
「何か調子悪い。」と修理依頼を頂きました。
ジャノメ エクセル18DX 1987年5月発売のミシンです。
客先で縫えるようには成りましたが返し縫の反応が良く無いので分解掃除をお勧めしてお預かりしました。
大体のお客様は「まっすぐ縫えれば良いから~」とおっしゃいます。
直線縫いと返し縫はすぐに普通に動くように成りましたが、お預かりしてお代を頂くのに、ましてやミシン屋のプライドとしてそれだけで終わりに出来ません。
各部点検するとジグザグ縫いも模様縫いも直線縫い以外は何も出来ません。
お客様は買ってから本当に直線縫いしか使っていなかったってのわかります。
お客様は直線しか縫わなくても、ジグザグも模様縫いも出来る様にしなくっちゃね。
・・・そう思いましたが中々大変でした。

ジグザグ縫いの機構がずっと動かしていないのでがっちりと固まっています。
潤滑剤をスプレーしながら手で動かしますが、中々緩みません。

製造時に使われたグリスが乾燥してガッチリ、ネバ~~~ッと固まっています。
洗浄剤吹き付けても落ち無いし、手が攣るほど動かしても軽く動く様に成りません。
どうしたもんじゃろの~?
と、思ってた時に隣県の仕事仲間から聞いたロックミシンが固まって動かない時の対処方法を思い出しました。
結構な荒業ですので素人の方はやっちゃいけません。
どうやるかというと、固まっている所に80℃くらいのお湯をかけて固まったグリスを溶かして流します。
電装部品にお湯かけたら直る物も直ら無くなりますが、これは手元スイッチも無いタイプでしたのでこの荒業使えました。
お湯かけてエアーで水分飛ばしてしばらく乾かして、注油し直して・・・

ジグザグも模様縫いも綺麗に出来る様に成りました。
潤滑剤で落としても翌日にはまた固まってるって事有りましたけど、今回は翌日も軽く動いておりました。
あんまり使いたくない荒業ですが、中々効果的な方法です(笑)