“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

震災復旧と宮城県議選

2011年10月28日 11時24分16秒 | 臼蔵の呟き
宮城県議会選挙が始まります。宮城県、岩手県、福島県の震災被害、復旧が進んでいます。その中でも被災地の広さ、深刻さ、被災者数の多さなどで宮城県は群を抜いています。福島県は放射能汚染で困難さが震災+放射能問題で特別です。
震災に限定して言えば、宮城県の対策、進捗は非常に遅く、悪いと思います。県の方針も被災者である漁民が反対する「特区構想」などを提唱したことも復旧、復興に影響を与えています。仙台市は「パンダの借り入れ」を中国に打診するなどーー何を考えているんだと思うような有様です。このまま、冬に入れば仮設住宅、被災者の健康問題も大きな問題となります。地場産業の復旧も遅々として進まず、今後の展望が見える、光が見える状況まで行政が政策決定、資金問題での政策決定が必要です。
その意味では、県議選はその良い機会であり、多くの県民が選挙に参加し、意思表示をして欲しいと思います。このような災害に自治体、議員、県がしっかり役割を自覚し、発揮するためにもです。


<河北新聞の報道です。>
宮城県議選、89人が立候補予定 告示まで1週間
 東日本大震災で延期された宮城県議選(11月4日告示、11月13日投票)は告示まで1週間となった。27日現在の集計では、定数59に対し89人が立候補を予定し、前回(2007年)の86人を上回る見通しだ。前哨戦は県土の復興策のほか、民主党政権の震災対応をめぐる論戦となっており、政党対決の様相が強まっている。

 立候補予定者のうち、現職は55人で前回と同数。元議員は4人増の5人、新人は1人減の29人。党派別では民主党が13人、自民党が33人、公明党4人、共産党は7人、社民党は3人を立てている。初参戦のみんなの党は6人。無所属は23人です。
 争点には、村井嘉浩宮城県知事の震災対応や被災地の復興策が浮上している。政党の勢力動向も焦点で、自民党は引き続き過半数維持を狙い、民主党は守勢を強いられている。環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加をめぐる議論も影響を与える可能性がある。
 県議選は4月の統一地方選で行われる予定だった。統一選で同日選だった仙台市議選は8月に終了。単独選挙となったことで投票率の低下が懸念されている。

除染の話

2011年10月28日 11時04分34秒 | 臼蔵の呟き
お早うございます。
仙台は快晴、気温は徐々に上がってきました。少し朝方は寒くなっています。ふくしまの除染の話です。私は07年までふくしまに住んでいましたので友人がいます。友人は除染作業に関与しています。

福島市、伊達市で地域全体の除染作業が開始され始めています。同じ自治体ですが、それぞれの自治体で除染のやり方が異なり、いろいろな問題が出ているようです。自分も除染の必要性を4月初めに関係する人から言われていたので、この除染に関してはある程度知識があります。福島大学での除染シンポジュウムにも参加しました。
それらの知識からいっても高圧洗浄での水での除染は注意が必要です。除染は汚染物質であるセシウムをある場所から、別の場所に移し変える作業であり、やり方によっては自分は助かるが、そのことで他者は線量がもっと高くなる作業でもあります。
その意味でルール、汚染物の保管場所、保管方法、除染の方法がきちんと決められなければならないと思います。専門家の知識が必要です。

これらがなくて焦燥感で闇雲におこなうと被害が拡散する可能性、処理方法が更に難しくなる可能性もあります。

果実が汚染されるしくみ

2011年10月28日 06時10分06秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、放射性物質の作物への移行についての話です。

 放射性物質で大量に土壌にあるのは、放射性のセシウム134と137です。このふたつのセシウムは土壌の場合、表面から10cm位までの所にほどんどが集中しています。果樹では根は深く入っていますので根から吸収されて果実にゆくことはほとんど無いと言われています。果樹の樹皮に付いた放射性セシウムが、樹の中に一部が入り、果実に移動しているとみられることを福島県農業総合センター果樹研究所の佐藤守専門研究員が発表しています。

 放射性セシウムは、雨で樹皮から葉に流れて葉の中に入り、そこから果実に入るルートが考えられると言うのです。この方法では、果実に移行する放射性セシウムの量は少なく、果実の肥大によって濃度は薄められるのでごく微量のみが残ります。りんごの品種「ふじ」では、果実1個中の放射性セシウムの量は5月に2.3ベクレルだったのが、9月には8.6ベクレルに増えています。この間に果実は10gから300gに増えたため、濃度は5月の1キロ当り183ベクレルから9月には33ベクレルに下がり、暫定規制値の500ベクレルを大きく下回っています。

 ぶどうの「あましずく」、梨の「幸水」でも同様の結果が得られています。この研究所では「果実に移行する放射性セシウムの量が、非常に少ない上、果実の肥大で濃度が薄まることがあらためて実証された」と強調しています。

 これから心配なのが、干し柿です。水分が飛んで、重さは8分の1になるそうですから生の柿が1キロ当り63ベクレルを超えていれば、干し柿は500ベクレルを超える可能性があります。福島県では、特産の「あんぽ柿」の製造を自粛するそうです。

