安倍自民党政権が盛んに経済対策宣伝をしている「雇用が増えた」との実態です。非正規労働が38%、2042万人となった。1993年と比較すると倍加したことが分かります。
日本企業が終身雇用制度をとり、発展してきた時代から、新自由主義経済を基礎とした規制緩和、労働条件の改悪、就労条件の改悪、解雇の自由化を狙った労働法制の変更を連続的に自民党政権は行ってきました。その結果、到達した地点が「世界で一番企業が自由に活動する(出来る)国」です。自由の内容は労働者の権利の破壊、労働条件の際限のない悪化を促進するものです。正規労働を非正規労働、短時間パート、派遣労働に置換することで労働分配率を低く抑え続ける構造を作り出しました。
小泉・竹中平蔵による例外なき規制緩和路線が果たした役割が何であったかを物語っています。その竹中平蔵の提案を経済政策の主要政策に導入しているのがアホノミックスです。なぜ、デフレが続いているかは円高、労働法制の後退で非正規労働が増加することで、労働者の賃金が低下し、貧富の格差が拡大したからです。民主党野田が唱えた分厚い中間層とはそのことを指していました。中間層、中流意識が後退し、分厚い低所得者が増加し、日本社会を覆った。そのことが消費の後退、生産活動の停滞を引き起こしています。デフレの要因は市中に出回るお金がすくないことが問題なのではありません。消費が拡大し、対応する企業の設備投資などができる経済環境、状況ではありません。
自民党政権がいう金融緩和、市中への資金供給(ほぼ無制限に近い)の効果が出てくるとの宣伝は、彼らのうそと大手企業、金融機関の要求に基づいています。
アメリカのバブル崩壊、リーマンショック対策として実施した金融緩和措置が日本ではデフレ対策、円安誘導の名目で継続しています。世界でもデフレ克服、インフレ目標設定などを中央銀行、政府が取っているのは例外中の例外です。まともな経済学者が、アホノミックスで景気回復、デフレ克服ができるはずがないと論じているのはそのことを指しています。
北海道の不動産市場で、首都圏の投資家が土地、マンションなどを購入する傾向が増えているといわれています。中曽根政権が行ったバブル経済の再現が起こる予兆も出ています。株式市場への普通の人の参入増加などがおき始めています。産業構造の変化を促すのではなく、投機に大量の資金が導入されることで普通の国民は一層、生活苦を増すこととなります。土地価格の下げ止まり、ガソリン価格の高騰、灯油高(北海道では深刻な経済問題2000年代前半は1リッター38円前後でした)、食品価格の高騰などが進行しています。
まともな経済政策、政権であれば、再生可能エネルギー投資、このことによる輸入額の抑制、減少を進めます。また、二酸化炭素などの削減による環境保護産業の育成、技術の開発、食料自給率の引き上げを目的とした産業の育成などで雇用者数の増加を実現できます。大量消費、大量生産型の資源浪費社会を転換することこそが重要です。非正規労働を減らし正規労働が中心の社会を作ることで所得の増加、安定、税収の確保、社会保障制度の安定化も実現出るはずです。国会財政は法人税率の引き下げ競争をやめて、企業の社会的な責任を果たさせることが重要です。
<発表内容>
総務省が12日発表した2012年の就業構造基本調査によると、非正規労働者の総数(推計)は2042万人と07年の前回調査から152万人増加し、初めて2千万人を超えた。雇用者全体に占める割合も38.2%と2.7ポイント上昇して過去最高を更新。過去20年間で16.5ポイント増え、正社員を中心とした日本の雇用形態が大きく変化している実態がより鮮明になった。
調査では、介護をしている全国の557万人のうち、60歳以上が約5割を占めることも判明。老老介護の問題が深刻になっている現状も浮き彫りになった。