歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

秋模様

2012年10月15日 | 徒然 -tzure-zure-
秋の歩みが速い。

コスモスも、いつもまにやら。





いつのまにやら、
朝晩が、けっこう寒い。


寒いのは、苦手。

あふれる彩りは綺麗だけど、
ちょっと体調を崩しやすくて、
ちょっと切なくて、
ちょっと苦手な季節。





宮古島の旅日記を、久しぶりに勢いづいて「えーい!」と書き上げたら、

ぽっかり、
一時的に、抜け殻のようになりました。

これにてほんとに、旅が終わっちゃったな~、って。




そうこうしているうちに、

秋の空。



雲の肚を破って、零れる光。



光芒。





高架上の高速をぶっ飛ばして居る時、眼前に その 壮大な光景が ばーーん!と展開されると、

ほんと、参る。

そのままその空に引っ張られて、
そのままどこか遠くへ 旅したくなる。






この前の鱗雲は、
凄かった。凄かったですよね。



某facebookにて、複数の友達が ほぼ同時に、立て続けにアップした、凄い空の写真たち。
それを見て、

慌てて外に出た。


その、たぶん一番凄かったであろう瞬間の、
くっきり青と白の強烈なシマシマになっていた姿は、見逃しちゃったみたい。

でも、



でも。

空一面を まーるく すっぽり覆う鱗雲の海原は、
やはり凄かった。





雲海の底に、一滴。

夕日の黄金の、ひとしずく。

薄ら。







「抜け殻~」
なんていつまでも言ってられない 速さと密度で、
現場は動いている。





埼玉の現場。

外壁の下塗りまで出来た。

和建築の左官さんが、プロフェッショナルな施工を担当してくれて、
さすがに、もの凄く綺麗。

さすがの手仕事。




着々と、
想像を上回る、丁寧かつ見事な仕上げ。

ちょっと遠いので、往来がちょっと大変だけど、
毎回訪れるたびに、とても嬉しくなる。







一方で、こちらは史上最高に‘最寄り’な、現場。
歩いて行けるので、とても楽。



石を積んで行く。


自分のイメージ画が、現実のものになっていく。
職人さん様様。

かれこれ、今年の一月に描いた絵だった。
とうとう。

出来てきた。



英国コッツウォルズ産の、ハニーストーン・ドライウォール積みのベンチ。

一個一個が重い。





職人さんたちも、嬉しそう。



空がこんなになっている時に、出来た。




この「座れる場所」は、
新築の集合住宅の、敷地の一角に、ある。

交差点に面した角。 
お施主さんの意向をもとにつくった、オープンスペース。

「信号待ちのおばあちゃんとかに座ってもらいたい」という。

優しさ。


とにかく、出来上がりが、楽しみ。




その集合住宅の敷地内の 別の場所では、



もともとあった石を使って、



石組みの景をつくった。(まだ出来てない。)

とりあえず、
とりいそぎ、重機で一帯を整地しなきゃいけなかったので、
早急にだいたいの位置を決めて、集めて、転がしてもらった。


で、

もう、これだけで、「もうこれでいいんじゃない?」って感じに見え。

でも、「そういうわけにもいかないよな・・」って感じにも、見え。

石組は、まだまだ。わからない。
難しい。

でも、とにかく実践しなきゃ、出来っこないものなので、
そういうチャンスがあったら、とりあえず無理矢理、ぶっこむようにしている。

けっこう無謀っぽくても。
積極的に、やるようにする。

逃げてたら、いつまでも出来ない。


「なんでも出来るようになったほうがいいじゃん」
とは、元同僚の名言。


出来るようになるには、やる。しかない。


少なくとも 植栽関係と、こういう造園的な石組においては、
自分も 施工の現場に立つようにしている。


平素は設計とかもろもろ、事務仕事をしている人が、たまに現場に出るのって、大変で、
「大変なんだよ~」って愚痴をこぼしたりしてしまうけど、

やり続けてないと、ナマる。
やり方を忘れる。勘が消える。
そして、いつしか、出来なくなる。


そういう危機感もあるが、
要は、自分がただ、「やりたい」のだ。


現場に立つのを 嫌だな と思うようになったら、終わりだと思う。


「やりたいなら やればいいじゃん。」

これは、自分の言。
自分で自分に言い聞かせている。




話は変わって。


コスモスを見ると、

「コスモスが一番好き」

と言った友達のことを、ふと憶い出す。

今は遠い人。






今は遠くなってしまったもの を憶い出すと、
なんだか、切なくなる。

秋はどうやら、そうなりやすい季節らしい。



夏ほど暑すぎず、
冬ほど寒すぎず、
春ほど ふわふわ浮つきすぎず。

気候的に静かで、落ち着いているから、
どことなく 生の必死さが薄れるせい?、なんだろうか。




空も、
どことなく、遠くなったように見え。





やたら、切ないんだけど。


切ない、って、いったい なんなんでしょう。






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1 Comments

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Unknown (fumika)
2012-10-16 07:11:14
ベンチの交差点、通っては、今日もまた積まれてる摘まれてる、と見ているよ。
見ているとちょっと職人さんと目が合ったりします。
本当に秋は空がきれい、雲が織りなす造形に吸い込まれそうになる。夏とは違う、澄んだ空気に、森に入り込んで赴くままに歩きたくなってしまいます。
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