歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

石組塾・実践編

2011年10月19日 | 旅録 -travelogue-
この前の土日に行って来ました、「石組塾」実技編。






日本の造園において、「骨」となるのが、石組。

しかし
いまや、本格的な石組のある庭を求める人は減り、
石組を手がける機会も、滅多にありません。


今回参加した「石組塾」は、
本物の何トンもある名石を使って、実践的に石組みを体験学習できる、
とても貴重な場でした。






講師は、造園家の高崎康隆先生。
自分が初めて出会った造園家が、高崎先生でした。





場所は、鎌倉山の庭石屋さんの石置き場にて。


秋の風景の、鎌倉山。





宿泊させてもらったのは、石屋さんのご実家。



苔むした茅葺き屋根の、
びっくりするほどの旧家でした。



土間、かまど、
五右衛門風呂、ぼっとん便所。

家のすぐ後背にある山には、
戦時中にくりぬかれた防空壕がそのままあって、
長い長い、きれいに掘り抜かれた細い道の奥には、湧き水が。


五右衛門風呂も、山の岩肌をくりぬいた洞窟状の中に。

タイムスリップ体験。










自分を含む初心者が挑戦したのは、基本の三石組。
上級者は、五石へと数を増やされたり、
噛み合わせる「石積み的岩組」に挑戦したり。


石を選んで、
ワイヤーで「玉がけ」して、



クレーンで引っ張り上げて、




目ざすポイントに据えて行きます。

全体を眺める視点は一カ所に定め、

正面=「つら」と、石のてっぺん=「天端(てんば)」を決めます。






位置、角度、傾き、植える深さも決めて。




掘って、植えます。

これが、
本当に難しく。

先生などは ささっと決めて、パパッと据えていくので、いとも簡単そうに見えるのですが、

全然、どうして。

今回初めて挑戦しましたが、
自分、全くうまく出来ませんでした。


そもそも、
庭の中でも植栽に興味が偏っていた自分、

石は とっかかりから難しすぎて、興味も持てませんでした。
今年、やっと 勉強を始めたばかり。

まだまだ、これから、です。







最後に 数人のコラボレーションで やったのは、
石同士をくっつけ、噛み合わせて、あたかも石を積むように組んだ岩組。



獅子頭の岩に、珪化木(木が化石化したもの)や、摂理(=割れ模様)が際立った青石の巨岩などを
組み合わせて行きました。


ちなみに珪化木は、


これとか


これ。

数ある石の中でも、一番これに、惚れ落ちました。

地中に埋もれた木が、なんらかの化学反応で化石になったのが、これ。
石炭のなりそこねとも言えます。





初心者目に見ても、はっとするほどの 力の流れと存在感が明らかに感じられる石組みで、
ため息が出るほど。とても見事でした。





これに さらに「舟石(ふないし)」を置いたら





こうなりました。







石組とは、

石がもっている「ヴォリューム」と「方向性」のエネルギーを組み合わせること。





写真だと、個々の石のごりごりした立体感=ヴォリュームも、天然の模様の醸し出す流れ=方向性も、
あんまりうまく捉えられません。

もどかしいですが。








とりあえず、



珪化木。けいかぼく。これ、凄い惹かれた。
わなわなしました。

石と木のあいだにあるもの。
石でもあり、木でもあるもの。


そういう、中間存在。
境界のあいまいな存在や、相対するものがぶつかり合って混沌と解け合った世界には、とても惹かれます。

例えば、
キリスト教とイスラムとが ガッツリぶつかりあって戦って、混ざり合った文化が生まれた
スペインだとか、トルコだとかも。




そういえば、石置き場には木も植わっていて。



ザクロがありました。

ザクロって、そういえば、石榴と書く。ここにも“石”が。





一泊二日の、石組塾、実技講習。

今までも、庭の石って、見て来たつもりだったけど、
全然。
いったい、なに見て来たんだったっけ。っていう感じでした。


実際に触ってみて、やっと、
石組みの意味というか、見所が少しわかったような気になったりして。

とても難解そうだから、おいおい、いずれ分かればいいかな、と、あえて遠ざけていた、石。
その奥深すぎる世界に、とうとう少しだけ、踏み入ってしまいました。





 石組塾のHPは>>http://www.ab.auone-net.jp/~ishigumi/
         東京「石組BOX」での『座学』(=勉強会)もあります。>>http://ishigum.exblog.jp/

 高崎先生の事務所HPは>>http://www.k4.dion.ne.jp/~takasaki/





















::omake::


「珪化木、まじやばいよねー」
と言い合える レアなる同志


 珪化木ガールこと ポリ子 (石組中級者)


割れた珪化木の破片をゲットして ほくそ笑む同志





旅の前後、雷雨の跡先

2011年07月31日 | 旅録 -travelogue-
馬油効果もあり、ゲゲゲ状態の右まぶたは、翌朝半分まで落ち着いてました。

代わりに、

下唇をまた刺されました。
これがなんかもう、井川遥とか言ってらんない明太子レベルに腫れて、

アンジェリーナジョリーです。

ゲゲゲのアンジェリーナジョリーでした。


まあ そんなこんなで、
武者修業4日間が、終了。

大忙しの作業がなんとか終って、同胞たちは、トラックで、西へ。

自分は一人、東へ。
駅へ向かいます。


荷物が重い。

ふう。




と、

その途端、



雷と雨が、ずどどっ!と、落っこって来ました。



途中にある温泉に駆け込みました。




ザーザー降る雨と ほの白い灰色空を、うわあ、と思いながら、眺めながら、

熱い(熱すぎるくらい)人気の無い温泉で。しばし、雨宿り。





雨が小康状態になったので、一時間後、

そそくさと、電車に。


さよなら、コケのむす、涼しい町。





箱根登山鉄道。

また雨が降って来たので、
観光は諦めて、おとなしく下界へ向かいます。











雨を斜めに切って走る車窓から、


その硝子の向こうの 白い霧立つ山と、青暗い森の陰翳に、
すーっと、吸い込まれたい気持ちに駆られながら、

黙って、

雨の描く透明の線の走る速さを じっと眼で逐っていると、




余計に、

いまに終ろうとしている この旅の余薫が無性に駆り立てられるようで、

じきに ひたひたと沁みて来るであろう余韻の前兆を感じ、

まだ、もうちょっと、、、と、後ろ髪を引かれずには居れない。


要するに、
ちょっぴりしんみりして、過ぎる景色を静かに見送っていたのでした。


そんな、
ゲゲゲのアンジェリーナジョリーでした。




とどめに

足の小指を、またしてもブヨのヤツめに刺されてしまいながら。

雨降る、じっとりと重い、東京へ。




調布に着いてから、

家までの帰路。

結局、追いかけて来た雷雨で、ずぶ濡れになってしまいました。



* * * *



翌朝。

ゲゲゲの右まぶたは、見事にほぼ完治。

我ながら、素晴らしき自然快癒力。




4日休ませてもらったので、
日曜だけど出勤。


アンジェリーナのしたくちびるは、まだ腫れを残しています。

でも、明日にはこれも、完治しそう。




たった4日の不在。


たったそれだけで、
旅立つ前と、後と。

実際は さほど変わったわけではないはず、とは思うけど、


何かが 確実に 変わった気もする。





これって、
旅の「長さ」には比例しない、不思議とお決まりのように揺れる感覚。

旅の前と旅の後には、いつも必ず ほんのり立ち顕われる、
この感覚。

まだ言葉にも形にもならないけれど、きっと何かを掴んでるんだろうな、という、
淡い明るい希望に近い、獲得感と。


「なんか、この前までとは、ちょっと違う」
という感覚。

ある世界の終わりと、
新しい始まりの感覚。







そして、

ものの数時間、

元の日常の通りにまた動き始めたら、あっけなく薄らいで潰えてしまう。

儚すぎる感触。


だけど
何かしら ちゃんと、残っているはず。

きっと、残っていて、
次に・前に進むための力になってゆくはず。


そう信じたくなる、小さな小さな実感。









花が咲いていました。



青い蝶のようなかたちをした 不思議なほどに綺麗な花が、

肝心のライブ本番の時は 花びらが全て落ちてしまっていた花が、

ふたたび、咲いていました。


青い羽のような。




クレロデンドルム・ウガンデンセ。


それが この花の名前。
魔法の呪文のような名前。




北鎌倉、母と娘の展覧会(と猫)

