歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

[2013英国旅日記:6-2] Lake District (At Last)

2015年04月24日 | 英国 -england-
あれからもうすぐ、丸っと2年を迎えてしまいます・・・

2013年の夏、約2週間のイギリス旅。

満を持して、おもむろに再開します。

前回の「6日目・その1」はこちら >> ☆☆☆
(要約:コッツウォルズ地方を離れ、高速道路をぶっ飛ばして、途中ランカスターに立ち寄りつつ、湖水地方へ。)

* * *

7月25日(水)

「もう、ここ、大好き!」
足を踏み入れるなり、たちまち愛が爆発した湖水地方。

ついに来ました、湖水地方。


夕方17時。
グラスミア湖(Glasmere)近くのユースホステルに到着。今日の宿です。




森の向こうに、ちら見えする、ユース。
やだちょっと、もう何か、やばい。



入口。やばい(高鳴)。



アプローチ、そして見えるは、超ド級にウルトラシックな色の石積みの外観。

やばい(激震)。

ネットで外観を見て選んだから判っていたとはいえ、
実物、やばい。

格好良い・・!!


「まだ明るいから、散歩できるな」と踏んだので、
取り急ぎチェックインを済ませ、荷物を下ろし、

ダッ!と外に駆け出しました。



目指すは当然、



湖です。


ここは、グラスミア湖。

湖に触れたい!と駆けつけたかったのですが、



石積みが邪魔をします。

ふんわり苔むした、美しい古い石積み・・・。



でも邪魔・・・。

どこか近づけるポイントがきっとあるはず。と願って、

湖の周囲を、付かず離れず巡っているっぽい道を、てくてく散歩。




こんな感じの道幅です。



一向に近づけない模様の湖。

その反対側は、





こんな感じで、
別荘みたいな家が点々と現れたり、



放牧地+小さな集落だったり。

とりあえず手前はずーっと石垣で、



で、その向こうは、森や、小さな山に囲まれており。。。




とにかくとにかく、美しい!牧歌的風景。

道の両側には、なんとも美しいグレーの石積みが、
とにかく延々続く。



紅っぽい、紫っぽい、碧っぽい、青っぽい、そんな色が混ざった、グレーの美石です。

ハチミツ色が特色のコッツウォルズ地方では見なかった色。
これはかなり大好きな美色。



乱雑な天端(てんば)並べがまた、ワイルドネスでクールネス。

ほんとに ずーーーっと、この石垣が続くのです(荒鼻息)。



しかも、



途切れること無き、美しい緑と共に!





湖畔ゆえ、しっとりとしたモイスチャーな甘い空気。



空気中の水のつぶが見えるような気さえする、キラキラした湿度。

ゆえに緑もしっとり、キラキラ。

場所によっては、



これですよ、これ。

苔マニアを悶絶卒倒窒息死させるほどの、美苔。


当然、



さわります。

ふわ〜んって、沈みます。
で、もにゅ〜んって、またふくらみます。

ファーファです、ファーファ!
めちゃめちゃ柔軟剤使ってる感じです!

たまりません。もふもふです。



ちびっこが居ました。



こちらを見つけると、

「Save the Frog! (カエルを救って!)」って、カエルの絵を見せながら。

なんだろ?学校の課題か何かかな?

とりあえず可愛くて、ふふっと。微笑まざるを得ないじゃないの。

それにしても、大豪邸じゃなかろうか。






近づけそうで、あと少し、近づけず。




く〜〜〜う。

半周あたりで、町に行き着いたので
湖タッチは明日に賭けることにして、
小さな町にも入ってみることに。



まずは

毎町恒例、教会へ。



風格。

St.Oswold Church




木造の梁がやさしい、内陣。




白い漆喰の壁。


旅の無事を祈る。






やさしい光の降る、墓地。




墓地の苑路。敷石の一枚一枚に、名前が刻まれています。




続いて、



家が居並ぶ界隈へ。




どの家も、やっぱり同じ、この渋い、美しい石。




ぜったい金持ちの家。





モダーン!
ギャラリーっぽいけど、個人邸っぽい。




かわいい小学校。紅い石が多めね。


古いのはもちろん、




新築も、ちゃんと同じ石。



ちょうど、鋭意石積み制作中の現場がありました。

新品でもこの素敵っぷり。石ならでは。



こんなアンティークショップもありました。

石積み壁じゃない場合は、こういう白塗りが主流。



屋根は苔むし。スレート葺かな?



