東日本大震災の時は、福島、宮城、岩手の生活協同組合が消費物資の供給、販売に大きな力を発揮しました。同時に、この地域には全国的に有数の小売業ベニマルがあり、生鮮食料品、雑貨などは早い段階で供給される状態ができました。また、3県の生協は、全国の生協、連合会からの物資調達支援などもあり、早期の営業が可能でありました。東日本大震災時には物流機能が通常レベルになるまでは、少なくても1-2週間かかり、その間は物資の集荷、配分、被災地域・販売拠点への仕分け、配送は特別な体制が必要です。熊本でそのようなことができるかどうかはわかりませんが。
ガソリンは、スタンド設備の破損し、ガソリン供給が途絶えたことで2週間近く、給油は大変でした。熊本は、道路が寸断されているので、被災地のガソリンスタンドへ大量にガソリンを供給するのは難しいはずです。したがって、優先順位を決めて、給油するなどの話し合い、自治体などの指導、広報宣伝がないと混乱するはずです。報道で見る限り、自動車で寝泊まりするのは暖房、情報などをとりやすいこと、家族で比較的自由に過ごせるなどが――理由だと思います。しかし、ガソリンが潤沢に供給されないところで、自動車を使うと燃料不足で、動けなくなるのは時間の問題ではと思います。避難所の環境を整備し、自動車での生活を解消することが必要です。燃料問題から見てもです。健康上もけっして良い状態ではありません。
行政、支援団体の方々のなんとしても届けるという意思、工夫と努力が実現することを祈ります。
<報道>熊本の流通機能マヒ スーパー、コンビニは休業
地震で甚大な被害が出た熊本県などで、水や食料など生活
に不可欠な物資の不足が深刻化、休業するスーパーやコンビニが目立ち、営業していても在庫不足。交通網の寸断や流通拠点の機能まひが要因だ。
熊本県は災害発生に備え、物資をすぐ供給してもらえるよう大手スーパーやコンビニを含む十の会社、団体と協定を締結しており、十六日未明にあった地震を受け避難所向けのおにぎりやパン、水などの提供を求めた。
だが十七日午後になっても到着日程が決まらない品物があった。避難所にスムーズに物資が行き渡らないため、避難者が自分で調達しようと店に並ぶ事態になっている。
「商品はあるのに届けられない」。ファミリーマートの広報担当者はもどかしそう。流通拠点に商品はあるが、道路の損傷や通行止めにより、輸送に遅れが出ている。
ローソンは熊本県の配送センターの運転手らが確保できない事態に。十七日は佐賀県から熊本市内の直営店に商品を運び入れ、応援に入った本社社員が各店舗に運ぶという人海戦術で対応した。
生活の足を支えるガソリン供給への影響も出た。石油元売り最大手のJXエネルギーは、十七日午前八時現在で八十四カ所の系列ガソリンスタンド(GS)が休業状態に。うち四分の一超で在庫不足に陥っていた。道路損傷で一部のGSへの供給が遅れたほか、不安に駆られ「とりあえず満タンに」という顧客が行列をつくったことが追い打ちを掛けたと関係者は言う。
現地では、停電のため休業に追い込まれたGSもあり、大手元売り関係者は「東日本大震災後、給油所に自家発電の導入を広げようとしたが、熊本までは手が回っていなかった」と声を落とす。
石油連盟(東京)の担当者は「一時的な供給不足はあるかもしれないが、パニックにならないようにしてほしい」と呼び掛けた。
防災システム研究所の山村武彦所長は「日本中、どこでも今回のような連続地震は起こり得ることを前提に、十分な計画を立て、企業は供給責任を果たしてほしい」と話した。