仕事も休みの昨日、山形県酒田市にあります『土門拳記念館』に行って来ました。
年に数回、ふと気付いた時に訪れています。
今回の展示作品は、「古寺巡礼-仏像-」 「東大寺-お水取り-」
「土門拳が好きだった人びと」 でありました。
土門拳さんの仏像に対する思い入れは、想像を絶するほど極めて深く、
そして仏像は土門さんにとって恋人であるとの事でありました。
日本の仏像という仏像を撮り尽くす事で、日本人の姿、日本人の心が、
分かるかも知れないという土門さんのその想いと行動力の結果を、
巨大な仏像の写真という形を持って、今、生々しく拝見出来ているという事に
まず感動を覚えました。
仏像の表情には一つとして同じものはなく、彫られる姿形からも、
人間の魂すら感じさせます。
自身が感じるその押し迫ってくるような感覚というのは、
その「魂」が影響しているのではないかと考えてしましました。
そして「写真は肉眼を超える」という土門さんの言葉がとても印象に残りました。
また、「土門拳が好きだった人びと」の作品が展示されている部屋からは、
勅使河原宏 作 の庭園「流れ」を眺める事が出来、この作者は、
土門さんと交流のあった勅使河原蒼風さんの息子さんという事でありました。
僕が言うのもおこがましいのですが、土門さんの作品を見た後、
この「流れ」という庭園を眺めると、自身の中の感情がプラスマイナス0(ゼロ)に
なるような感覚になるのです。
一種独特の緊張感のある写真作品と、その精神の解放口ともとれる「流れ」という庭園は、
実に絶妙なバランスとなっていて、
作品とギャラリーとが見事なまでに調和している感覚さえ覚えました。
いや、僕の勝手な解釈かも知れませんが、
展示されていた土門さんの直筆の色紙に「優しさ、逞しさ」とあったように、
まさにこの言葉の通りの記念館だと感じました。
約2時間その空間を堪能し、写真集を購入して帰宅した次第です。
土門拳記念館。 頭が痛くなるくらいの強烈さで迫つてくるので、あの庭園は無くてはならない存在ですね。
いつもありがとうございます。
平日という事もあってか、入館時の館内には
業者さんや受付事務の方を除いて、
僕一人という状況でした。
それゆえ、庭園の見える窓辺の椅子に腰掛け、
館内で買った写真集を見たりしながら、
非常に静かな時を過ごしました。
今年は土門拳生誕100周年という事で、
様々な企画展があるようです。
その時にでもまた訪れてみようと思います!