望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

カルスト林檎

2021-01-28 19:27:28 | 高純度結晶

カルスト林檎

カルスト岩石は飛び石
無造作な美観は草草の人
無音で足早やに一心
石つぶてを拒絶 傷に嫌悪
傷を我が物として広々

美的希少はカルスト林檎
硝子坂に歪さ投げ掛けて
草の臭いを香水カモフラージュ
破片を突き刺す優越酔狂
我が生々しさへ陶酔

赤く熟すカルスト林檎
食べられた感触を覚えず
ポッんと折れたカルスト
岩石の臭いに心より萎びる
我が渋すぎる食味

カルストに腐りかけて
雨にたたき出される
林檎処女の香り