2011年07月26日 | 旅録 -travelogue-
北鎌倉のギャラリーNESTでやっております、

澤畑母娘の手作り小物展覧会。





ギャラリーNESTのHPはこちら>>http://www3.tky.3web.ne.jp/~nest/



かれこれ、、行ってから、随分経ってしまいました、、。

うかうかしてたら、あと会期は一週間!
8月1日までです!ぜひ遊びに行ってみてね~。



生チーズケーキが有名だそうです。

ということで、

頂きました!デカフェ(ノンカフェイン)のコーヒーと共に。



うまかった!しっとりしてて~濃くて~



一心不乱に食べた後、
ふと我に返り、ふーっと、目を上げると。

そこにどーんと拡がる景色もまた、ぜいたく。


目の前は空と山。

静けさと風の音。


まさしくリゾートでした。







ギャラリーにたどり着く手前で寄り道した話は、こちら>>北鎌倉、夏の花道の巻。

フォトアルバムが見られます。花の名前解説も一切無いけど。






そして到着した、ギャラリーNEST。



小さくて、まるくて、風が吹き抜ける、

素敵なギャラリーでした。

わかりにくいところにあるけれど


大きなカーブの登り道の、中腹の、この看板が目印。


その先の、雰囲気のある階段を登っていきます。





登りきったあと、あれ、、迷ったんじゃないか、、?とじんわり不安になってくる頃合に、

現れます。






























展示内容はというと、



まだ会期中で、あんまり見せちゃうのもあれなので、

ちょこっと。












残りは、展示が終わった頃合に。


その代わりに、



ニャー。



このギャラリーのマスコット猫。

二匹いる。


この子が、、











あの草が、気になってしょうがないみたいで。



















一心不乱*めっちゃ頑張ってる;可愛い*




うおっと!!伸びた!



おりゃ!!手が出た!ついに手が出た!







かわいい~



他人(猫)様の 必死っぷりを「かわい~」だなんて、

失礼かしらん;

でも可愛~










ひとしきり戦って、




ふー。

寝る。


昼が長い、7月の暑い昼下がりでした。

すっかり時間を忘れて、まったりしてしまいました。







おまけ。

ここで出会った、もう一組の猫。




砂田夢草さんの、土鈴!

猫バージョン!



昨年、鎌倉で出会ってお買い求めした、森の妖精バージョンは今も我が家に居ります。

迷わず二つとも購入。

ひとつは、友人にプレゼント。






何かとご縁がある鎌倉。



東京から、案外1時間弱で着いてしまうという、きわめて近いリゾート。


オシロイバナの香りに引かれながら。





また行きたい、鎌倉。

まだ、重要な寺とか、ぜんぜん巡ってないし。

今度は、海も見たい。







と、その前に。

明日からまた、プチ旅です。









北鎌倉、夏の花道

2011年07月21日 | 旅録 -travelogue-
台風が去ったら、




ずいぶん寒くなり。ちょっとびっくり。

なんだか、はやくも「夏の終わり」さえ思わせる冷たい風。

そして、雨の痕の、香り。




しんみり、9月の終わりくらいの気分に触れたようで、
なんだか淋しくなってしまったり、した。


、、いやいや!
夏はこれから。

明日からまた当たり前のように晴れて、憎たらしいくらい暑くなるはずだ。






さて、

先日の、暑い日曜の午後。北鎌倉に行きました。





向かったのは、ギャラリーNEST。



で、

そこに行き着くまでの道すがら、

花の咲く寺があって。
その名も、光り照る寺。光照寺。

当然、ふらりと 立ち寄って、
ひとしきり、楽しんで。



せっかく撮ったけど、、、しかし、ほんとにただ、花と風景を撮っただけだし、、
書く事特に無い、、、



ということで。

初めて、「フォトチャンネル」なるものを、作りました。

北鎌倉、光り照る寺、夏の花道

リンクはこちら。




本編:「ギャラリーNEST、澤畑母娘展探訪の巻」



の、一歩手前。の巻。


そんなに大量でもないので、花を観てみたい方は、どうぞご覧あれ。







日帰り関西

2011年07月15日 | 旅録 -travelogue-
十三日の水曜日。



出張で、神戸へ行きました。


この前の日曜日に鎌倉に行ったこととか、先月末に北海道行ったこととか、
色々あるけど、もう忙しすぎるので、時系列はさておき。






前夜、新宿発の夜行バスで。

「三列独立ゆったりシート(トイレ付)」でも、片道5千円以下。安い。
快適に寝れた。

ケチって「4列レギュラー格安シート」とかにすると、絶対に後悔します。


但し旅行会社によって若干のムラがあり、
前後左右のお客さんのアタリハズレは、運。



心なしか、東京よりも風が涼しげ、神戸。

神戸っていうか、兵庫。
兵庫県のことを言ってるつもりで
「神戸」って言ってしまう。そんなささやかな癖がついてる。

厳密に言うと、降り立ったのは 三宮。
「兵庫」に来たということで、
兵庫は西宮在住の、当日たまたま休日だった奇跡の友人バブルを召喚し、朝カフェ。
ほんとに瞬く間。

