郎潟から馳せ参じた不思議ダンサー:fukiさんも加わって、

あっという間に いぶされちゃう。

でも、良い。


キャンドルと炎だけの、真っ暗な夜。


     (photo by baboo)

ぜいたくな夜。




と、

あやうく忘れるとこだった

この旅のメイン:ホタル。


外に出てみると


     (photo by baboo)


居た!


ちらっ.  ほら..  。


あ ちら から. 


   ちら, ほら. .. .

. . . . .

    こ  ちら. から,  



   ちら. . .  ほら, . ..


 . .. . . .


. . . .

 ふわ ふわ。


するりと すりぬけて

闇に消えた。





残念ながら、あの土砂降りのせいか、時季がちょっとずれちゃったのか、
去年ほどに溢れ返る様は見られなかったけど、

だだっぴろい、そこはかとなく怖い夜の庭を

月明かりだけを頼りに

ホタルの小さな小さな点を 求めて 追いかけて

おそるおそる駆け巡るのも、
面白いものでした。


* * *

旅は まだまだ続きます!

次回は



「滝」です!


第4章:滝とカフェ






海の日

2009年07月20日 | 徒然 -tzure-zure-
7月20日は、「海の日」だって。

月曜だったけど、祝日だったようですね。

私はというと、
昨日(日曜)もイレギュラーに仕事したので、
寝てました。ネコ並みに。

海どころか、空も見てないな。



今週は、とにかく
模型を作ってました。




東京じゃない某S県N市の、商店街の再開発プロジェクトの、模型です。
だいたいA1サイズ。
1/320という微妙な数値の寸法;


几帳面な性格のせいか、
丁寧にしか出来ない性格のせいか、
実は すごい(無駄に)細かいことを、色々やっています。
「細かすぎる」と褒められ(?)ました。


特筆すべきことといえば;

お手洗いに”ちょっと”立っているスキに
補充中の「スチのり」ボトルが、ぶっ倒れてて
完成寸前の模型が
とぷとぷの スチのりの海に 床上浸水してた(笑)
っていうカタストロフィカル・パレード的ハプニングなんかも 経験した。


そんなこんなで、
ボスの手も借りつつ

なんとか、完成。




というわけで、
今週はがっつり、模型作ってました。

あと
どういう木を植えるか。植栽計画は、
これから。

「やってみたら」と言われたので、
わたくし「野口造園」の仕事になるようです。大丈夫でしょうか。
ほんとに決まると、デカいので、
どうしよう。

がんばろう。




その、某S県N市の
海に、

海の日のちょうど一週間前の日、行って来ました。


正確には、
N市の件の商店街の敷地検分が 主たる目的なのですが。

どうしても



花に食らいついたり


ついつい



「これを撮りたい」的に、頑張ってみたり


ついつい



へんなもの探し に没頭してしまったり。



夕暮れが迫ると 空があまりに



凄絶なことになりそうな気配を醸し出してくれて仕舞っていたので、

居てもたっても居られず、

衝動的に 海の方へ 走っていました。



そんな海の風景を、
おすそわけ。






「海の日」に、
海に行かなかったけど、でもやっぱり海が見たい、貴方のために。




リアルに吹き飛ばされるほどに 風の強い日。
























 満ちる




 引く




 寄せ返す





 暮れ落ちる





 変わる



 灯る





 夜。


潮が じっとり 重たくなって来る。


一人で海にどっぷり心を預けていたら、

色んなことを憶い出したり
色んな想いが流れ出したり

哀しかったり
嬉しかったり

胸が張り裂けそうになったり
頭が回りそうになったり

気持ちが 揺れたり、

凪いだり。




ひとしきり

海の揺れに 心を浸して

誰もいないから 大声で歌ったりして

疲れたところで、
帰りました。






やっぱり、海がすぐ近くにある生活は、いい。
将来、「海の見える生活」をしたい。

そんな気持ちを新たに。







終電ギリギリ。あぶねーあぶねー。









茶道再会 -Bon Vivant-

2009年07月19日 | 遊興 -pleasure-

茶道を再開しました。




裏千家です。

2年前まで、それも ほんのちょろっと ですが、
お稽古していました。



東京に戻って来たので、
同じ先生のところで またやり直させて頂くことにしました。





お茶のお稽古をすると、
ほんとに、気持ちがスンッと、澄み還ります。

リセット。リフレッシュ。
心地好い感覚です。



お道具 お軸

お花(これがやっぱりすごく気になる)

作法ひとつひとつ

そして

お菓子!

