雨を呑むと、
草は途端に
色濃く、強く、厚く、凛と立ち上がる。
花は一気に、
むにむにとふくらみ、
ぽん、と、はじけ出す。
アガパンサス。
数年前に友人の庭から頂いてきた株が
今年もまた、花を咲かせむと。
あと少し。
もうすぐ、あの青い色が咲く。
ギンバイカ(銀梅花)。祝福の木。
隣の家から、こぼれんばかりに。
葉をもむと、何とも言えない、清涼で濃厚で明瞭な、甘い香り。
花の香りは、粉っぽい香り。
雨の雫をたたえて、こぼれんばかりに。
ザクロ(柘榴)。
現場近くの、道ばたに。
ぱっと目の覚めるビタミンカラーは、遠くからでも目映い。
雨の後。黒い道にちりばめられたそれは、
落ちた星のよう。
ノウゼンカズラ(凌霄花)。
ザクロとはまた違う。ほんのりピンクを帯びた、やわらかなオレンジ。
いつもの通い路の、公園にて。
マツヨイグサ(待宵草)。
その名の通り、宵どきの帰り路にて。
宵から夜へ。
緑の多い道すがらは、雨を呑んだばかりの、蒸せるほどの夏草の香が、風にまぐわう。
自転車をこぎながら、たまらず深く、吸い込む。
深く吸い込むと、背筋が伸びて。
ふう~っと吹くと、その日の熱にあてられた疲れまで、すう~っと抜けた。
夏の宵の入り。青い時間。
愛おしい時間。
*
アガパンサス。固まっていたつぼみが、また一段と開いた。
もうすぐ。
*
草は途端に
色濃く、強く、厚く、凛と立ち上がる。
花は一気に、
むにむにとふくらみ、
ぽん、と、はじけ出す。
アガパンサス。
数年前に友人の庭から頂いてきた株が
今年もまた、花を咲かせむと。
あと少し。
もうすぐ、あの青い色が咲く。
ギンバイカ(銀梅花)。祝福の木。
隣の家から、こぼれんばかりに。
葉をもむと、何とも言えない、清涼で濃厚で明瞭な、甘い香り。
花の香りは、粉っぽい香り。
雨の雫をたたえて、こぼれんばかりに。
ザクロ(柘榴)。
現場近くの、道ばたに。
ぱっと目の覚めるビタミンカラーは、遠くからでも目映い。
雨の後。黒い道にちりばめられたそれは、
落ちた星のよう。
ノウゼンカズラ(凌霄花)。
ザクロとはまた違う。ほんのりピンクを帯びた、やわらかなオレンジ。
いつもの通い路の、公園にて。
マツヨイグサ(待宵草)。
その名の通り、宵どきの帰り路にて。
宵から夜へ。
緑の多い道すがらは、雨を呑んだばかりの、蒸せるほどの夏草の香が、風にまぐわう。
自転車をこぎながら、たまらず深く、吸い込む。
深く吸い込むと、背筋が伸びて。
ふう~っと吹くと、その日の熱にあてられた疲れまで、すう~っと抜けた。
夏の宵の入り。青い時間。
愛おしい時間。
*
アガパンサス。固まっていたつぼみが、また一段と開いた。
もうすぐ。
*