因幡の白兎の昔話を思いだしました。

わにざめを騙した報いで毛をむしりとられて赤裸にされたウサギが泣いていると、意地悪の大国主命の兄たちが通りかかり「海の水をあびて岡の上で陽に乾かすとすぐ治るよ」と教えました。ウサギがそうすると海水の塩で肌は赤くただれその痛みでまた泣いていました。そこに兄たちの荷物の入った大きな袋をかついだ大国主命が通りかかり「綺麗な泉の川で体を洗い川辺のがまの穂をほぐして敷いて転がりなさい、綺麗に治るから」と教えました。
すっかり元通りになった白ウサギは美しい姫君のところに走っていって大国主命の優しさを話し二人の仲を取り持ち、姫君は大国主命の妻になりました。というようなお話ですよね。
私の子どもの頃といえば80数年の昔です。電灯などありませんからランプの明かりの下の囲炉裏端で兄弟でなんども同じ昔話を祖父にせがんで聞きました。もちろんテレビもラジオも綺麗な絵本もない貧しい私の家でした。私の祖父はとても昔話が上手な人で集落の小学校の冬期分教場の学芸会ではみんなに昔話をして聞かせていました。祖父の昔話は冬期分教場の学芸会の華で子どもも親たちもみんな楽しみにしていたんですよ。