突然なぜか、ダイアリー風に書いてみます。
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2月2日 水曜日
旧暦だと、大晦日にあたる日。
キッチンのハンドソープが切れて、そのまま数日経ってしまっていたのが、やはりどうしても気になって、「やはりこれは年内に(=もちろん旧暦での話)、済ませておくべきだろう。」と思い、仕事終わりに、買いに行く。
買いに行く、って、わざわざ言ったのは、
わざわざ買いに行くようなシロモノだからで。
「LEAF & BOTANICS」っていうブランドのが、タイトル的に自分にぴったりと想って以来、好きで、最近はフェンネルのを使っていた。ナチュラルで、良い。
で、これは、
ナチュラルローソンくらいにしか置いてないっぽい。
で、当のナチュラルローソンは、いつのまにか徐々に減り、今や東京23区くらいにしか無い。吉祥寺にすら、とってもありそうなのに、無い。
つまり、近場には無い。
ネットで「リーフ~」を検索、置いてある店舗を調べたら、ナチュラルローソン以外にもあると発覚。
最寄だと、武蔵境の駅前のイトーヨーカドーにあります、と出た。ついでに、吉祥寺のどこだかって店にもあるっぽかったけど、どこだかあんまりよくわからなかったので、武蔵境へ。
近かった。チャリで20分。
でもって、
無かった。
さんざん探しまわった揚句、見つからなかった。
仕方なく、自分の知る限り最寄のナチュラルローソン:荻窪店まで走る。チャリで。
1時間かかった。
ラベンダーのハンドソープを買った。これにて、心おきなし。
8年暮らした荻窪~西荻窪界隈。懐かしい。
駅までの通い路の住宅街、懐かしみながら、走る。
でも、8年暮らしたアパートの前は、通らなかった。なんとなく。
その頃から使っているチャリは、もう12歳くらいになりましょうか。
メーヴェなんて名付けて、愛玩酷使しておりますが。
この前、ブレーキのコードがバキッ!って、吹っ飛んだ。ライトのコードも、何かの拍子に千切れた。籠はぶち破れたので、さすがに取り替えた。ペダルのベアリングというものが粉砕しているらしく、漕げば漕ぐほど、ギュリギュリ泣いている。タイヤはチューブが破裂寸前だそうで、表面的に見ても、確かにひびが入った感じになっている。漕いでも進みが悪いし、けっこう疲れるので、空気足りないですかね、って聞いたら、いやこれ以上入れるとむしろ危ないですって、言われた。
もう、寿命です、危険です、って、言われている。
23時過ぎ、帰宅。早速、ラベンダーのハンドソープでオープンナップして、ウォッシング・ハンズ。
なんということでしょう!なんというラベンダーでしょう!
想像以上に、癒されてしまった。
頑張って正解だった。と思った。
そんなこんなしているうちに、日をまたぎそうになり、あーブログ書かなきゃと、書いているうちに
年が明けた。
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2月3日 旧正月 節分
庭には紅い梅。今年はちょっと少なめ。
意気揚々と、「新しい年を新しい気持ちで!」なんて書いた矢先に、
力つきた状態で起きる。起きるというか、起きれてない。なんだか億劫。外は眩く、光は勇ましく、いとも晴れがましい。
結局、
結構、遅刻した。新年早々、よろしくない。
原因は分っていて、でもその所為にしたくない。けど、でもその所為なんだよなと認めざるを得ないし、認めることも一歩前進、なんけれど、
とにかく、こんなだらしないのはダメだなあ、と思うけれど、
でも、仕方ないのだ、とも思おうとしている自分も居る。
どちらも、今の自分。
そんな折に、彷徨っていたネットで、衝撃的に目からウロコの文章に出くわした。
文章を読んで、脳内で革命が起きるほどの衝撃って、結構まれなことだ。
しかし、それは起きた。
一気にほだされた。
なんて素敵なんだろう。
泣きたくなるくらい、未来が明るくなった気がした。
この日は、バレエのレッスンはお休み。7時くらいまで仕事。ひたすら図面を描く。
その後、夜、久しぶりに、カリスマ美容師の友人:すがこに、髪を切ってもらいに赴く。
はるばる外苑前。キラー通りを歩く。ワタリウム美術館のそばの、ずいぶん旧い昭和っぽい大きな団地アパートが、ついに解体され始めていた。
予約の22時までちょっと時間があったので、道すがらの、お蕎麦屋さんに入った。
辛みおろしざるそばを頂く。
美味いわ。。
「節分そば」という張り紙が目についた。
「かつては立春を新しい年の始まりと考えていました。節分には年越しそばを食べていました。」
みたいなことが書いてある。ふうんと思う。
いつの頃からだかやたらと、恵方巻なるものが、旧来からの伝統文化かのように並び始めたけれど、結局いまだに触れたことが無い。
そんなものよりも、私は蕎麦が食べたい。そして、蕎麦湯が呑みたい。
髪を切った。超さっぱりしてもらう。で、ちょっとだけアシンメトリーっぽさを残してもらう。
「髪切りながら話してて、ふっと、全然関係ない風景とかが浮かぶんだよね」と、言うすがこ。
自分と何かを話していて、脈絡とも全然関係ないのに、下北沢の一番街の風景が、浮かんだんだそうな。
