
川辺に沿った道の遠くに下新田の集落が小さく見えています。この道は遠い昔愛犬マルとの懐かしい散歩道だったんです。この道の入り口まで自転車や車で来てここからはリードフリーでマルとの散歩を楽しんだのです。夏の朝など人通りなどまったくありませんでしたから・・
マルは12歳の若さで逝ってしまいました。病を得て4日ほどは昼は愛犬クリニックに入院して治療してもらい夜は自宅に帰って私と一緒に床を並べて寝ておりました。5日目の夜マルはトイレに行くといって外の8m四方ほどの自分のサークルに出て行って帰って来ませんでした。一緒に寝ていた茶の間の外にマルのサークルがあったのです。
懐中電灯で出てみるとマルは一番好きだったイヌツゲの木の下で眠るように安らかに死んでいました。私はそのイヌツゲの木の下にマルを葬ってささやかなお墓を作りました。お墓には今も綺麗な花が咲いて茶の間からまっすぐに見え、毎朝家内はマルの写真の前に線香をあげて手を合わせています。
私はマルが亡くなってからしばらくの間、マルと歩っていたこの道を大きな声でマルの名を呼びながらて独りで散歩したんです。涙が流れました10数年昔の遠い日の思い出です。