願いを叶える井戸。らしい。



とにかく町全体、
統一した地場の自然素材や特定の色によって、完璧に整えられているわけです。



そりゃあ、美しいわけです。

今回 何回「美しい」って言ってるか、もう数える気にもなりません。



バッグ屋さん。店内はこんな感じで さすがにカラフルなのもあるけど、
それでも品良く洗練されていて、見せる色も揃えられている感じ。

ごちゃごちゃ感は、無い。




そうそう、
さっきから写真の空の色が、白かったり青かったり、
ころころ変わっているの、お気づきでしょうか?



そして、路面や緑に、モイスチャーっぷりがあまりにも滔々と溢れているので 気づかれたかもしれませんが、

このしっとりモイスチャー度の高さは、湖の御蔭のみならず。

この日、実は、けっこう雨が。




いきなり降ったり、パッと止んだり、の繰り返しだったのでした。



晴れてたのにいきなり劇しい雨が!(逆もまたしかり)という感じなので、
みんなあらあらって感じで、雨宿りしたり、しなかったり。



で、



バンッ!て、ひっくり返したように晴れたり。


庭の世界では、「石は濡れると、美しさがより際立つ。」といわれます。
雨に濡れたおかげで、石で出来たこの町の美しさが、より鮮明に。




そして、結局ちゃんと、綺麗に晴れてくれて。

濡れた町が、青い光を浴びて、より輝く。



緑もまた、同様に。

これは、
ものすごいラッキーな、、、
ものすごいベストなタイミングを与えてもらった気がして、

「オー、サンキュー・ゴッド!ありがとう神様!」
っていう気持ちが湧いて来ました。




ホームセンター付属の小さな庭。



日本っぽい立石。



これも。



ふふ。絶対意識してるよな〜。
なんか微笑ましい。


あと、




アーティスティック噴水とか。




リスに注意!(スピード落とせ!)の標識とか。


そんなこんなで、

夕方なのに、



こんな空。

夏のヨーロッパに来て、
一番 (日本と違っていて)びっくりして、
一番 「素敵!」って思ったのが、

(日本じゃ)「夜」のはずの時間でも まだ、ずいぶんしばらく明るい、っていうこと。でした。

「夕方」の感覚が、全然違うんです。



17時、18時、19時になっても、
「今日はもう終わりか・・」としんみりすることなく、

「まだいける!まだ遊べる!」っていうウキウキした熱い感じに、じんわり浸っていられるのです。


まあ今日は、とりあえず、宿に戻ります。




あ、羊。





ハッ!



 >>続く。>>


雨が降るたびに

2015年04月22日 | 徒然 -tzure-zure-
雨が降るたびに



季節が進む。




スイセンに始まって




モクレンがほんわりふくらんで



コブシの香りに また惚れて





寒緋桜の満ちる勢いに やはり圧倒され



野のあちこちにも 小さな花が笑い出して




菜の花満ちて




綺麗な朝焼けが生まれて




ソメイヨシノが咲き出して



夜な夜な



朝な朝な



たまに宵な



晴れても




曇っても




「あ〜〜今日も きれ〜〜だな〜〜」って



「あ〜〜〜今日も いいにおいだな〜〜〜」って

フワフワしていたのですが




絶対に、
毎日欠かさず見届けてきたはずなのに、

なんでこんなに「いつのまにか」感が?