それから仕事関係。

そのあと、



三宮にある「東遊園地公園」の一角、

『震災と慰霊のモニュメント』へ。




神戸に来たら、必ず寄ることにしている。





水にはじけて、光りと音が、響く。








この日の神戸の空は、雲ひとつなかった。







高い「オール電化」マンションと、新しいビルに囲まれて。









それから。

宇治に住む友人に会いに。

彼もまた、奇跡的に当日ホリデーで、
宇治を案内してくれた。

水曜日はどうやら、観光のエアーポケット日らしい。すいている。閉まってる店もちらほら。


静かで混んでなくて、とてもラッキー。



鵜飼が見られる宇治川。宇治川、、でいいのかな。

穴場らしく、静か。

その川岸に、いわゆる鴨川の「川床」みたいに張り出している離れ座敷がある
おそば屋さんがあって、




茶そばを頂く。

それと、
「うなぎいいめし」というものを。

その正体は、
もち米に、サンショウを練りこみ、うなぎを載せて、竹の皮で包み、蒸した粽(ちまき)。

これが、
あまりにも最強にうますぎて、目から虹色のウロコがほろほろと零れ落ちました。

戦慄です。羨ましがられるから、写真控える。





それから、



平等院鳳凰堂。

ちゃんと拝殿にも。そして、大きな阿弥陀如来と雲中供養菩薩(の半分)、国宝の天蓋、

きらびやかな極楽浄土を拝む。

感無量。




蓮も咲いてる。



別館の資料館も、必見。

なぜなら、

わたくしがこの世で一番というか唯一「大好き!」と表明できる仏像、

「雲中供養菩薩」ががっつり拝めるから!
本堂から取り外された半分=26体。

雲にのって、いろんな楽器を持ち、舞い踊り、
とても楽しげで、ほんとに極楽浄土の音楽がぷわああんって、朗々と聞こえてきそうな。

幸せになります。

52体全員集合した雲中供養菩薩クリアファイルを買いました。





拝観終了寸前。

時刻はもう黄昏。




夏の初めの、黄昏。








宇治といえばお茶。

宇治に本店を構える、歴史の旧いお茶屋さんへ。




友人が、気づいたら アイスを買ってくれていて、



友人宅にて、黄昏まったり。


仕事の打ち合わせ準備に勤しんでいた奥さんとも、ここで再会。

旦那さんは、骨董屋さんで働いている人。映像を撮る人でもある。

奥さんは、フェルデンクライスという身体メソッドを教える人。舞う人でもある。

かつて働いていた森で、真冬の秋田の雪の中で出会ったおふたり。
以来、仲が続いている。


おふたりが宇治でやっている
「フェルデンクライスカフェ(フェルカフェ)」。


ふつうのマンションの一室だけど、ドア開け放っていた。東京じゃありえないから、ちょっとびっくり。
風が通り抜けて、気持ちよい。



お茶を頂き、アイスを食べ。
すっかりのんびり。


やっとお邪魔できました。







それから、

京都市中へ移動。


なんと、


祇園祭の鉾が立っていました。

この週末にあるという、祇園祭。その予行演習的な、前夜祭的な感じなのかしら。

もうやってるよ、という感じでした。



子供らが声を張り上げて、祇園祭の唄を歌って、売り子の練習をしていて。

ちょうかわいい。

ドスの利いた関西弁をちっちゃな男の子がしゃべるのも、ちょうかわいい。



祇園祭。初めて見た。

本番当日は ぎゅーぎゅーの混雑で、とても歩けやしないとのこと。
でももちろん、この日は普通に歩ける。あちこちの鉾を見て廻れました。



朝方瞬間的に会った神戸の友人バブルを再召喚し、合流。

この日にここに来るなんて決めたのはけっこう急だったし、偶然だったんだけど、
ほんとにラッキー。



道を歩いてたら、

フェルカフェ旦那が、やおら立ち止まり、見ず知らずのサラリーマン青年と話し出した。

そしたら、



腕に、セミの幼生が。

土から出てきたばかりなのか、まだやわらかいんだ、と言う。


どうやら、街路樹のケヤキの根元から這い出したみたいなんだけど、
木に登れず、道路を歩いていたのを、救出したところだったらしい。


確かに、そのケヤキは そのセミには幹が太くてつるつるすぎるのか、
つかめないらしい。

それで、



近くのシマトネリコの細い枝に引っ掛けたら、

うまいこと、よじ登り出した。


よかったね。といって、

さらっと 別れる。

じゃ、と。



なんとなく、経験のあまりない、レアなコミュニケーションをとった気がした。

行き当たりばったりの、瞬間的な風来坊の、一期一会。

すーっと、夏の夜風が胸を通るような。静かに優しい、心地になった。

あとくされも何も、まったく何にも残さないし、それで十分という、

そよ風のような出会い方。と、別れ方。



あー、そうだ、これって、

旅の最中に起こる、旅先特有のコミュニケーション。だ。

名乗らず、連絡先も交わさず。それはそれでいいんだという。

最近は、facebookにしろ、twitterにしろ
人とのつながりが大事!確かにそれはそうなのだけど、
人の縁をガンガン活用しよう、レッツメイクチームワーク!という感じがけっこう強調されて、

それは決して間違っていないし、良いと思うんだけど、確かに。

「友人」との結びつき合いを 必死に増やし、維持し、繫ぎ止めようと
決して離すまい、決して忘れられまい と、
寸暇を惜しんで頑張っている風潮があるかもしれない。

ある種、束縛。


でも、旅すると、

「そういうのが無くても別に大丈夫。、っていう世界も、ふつうにある。」

と、改めて気づかされたりする。

ちょっと前までは、そんなもの無くて、それで普通にちゃんとつながる人とはつながっていて、
暮らせていたんだもの。

ということだとかを。






、とかいう考えが、ふと湧いたりしたときに、


「ああ。いま、旅してるんだなあ。」

って、

すとーんと腑に落ちるように、「今、自分の現在地」を、実感できた。

なんというか、

案外、日々あたふたして押し流されて見えなくなっている「自分の今の立ち位置」を
ふと見つけた別の角度からやっと 見つめることが出来て、
「ああ、そこか。」って、しっくり、理解できた、というか。落ち着きを見つけた、というか。


そしたら、次の瞬間、

夏の夜の風が、なおさらに、ひゅーっと涼しく、通ってゆくように感じられて。


なんて心地よい夜だろう。

と、

じんわり、想った。



今そこに居ることの、偶然のような幸運を、独り黙って、じっくり、噛み締めつつ。






そんなこんななこともありつつ、

おなかがすいたし帰る時間が迫っているので、
行き当たりばったりの店にばっと入って、幸いにも美味しいものを食べて少し呑んだりして、

あたふたしつつもゆっくりしつつ、

「じゃー、またー!」とあたふた別れ、

23:10。
京都駅の八条口から、無事、帰りの夜行バスに乗りました。




旅すると、
一日が濃密で、長くて、

そして、

あっという間。









帰りのバスでは、

苦しい悪夢をダブルで見てしまい、

うまく寝れなかったのだけど。



翌朝、すでに暑くなり始めている6時半の新宿に着き、

そのまま仕事へ。


ちょっと洗われてしゃきっとなった気持ちを抱えて、

また元の、忙しい日々へ。






北海道日記:第0話(期間限定)

2011年07月02日 | 旅録 -travelogue-
期間限定!(旅日記第一話のスタートまで)


hokkaido201106


北海道で撮った写真、ぜんぶ一挙大公開だよ!
(↑クリックして、スライドショーとかで見てね。)



1日目は、夕方到着してミーティングして居酒屋で懇親会しただけ。
同僚の子が超かわいいの。


2日目は、早朝の散歩(花をいろいろ撮りながら)~旭山記念公園(札幌の西のほうの山)
~旭山動物園
~パッチワークの畑(バス移動しながら)
~富良野の富田ファーム(ラベンダーとか)

3日目は、モエレ沼公園(設計byイサムノグチ)

です。

旅日記、本編開始まで、公開でーす。



ある日ある森

2011年05月17日 | 旅録 -travelogue-

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retreat for return

2011年03月06日 | 旅録 -travelogue-
短い旅でした。




そして

とんぼのように帰って来た 東京

家へ

自転車をキイキイ泣かせながら登る
坂道の、

川を越える橋のあたりで、



沈丁花の香りがよぎった。





たった数日で。
何かが大きく変わるわけ、無いだろ。



って、
高をくくっていた その わずかな数日のうちに、

あっけなく春は、歩みを進めていました。


季節がそういうものだということを、とっくに知っているはずなのに、
たいがい忘れて、
たいがい吃驚して、
たいがい何度も巡った、たいがいに同じことにまた、感じ入る。


たいがいにしろ。
そんな自分の馬鹿を小さく哂(わら)う。






ほんとに短い旅だった。

旅に出るまでは「あー、俺も無期限活動休止して、人間活動に専念したーい」なんて。


実際にとれたのは、ほんの数日の休暇。

それでも、

一旦 

「今、背負っている重さ」を
無理矢理振り落として、

一旦

‘解き放つ’には、

ほんの数日。それで十分だった。(結果から言うと。)




道行きに 雪が降り出したこと、



眠るうちに 雪が積もったこと、

朝目覚めたら 雪がきれいだったこと、



昼 雪がぽたぽた融けて、じっくり消えていったこと







その一連の全てに立ち会えたことが、今回の旅の特別なところだった気がする。
そのことが、もしかしたら。大きかったのかな。


雪どけの庭は、きらきらして、ほんとにただただ、
きれいだった。










一旦 目下の懸案を放棄し
重荷を かなぐり落とし
かかずらい事を 剥ぎ落としたところで

目の前に立ち現れたのは、というと。




いろんなモノを 脱ぎ捨てた自分というものが

いったいぜんたい、

「ナニモノでも無い。」

ということだった。


 I am nothing.





なんという、ちいささ。

、、いや、ちいさいどころじゃない、

無い。
なにものでも、無い。

、、なんにも無い!