話をしていて、関係あるイメージが湧くことはあるけど、関係ない、つながりの意味が不明なイメージを想起することって、そういえば無いなあ、へえ、興味深い。なんていう話になる。
終電一個前で帰る。帰宅した頃、すでに4日になっていた。
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2月4日 立春 金曜日
昨日読んだ論文がまだ効いていて、心の内側が希望で明るく満たされる感じがあり、通勤の道中まで、むやみに嬉しい。
とかいいつつ、また遅刻している。昨日よりは改善しているが。
昼、近くのスーパーで買った「たらの芽」の天ぷらが、スッカスカで、ほんっとに美味しくなくて、がっかりする。
夜、お茶のお稽古。
道すがら、空腹にたえかねて、いつものようにローソンに立ち寄って、からあげくんを買う。また新しいやつが出てた。早速試す。バターコーンっていうやつ。コーンシチュー入りのからあげみたいな感じ。結局スパイシーなヤツが一番良い気がする。で、毎度想うように、「やっぱり、少ないな、、」と、またしても想う。
お運びのお濃茶のお稽古は、前回より、かなりスムーズに出来た。
絞り茶巾(薄茶)のほうは、口のせまい茶碗が難しかったけど、まあまあ。
静かな気持ちになった。
帰りの道すがら、京王永山駅の本屋に立ち寄る。
本屋なんて、久しぶり。ウワサの「KAGEROU」が平積みしてあった。あ、平積みしてあるな、と、黙視。
本屋に行く時って、たいがい、何かの答えや何かのヒントを探しているときだったりする。
なんとなく目についた言葉。なんとなく気になった言葉。
偶発的なような必然的な、その時にめぐりあうべき言葉との出会いが、本屋にはある。
マイバイブル:『葉で見わける樹木』の増補改訂版が出てた。思わず「うぁ!出てる!」と口走ってしまい、次の瞬間にはもう手に握りしめていた。
増補改訂って、で、どこらへんがどう変わったのか、ってことを、どっかにちゃんと、書いてて欲しい。
あと、
ずっと苦手で苦手で避けていたけど、ここらで観念して、頑張ろう!と、
『庭仕事のロープテクニック』、買った。
庭仕事やってるくせに、ロープワークは完全にダメなんです。全く、ダメなんです。
あれをこっちにこれをこっちにとかやってるのを見てるだけで、思考停止するんです。綯われたロープのしましまを見てるだけで、その現存在の意味や成り立ちが理解出来なくなってきて、めまいがして、意識が後ろにすっ飛ぶんです。
でも、やっぱりここは、乗り越えないといけない、避けてはいけない、そろそろ。と想って。
一念発起。
あと、ロープを買わないと。
それと、いしいしんじの新しい文庫が出てたので、買った。
『雪屋のロッスさん』。装丁は美しい。期待出来るかしら。
前作の『みずうみ』は、全くもってハズレだった。今回はどうかしら。
いしいしんじは、『ぶらんこ乗り』で衝撃を受け、出てるものを一気に読みあさって、一気に惚れた作家さん。ファンタジーのようで居て、実は、痛いくらい生々しい、リアル。人間の清と濁が、ちゃんとごちゃまぜになっているところ。黒と白、正義と悪などできれいに割り切れないこの世界の混沌、命のドロドロ、その様が、ちゃんと描かれているところが好き。
マックで新しく出たアイダホバーガーっていうのを食べて(あんまり、、だった)帰宅。
iTunesで買った、Adele『21』を聴く。こいつ、とっても好きな声をしている。ハスキーで、ドスが利いた感じで。
というふうに、
久しぶりに、本に音にと、いろいろ新しいものを買い物したせいかしらん。あるいは、お濃茶が効いたのかしらん。
なかなか眠れず。
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2月5日 土曜日
仕事。
契約直前の、最終打合せ、2件。
見積を最終調整。
自分の描いたプランが喜ばれると、やはり嬉しくて。
プロとして、「そこはもう、おまかせします。」って、頼りにされると、やはり嬉しくて。
終った途端に、どっと疲れが来る。
明日も、契約直前の最終打合せが、2件。
図面はもう用意出来てるけど、見積の修正とか、準備とか、22時まで、色々。
契約成立までの道のりも長いけど、ホッとする間もなく、そのあとの発注の手配とか、スケジューリングとか、施工の立ち会いとか、帳尻合わせとか、
完工までもまた長く、胸が潰れる。キュンとなって、なんとなくピリピリする。
そんな感じで、10件ほど同時進行中。これがまた、いっぺんに来てるから、大変。
でも、どれもこれも、本気を投じて頑張った作品だし、実際、素敵な庭になりそうだから、嬉しい。
今日も、メーヴェをギュリギュリ泣かせながら、大声で歌いながら、帰る。
懐かしい匂いがする。
水仙のような。
淡墨桜のような。
ほの曇。
もう氷も無い、澄んだみずうみ。
なつかしい春の夜の 淡い湿度が、立ち始めて居る。
ひやりとした空気の中に、ほのり隠れて、
もう其処に、香り始めている。
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