9月8日(日)
朝から台風の接近を知らせるニュースが流れておりました。
外に出ると、何となく、生温かな風がそよそよと吹いており、台風の来襲を予感させます。そんなニュースを聴きながら、信州の友人が釜を懸けるということですので行って来ました。
床の間
私も随分あちこちの茶席に伺いましたが、今日の床の間の設えは初めてです。
席入りをして、どなたもがちょっとびっくりしたと思います。
花
大きな朱の鉢に水を張って・・・と、誰もが思っておりましたが、席中で話を伺うにしたがって、水では無く、お酒だったのです。
大きな朱の鉢になみなみと注がれたお酒に真っ白な菊花が浮かんでおりました。
お酒とは分からなくても、この設えを見れば「今日の趣向は重陽の節句」ということがどなたでも分かります。
このお茶会が終わりましたら、「みんなで飲もうと思っております」と席主はニコニコしておりました。
香合
これも有名な「十牛図」の中の6番目、「騎牛帰家」です。
月を見ながら牧童が笛を吹いている穏やかな情景です。
心の平安を得られれば、牛飼いと牛は一体となり、牛を御する必要はない・・・こんな意味だそうです。
軸
最後になってしまいましたが、軸のことも触れたいと思います。
黄梅院の住持大網和尚の揮毫された珍しい軸です。
大網和尚は、江戸時代のお方でお茶をよくされて、書も多く残されておりますが、一行物といわれる軸は珍しいと思っております。
「愛茶不嫌酒」―茶を愛し酒も嫌わずーだそうで、なんだか嬉しくなってしまいました。
お菓子は「着せ綿」で、練りきりの美味しいお菓子でした。
話も弾み楽しいお茶席でした。
写真は、席主の許可は頂いております。