この前の土日に行って来ました、「石組塾」実技編。
日本の造園において、「骨」となるのが、石組。
しかし
いまや、本格的な石組のある庭を求める人は減り、
石組を手がける機会も、滅多にありません。
今回参加した「石組塾」は、
本物の何トンもある名石を使って、実践的に石組みを体験学習できる、
とても貴重な場でした。
講師は、造園家の高崎康隆先生。
自分が初めて出会った造園家が、高崎先生でした。
場所は、鎌倉山の庭石屋さんの石置き場にて。
秋の風景の、鎌倉山。
宿泊させてもらったのは、石屋さんのご実家。
苔むした茅葺き屋根の、
びっくりするほどの旧家でした。
土間、かまど、
五右衛門風呂、ぼっとん便所。
家のすぐ後背にある山には、
戦時中にくりぬかれた防空壕がそのままあって、
長い長い、きれいに掘り抜かれた細い道の奥には、湧き水が。
五右衛門風呂も、山の岩肌をくりぬいた洞窟状の中に。
タイムスリップ体験。
*
自分を含む初心者が挑戦したのは、基本の三石組。
上級者は、五石へと数を増やされたり、
噛み合わせる「石積み的岩組」に挑戦したり。
石を選んで、
ワイヤーで「玉がけ」して、
クレーンで引っ張り上げて、
目ざすポイントに据えて行きます。
全体を眺める視点は一カ所に定め、
正面=「つら」と、石のてっぺん=「天端(てんば)」を決めます。
位置、角度、傾き、植える深さも決めて。
掘って、植えます。
これが、
本当に難しく。
先生などは ささっと決めて、パパッと据えていくので、いとも簡単そうに見えるのですが、
全然、どうして。
今回初めて挑戦しましたが、
自分、全くうまく出来ませんでした。
そもそも、
庭の中でも植栽に興味が偏っていた自分、
石は とっかかりから難しすぎて、興味も持てませんでした。
今年、やっと 勉強を始めたばかり。
まだまだ、これから、です。
*
最後に 数人のコラボレーションで やったのは、
石同士をくっつけ、噛み合わせて、あたかも石を積むように組んだ岩組。
獅子頭の岩に、珪化木(木が化石化したもの)や、摂理(=割れ模様)が際立った青石の巨岩などを
組み合わせて行きました。
ちなみに珪化木は、
これとか
これ。
数ある石の中でも、一番これに、惚れ落ちました。
地中に埋もれた木が、なんらかの化学反応で化石になったのが、これ。
石炭のなりそこねとも言えます。
*
初心者目に見ても、はっとするほどの 力の流れと存在感が明らかに感じられる石組みで、
ため息が出るほど。とても見事でした。
これに さらに「舟石(ふないし)」を置いたら
こうなりました。
*
石組とは、
石がもっている「ヴォリューム」と「方向性」のエネルギーを組み合わせること。
写真だと、個々の石のごりごりした立体感=ヴォリュームも、天然の模様の醸し出す流れ=方向性も、
あんまりうまく捉えられません。
もどかしいですが。
*
とりあえず、
珪化木。けいかぼく。これ、凄い惹かれた。
わなわなしました。
石と木のあいだにあるもの。
石でもあり、木でもあるもの。
そういう、中間存在。
境界のあいまいな存在や、相対するものがぶつかり合って混沌と解け合った世界には、とても惹かれます。
例えば、
キリスト教とイスラムとが ガッツリぶつかりあって戦って、混ざり合った文化が生まれた
スペインだとか、トルコだとかも。
*
そういえば、石置き場には木も植わっていて。
ザクロがありました。
ザクロって、そういえば、石榴と書く。ここにも“石”が。
*
一泊二日の、石組塾、実技講習。
今までも、庭の石って、見て来たつもりだったけど、
全然。
いったい、なに見て来たんだったっけ。っていう感じでした。
実際に触ってみて、やっと、
石組みの意味というか、見所が少しわかったような気になったりして。
とても難解そうだから、おいおい、いずれ分かればいいかな、と、あえて遠ざけていた、石。
その奥深すぎる世界に、とうとう少しだけ、踏み入ってしまいました。
石組塾のHPは>>http://www.ab.auone-net.jp/~ishigumi/
東京「石組BOX」での『座学』(=勉強会)もあります。>>http://ishigum.exblog.jp/
高崎先生の事務所HPは>>http://www.k4.dion.ne.jp/~takasaki/
*
::omake::
「珪化木、まじやばいよねー」
と言い合える レアなる同志
珪化木ガールこと ポリ子 (石組中級者)
割れた珪化木の破片をゲットして ほくそ笑む同志
*
日本の造園において、「骨」となるのが、石組。
しかし