何も背負っていない自分というものは、世界にとっての、なんと、
あまりにも、


 無意味。






単に「癒し」とか簡単な「リセット」程度のものを求めていた
小さな旅に、それは想定外の、まさかの、
重い、ショック療法だった。






忙しいということは、本当にある意味、幸せです。
でもある意味では、やはり、「何か」を見失っていく危険な道程でもある。



「何か」。
自分の中にあるはずの、「何か」。
あるいは、自分の中になど無い、「何か」。

日常の流れでじわじわかすんでゆく、

「何か」って、

なにか?







荷物を背負ってヒイヒイ言って目を回していたお陰で、
目を向けずに済ませられていた

在る現実

無い事実



自分の内面に隠していた真実と、
うそ

とりあえずこしらえていた逃げ道
幻想



見ているつもりの世界。

見てみぬふりをしている世界。





いちばんすぐそこにあるはずの、
いちばん見えているとおもっているはずの、
「自分」という、世界。








黙々と、雪のとけゆく光りの中、
こけのじゅうたんの中、
小さな雑草の芽 ひとつひとつに向かい合っていたら、

ずるずるずる、、と、

静かにでろんと垂れ流れてきた、思念にもならないようなものの中に紛れて、

見えてきてしまった

その、「何か」。

否が応にも、直面する羽目になったのは、

「仮に何も背負わなくなった自分というものが、何なのか」

というものだった。

で、

答えが、


「なんでも無い。」だった。

英語で言えば、‘nothing’.



I am nothing.






それはそれは、
意識か無意識か、自分が押し殺して、押し隠していただけに、
晒されるとなれば、ショックな現実。

真っ青に、愕然となって、
一気に‘落下’するに十分な、ショック療法。


重荷を捨てるために来たはずが。

自分への ちょっとしたご褒美のつもりが。

かえって、もっと深く刺さる重いトゲを、胸にぎりりと埋め込まされて、傷を引きずって帰ることになるとは。。。


、、なんて。






よりにもよって、
帰り道は、晴れがましくて。
(旅からの帰り道は、だいたいそうなる。晴れがましすぎて、なんだか哀しい。)


春の初め。
まだひんやり冷える風。でもマフラー要らないほどの、ゆるんだ風。



東京への帰りの電車は、速いようで長く

どっぷりと落ちた気持ちは 暗澹、

泥の中から無理矢理 目をこらして、空のほうを見上げているよう。

でもその空も、どよんと曇って見えて。
ちゃんと晴れているのに。


晴れがましい午後の光りに、
眼の中の水の成分まで、奪い取られてゆくよう。




ある点では楽天的なくせに、
ある点では異常に悲観的で、

だいたいにおいて 極端に深刻に哀しく考えすぎたりするきらいのある自分は、
やっぱりこのとき、極端に深刻に哀しく考えすぎていて、
要するに、

almost going to die

な感情に呑まれていて、


途方に暮れていた。

「こんなことで、いったいどうやって、生きていけよう。」

て。





going to die.


それは、
考えてみれば、ここ1ヶ月くらい、ほんとはずっとあって、
でも、ずっと、押し殺していた感情だった。


いや、ほんと言うと、1ヶ月どころじゃない。もっと長いこと。
というか、ずっと。


見てみぬ振りをして。

時々露呈するたびに、悶えて、
いつしか忘れられて。

昇華できてるつもりになって。

でも、出来てなくて。


それが、どろりと、出て来てしまったわけだ。








そういうわけで、
打ちひしがれながら 自分の部屋に戻ったら、





いわゆる「やっぱり自分の家が一番だな~」現象ってやつなのか、

あっという間に スイッチが入ったのか、



、あれ、

でも、数日前とはどうも、気分が違ってるみたい、

ずいぶんと、、、あー、なんだ?



すっきりしてる。






すっきり、してるや。




このあれやこれやの一連の感情の浮き沈む流れを頭の中で論理的に整理するより先に

「あー、終わった。良かった。」


って、想っていた。


ああそうだ、

旅は、何かを終わらせてくれるし、何かを始めさせてくれる。

つまり、
「ゼロ」にしてくれる、節目になってくれる。

ああ、そうだそうだ。そうだった。








やっと、終われたみたい。


また馬鹿みたいに、同じ石につまずくんだろうけど。
とりあえず、ひとつの区切り。とりあえずひとつは、終わったみたい。


そんな気がする。


ひとつ、

終わって、

やっと、

じわじわと、






景色が クリアになっていく。







そして、



旅の中の、ちいさな喜びたちを、想い出し始める。






桜の香り。スイセンの香り。

雪から浮かび上がる、春の花の濡れて光る色。






ミズゴケの香り。苔の香り。

温泉のやわらかさ。湯けむりのやわらかさ。


11時間も眠ったこと。

少しだけ呑んだ日本酒の甘さ。


朝6時の山に射す色。






歌うような雪の音色。





そして、なにより、


「旅館のご馳走が、美味しかった。。。」と、いうこと。




思い出すのは、
うっとりとかみ締めるのは、たいがい、「美味しかった、、」っていう想い。








初雪は、八ヶ岳の麓で

2011年01月30日 | 旅録 -travelogue-
土曜日。

お休みをもらって、八ヶ岳の麓に行って来ました。

「北杜市」というところ。

北の杜(もり)。
なんだか、いいですね。


旧い、クリーム色のラシーンっていう車で。
国立から出発。




中央道を、ひたすらに。


雪は 意外に無くて、

でも 白い 霧のような雲のようなものに覆われて、かたちが消えた山なみを。


冬枯れ色の、
静かな青と褐せた樹々の、山並みのあいだを。


快調に、120キロくらいで飛ばして、
1時間半。






「山梨」って聞いてたんだけど、ほとんど長野でした。


そこは 初めて訪れる場所。





訪れたのは、

ギャラリーTRAX」。








目的は、

友人の友人の、間部百合(まなべゆり)さんの、写真展。
その、オープニングパーティー。

うまいもんが食べられると聞いて、飛びついて行きました。



がっついた。

特に、

柚子塩だけ使ったオレンジ白菜のお漬け物とか
ラデッィシュやニンジン、新鮮な生野菜(をそのまま)、とか、
干し大根を使ったのとか、
ウドのきんぴらとか、
野菜ものが特に、どーしても美味しくて、止まらない。

田舎はほんと、野菜がふつうに美味しい。

漬け物というものの美味さは、秋田で開眼しました。




ギャラリーの先には、八ヶ岳。

初めて望む、青い山。



今回の展示(ディスプレイ)をやったのが、
高円寺在住の友人、m(大工)。



mの周りに 不思議と もりもり沢山集まる、
やたら面白い、楽しい、変態的な、立派な人々。


やはりmつながりで知り合った:
去年の春の山口旅に一緒に行った友人とも、再会。




今回初めて知り合った人たちも。
やはり、なんか面白そう。



 初めて会ったはずだけど、
 どっかで逢ったことがある気がする。

っていうこと、意外によくあるんですけど、

なんなんだろうね。

ほんとに会ってるのかもしれない。意外にせまい世界。

でも会ったことないはずの初めての場所。
想っているのと同じことを言われたりも、して。

不思議な世界。




新しい出会いは、
むくむくと、

どこかが、うずく。

近い未来にありそうな、楽しげな出来事の予感が、
からだのどこかで、うずく。


むくむく。




チョコ。

旨しものを前に、無言にもなる。






折しも その日は、ちょうど、

主役:百合さんの誕生日でした。




サプライズ、バースデイケーキ。

メラメラ燃える炎が凄かった。

とり囲んで一斉に写真(アイフォン率高し)を構えるみんなの構図も、凄かった。

恋人からの、スプーンに大盛りの、ファーストバイト。
素敵なシーンに、笑顔。





大きな薪ストーブ。



つぎこまれる、立派な丸太。

近寄れば、熱すぎるほどで。

ちょっと遠ざかれば、やはり寒い、
山の麓の、独特の空気。







やりたいことは、全部やる。
やれそうなら、断固やる。


がモットーなので。


温泉、行きました。

どこへ行くにも、だいたい、温泉がある。素晴らしき国だ。

行ったのは、「なんとか泉温泉健康センター」とかいう施設で、わびさびとかは無いけど、
泉質は上等の。

とろとろの、ぬるぬる温泉でした。

やっぱり、旅には温泉!温泉は欠かせない!








