節分すぎて
次の朝から、
春が立ち上る。
、と、云う。
確かに。
*
東京でさえ、最近の夜は氷点下に落ちている。
だけど、ここにきて、
ふと和らいだ感じがします。
空気の匂いも。
土の匂いも。
変わった気がします。
たった一夜で…?
…たった一夜で。
そんなもんかもしれない。
一日一日、変化は常に起きている。じわじわと起きている。
でも、その変わり目って、意外にもやもや、行きつ戻りつ揺らいでいるから、捉え難くて。
昔ながらの暦というものは実によく出来ていて、
その曖昧な、途絶えない流れの波の引いて寄せる中の、確かにちらちらと現れる、はっきりした境目の兆しの光、みたいな瞬間を、しっかりと捕まえて、
刻んでくれている。
実に、よく出来ている。
初春。
そのことばは、いよいよここに来て、にわかに相応しく、正しく立ち上る。
*
節分。
分かりやすい。明確な節目。その言葉自体で引き付けているとさえ思える。
不思議なことに、
仕事の流れも、なんか節目が来た気配。
昨年から年明けにかけて延々続いていた、異様にぎゅーぎゅー詰めだった感じが、
なんだか、変わった気がします。
終わったのではなく、まだまだ続くのだけど、
読点(、)じゃなくて、句点(。)を打てた。
という感じ。
終わったのではなくて、むしろ、やっと始まる感じ。
この感じは、どうやら星占い的にも現れているみたい。
バーン!と、新しい長い始まりの扉が開く感じ、らしい。
みんなは、どうだろう?
貴方は、どうだろう?
*
春が来る。
まだ寒い。
されど、
近い。
…そう、
意識し始めただけで、例えば、
ピンクとかイエローとかキミドリ色とか、
ひなやかしい、可愛いげのある色が、目に映り始める。
むくむくと、膨れ出す。
春は、無性に期待をふくらませる季節。新しい何かへの期待を、無性に。
それで、
若干、浮き足立ち、し始めている。
*