 全く違う話ですが、この試験場の報告では、ひまわりを土が1キロ当り1,000ベクレルのところで栽培してもひまわりの種子には3.2~5ベクレル、茎葉には30ベクレル(1きろ当り)しか移行しませんでした。すなわち、ひまわりには放射性物質の除染効果は全く無かったのです。さらに、ひまわりの枯れた茎葉をどうするかと言う問題も解決しなければなりません。

 原発事故は、全くひどいものです。

仙台漫画展で感じたこと

2011年10月27日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
24日ブログで仙台漫画展のことを書きました。この企画は3.11震災後の時期に初めには(当初)計画されていました。震災があり7ヶ月遅れて開催されました。その出品者の何名かの方は現在亡くなっています。その方々が、存命中にこのような企画が考えられ、出品されているようです。

この作品展示で関心したことは、「中国、満州引揚者」である漫画家(当時は10歳前後の少年)が中国のことを怨んでいないことです。これは凄いことだと思いました。終戦と同時に住む家を追われ、中国からの引き上げ船で逃げるように着の身着のまま引き上げてきたわけです。非常に過酷な条件で日本に帰国し、苦労を重ねて漫画家とて成功した方々です。

当時、中国に対して日本が行った行為はほとんど展示、記載されていませんのでわかりません。しかし、出品者である漫画家が語らないくらい日本軍の行為はむごいものだったのだと思います。それに比較したら、「自分たち=漫画家、家族」の関係した中国人、満州の人々は彼ら日本人に「優しく」接したのだと思います。

赤塚さんは相手が中国でなく日本軍、ドイツ軍だったら「皆殺しされた」かもしれないと語っています。(記録で)他国を侵略した日本軍、軍属が満州、中国にしたことを思えば出品者である漫画家がこのように語るのは当然かもしれません。
歴史的事実をめぐって白黒逆転させる動きもありますが、今回の展示会は当事者でもある引揚者の作品、言葉として重いものがありました。また、日中戦争、歴史的事実を受け止め、自らの作品、言葉で語る漫画家に感謝もします。自分も救われるような思いがします。

カツオ・サンマ水揚げと冷凍施設復旧 気仙沼

2011年10月27日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
下記の河北新報記事は気仙沼の秋刀魚、カツオの水揚げ状況です。冷凍設備、関連産業の復旧状況が関係しています。7ヶ月経ちここまで改善され「よくやった」との評価と「まだまだ」との評価が交錯しています。被害の甚大さから言えば、気仙沼港、周辺の産業は本当によくがんばっていると思います。資金問題、地盤かさ上げ、建設制限指定区域問題などがあり、一直線に復旧が進むともならず、難しい側面もあります。3.11被害の甚大さから見たら、よくここまで復旧したというのが思いです。みなと周辺は地盤沈下で海水がつき、移動も困難な場所がたくさんあります。


<以下が河北記事です。>
カツオ・サンマの水揚げ低迷 冷凍施設復旧遅れ響く 気仙沼
 気仙沼港(宮城県気仙沼市)のカツオ、サンマの水揚げが低下しています。今月(この時期が最盛期)前半の水揚げ量はカツオが昨年に比べ約6割、サンマは約4割になっています。下水道などの復旧が遅れ、津波被害を受けた冷凍加工施設の業務再開が進んでいないためで、品薄感から地元スーパーの鮮魚コーナーに並ぶ魚の価格も高騰気味で、市民の食卓にも影響が出ています。

 昨年まで14年連続でカツオ水揚げ日本一を誇った気仙沼港。宮崎、三重のカツオ一本釣り船から脂の乗ったカツオがベルトコンベヤーで運ばれています。
 21日早朝、一番乗りした「光栄丸」(三重県)の橋本康一漁労長は「市場の設備はほぼ震災前の状態だ。半年でよくここまで来た」と目を見張った。しかし、気仙沼漁協によると、10月前半(1~14日)の水揚げ量は、カツオが1931トンで前年同期の約6割、サンマが1224トンで約4割となっています。震災前に100社以上あった加工会社の冷凍加工施設の再稼働が遅れ、受け入れ態勢が整っていません。特に7割以上が冷凍に回るサンマは影響が大きく出ています。
 
加工施設が多く立地する臨港地域は下水道などのインフラが復旧していない上、被災した土地の買い上げ方針が示されないこともあって、加工会社が再建に踏み出せないでいます。
 加工業者は「自力で仮工場を再建しても、土地のかさ上げが必要になれば、結局移転せざるを得なくなる」と不満げ。水産物仲卸会社社長は「国の支援も漁業者に比べ、冷凍加工業者の再建には手薄だ」と訴える。
気仙沼漁協は11月にも、60トンの凍結能力と3000トンの保管能力を持つ市内の冷凍施設を再建する。稼働すれば、港の受け入れ態勢は大幅に改善する。同漁協の熊谷浩幸・魚市場部長は「ことしは気仙沼に水揚げしてくれた漁船も、施設の復旧が遅れれば別の港に移るかもしれない。早く元に近い状態に戻し、水揚げを回復させたい」と話している。