ほっこり つやつやになって。

夜空の下に出てみれば


雪が、うっすら。





初雪です。

2011年も早ひと月、
可愛い元同僚の居る京都や 大事な第三の故郷、秋田、
想い馴染みのある各地ではすでに すごい雪が、降って降って、大変そう。
そんな便りも聞くけれど。


自分にとっては、本年の、初雪。

そんなに強くも 重くもない、

軽く、
ささやかな ささやきの雪。


音無く 夜の中に落ちては

何事も無く、消えてゆく雪。






そんなこんなで、
あっという間に、帰り時。


半日も無い、日帰り旅行。


今度はもっとゆっくり、、、
せめて、一泊。欲しいなあと、願いつつ。



去年は ひたすら、日帰り強行旅。
今年は もう少し、せめてもう一日と、願っている。


夜を、帰りを気にせず焦らずに、深々と過ごし、

お酒さえ傾けて、

やがて眠りに就き。



ひとつふたつ、不思議な夢を見て。


だけど早くに目覚めてしまって。


清らかな
洗われた 静けさの中の、青い蒼い夜明けを拝む。


昨日までとは 違う場所で。


そして

昨日までとは 明らかに違う気持ちで 始まる、
新しい何かが起こりそうな予感でいっぱいの朝を、

新しく、始められる。


そこまでして、旅はやっとひとつ、達成される気がする。


ひと眠りと、

ひと目覚め、


ひとつ、なにかが増えて、
ひとつ、なにかが消えて

なんとなく、ひとつ、変わる。


気がする。



今年も、なるべく、旅をしよう。





そういえば、



「変わらなくていいんだよ。

 そのままでいいんだよ。」


って、

再会した友人が、ふつうのテンションで言った。



ドキッ とした。


「変わらなきゃ」
なんて、

前は 確かに想ってたりしたけど、
それはいったん乗り越えたつもりで、

今は、別にそんなこと、想ってないつもりだったけど。






初旅:南房総の模様

2011年01月07日 | 旅録 -travelogue-
夜明け前、

南の先っぽの岬をめざす




明るくなって来ちゃう

けど

べったり低く 海の上に垂れこめていた雲のおかげで

間に合った




間に合ったら 間に合ったで

なかなか来ない





きた




きたきた



きてるきてる




GO. RAI. KO.



拝む



鳥が舞う


波打ち際は



貝殻だらけ

その中でも

七色に光る貝殻

拾った。



螺鈿(ラデン)。

綺麗。





そして 今年もやりました



手の平を太陽に 2011





そうこうしているうちに
周りのギャラリー 一切いなくなる。




そのまま初詣へ

南房総の南のさきっぽ、白浜野島崎から、
西に飛び出てる岬、洲崎の、
洲崎神社へ。



がんばらせる階段

急峻、かつ
ふみ面が 落ちる方(外側)にやや傾いてる恐ろしさ。



登頂。

あッ



富士山 ど真ん中に見える



山を降りたら




海の方にも 鳥居があって




御神石があって



富士山へ まっすぐつながる
海へ伸びて





初っ端から
いろいろ揃い過ぎてて
ご利益高そう




水仙の香りが



道に充ちていた






宿泊しているとこに帰り



ふとん干しまくったり

庭や家のかたづけ、掃除したり

庭の果樹(ハッサクとか)収穫したり





のどかな風景





のんびりもする


というか のんびりしかしてない





のどか以外の何ものでもない風景


アロエの花




あと
いわゆる 食っちゃ寝 食っちゃ寝




温泉も行った




お点前も



点てちゃった


そんな感じで




あっというまだけど どっぷり休みました
お正月




晴天続きの あたたか正月





模様は もちろん もっといっぱいあるけど

余韻もさておき
ざっくり 駆け足めでお届けしました。

お気づきかと思いますが
超久々に、写真データ内蔵HDDが(なぜか)復活!&なぜか止まってたネットも復活!記念。






正月のうららかさが、うそのように
どこへ去ったか

寒さがぐっと強まっていますね、最近。

されど
冬晴れ。晴天続き。

雪はまだ降らない、東京。

背景だけ、雪景色にしてみました。




おまけ

2010年大晦日の 海ほたるにて








秋の秋田の旅の写真集

2010年10月16日 | 旅録 -travelogue-
わがふるさと:「秋田森のテラス」への一日旅から、

早、、一週間! 経っちゃったのねー。


相変わらず、iPhotoが動いてくれそうにないので、

この際!


Picasaウェブアルバムにアップしてみました。(会社の優秀なパソコンから、こっそり:)


その、たった一日のうちに撮った写真、
ほぼ全部を、
丸ごと、です。

一挙に どーぞー!

akita-mori-no-terrace


リンク先は>>http://picasaweb.google.co.jp/sanguinesango/AkitaMoriNoTerrace#


厳選も何もしていないので、
いつも どんなふうに撮っているか
どんなふうに撮りながら 歩いているかが、
丸わかり かと、思われます。


今回は、ひたすら雨が、大なり小なり、降っていました。

時には、止んだりもしつつ。

紅葉はまだ、満ちてなかった。

それでも秋田は、すこぶる楽しかった。





東京からの 車での道中の、
雨の高速=約13時間、

わずか1枚の、雨の写真だけ。

次の瞬間、あっという間に着いたかのような。


雨もなんのその。超ぶっ飛ばしたので、
ほんとなら 9時間ほどで着いたはずだったんだけど、
途中、
深夜、
秋田道まで入って、ラストスパート!ってとこまで来たところで
ガス欠になったため、
ガソリンスタンドが朝に営業再開するまで、約5時間、車中で仮眠してたり。

さらに、
高速下りて、さあ、あと1時間!
と思ったら、
自信満々で・意気揚々と
道を間違えており、
東京方面に ひた走ってたり。


この旅でも、
なにかしら、やらかしておりました。


今回は「脱穀ワークショップ」という名目だったのですが、

道に迷って遅れているうちに
料理の仕込みは 全て終了しており、

一人で懐かしの山を周って遊んでいるうちに
肝心の脱穀は 99%終っていました。

働かないで、御馳走だけ食べさせてもらって、
滝にも行って、温泉にも行って、

ただ、存分に遊んで来た感じです。


そして、
その日の夜行バスで、東京に帰ったのでした。





文章付きの旅日記:本編は 改めて。

まあ、
とりあえず、よかったら、どうぞご覧下さい。

たっぷりあるので、時間のある時に、のんびりどうぞ。

コメントも説明も 何にもありませんが、
その日の時間の流れだけは、わかるかな。


一週間くらいの期間限定で、公開しとこうと思います。


見れるかな?










one day akita ~5:ラストフリオ

2010年08月22日 | 旅録 -travelogue-
一ヶ月経ちましたが:7月18日の秋田一日旅。

最後の目的地:フリオカフェへ。



去年贈った もりっちの絵はがきが、メニュー台紙に!