お菓子が、美味しい!

今日頂いた主菓子は、写真はないけど、「朝顔市」という名の あんこのお菓子でした。




どれをとっても、

日本の良き文化の凝縮体が さりげなく。


(キラキラ星の棗=なつめ。お抹茶を入れておく容器。たぶんこれは利休型中棗と思われる。)


今日は 久々のご挨拶がてら、お客だけを。
ということだったのですが、

ひと点前だけ、させて頂きました。


(波千鳥のお茶碗。今年は「千鳥」に、よく出逢います。多分ラッキーアイテムだと、勝手に信じています。)



お点前のやり方なんて、
やっぱり ほっとんど 忘却の彼方。

あれやこれやと、 あたふた。

たまーに、覚えてる断片を、しれっと。


心地好かったです。




床の間に生けてあった茶花は、

白:藪茗荷(ヤブミョウガ)

黄:金糸梅(キンシバイ)

黄:金水引(キンミズヒキ)

紫:?(忘れたちゃった;)

緑:縞葦/草葦(シマアシ/クサヨシ)




最近新しく作り直したばかりの、新しい畳の香りのする お茶室と、

新しい 露地庭。



庭、萠え。




帰り道。


すぐそばの パン屋さんに立ち寄りました。




ガソリンスタンドを「リノベーション(建築のかたちや構造は残して、用途を改造)」した、
パン屋さんです。





木の壁画が素敵。




大人気の店内。




ジブリの映画に出て来そうな、大きなパン。発見。
名前は失念。

「パーティーとかに良さそうだね」と、友達の仰る通り。
パーティーなんかに、テーブルに転がっていて欲しい。

それを、そのテーブル上で切り分けて、
チーズのたっぷり入ったシチューとかをとろりと垂らして、一緒に食べたら、、、

あーーー!美味そう**
好けない!素敵な妄想しちゃった!




オレンジピールとレモンとくるみと、あと確か何かが入っているという、酵母パンを買いました。


口に含むや
ポワーッとひろがる、オレンジの皮の
キュンとなる、あの感じ、、!

美味しい、、、!
もう、
毎回、帰りに通おうと決めました。

ちなみに
「Bon Vivant」(ボン・ヴィボン)新百合ケ丘店
というブーランジェリーです。
新百合ケ丘の、王禅寺公園のそばにあります。

フランス語で、直訳すると「good Liver」なんだけど、
「美食家」って意味だそうです。

美食家=善く生きる人

って、すばらしい哲学!




