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法輪寺をあとにし、約4.4kmまた山側に上って切幡寺へと向かいました。今回も、旧遍路道を道しるべに従って歩きます。
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キロ数が書いてある道しるべがうれしい。 小豆洗大師。由来は分からない・・・
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これがお接待。地元の方がお遍路さんにお茶などのお接待をしてくれます。お接待をすることで功徳を積むらしいです。ここはご自由にどうぞ、書いてありました。お遍路さんはお礼に納札を置いてくるのが礼儀だそうです。
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石門をくぐると坂道が続き、両脇には旅館や、巡礼用品屋さん、掛け軸の表装屋さんなどが軒を連ねていました。表装屋さんが、「荷物を置いて行きなさい」と声をかけてくれたのですが、軽かったし、あとちょっとだと思ったので丁重にお断りしました。でも、この意味があとで分かりました・・・・
ペンキで描かれた道しるべも時々見かけます。
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やっと、山門だ!と着いたと思ったら、階段と「是より三三三段」の文字が・・・ここでちょっと休憩と小川を見ると、水が白く濁っていました。想像ですが、近くに温泉があるので、何か混じっているのかな、と思いました。
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ここまで来るのに疲れてしまっているので、なかなか足が進まない中、やっとの思いで、階段を上り右を見ると、次の階段と「是より二三四段」の文字。思わず休憩!とぜいぜいしていると、下から同じように、ぜいぜいしながら若者が上がって来ました。続きの階段を見て若者も苦笑していました。
階段を上りきって、左にのびる階段をもう一回上って、やっと本堂が見えました。
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そこは、山の涼しい風が吹き、静かな雰囲気のお寺でした。
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大塔 吉野川が横たわる眺望
お参りを終えて、元気が戻ったところで本堂左手の階段を上ると、大塔と吉野川が横たわる眺望が開けていました。そこに座って、見事な大塔を眺めていると静かな気持ちになっていきます。
この大塔は豊臣秀頼が大阪住吉大社神宮寺に建立したものを明治6年にここに移したものだそうで
、特徴は五間四面にして初重と二重との間が方形をなす大塔で、国唯一のものだそうです。珍しいものなんですね。
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時間も17時近くになり、切幡寺を後にして藤井寺の方向へ向かいました。藤井寺までは約11.8キロ。今日は吉野川を越えて途中の阿波川島駅まで歩くことにしました。
石門まで降りたところで、巡礼用品屋さんによって丸い菅笠を買いました。帽子では蒸れて暑く、竹が涼しそうだったのと、ビニールのカバー付きなのでちょっとした雨も凌げると思い買ったのですが、いよいよお遍路姿になりました。
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新しいタイプの道しるべ 大野島潜水橋
旧遍路道の道しるべに沿って歩いていると、先に行った若者が道の脇に座って休んでいました。荷物の重さと、足の豆にかなり辛そうに見えました。大阪からやってきて今日で二日目という、若者も今日は藤井寺まで行かず、途中の旅館に泊まるということだったので、そこまでお遍路の道連れとなりました。
吉野川に架かる、増水時に水中に沈む橋、大野島潜水橋を渡りました。車1台がやっと通れる道幅で、水面がすぐ下に見えて涼しげです。吉野川にしては意外に短いな・・・と思いつつ渡りきって林を抜けると、畑が広がっていて果てしなく道が続いて居ました。
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川島潜水橋 吉野川横のお遍路休憩所
延々と続く道に全員次第に無口になりました。若者もかなりきつそうです。あの林を抜けると何かありそう!と元気づけてそこまで行くと、又潜水橋が!今まで歩いていたのは、吉野川の大きな中州だったのです。確かにあんなに橋が短い訳ないか・・・と納得してしまいました。
川を渡って護岸を上がったところでお遍路さんの休憩所がありました。ちょうど休みたくなるいい場所ですね。
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藤井寺まであとちょっとと確認しつつ、今日は阿波川島駅で打ち止めとなりました。若者に気をつけてと別れを告げ、帰途につきました。
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