こういう、嬉しい再会から始まりました。


フリオカフェ、閉店前夜。



いつもと変わらぬ、フリオの風景。





「7月19日をもって、閉店します。」

それを聞いた時から、

「行きたいなあ、だがしかし、秋田、遠いし、、無理かなあ、、、」

という、当然湧いて出る“諦めモード”の想いは、
ある瞬間に

「いや!どうしても行かねば!
 今行かねば、絶対、悔やむ。」

と、
強いものに ひっくり返り

それで、この旅。
たった一日の旅を、やってしまったのでした。

自分はたまにそういうモードになるけれど、
今回もまた。ほとんど衝動的でしたが
衝動的に行っちゃって、やはり “正解”だったなあと、

今、思います。







秋田に居た時代に、とてもお世話になったフリオさんです。
心苦しい時も、心病める時も。(、、あれ、一緒か。)


 「変わらずに そこにある。」


7月18日。閉店前夜も、

変わらず そこに。
変わらず ほんわかと、
そこに、ありました。




変わらず、そこに居てくれる。
ということ。


そのことが、
身も心も どーんと安心して預けられる、穏やかに寄り添える
“居心地よさ”になって、


いつしか
「心のよりどころ」になっていました。

そういうお客さんは、多かったはず。


知らず知らずに、深く重く。
一方的に、勝手に愛する。






考えてみれば、助けられるばっかりで、
ちょくちょく通って ばんばん利益に貢献するという 優良カスタマーでも、ないくせにね。

それどころか、
いつもいつも、多めのサービスを頂いてしまって。


この日も、ごはんも多めにしてもらった上に、




デザート盛り合わせも てんこ盛り!



八郎潟のフキさんとともに、「、、ふぉ~~~、、、*」と まるでお花畑の心地好さに
ため息だだ漏れで、のっぺり浸りながら。



「全メニューたいらげちゃうよ!そして万札の束、どーんと置いてくよ!」
なんていうことは、残念ながら果たせなかったけれど、

染み込ませるように、いただきました。






良いお店でした。

細かいところまで、隅々まで、
優しかったです。






店長のフリオさんが やたら素敵だったから、
このお店にも、こんなにも、惹かれたんだと思う。
そして全く同じ理由で惹かれていたお客さんだらけだったと思う。


だから、





やっぱり、さびしいな、と、
取り残されてしまうほうは、思う。






だけど、
「辞める」と決断し、
新しい門出に立った 当のフリオさんは、
「とても清々しい!」と。
「楽になった」と、言っていました。

髪もバッサリ、ナウシカヘアーになってね。




「すっきりした。」

ああ。わかる。その気持ち。
だってもう、未来しかないもんね。

先行きへの不安も もちろんあるけど、
それをはるかに上回る、大きな自由の喜びと。






今回、

“辞めると決めた当人の、周りにいる人のきもち”
というのも、やっと、わかった気がします。

やっと。


当人がとても嬉しそうだから、応援は、もちろんしたい。ていうか、する。
だけど こんなに

「さびしい」

もんなんだなあ、と。



なんか、つーんとする。




その月の夜。





夜行バスに乗らなきゃいけない、その前に。

フリオさんが、月夜の公園に連れ出してくれました。


フリオさんが毎日 見ている風景を、見せてくれました。




蓮の池。


朝には花がぽぽぽぽぽーっと開く、蓮天国。


夏の早い朝。

すうと通る、すずしさと。

そこに立ちこめる香りが、もう、素晴らしいのですって。



この夜も、
ほんのりささやかに、あの品の良い残り香が 生きていました。


一つ
一番近いところで咲き残っているのがあったので
手を伸べたら、

ポロポロ....

と、
あららと思う間もなく、
やわに崩れてしまった。




そのひとかけらを。






月夜に翳してみました。








蓮の花ひらく、早い朝。

ひとすじ風が残り香をくれる、静かな夜。


夏はどちらも、一番好い時間です。




背負っていたものを えい と脱ぎ捨てて、
あたらしい一歩を踏み出して、
蓮の花にうっとりしている、
フリオさん。




ありがとう。

朝のお出迎えから、
お蕎麦から、温泉から、海から、森から、

そして、見送りに、
プレゼントまで;;;

ささやかすぎる“恩返し”は
百倍返しで還って来てしまって、
ああもうどうしよう、
またご恩が溜まってしまいました。


ありがとう、ありがとう。

とにかくもう、そればっかりです。


あと、

おめでとう。


新たな門出。おめでとう。



おつかれさまでした。




あたらしいフリオさんは、何をするのかな。
楽しみにしています。






7月のone day akita 旅日記(featuring 三人の秋田美人)、
これにて終了*
ありがとうございました*



旅から、まるっと一ヶ月経って

ちょうど梅雨明けを迎えて「ウワー!来たー!」と振り乱していた季節も いまや、
終わりが、もう、遠くないところに来ています。




この旅で再会できた 秋田の森に
ありがとうを。

 *


この旅で再会できた 三人の素敵な女性に、
改めて、ありがとうを。




蓮の余韻と。


 * * *




one day akita ~4:八郎潟

2010年08月11日 | 旅録 -travelogue-
7月18日の1日秋田旅日記。

第4章。


古巣:「秋田森のテラス」を離れると





三人目の再会者:フキさんに連れられて、

「八郎潟」へ向かいました。

フキさんの実家へ。




まず 出迎えてくれたのは



ひるさがりの カラスウリでした。

ngch、カラスウリに興奮。





フキさん家は、

すごいでっかい旧家でした。

なんと、400年もののお家らしい。



激渋(げきしぶ)です。


土間があったりとか。ほとんど文化財です。
全体的に凄く激渋だったので、細かいことは端折っちゃいますが、
文化財ファンなら泣いて喜ぶ、随所いちいち、激渋な空間でした。




フキさんのお宅で穫れたウメ。

漬け始めたばかりの梅干も。


同じく:フキさん宅の庭で穫れた、
クワの実とユスラウメの自家製ジャムを、



自家製のカスピ海ヨーグルトにのせて、頂きました。


、、ガリガリ、ガリ。


ユスラウメの種でした。









ほんとに
でっかいフキ邸。


目の前は



こんな風景。

田んぼが どどーーーん!



空もどどーーーん!!






フキさんは、舞踏家です。
実は まだちゃんと見た事がないのですが、
不思議な現代舞踏を踊るらしい。

そして、
いま、無農薬・不耕起農業に挑戦しているそうです。
雑草とかをある程度放っとく農法みたい。






ということで、
「踊る農家」と、勝手に呼んでいます。


そんな畑を、見せてもらいました。

草ボーボーで、どれが作物でどれが雑草なのか、境目がわからないくらい。

知らず知らずに 踏んづけちゃってたり;


草ボーボーの中、



強そうな花が、今にも咲こうとしていた。





400年もののフキさん家には、

どでかい木も、色々ありました。

戦後、火事で焼けた木とか。




たとえば



ネムノキとか。
見れば見るほど、感嘆せずにいられない。なんて繊細な造形!


やっぱり木とか花とかに 興味アンテナが反応して





気づいたら



(photo by fuki-san)

枝垂れ桜を、ちょびっとだけ、剪定していました。

ほんとに、ちょびっとだけだけどね。内側の元気が無く垂れてるやつだけ。


「ああ、、、あの枝落とせば、良くなるなあ、、」って想ったら、
うずうず、うずいちゃって。

ここらへんのくだり、フキさんのブログ(7/19付)でも、登場しております。








ちなみにこれは




秋田フキ。この通り、どでかいんです。


ちなみに

フキさんは、実は、
フキさんじゃありません。


「蕗雪葉(フキユキハ)」という 舞踏家名で、
本名は、「フキ」じゃありません。

フキさんのフキは、この秋田フキのフキに因んだ名前です。

フキノトウの、フキですね。


フキさんもね、
相当、不思議な方で、そうとう面白い人だと確信しているのですが
まだまだ全然掘り下げきれてません。ふふふ。


とにもかくにも、
踊り。見たいなあ。


バレエ、フラメンコ、コンテンポラリーダンス、暗黒舞踏。
などなど。

踊り見るの、好きなんです。





そんなこんなで、

八郎潟で、木を ちょびっと剪定した思い出が出来ましたところで


もうお時間が来てしまいました。。。





カラスウリに別れを告げつつ。

畑で採れた とれたてのキュウリをバキボキ頂きつつ。


一路、




秋田市へ、舞い戻ります。
(フキさん、あっちへこっちへと、ありがとう。)