帰りのバスの中、一番後ろの席で、
早速 平らげました。





前の席には 居眠りする 1歳くらい?のベイビー。

その寝息に 耳をすまし。



むちむちした足なんかを、ちらちら見たり。




その後、お茶メイツと
大賑わいの新宿に繰り出し、



お茶の道具屋さんを拝観したり、
白玉あんみつとかを食べたり。
沖縄料理を食べたり。

それぞれの用事に行く友達と別れて、
紀伊国屋で、立ち読みしたり。
バルト9で、見たくてしょうがなかった映画を見たり。


真夏の一歩手前。

緑のあふれる街と、
娯楽とエネルギーのあふれる街。

スローペースなバスの中の 小さくゆらゆら揺れる 昼下がり。

お茶の稽古からの シュッとした心地のままの 帰り道。

美味しいパン。

むちむちした赤ちゃん。


お茶ともだちと、甘味処。

沖縄料理。


本屋さん。

映画鑑賞。




ああ、



「 平和だ。 」


胸の奥底からじんわりと

どうしても そう思えて仕方ない、 そんな一日。



どうしても そう思えて仕方が無い そんな「土曜日ホリデイ」を、
綿々と重ねて、生きていけたら。。


  すごく、贅沢で、

  すごく、平和だ。


  すごく、Bon Vivant だ。




「秋田森のテラス」旅・2:巡

2009年07月16日 | 旅録 -travelogue-
「秋田 森のテラス」への旅(7月4+5日)の
レポート、第二章。




お待たせしました。はじまり はじまり。



玄関の、「ダリア畑」。にんじんとか、野菜も植わっています。

ダリアの本体よりも、
支柱の ”ずらり!”っぷりに、圧倒されました。
地元おばあちゃんたち作業員(71歳)の努力の賜物。




「苗代(なわしろ)」です。
つまりは、水たまり状態の 田んぼ。

これに 誰よりも喜んだのが



でかい“チワワ”(11歳)。




普段 都会生活で抑圧されているものや、
行きの車の10時間拘束が 吹っ切れたのか



水に反応する本能的な何かが はじけ飛んじゃったのか

とっても はしゃいじゃって、
ドロドロになりながら、田んぼの中を ぐるぐる。

「水牛だ!」「水牛になった!」と言われながら。

全然上がろうとしないのでした。






お次は、花畑です。

植わっているのは、「宿根草」。
年を追うごとに どんどん増えてゆく、園芸品種の花たちです。


「はじめの花畑/四季ガーデン(仮称)」



「なかの花畑/三段ガーデン(仮称)」





「おくの花畑/七色ガーデン(仮称)」

  ※奥の花畑・上段 =「赤青紫白桃ガーデン」(仮称)


  ※奥の花畑・下段 =「黄橙ガーデン」(仮称)

ざっと、3カ所あります。

これらは、
苗や種から 地道にこつこつ 育てた花。

雑草取りや、施肥。

およそ3年かけて
手塩にかけて、こつこつ育てた花たち。


ついに
全ての種類が 大きく育ち上がり、

視界いっぱいに
満開に埋め尽くす光景を



やっとこさ、です。

やっとこさ、初めて
目の当たりにすることが出来ました。



「やっと みんな咲いた。」




涙が出そうな光景でした。





広い庭です。




「○○園」とかのような、いわゆる”テーマパーク”ではありません。
見モノが 一定のポイントにガッチリ用意されているわけではありません。

里山の自然が、

そのまんま、そこにあります。


見回せば


クリの花。

 栗(日本栗)
  Castanea crenata
  ブナ科クリ属  落葉高木
  英名:(Japanese) Chestnut
  
群れると、ちょっと変な,独特なにおいのする、栗の花。


「栗花落」と書いて「ついり」と読んだりします。
つまり、「梅雨入り」のこと。




水のほとりには

ノハナショウブ。

 野花菖蒲
  Iris ensata var. spontanea
  アヤメ科アヤメ属
  英名:Japanese (Water) Iris

 

森のふもとには

オカトラノオ。

 丘虎ノ尾(リシマキア)
  Lysimacha clethroides
  サクラソウ科オカトラノオ属
  英名:Gooseneck loosestrife

  
植えたりしたわけではなく、勝手に咲いた野の花たちは、
贅沢に、
咲くべき季節の 流れのままに、
当たり前に、咲いています。


人があつらえたものではない、自然の断片。

訪れるたびに必ず変わってゆく、流れる自然の、一片。

それを ふとした目の先 鼻の先に見つけるのが、また、
自分だけの「お宝」を見つけたみたいで、
うれしくなるのです。



色んなものが、色んなところにある、自然の庭。

そこを
裸足で歩く 白木のデッキの道が


延々と 続いています。


「どこが見どころなの?」
と訊かれたら、

「そんなもの、無い。」と答えましょう。というか、「全て。どこでも。」なのです。
自然って、そういうものでしょう?