あっちもこっちも見廻れないほど



あれだけ巷に溢れていた色や香りが




さーーーッ、と、
無かったようになっていく

それに合わせて

なんとなく、あっさり忘れて行く。



いや まったく



呆気無い。

幽かすぎて、
何かを思い出しかけて、思い出せぬまま、ふいと消える。





ついこの前のはずなのに、



あんなに満ちていた色も、



こんなにあふれていた色も、

もう、なんとなく、
忘れかけてる。




春には、
記憶に何かリセットみたいなものを働きかける、
妙な機能があるのかしらん?と想うような。



いや



いやはや




いや、早や。

もう、だいぶ


遠く感じる。






「山が笑う」と云う



芽吹き始めの、一番繊細でカラフルな、色とりどりのパステルカラーが溢れる、

山が一番可愛らしくなる、微笑ましい季節。




ああ、山に行くなら今がベストなんだよなー
とか 夢想するうちに



気づいたらもう、



というか、

気づかないうちにもう、



「さみどり」がしっかり「緑」になっている。


「葉桜もまた良いよね」なんて のたまったりする




ひまもなく。

桜のまわりから、



はっきり色が変わってる。



雨が降るたびに



次が開き始める



雨が降るたびに

ひとつ またひとつ

新しいものが ぶりっと膨らみ



咲いては





散って



降られては





舞って




消し飛んで



また雨が来て




また流されて



初夏の香りをたっぷり含んだ




雲があふれて




夕焼けが滲んで

はっ、と、何かを思い出しかけて



あー、あれ、あれなんだっけあれ、とか唸っているうちに

ふと目に飛び込んで来てしまう

次の季節の



凄まじい色の強さに

圧し出されて、



また何処かへ。

ああ、

なんだっけ





また 忘れちゃった・・・。

、、あら?





今回、 何が 言いたかったんだ った か、、、


 、 、 、 、




、、、、あら 、 、





、、 、ええと 、、、、





、、、、忘れちゃった!



・・・・







・・・春のせい かしら、、、*










歌庭 for 'ROSES.2015'~お正月~

2015年04月13日 | 造園 -creation-
2015年のお正月(3~7日)、

表参道ヒルズ地下3Fギャラリーにて開催されました、

チャリティーアート展覧会「ROSES.」にて、

私、大事な部分の空間演出を担当させて頂きました*


が、

腰が重いまま、早4ヶ月・・・“ようやく”ご紹介します!





表参道ヒルズの大階段を下りた、

地下深く、一番奥。



スペースO(オー)。

2011年夏に関わらせて頂いた時と、同じ会場です。

 (そのときの模様はこちら →☆「ROSES.の庭」の巻(2011年9月11日)☆


今回は、第7回。






入ると まず、



天から色とりどりのバラが吊るされた空間。




いろんなアーティストによる作品が出品展示されている‘部屋’です。




ROSES.の名の通り、

バラをモチーフにした、上品な作品があれこれ。
作品の売り上げが、そのままチャリティーとして寄付されます。




価格設定無しの、サイレント・オークションのコーナーも。





今回、このスペースOという だだっぴろい会場は、
ででーんと立つ、真っ白い大壁によって、
3つに仕切られました。

最初の部屋が、たくさんのアーティストさんの出品ゾーン。


真ん中の部屋は、



コンセプトが掲げられていたり、




トークイベントなどに使われますが、(ちらり。)


情報が極力削ぎ落とされた、

ぽっかり空けられた フリースペースになっておりました。

そして、

その奥。第3の部屋が、、、


(ちらり。)





自分が担当させて頂いた空間で、、、






(ちらり。)


メインとなる舞台。

アート・トートバッグの展示空間でした。




タラーン!




第7回の今回、テーマは7色の「虹」。



77(+α)の 錚錚たる世界的アーティスト達にデザインされたトートバッグが、

この空間に 一同に会しました。




見事なまでに、個性がバラバラ!