なんだか、

この車での道中、

いつのまにか
秋田(北秋田市)に暮らしていた頃に 感覚がタイムスリップしていて。

秋田市に向かっていたら
「あれ、こっち、帰り路と違うね。」とか
ふつうに想って、ふつうに口走っていたり。


そんなふうに、

単なる「懐かしい」を飛び越えた 不思議な感覚になりながら、

フキさんと色んな話をしながら、

もう帰る場所ではないところに帰ろうとしていた感覚に、
なんとなく、切なくも なりながら、


最初に降り立ったところでもあり、
最終目的地でもある:秋田市へ、向かったのでした。




いよいよ、
この旅の、そもそもの、目的:

「フリオカフェ」へ。




フリオさんのホームページを見てもわかるように

このたび
7年間の歴史に幕を閉じることになった

素敵なフリオさんの、
素敵なフリオカフェへ。


カフェの最後の日の、ひとつ前夜に。


 続く。>>




one day akita ~3:出逢いの森、再び

2010年08月08日 | 旅録 -travelogue-
7月18日の秋田・1日・旅日記。

第3章は





森。




いつまででも まったりしそうだったけど

やっとこさ




『くら』を出まして。


それから、

池の上に伸びていく デッキテラスの道を、
ずーっと 歩いて行きました。




入り口から延々続いて来た デッキの道は、

池の上で、
2つの出口に向かって、最初に大きく分かれます。


行き着く先に待ち構えるのは、

「谷口さん」

「森口さん」。


どちらも、
山へ入る入り口のこと。
(ngch作:「谷口さん」のさりげない表札は、まだありました*)


どっちのルートから行っても、ぐるりと一周、
山を廻れるようになっています。

そして、
それぞれに入り口付近には、特別大きなテラス:
『谷のテラス』と
『森のテラス』があります。

 (どんなテラスかは、後で出て来ます。)


谷口・・・谷の入り口から、山に入るか、

森口・・・森の入り口から、山に入るか。


同じ一本道の山道でも、実は、
進行方向/進み方によって、
見えてくる風景が,結構、違ってくるんです。


どっちから上るか。
どっちを 下ってゆくことになるか。

何気ない選択ひとつで、
山全体に対する印象が、変わるんです。





結局、

すぐに帰らなきゃならないフリオさんと、
『くら』から より近い
「谷口さん」のほうに行って、




ちょこっとだけ
『谷のテラス』に行きまして。



すぐ 引き返して、

「じゃああとでねー」と、フリオさんを見送り。


Iさんと、
「森口さん」を目指しました。








池の上を行きます。




ビオトープの池。



池に浮かぶ島には、



変わらない花が ちらほら。
「盆花」(ぼんばな)こと、ミソハギが咲き始めたところでした。





池の上には、ところどころに
分かれ道と、
行き止まりのテラスがあります。



ひた進めば

まず
「奥の花畑」に行き着きます。




種をまくところから始めて、
手塩にかけた花畑。

すっかり大きく育っていました。



モナルダ・ベルガモット(タイマツバナ)が、真っ紅に、真っ盛り。



ベルガモットの香りがします。





この旅の、すこし前。

まだ秋田に行くということも サラサラ考えていなかった時に、

Iさんから
「ひさしぶりに、原点:秋田森のテラスにやって来ました。」と、
ひさしぶりのメールを頂いたんです。


 (#)


その時にIさんが会った 地元の作業員=おじいちゃん方とのやりとりや、
懐かしい森の風景の、写真が添えられていました。


 (#)





「森番」だった当時、“番人日記”なるブログを書いていました。
(この『歌庭』の前世、というか、前身ですね。)




Iさんは、どこから辿り着いたのか、それを見てくれていて。

そして、
秋田に実際 行きたくなって、
ある時突然、ほんとに、東京から ふらりといらしてくれてしまったのでした。
そして、
ふらりと帰ってしまった。

ろくにお客さんもない時季でした。
あまりにも唐突で、
あまりにも「ふらり」すぎて、
せっかくいらしてくれたのに、ろくな応対もできず。それは、自分の後悔の種になりました。


 (#)


そして、
その「ふらり」がきっかけで、なんと、
秋田に移住する!
と決めてしまった、Iさん。

「カフェをひらきたい」という、積年の夢に、
「秋田の土地で、」が、重ね合わされて。


森番を辞めてしまって ぽかんと哀しく 空白だった時期
その(秋田に移住しますという)知らせを頂いて、
ほんとに、びっくりしました。

そして、
安直なことばだけど、
“感動”してしまった。





当時、
「何処の誰が見てくれてるかもわからないし、更新しなければ音も無く去って行くし、
 いったい、なんの意味があるんだろう、、」

悶々と悩みつつ、
それでも ちまちま続けていた拙ブログが、

まさか

誰かの人生を大きく動かしてしまうきっかけになるなんて、
想像だにしていなかったから、


ほんとうに、びっくりしたんです。
「えーー!!?どういうことーー!!?」って。


で、

また、そのメールの文言の一節が、
辞めた当初の無力感とか寂寞感を ずどんと貫くような
美しくて強くて。

衝撃と感動で、
わなわなしてしまいまして。

その時のメールが、
今こうして、『歌庭』をこつこつ続けている支えとなっています。



だから、
Iさんは、恩人。
自分の大きな節目に 大きく刻まれた
恩の人なのです。


実際は ほんとにちょろっとしか会っていないけれど、
数えきれないほどたくさん居る恩人のうちの、大事な一人。


だから、
「いつかまた、ちゃんとお会いしたいなあ」
「ちゃんと御礼したいなあ」と
切々、想っていたのでした。


そして、
先に述べた通り、最近
「先頃、本当に、秋田に移住しました!」
という、ひさしぶりのメールが来て。




それから しばらく経ってから 今回のワンデイ・トリップを思いつき、

ふと、

「あ、もしかして、Iさんにも、会えるかな!」と、連絡して

叶ってしまったわけでした。

まさかの この早急なタイミングで。


とても嬉しかった。

ほぼ初対面的な再会をして
改めて話してみたら、

やっぱり、
とっても素敵な方でした。





で、

そんなIさんと、
「森口さん」から、

森へ。


 (#)






秋田森のテラスの
『森のテラス』に立ち。



 ↑
これは去年の7月の旅の。うまるくんです。





それから、

山をぐるりと 廻りました。








沢沿いの登り道。



サラサラと 水の流れる音がきこえてきたら



なだらかな滝が見えます。


この山に降り
土に貯えられた水が やがてしみ出して
流れ出て、
沢になり、

さきほどの「池」と、
田畑へと、流れ込んで行きます。

















「森のブランコ」という、新しい標識がありました。
社長の字。(なつかしい*)


辿って行くと、





ブランコに逢えないまま

山頂へ行き着いてしまいました。。。





「どこだろう?」と探しながら。
ずんずん、山をめぐることに。




空がぱっと見える、
「抜け」のポイント。

山の中でも、ほっとする場所。



点々と残る、




自分の字の標識。

即席的で粗雑で、申し訳ないんだけど、

残っていれば、やっぱり、嬉しい。






なつかしの木。




「座れるモミジさん」は健在でした。







くだりみち。

Iさんが最初にふらりと来た時は、
逆から登ったそうです。つまり、「谷口さん」から。


「最初に廻ったときと、なんだか違って見える。」





そう、そうなんです。

上る進行方向が逆だと、

上り道は下り道。
下り道は上り道。

上るときは、上を向きがちかと思いきや、まっすぐ足下を見勝ちだし、
下るときは、下を向きながらも全体を俯瞰する感じになる。

見える風景の雰囲気が、変わるんです。







「谷口さん」に近づいてきました。



この山一番のスピリチュアルスポット。
「隠し棚田」です。

緑に深く覆われていますけど、
昔の人がこっそり作った小さな棚田。

ここから流れる水は、

『谷のテラス』のある谷(これも実は棚田)に繋がって行きます。




『谷のテラス』ふたたび。

秋には夕焼けがまっすぐ落ちる、谷。

夏にはホタルがふわふわと溢れ、星と重なり合って舞う、幻想的なスポットです。



ぐるりと一周、戻って来ました。





戻って来たところで、

背後から ゆらりと現れた影。


八郎潟のフキさんでした。

再会。

待ち合わせをしていた、もう一人です。


待ちきれずに 山を巡り始めてしまって、結局ぐるりと全部廻っているうちに
フキさんも到着したそうで。

「山の中で会えるかも」と、上り始めたのが、
彼女も、「森口さん」ルート。

同じ向きに進んでいて、
見事に かち合えなかったのでした。




ひとしきり再会を喜んだ後、

フキさんの住まう八郎潟に連れてってもらうことになっていたので、


名残おしみつつ、




森を辞去。





来た時に歩いた道を、また

逆に進んで行きます。

ひょいとそこらへんの草をとって、草笛を吹きながら。
(ngchは全然吹けなくって、3秒で投げ捨てる。)