だから、
急いで駆け巡るような場所ではありません。
自分のペースで、行きつ戻りつ できます。


そして、たまには
立ち止まり、

のんびり。



振り返り

通って来た道が
全く別の見え方をすることに ハッとしたりして、

でも、

のんびり。




また歩き、



のんびり。



真ん中あたりにある ピアノの小屋(通称:「くら」) にて



ひとやすみ。




ぼーっとして

何もしないで




のんびり。






お気に入りの場所を見つけたら

寝転がり、

のんびり。



さて。ひととおり巡ったな

と思ったら、
まだまだ!
落ち着いちゃうのは、まだ早い。


「森のテラス」は、

森の中へと




続きます。。>>第三章:森と湯と蛍


カオス曼荼羅

2009年07月14日 | 仕事 -work-
最近は、建築模型を作っています。



建築の模型づくりなんて、
建築学科の学生だった時以来!

(、あ、いや、
 そういえば、前の造園事務所でも一個、作りました。)



模型は苦手でした。

というより、

いざ作り出すと やけに丁寧に頑張りすぎてしまって、
とても時間がかかりすぎる。それで、
めんどくさがっていたのです。材料費もかかるし。

で、
「積極的に作らない」方向で、やっていました。


だから、そんなに手慣れてるわけでもないわけで。
おまけにブランクもあり
今回も、
すごーく、時間がかかってしまいつつ。




高円寺の高架下、今勤めている「プラットフォーム・ワークショップ」の、模型です。



「こんなカオスな家に住みたい!」

という模型ではありません。

スタディー模型(検討用にたくさん作る試作)を、適当に、どさっと積んでるだけです。



なんとなく、廃墟っぽいですね。
こんなカオス、けっこう好きです。





「カオス」といえば。

自分の創作のテーマだったりします。

一番のお手本は



曼荼羅。

曼荼羅(マンダラ)って、
カオスどころか、むしろ宇宙的な秩序(コスモス)の、
シンボリックな密教画。

ここに描かれているのは、無限に広がる「個」のミクロコスモスであって、
同時に、どこまでも唯一の「全」であるマクロなコスモスでもあって、
究極的には「無」であって、
要するに、「無限」なのです。


、、、説明するのは、難しいね。
ここらへん、なんか「カオス」でしょう?

コスモスの説明なのに、カオスになるんです。


極論を言うと、
宇宙って、そうだと思うの。(←大きく出てみました)


だけど

これが、自分の創作のテーマの、究極であり、象徴です。

だって、この「コスモス」って、すごい「カオス」で
カオスだからこそ、コスモスたりうる というか。

逆説的だけど。
そして ますます意味不明ワールドに陥って行きそうだけど。


そんなことを漠然と考えたり考えなかったりしながら、

そんな”意味不明だけど実は理にかなってて、なんか凄いもの”

具現化してしまった「庭」が作れちゃったら、いいなー。
なんて、夢を見ています。






そんな高尚な「庭」は まーだまだ作れないけれど、

「カオス」を作るのは得意です。


部屋に入るなり、
数秒にして 「足の踏み場」というものを消し去ることが出来ます。

要するに、
天才的に散らかす。ということですけど。

「平面」では、そうです。

一方で「立面」は



こんな風に、
妙に几帳面に陳列してたり、整理整頓してたりする。




ちなみに
この棚は、もともとCDラックだったもの。MDF製なので、頑丈です。
某・無印の良品です。(今はとうに廃盤になってしまったもの。)
もう、10年近く大切に使っていました。


この前の引っ越しの時、
トラックの荷台から 不意に飛び立って、
壁(板)が 3面、吹っ飛びました。ぶっ壊れたのです。無残でした。

だがしかし。
そこで棄ててしまうのではなく、
こうして、リサイクル。




今朝 ここに届いた絵はがきを、
さっそく飾ってみました。

この前見に行った もりっちの「ひとやすみ展」
そこで一緒に展示していた、たつみなつこさんからの、絵はがき。

ありがとう。




平面はカオス。立面はコスモス。




このギャップは、我ながら、謎です。

謎 ではありますが、

ある意味、マンダラ的です。

故に、

善しとする。


(「マンダラ的」って言えば、何でもオッケー!って言えそうな気がして来ました・・・;)