いまや、本格的な石組のある庭を求める人は減り、
石組を手がける機会も、滅多にありません。
今回参加した「石組塾」は、
本物の何トンもある名石を使って、実践的に石組みを体験学習できる、
とても貴重な場でした。
講師は、造園家の高崎康隆先生。
自分が初めて出会った造園家が、高崎先生でした。
場所は、鎌倉山の庭石屋さんの石置き場にて。
秋の風景の、鎌倉山。
宿泊させてもらったのは、石屋さんのご実家。
苔むした茅葺き屋根の、
びっくりするほどの旧家でした。
土間、かまど、
五右衛門風呂、ぼっとん便所。
家のすぐ後背にある山には、
戦時中にくりぬかれた防空壕がそのままあって、
長い長い、きれいに掘り抜かれた細い道の奥には、湧き水が。
五右衛門風呂も、山の岩肌をくりぬいた洞窟状の中に。
タイムスリップ体験。
*
自分を含む初心者が挑戦したのは、基本の三石組。
上級者は、五石へと数を増やされたり、
噛み合わせる「石積み的岩組」に挑戦したり。
石を選んで、
ワイヤーで「玉がけ」して、
クレーンで引っ張り上げて、
目ざすポイントに据えて行きます。
全体を眺める視点は一カ所に定め、
正面=「つら」と、石のてっぺん=「天端(てんば)」を決めます。
位置、角度、傾き、植える深さも決めて。
掘って、植えます。
これが、
本当に難しく。
先生などは ささっと決めて、パパッと据えていくので、いとも簡単そうに見えるのですが、
全然、どうして。
今回初めて挑戦しましたが、
自分、全くうまく出来ませんでした。
そもそも、
庭の中でも植栽に興味が偏っていた自分、
石は とっかかりから難しすぎて、興味も持てませんでした。
今年、やっと 勉強を始めたばかり。
まだまだ、これから、です。
*
最後に 数人のコラボレーションで やったのは、
石同士をくっつけ、噛み合わせて、あたかも石を積むように組んだ岩組。
獅子頭の岩に、珪化木(木が化石化したもの)や、摂理(=割れ模様)が際立った青石の巨岩などを
組み合わせて行きました。
ちなみに珪化木は、
これとか
これ。
数ある石の中でも、一番これに、惚れ落ちました。
地中に埋もれた木が、なんらかの化学反応で化石になったのが、これ。
石炭のなりそこねとも言えます。
*
初心者目に見ても、はっとするほどの 力の流れと存在感が明らかに感じられる石組みで、
ため息が出るほど。とても見事でした。
これに さらに「舟石(ふないし)」を置いたら
こうなりました。
*
石組とは、
石がもっている「ヴォリューム」と「方向性」のエネルギーを組み合わせること。
写真だと、個々の石のごりごりした立体感=ヴォリュームも、天然の模様の醸し出す流れ=方向性も、
あんまりうまく捉えられません。
もどかしいですが。
*
とりあえず、
珪化木。けいかぼく。これ、凄い惹かれた。
わなわなしました。
石と木のあいだにあるもの。
石でもあり、木でもあるもの。
そういう、中間存在。
境界のあいまいな存在や、相対するものがぶつかり合って混沌と解け合った世界には、とても惹かれます。
例えば、
キリスト教とイスラムとが ガッツリぶつかりあって戦って、混ざり合った文化が生まれた
スペインだとか、トルコだとかも。
*
そういえば、石置き場には木も植わっていて。
ザクロがありました。
ザクロって、そういえば、石榴と書く。ここにも“石”が。
*
一泊二日の、石組塾、実技講習。
今までも、庭の石って、見て来たつもりだったけど、
全然。
いったい、なに見て来たんだったっけ。っていう感じでした。
実際に触ってみて、やっと、
石組みの意味というか、見所が少しわかったような気になったりして。
とても難解そうだから、おいおい、いずれ分かればいいかな、と、あえて遠ざけていた、石。
その奥深すぎる世界に、とうとう少しだけ、踏み入ってしまいました。
石組塾のHPは>>http://www.ab.auone-net.jp/~ishigumi/
東京「石組BOX」での『座学』(=勉強会)もあります。>>http://ishigum.exblog.jp/
高崎先生の事務所HPは>>http://www.k4.dion.ne.jp/~takasaki/
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::omake::
「珪化木、まじやばいよねー」
と言い合える レアなる同志
珪化木ガールこと ポリ子 (石組中級者)
割れた珪化木の破片をゲットして ほくそ笑む同志
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