ものすごい熱量の込められたバッグが

肩を寄せ合うようにみっちりひしめき合ってて、

壮観です。



すべてが貴重な一点もの。
主催者の渕上さん自らが 方々駆けずり回って集めた、汗と涙の結晶。




薔薇色の虹の、結晶。




オークション形式で、ゲットできます。

つまり、
気に入ったものに好きな金額で入札して、最高額をつけた方が、見事ゲット!という仕組み。




というわけで、

この空間、創りました。





会場の構成はというと。

8の字の道を、つくりました。





延々、回遊できるようになっています。






あっちから見たり、こっちから見たり。




出たり、入ったり。



ぐるぐる回りながら、いろいろな視点から、見られるように。




植物は、すべて鉢に入ったまま。生きたまま。

グレーで無機質でドライな空間と、コントラストになるように。





グレーで無機質でドライな空間に、むしろ、

やわらかく でも確かな 生命感を与えるために。






バッグを見るときの、ただの「背景」。




でも、ただの背景だけじゃなくて、

バッグと草花とが 一体になって、

ひとつの生きた絵になるように。



少し視点をずらすだけで また見方が変わる、

一部が全体につながり、全体が一部に集約されていく、

空間まるごと、或るひとつの生命のかたまりのような、

‘生きた絵’になるように。




離れて見たり、

近づいて見たり。

一旦帰って、

もう一回戻って見たりして。


主催者様より、

「大きな白い壁に仕切られてて一番奥が見えないんだけど、
 一歩踏み入れると、『うわっ!』って、びっくりするような、
 緑あふれる別世界が広がっている」

っていう旨のコンセプトを頂戴して、創りました。









お正月=冬真っ只中という、グリーンが最も少ない時季。

ましてや、ふつうのバラなど(自然な状況では)咲かない時季なので、



これ。

葉牡丹(ハボタン)を使いました。

バラの花みたいな形をしているので、‘見立て’の手法で。


ちなみに、

設営中(初期)は、





こんな感じ。



設置完了直後は、





こんな感じでした。



1月2日。植栽搬入に、早朝から2往復。

ほとんど1人でやりましたが、
学生のボランティアスタッフとか、会場構成を設計した建築デザイナーさんとかにも
あれこれ手伝ってもらいながら。



いや~~~、

やっぱり、1人よりたくさん。助けてくれる人の力(マンパワー)は、やっぱり偉大です。


至らぬ点・失敗点なんかが多々ありまして、
正直、100点満点には程遠く、、、悔しさも残っているのですが、、、


はっきり断言できるのは、

「この時点でのベストは、間違いなく、尽くした。」ということ。です。


とにかく、

主催者の方々を始め、
いろんな人に喜んでもらえたようなので、それだけで、良かったです。


お蔭様で、

こんなん、出来ました。

有難う御座いました m(_ _)m




 [歌庭 No.015: ROSES.2015の庭 ~for the space of 77 Art-Tote-Bags~]

  2015.01.03 - 01.07







[2013英国旅:extra(番外編)] あの事件に、新展開。

2015年04月11日 | 英国 -england-
昨年末からパッタリ途絶えて、早4ヶ月(早ー!;;;)。

不定期断続連載中の英国旅、もう1年9ヶ月前くらいのことになってしまいました・・・。

今日こそ、今日こそ、って、心に決めてるのね、帰り道で。結構、毎日。

で、
帰宅して夕飯作って食べながら音楽聴いたりして、一息ついたら眠くなって、ああ、もう今日という一日が終わろうとしている・・・明日も仕事で朝早いからもう寝なくては・・・と考える余裕も無くいつの間にか寝ちゃってて・・・ハッ!!えっ!!?朝!!?

の、ループ。

そんなことを繰り返しておりましたら、


去る、2月20日。


日付が変わったばかりの深夜に突然、英語だけのメールが。(チロリ~ン♪)


 フロム‘Lindsey’・・・て、だれや?迷惑メールか?

と思いきや。


[Please can you contact the Metropolitan Police Service ...]


なんと!!

ロンドンの警察からではないですか!!

まさか、あの事件のことで!





はい、さて、

「あの事件」とは。

更新が途絶えすぎて すっかり(本人以外は)忘れてしまっておられると思われますので、説明しますと、

イギリス旅2日目にして遭ってしまった、チーム・偽ポリスによる、現金(ごっそり)窃盗事件のことです。@ロンドン。

(※上のリンクから、その「事件」の巻に飛べます。)


そんなことも、ありました・・。




メールの本文は短く、わずか2文。上のに続いて、次の1文で終わりでした。

[There has been a suspect arrested today and we need to speak with you urgently.]


そして電話番号。


要するに、

「あなたの事件の容疑者が今日捕まったから、“至急あなたと話さなきゃいけない”ので、ポリスの方に連絡してもらえませんか?」

ということでした。

この

‘need to speak(=話さなきゃいけない)’

と、
‘urgently(=至急、緊急に)'

という2つの緊迫フレーズに、とりあえずおろおろ、動揺するミー。


英語で電話て。ハードル高いわ。しかも「至急」って!この脅迫的なフレーズったら。英会話の特訓期間とか、心の準備期間とか、全無視モードだし。


とりあえず、、、でも、、、でもでも、だって、、、でもって、、、

いや、とにかく。「至急」って言ってんだから、おろおろしてるヒマもなさそうだから、

一念発起!ドッキドキ国際電話、かけてみる。えい!


ぷるるるるる。ぷるるるる。わたしぶるぶる。

・・・・

「ハロウ?」


ぎゃーー!出たーーー!