まとまらない話の締めには、涼しい顔して、涼しげなお花を。



外国に引っ越しする友人から形見分けされた



キキョウが、満開になりました。




 キキョウ(桔梗)

  Platycodon grandiflorus
  英名:balloon flower
  キキョウ科キキョウ属

  「風船花」。確かに、ふっくらしていて、ふわっと舞い上がりそうです。





    

目眩く

2009年07月12日 | 徒然 -tzure-zure-
「目眩く」ということばが 好きです。

めくるめく。


 ”好き” と云うか、
ことあるごとに、脳に引っかかってくる 言葉です。

めくるめく。

 意味>>目がくらむ。めまいがする。また、魅力にひかれて、理性を失う。 (大辞林第二版より)
     英語:dazzling

     「目がくらめく」から。
     うれしくて、目がクラクラするという意味。


めくるめく。
めくるめく変わり続ける季節に意識を傾けていると、
めくるめく変化に意識もめくるめく翻弄されて、
めくるめく焦らさせられたり、
めくるめく、時めいたり。






「どうせ まだ梅雨明けじゃないんでしょう?」

なんて 悠長に構えていたら



雲が

連日、美しい波模様を打ち寄せているのです。





めくるめく波。




日日は、あまりにも、

目眩く。




その劇しさが どこか夏っぽい、
派手めな夕焼け模様。



電車の窓から 気づいたときには
もうクライマックス。

「今すぐ降りて、どこか最強に夕焼けが見えるスポットで、写真を撮りたい!」と

だけど 先を急ぐ身に 願いは叶わず

指をくわえて眺めている そのすきに

たちまち
街のビルの影に隠れたり、
雲の波は 風に流れてしまったり。

めくるめく



過ぎ去ってしまいます。





梅雨の終わりは、本格的な
夏の入口。


この時季の風景をめくるめく彩る 花は、



「くたびれアジサイ」のみならず。




 ネム。

  合歓木(ネムノキ/ネム/ネブ)

  Albizia julibrissin
  英名;Mimosa/Persian silk tree/Pink siris
  ネムノキ科(マメ科)ネムノキ属
  落葉高木 陽樹

  夜になると、葉を閉じます。だから、地方によっては
  「眠た木(ねむたぎ)」とか「眠りの木(ねふりのき)」とか
  言われているようで。


 細~い
 淡い紅の繊維(おしべ)を束ねた姿。
 先っぽの方が紅くて、奥の方が白っぽく明るい。それが、
 どうにも 妙に、美しすぎて、
 「どうして、そんなことに!?」って思ってしまいます。
 

 梅雨に濡れたら しっとりと しなだれて

 その繊細なうつむき加減には、なんとも、
 フェミニンな色気や艶や。

 晴れた青には



 さらさら紅ヘアーが 濡れた時には無い、さわやかな、別の風情が。






 ノウゼンカズラ。

 梅雨に濡れたら、ボタボタ落ちます。

 梅雨に濡れた 黒い路に

 ポタポタと、惜しげなく

 鮮やかな赤橙色を 散らします。




 ノウゼンカズラ

  凌霄花
  Campsis grandiflora
  英名:Chinese trumpet vine
  ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属
  つる性


紫陽花の青紫が 静謐に 梅雨の鬱を映えさせる
一方で、

雨色の景に まぶしい鮮やかさを添える、
鮮やかな紅の花たち。


そんな彼らの姿を
探す間も無く、

気づいたら、
めくるめく。

いつのまにやら、
めくるめく。


季節はぐんぐん
勢い余って、進んでしまっておりました。



紫陽花に さようなら。



そして ついに



真打ち登場。

「百日紅」の お目見えです。

  サルスベリ(百日紅)

   Lagerstroemia indica
   英名:Crape-myrtle/中国名:紫薇
   ミソハギ科サルスベリ属

真夏の盛りに咲き続ける ふわふわの花。

「百日紅」という、
その名の詩的さが、素敵すぎて、めくるめく。




サルスベリは、「夏休み」の花。


サルスベリが咲き始めたら、
「夏休み」の始まりの合図。



サルスベリが散り始めたら、
「夏休み」の終わりの合図。








mekurumeku.




