行きつけの書店に平積みされて、山形県出身作家さんの作品と紹介されてて気に成ってました。
読んでみたらこれがなかなか面白い。
どこか筒井康隆の時をかける少女とか、眉村卓のねらわれた学園の様な感じがします。
高校生の上原菜月はタイムリーパー
と、言っても超能力が有って「タイムリープ!」と叫んで時を駆ける訳じゃない(笑)
菜月が初めてタイムリープしたのは7歳の時。
彼女の目の前でひったくり事件が起きて、突き飛ばされた老人が頭を打って死んでしまう。
怖くて泣き叫んで母に助けを乞うた瞬間に時間が巻き戻った。
タイムリープが始まると1時間巻き戻されて、菜月の行動によって少しずつ結果が変わっていくのが解る。
タイムリープは5回繰り返されて、最後の5回目が決定事項となって元の時間の流れがまた始まる。
初めてのタイムリープは菜月の行動で事件は起こらず、老人も死ぬことは無く成ったけど、菜月は酷いウソをつく困った子供のレッテルを貼られてしまう・・・
物語のメインとなる高校の文化祭で菜月は3度目のタイムリープに巻き込まれ、クラスメイトの転落死が起こってしまう。
7歳の時のトラウマで他人に心を開けなかった菜月だが、クラスメイトの死を回避するために駆け回る。
そしてその結末は・・・
いや、面白かった。
読み終えてすぐにまた1ページ目から読み返そうかと思いました。
7歳の時におばあちゃんに言われた「どうせ、なんて云っちゃ駄目!」「どうせ、って云ったらそこでおしまい。」って言葉がなんか心にしみましたし、物語途中でケンカしちゃった友達が最後は・・・
こんな面白い小説を書く作家さんが山形に居たなんて!
いや、他にも沢山、小川糸さんとか深水黎一郎さんとか『教場』の長岡弘樹さんとか柚月裕子さんとかいっぱいいらっしゃいますが(;^_^A
もう一回読み返そうかと思ったけど、彩坂さんの他の作品も読みたくなって書店に走りました。
取り敢えず、サクラオトを今読んでおります。