イギリス男ポリスメン(おそらくイケメン)の低い声。そしてペラペラペラリンコ。早口。


えっと「This is シィンペ~イ・ノグゥウ~チュイ~(←マイネームを、英語っぽい言い方で)、フロム、ジャペィン!(←ここ、ジャパン強調)」

で、それから、担当者の「リンズィーをお願いします。」

っつったら、


「どのLindsey?」

って。えっ、どの?しかもリンズィーっつーかリンゼイっつーか。

ああ、ファミリーネームを伝えればいいらしい。


えっと、苗字のほうが、Vieira....ヴィエイラ? ん? ヴィエラ? んん? まさか、ヴァイエイラ? んんん?

って幾通りかの間違いネームをあれこれ混ぜこぜで答えたもんだから、向こうも「ん?んんん?」ってなってて、

やだもー。

なんだかんだで、何かのタイミングで何かが通じたみたいで、
「オケ。ウェイ。」っつって、サッと変わってくれて、


出たリンズィーさんが、


「ハッッロ~~~ウ**」


って、

なんかぶち抜けて明るくって、超楽しげな。お昼モードな。なんか花見えた。アージェントリー(至急)の言葉に感じてた緊迫感とか、全然無かった。

で、こっからが大変で、

「ペラペラ早口ペラリンコでペラペラなんかのなまりでペラリンコ」

と、

ほぼ全体的に聞き取れない事態。まさかこれほどまでとは、、という恐るべき事態。イマージェンスィー。


で、

「ソォリ~~、プリーズもっとゆっくりスピークしてください・・・」とお願い。


するとリンズィー、「オゥ、ケ~~~ェェ~ィ*(もうここから早速ゆっくりの、やさしいリンズィー)


で、


リンズィー「ペラリ~~~~ノ、ペラ~~~~~リノ、ペラリノ~~~ペラ~~~~リノ。」

って、

・・・うーん。

・・・えー?

ほんと、ちょっと、これほんとに英語?どこの訛りなのこれ、わっかりにくい~;;

っていう。もう単語一個一個から確認する展開に。ソーリー連発。



リン「なんちゃらかんちゃらヨーアンベロプ」

ミー「ん?ヨーアンベロプ?」

リン「イエス、なんちゃらかんちゃらアンベロプ。、、アンベロプ。」

ミー「アンベロ・・・あっ!ユア・エンベロープ(Your envelope)!!イエス!!マイ・エンベロープ、イエス!!!ENVELOPE(封筒)!!イエス!彼らは私のエンベロープを取りました!そしてマイマニーを取って、戻しましたよイン・マイ・バッグに!!」

どうやら当時の調書の内容の一部を再確認したいらしい。

緊張もしてるし、そもそもうまく喋れないから、四苦八苦。(お互いに。)

で、向こうも辟易してきたのか、


リン「オッケオッケもうわかったからじゃあ今後やりとりはメールでね?はいオッケーよ終わり!終わりよバ~イ*サ~~ンキュゥウ~~*バ~~ハハ~~イ*サァ~~ンキュウウ~~~(花)」(←って、ほんとにこんな感じ)

と、

バツッ!と終わってくれた。


手に汗握る深夜の緊張テレフォンは、バツッと終了。



しばらくしたら、メールで

「この調書に必要なこと書いて、スキャンして送り返して下さい」っていう段取りでした。
ちなみにそこには、容疑者の名前とかも書いてあった。ドミトリィ。だって。


ということで、

冒頭の写真が、その調書。

「自宅にスキャナーが無いのでお待たせしてすみませんが明日事務所で作成してすぐ送りますのでとりあえず今夜はグッドナイト。」とメールして、


翌朝、

『イギリス 調書 書き方』をググりつつ。
「今ジャパンで働いてるから、裁判とかで証言台に立つとか出来ないので、諸々お任せします。そして連絡は絶対に電話じゃなくてメールで」的なことを記したりして、

返送。

そして、

ノルマ終了の模様。



・・・ああ・・・まさか、、、

もうすっかり自分の中では‘終わったもの’になっていたあの事件に、こんな進展があるとはなあ、、、

って、感慨深く想いましたことでした。



そして、


時は流れ。


再び、

忘れかけ。




桜が咲いて。





今日も桜が綺麗だなーー

って、のほほ~んと、夜桜をたっぷり吸い込んで帰宅した、

3月31日の深夜。



日付変わって、4月1日になった直後のことでした。



再び、英語メールが来ました。



今度はMatthewから。(マテューというかマシューというか、そのどちらでもなくて、マthゥー。)