「秋田森のテラス」旅・1:序

2009年07月06日 | 旅録 -travelogue-
この週末、「秋田 森のテラス」に 遊びに行って来ました。




元気なお友達6名と、大きなチワワ1匹を連れて。


車で片道10時間の、1泊2日の、ぎゅーぎゅーに詰め込んだ
強行軍。



花は満開、

雨も曇も陽光も こぞって大歓迎の、

ちょっとだけ 懐かしい、

あわや ほろ苦ナミダがチョチョギレそうな、

慌ただしくも どっぷり癒される

素敵ホリデイでした。




出発前夜。



一念発起。
手描き+パソコンで、「森の地図」と「アクセスマップ」を即席作成。


在職中、
「やらねばやらねば」と思いつつも、結局 果たせなかった 
ひとつの”心残り”(or 心残りの”ひとつ”)を、

ついに果たしたのでした。




久しぶりの森、
久しぶりの温泉、

すくすく育ってくれた花たち、



光の滝、



デス・ドライビング、


変わった風景、変わらない風景、


甘い森、

楽しい人々、

優しいカフェ、


ホタル。



とっても盛り沢山だったので、
また改めて、盛り沢山にレポートしたいと思います。



乞うご期待*





第二章>>

ひょろり

2009年07月02日 | 徒然 -tzure-zure-
仙川で、素敵な ”庭” を見つけました。



コンクリート塀沿いに、見事な一列に きれいに並んだ
「ひょろり」とした花たち。

ほんとに几帳面にずらりと、整列しています。


パッと見、
コンクリ塀の足下から 雑草のように
わんさか生えてしまっているかのよう。




でも実際は、
丸い植木鉢を、それこそ同じ規格サイズのものを揃えて、
ピシッと、キレイに整列させているのでした。



そして
庭の”主”の几帳面さがうかがえるのは、鉢の並び のみならず。


お分かりになりますか。

「ひょろり」と 花の柄が伸びるタイプの花を、取り揃えているのです。



この涼しげな澄んだ淡い青の花は、
 アガパンサス。

  Agapanthus africanus
  別名:紫君子蘭(むらさきくんしらん)
  ユリ科アガパンサス属/アガパンサス科アガパンサス属
  宿根草


この名前って、ギリシア語の「αγάπη/Agapee(アガペー)」から来ているのです。

意味は、
キリスト教進学概念における「神の(人間に対する)絶対的な愛」のこと。

もっと詳しく知りたい方は、こちら↓をご覧下さい。
「アガペー」解説(wikipedia)


そして、南アフリカ原産だから、「africanus(アフリカヌス)」。


「アフリカ生まれの愛の花」ということになるんでしょうね。

なんでこの花が、そんな大層な名前になったのかは、わからない。

カンカンの陽射しの下よりも、
半日陰でひっそり ひょろっと咲いている という印象があります。




 
そのお隣には

夏の太陽にふさわしい、



透明感のある黄色が まぶしくも上品な、
ユリに似た花。

これは、

 ヘメロカリス。

 Hemerocallis spp.
 ユリ科

 別名、「デイリリー」と言います。咲いたら一日で終わってしまうユリだから。

 でも、次々に 代わる代わる、咲き続けます。
 またの名を、「忘れ草」とか、「ニッコウキスゲ」とか。
 品種改良で出来た園芸品種で、
 「ヘメロカリス」と一口に言われるものも、詳しく見ると色々と分類されるようです。



そのお隣は、

白いクリナム。



 Crinum spp.
 別名:ハマオモト/ハマユウ
 ヒガンバナ科クリナム属

 (※お花teacherのご指摘により、「白いアガパンサス」と書いていたところを訂正しました。有り難う存じます。)


黄色と白(&葉っぱの緑)って、

お互いにとてもまぶしい、強い色なので、ぶつかり合いそうなものですが、

「ひょろり」としたもの同士だからでしょうか、

全体として、そんなにうるさい感じがしない。

そよそよと、風を感じる体つき。良いですね。




そして



ギボウシ。

 Hosta spp.
 ユリ科  宿根草




純白に、ムラサキをうっすら挿し色。。。なんて涼しげ!