「はじめの花畑」。

森番になる以前・森のテラスに出逢う以前の自分が
ひょんなきっかけで ここの花を植えるボランティアに参加することになり、
初めて降り立った、

という、思い出深き場所でもあります。

だから、
「はじめの花畑」。


カムバック。





玄関デッキ。



その前に広がる畑。







玄関。



入口は、出口。


 (#)


玄関までの アプローチ。

田んぼ沿いのあぜ道。







Iさん(@田沢湖)とも、ここでお別れ。
ほんとに、ありがとう。
Iさんのカフェが出来たら、必ず行きたいと思います。
もしこの森のテラスの中にカフェが出来たら、ほんとにいいなあ。



限られた時間、

秋田は 本来、とってものんびり過ごすのに良いところだけど、
今回は、どんどん動かねば。



ふたたび、さらば。


森のテラス。






まだまだ続く。>>第4章へ。

今回の ※(#)付きの写真は、photo by Iさん でした。
ありがとう。


秋田をぐるぐる巡り倒す、たった1日だけなのにフルボリュームの旅。
お次は
昼下がりの八郎潟。











one day akita ~2:再会の庭

2010年08月04日 | 旅録 -travelogue-
7月18日の、秋田・1日・旅日記。

第一章:朝編に続き、

第二章



です。





秋田駅に着くや
お蕎麦に


(一枚だけちらっと撮ってました、蕎麦)

海に
温泉に
ババヘラアイスに


めくるめく“市中引き回し”を堪能させてもらい、

さらに フリオさんは
車をぶっ飛ばしてくれて。


東へ向かいました。




森の方へ。

森の深い方へ。

懐かしい森のある方へ。




ちょうど 秋田も短い梅雨が明けたという、この日。


懐かしい 夏のはじまりの森の空気、
秋田の森のあの カラリとした空気の あの感じが、

走る車に飛び込んで来ます。








ところで:
ご存知の方も多いと思いますが、念のため説明しますと、わたくし
「歌庭屋」を名乗る前身は、
「森の番人」だったのでした。


2年ほど、秋田の山間のけっこうな田舎で、
「森の番人」として、暮らしていました。


秋田の「森のテラス」というところで。


田園、畑、森、ため池、山、、
という
里山の環境を、造園家の感性で 丸ごとがっつり
「オープンガーデン」にしました。

っていう、
スケールのでかい“庭”なのです。
そこに居て、色々なことを、やってました。


北秋田市・桂瀬(かつらせ)というところにあります。
秋田市から車でぶっ飛ばして、1時間ちょいかかります。


去年のちょうど同じ時期に、
高円寺のおちゃめな軍団と訪れて以来。



(去年の模様。)



今回、
正直、
行きたい。という気持ちも、あった。けれど、
今回の旅の主旨は そっちではなかったし
(スケジュール的に)行けないかもなあ。って、
半分諦めていた。

、、んですけど。


前述の通り、
フリオさんが、連れて行ってくれたのでした。



その
フリオさんや、
現在も つながっている色んな・素敵な友人たちと
たくさん出逢えた場所。

造園という世界に今携わっている自分にとって
肝心要の「根っこ」になっている、
超・重要な場所でもあります。



去ってから、早、一年以上経ちました。
(まだ一年強?そんなもんかな。)





最後に訪れてから、ちょうど一年。



自分が去った後、
現在の「森の番人」が 凄く頑張って、
「凄く素敵な感じに進化している」「良くなっている」というのも、
ちらちら耳にしていました。


看板も出来たんだとか。




おお、ほんとだ。すごいねえ。



「ああ、良くなってるのか。それはそれは、良かったなあ」
と思いながらも、
ちょっと、怖かったんです。

「変わった/進化した」ということは、
自分の居たときの痕跡は、どんどん消えていっている、ということだから。

自分の手のかかったものは、どんどん 消えて行っている、ということだから。




だけど、

そんなにびくつくことは なかった。



入り口にたどり着くや、

初めて見る 新しい看板。そして そのそばには、

自分の字で書かれた看板が、残っていました。




お粗末すぎて、看板としてはダメダメな、看板が。

「とっくに棄てられただろうな。」と思っていた、看板にもならない看板が。

まさかの再会。



キュンと、してしまいました。



入り口の、新しい風景。

振り返ったら



変わらない風景も。



懐かしい。
甘くほろ苦い、第三の故郷。





ただいま。

ひさしぶり。

おじゃまします。










マイナーチェンジをしているところもあれば




何も変わらないで見える、当時そのままの風景も。















水を張ったエリアが増えていました。

そのせいか



トンボがすんごく増えていました。
数も種類も。

見えるかな、、エメラルドのアオイトトンボ。




花畑の花。



あぜに野に咲く、天然の花。







花畑の花(ダリア)に混じって



なんと 半夏生が!勝手に生えたにしては、素敵すぎる。


あれやこれやの

変わったところ
変わらないところ


いちいち反応しながら
ゆるゆる歩いて行くと




「かわや小屋」と「くら」が見えて来ました。

ああ、変わらない!






やあ、新しい!


良いなあ、これ。







「とても素敵になった」というウワサの
『くら』へ。

くらには、先客が。




「もしかして、逢えないかな?」と、ギリギリに連絡していた、
Iさんでした。
最近、田沢湖に引っ越してきたばかりの、Iさん。

秋田森のテラスで出逢った方です。

ぜひいつか、会いたかった人。

まさかこのタイミングでお会いできるとは、思っても見なかったけど;

ああ、やっと会えました!




はね上がり戸を開けました。



風が抜けます。






ほんっとに、

あっちもこっちも
見違えるほどに素敵な、居心地の良い空間に 進化してました。




寝っ転がれるし。




これは、
いつまででも ダラダラできちゃう。




オープンの時に作ってもらった、



木のペンダント。懐かしい。

これを作ってくれたアトリエキキ(二人組)の片割れが、
今、森番を務めてくれています。




こちらは 自分の時には無かった、
新しい、手彫りの地図板。力作。




いろんな自然のオーナメント。
今の森番の子のお作かしら。



キッチン!

新しく出来たばかりの、キッチンスペース。
電気もガスも、水も整ってる。

これで(社長宿願の)カフェが出来る!

すごいなあ、社長。
なんだかんだ、ハードルにぶち当たりまくったけど、結局、
夢をぜんぶ叶え倒している。すごいパワーだ。




随所にお洒落なセンスが光る インテリアは、きっと
インテリアコーディネーターでもある、スタッフNさんの力。流石。


すごいなー。




ひとしきり 感嘆しきり

まったりしたところで

フリオ店長、




カフェの開店があるので、秋田市へ。

「またあとでねー!」と、帰途に。



ああ、色々とほんとうに
ありがとう。





さて
この「森」は、まだまだ序の口。





続きます。


もう一人、声をかけてみた 秋田の友人を
待ちきれず;


池の上に浮かぶテラスへ。






続く>>第三章へ。



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