Matthewの名前に見覚えあり。

彼は確か、事件直後の調書取りのときに来た 2人のリアルポリスのうちの1人で、背が高いイケメン。
渡された「被害者カード」に、彼の署名があったので、間違いなく覚えている。

(※追記:間違いなく覚えてる(キリッ)とか書いておいて、なんと、すっかり間違えていました!
  事件の時来てくれたのは、マイケルでした。マイケル・エヴァンスでした。バカ〜;
  「事件」の記事でしっかり書いてたのに、完全に思い込みミス。ソーリー;
  ということで、マシューには多分会った事ありませんし、名前に見覚えもあるわけないっていう。)


そういえば、もう1人の明るいおばさんポリスが、、、ああそうだ、あの人が、Lindseyだったんだわ。「本物のポリスはまず警察手帳を見せるのよ!」って見せてくれた。あ~、そして確か、すんごく訛ってたわ。

で、取調べのとき、「あ、これ犯人の指紋が付いてるはず!」って思い出して、抜け殻になったエンベロープ(銀行の封筒)、渡したのでした。


で、マthゥー曰く、


「裁判終わりました。」

と。


「窃盗とポリス偽装の2つの罪で、その容疑者(ルーマニア人)の刑が確定した」

とのこと。

そして、

「あとの2人は、残念ながら見つからず仕舞いですが、この事件は以上で終了(クローズド)となりました。」

と。



そうか。そういうものか。

まあ、約2年前に盗られたマネーがそっくりそのまま残っているはずも無く、ゆえに、戻ってくるはずも無く、

ゆえに、万歳!大喜び!っていう気分になるでも、なく。


事件って、こういう感じで終わるんだなあ。ふーん。

という、
存外さっぱりするわけでもない、
なんだか ずるずるっと、なんかを引きずらされてるような、、、うっすら軽い重たさ(数グラムくらいの)を引きずらされているような感慨と、共に。


なんだか、終了した模様です。






ということで、

まさかの新展開を迎えたので、番外編というかたちではありますが、晴れて再開と相成りました。

この調子で、イギリス旅日記の本編のほうの連載リスタートも、頑張るぞ!!

と、やおら気合が入っております2015春。

どうぞ(適当に)ご期待下さい。









毎日お花見

2015年04月06日 | 徒然 -tzure-zure-
今年の桜。

自転車での通勤路は、ありがたいことに、桜が延々と続いてくれる素敵な環境なので。
毎日お花見状態です。



いつもいつも、
つぼみがふくらむまでは、まだか〜まだか〜と、首を長くして。

ふくらみ出して、
赤くなってきたら、

いやまだちょっと速いな、ちょっと待って!もうちょっと待ってて!せめて次の日曜日まで!

なんて、身勝手なことを願う。



この、束の間の赤い時=赤ちゃんの時も好き。
期待にわくわくする、多幸感でいっぱいで。

誰かがよほどの善行を為したか、
東京では、週末に合わせるように 上手い具合に咲いてくれました。




赤ら顔から、少しずつ、白い顔をのぞかせて。



開き出したら、

早かった。

あっという間に 満開になった。

今年は、特に速かった気が。

気のせいか。







満開になって、ほのかに香り立って。

ほんとにかすかに漂い、すいと消えてしまう香りなので、

通り過ぎるおっさんのタバコの一本なんかで 呆気無く台無しにされてしまう。







去年は、ちょうど真っ盛りの時に 急性虫垂炎でぶっ倒れまして、
家で大概寝込んでいたので、だいぶ悔しい想いをしたものでした。


今年はしっかり、噛み締めることが出来ています。





毎日毎日、
花散らしの雨もほとんど降らず、
見届けることが出来ています。有り難や。




桜が延々と立て続いてくれる、通勤路。
見物人がごった返していなくて、肉や菓子や酒の臭いで汚されていない、好い穴場。

毎朝、毎夜。
幽かなピンクの香りが、仕事のあれこれのピリピリやらビリビリやらを、さらっとリセットしてくれて。

息を吸い込むたびに、多幸感でいっぱいに。
はらはら降ってくれる恩恵を、たっぷりと浴びるように。



毎朝、毎夜。


その終わりも あっという間だと判っているので、


毎日毎夜、
丁寧に、丁寧に、噛み締めて。







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