夏の日陰の、湿ったところに、よく見かけます。

色といい、
咲き方といい、
ひょろり具合といい、

ほんとにクールビューティーな風情。暑い夏・重い梅雨のさなかにも、
彼らの姿を認めると、すぅ っと、 心がそよ風になびきます。


コンクリ塀に密着したラインガーデンだということも忘れさせる

すずしげな風景。。しばしのんびり。


と そこへ



”主”が登場。


お花の手入れを始めました。
「花ガラ摘み」、つまり、終わった花を摘み取っていく作業。


「きれいですねー、ここ!」と言ったら

「ふ、ふ。」と、小さく笑いました。


そして



黙々と、花の世話を続けるのでした。


梅雨の味/味の風景

2009年07月02日 | 徒然 -tzure-zure-

降りそうで、降らなかったり。

なんとなく、降ってみたり。

今年の梅雨は、ずいぶん控えめですね。





そういえば「つゆ」って、

なんで「梅の雨」なのか??、、、ご存知でした?


それは、

「梅の実が熟す頃に降り続く雨」だから

 なんですって。

『二十四節気でわかる園芸作業』(山田幸子著・主婦の友社)
を読んでて、ついに知りました。
そういえば、ふと疑問に思いながらも、ついつい調べもせず、

梅雨が終われば疑問も忘れて、やり過ごして来たのでした。

なるほどなるほど。一件落着。





大家さん(80歳)が、
自家製の白菜の浅漬けをくれました。


これ浅漬けで、味が薄いんだけど、隠し味してるの、なにか分かる?


なんだろう。わからない。さっぱりしてる。



正解は、
「梅酒」でした。


なんでも手作りで作ってしまう、料理上手の大家さん。

まさかやっぱり、梅酒もご自分で?

と訊いたら、

あいにくうちの梅は紅梅で、実がつかないの。これは、いつも梅が出来たら送ってくれるお友達がいて、
そのお友達が作った、梅酒なのよ。


言われた途端に、なんとなーく感じていたさっぱり感 の正体が、バチッと分かって、
ああほんとだ、梅だ!梅ですね!

なんて。


長年なぞのままにしていた、
梅雨がなぜ「梅+雨」なのかということも 絶好のタイミングで、やっと明らかになったところで。


このさわやかな酸味のある甘さは、じめじめとしてるこの季節には、特に良いですよね。



こんなふうに

机上の知識ばっかりじゃなかなか覚えられないけれど
食とか、身近な生活に密着すると、植物も、するするっと覚えられるものですよね。


例えば、
ハーブとか、果物とかね。


それまでは、道すがら 通りすがっても何にも注意を払ってなかったのに、



あ、おまえ「スダチ」だったのか!

その存在に気づいた途端に、一気に親近感が湧く。
それまで、まったく何でもなかった、ただの「なんかの樹」だった、木に。


 スダチ (酢橘)

  Citrus sudachi
  ミカン科ミカン属
  「酢橘(すたちばな)」から、「スダチ」という呼称になったようです。
  徳島県が名産地。
  花は5-6月、実は秋に。
  ということなので、、、見かけたこの果実は、未熟モノか、もしくは、スダチじゃない、別モノか?



つるつるの冷やしうどんに、大根おろしをのせて、すだちをひとしぼりして、
食べたい。。。



ムラムラしてしまいます。


危うく、

もぎたくなりました。




このスダチのある庭の前の道は、もはや、

「ばくぜんとした、なんてことない風景の一部」なんかでは、ありません。

「無題の風景」では、なくなったのです。

ここは「スダチのある風景」。


通るたびに、チェックすることになるでしょう。




ハーブも、
夏の盛りということで、道端に、ごっそり威勢良く生えていますね。

もう はみだしちゃってます。



ミント。


道にワッサーとはみ出るほど繁ってるんだから、ちょっとくらい摘んでも、よさげだよね。
なんて思ったりしつつ

葉っぱをごしごしっと指にこすりつけて、
香りだけ、うんとたっぷり、頂きます。


色んな種類のある中で、さて、なんのミントでしょうか。
ちゃんと確かめず、先を急いでしまいました。




先を急ぎながらも、ちょっとぼんやり考えてしまいます。


梅酒に あのミントを浮かべて飲んだら、美味しいだろうな、、、。

と。



「美味しそうなもののこと」を もやもや~と 空想したりしてる時 って、

「飢餓感」も 実際問題 たしかにあるけれど、

案外、

幸福感や恍惚感に たっぷり満ちている瞬間ですよね。うっとり、として。



そんな風にぼんやりしてたら、

梅雨も たちまち終わってしまうんじゃないでしょうか。


とりあえず

六月は、終わってしまいました。


もりっちのひとやすみ展

2009年07月01日 | 遊興 -pleasure-
この前の雨の日。

友人:もりっちの展覧会に行って来ました。


もりっちは、ちっちゃな 若きアーティスト。

どんな作品かというと




例えばこれは、
木の板に、アクリル樹脂でかためた花びらを貼り付けた モビール。
花びらは、彩色してないんですって。自然のままの花びらの色、そのもの。


ほかには、

「こんなカフェのメニューがあったら」という空想を描いた、
空想カフェメニューの、水彩画。

淡い色合いに、可愛い空想の世界。


 ~~これ、、写真が無いので、イメージして下さい;~~


童話っぽく、ファンタジックなんだけど、

ただ ほわ~んとしてるばかりのファンタジーじゃなくて、
かといって 毒が潜在してるというのでもなくて、

確かなポイントだけを ぱしっと、貫いている感じ。
迷いが無い感じ。

とてもやさしくて、まっすぐで、心地好い。

そして色の取り合わせや造作は、
きちんと、シンプルにまとまっている。

なんだか、
粋(いき)なのです。ほんわかしていて、スッキリしているのです。


そして
とにかく可愛い*

ああ、そうだ
もりっちのホームページを見たら、一目瞭然です。
 →http://morinomisako.com/






チョウチョのかたちに切った木片で出来た、
ハンギングモビール。

ささやかな風に ふっと ゆらゆら。

後ろの影の儚さが、また、美しくってたまらない。


こんなのがお部屋に揺れてたら、微笑みが止まらないね。




なぜか
タイの女の子のような風体の、もりっち。



改めまして
アーティストとしてのもりっちの、ファンになりました。


* * * * *

叶姉妹ばりのセレブだったら、空間ごと買い占めてしまいたかった。

そんな素敵な


たつみなつこと森野美紗子の「ひとやすみ展」

たつみなつこさんとの、二人展。

なつこさんの絵も、面白いです。そして、お人柄も素敵でした。



この展覧会は、

7月6日(月曜)まで。吉祥寺の
PORTFOLIOというギャラリーにて、開催中です。


このギャラリーがまた、
とッても可愛らしい!常設してあるアクセサリーとかも、大変素敵です。
ほんと、いちいち「買い占めたい、、」と、ため息。


展覧会の様子は、このギャラリーのブログを見た方が、
とてもよくわかります。↓ 写真も綺麗で。

 PORTFOLIOのブログ>>http://PORTblog.exblog.jp/
 (上のHPからも もちろん、辿れます。)


夜の8時まで(土日は9時まで)やっているので、ご都合の合う方は、ぜひ!
梅雨の眠たい重たい日日に、ひとやすみしに行ってみては、いかがでしょうか?

って

「宣伝して」なんて ひとっつも言われてませんが、
やたらめったら宣伝しちゃいました。ファンとして。


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